中国の専門家、F-35を語る その2

 その2と言ってもこの前紹介した記事とは直接の関係はなく、重複部分もほとんどないです。

http://military.china.com/news/568/20141219/19126076.html


殲ー31は本当にF-35をやっつけられるのか? 「肥電」は絶対に善人ではなく戦力は猛烈 (頑住吉注:「善人」はくみしやすいみたいな意味の比喩なんでしょう)

中新ネットの報道によれば、アメリカ海軍初のF-35C「閃電II」(頑住吉注:ライトニングですが文中で「肥電」とかもじった言葉が出てきて意味不明になるんで今回はこの表記です)艦載機中隊である、フロリダ州エグリン基地に駐屯するVFA-101「Grim Reapers」中隊は、11月を通じF-35Cを操縦して1,000飛行時間超を完成させた。

この前の1ヶ月前にもならない初の艦載テストの中で、F-35Cは太平洋上の「ニミッツ」号空母上で昼間および夜間カタパルト発進、制動着艦を相次いで完成させた。アメリカ海軍スポークスマンは、「魔法のじゅうたん」(頑住吉注:検索しましたが英語名称分かりませんでした。「magic tapestry」ではないようです)飛行コントロールシステムの助けを借り、F-35Cは自動に近い形で空母上に降着し、「その姿はその他の艦載機に比べより優雅だった。」と語った。

見たところ、F-35Cというこの全世界で初の通常発着する艦載第5世代戦闘機は、2018年末の初歩的戦闘力形成という目標に向け前進しつつある。

だがさらに素晴らしいのは、最近中航工業取締役会長の林左鳴が中央テレビで次のように豪語したことである。「殲ー31が飛ぶ時はきっとF-35をやっつけることができる。」 殲ー31「鶻鷹」はまさにF-35C同様未来の中国空母の艦載機になると広く考えられている。

ステルス有人機の空母の飛行甲板上への出現は、情報化された3D戦場を果てしない海空に向け延伸させることになる。F-35Cの作用、地位、脅威をいかに評価するか、銭報シンクタンクの専門家である徐勇凌空軍大佐などの専門家は銭報のインタビューを受けた。

進行は不順:設計の欠陥がフックを制動ケーブルに引っ掛けられない結果をもたらす

F-35三兄弟の中で、空軍のA型は相対的に最も簡単である。B型は短距離離陸垂直降着を必要とするがゆえに技術的難度が最大だが、海兵隊の需要が最も切迫しており、このためそれでもまだ順調である。最も困難と評価する必要があるのは艦載のC型である。前には頑丈で良くメンテナンスされたF/A-18E/F「スーパーホーネット」がおり、後ろにはSF味充分なX-47Bステルス無人機がおり、海軍は「閃電II」に対しいささか注意力散漫で、2010年6月の初飛行以後は一路よろよろ歩きで、一度は議会がC型を切り捨てるかもしれないと伝えられた。

これまで、F-35C最大の面倒事は尾部ノズル下方のかの着艦フックから生じている。レイクハースト海軍航空基地での試験時、F-35Cが行った8回のフック引っ掛けの企図は全部失敗した。

実は、この機に1台しかないエンジンは機体中心軸線上にあり、尾部フックと機体の連結ポイントを非常に前寄りにすることが迫られ、ほとんどメインの脚と横一列になっている。メインの脚は着艦の瞬間制動ケーブルを圧し、尾部フックが制動ケーブルに触れる時、制動ケーブルはまだ元の位置に復帰しておらず、高度が尾部フックに引っ掛かるには不足である。加えて尾部フックの形状が不合理で、減衰が不足していることは尾部フックを甲板にぶつかってすぐ跳ね上がらせ、フックへの引っ掛けの連続的な失敗をもたらした。

尾部フックの設計を改修した後、F-35Cはまた尾部フックの強度不足問題に遭遇し、設計のやり直しを経て解決することができた。このことはこの機初の空母着艦を1年遅延もさせたし、コストもある程度増加した。

いいお値段:大型燃料タンクと長い航続距離が強大な戦術の弾性をもたらす

一対のことのほか幅広く大きい羽根を持つF-35Cの造形には大変に気勢がある。このタイプは「閃電II」三兄弟の中で最も全長が長く、最も重く、内部燃料が最多で、航続距離が最長の1人で、最も高価でもある。単価は1.6億アメリカドルで、軽護衛艦1隻に相当する!

F-35Cの全幅はA型に比べ22%増加し、翼面積が45%増えているため、主翼内により大きな燃料タンクを取り付けることができ、加えて全身上下各所にほんの小さなスペースでも利用するとばかりに燃料タンクを「詰め込み」、この全長が16mに満たない「小さな」飛行機の体内には何と8.9トンの燃料が装備でき、A型の8.3トンおよびB型の6.1トンを超え、殲ー15(全長21m)の9.6トンに近づいている。

中航工業沈陽所の技術者張勇はかつて「中国航空報」に文章を執筆して、F-35Cの内部燃料による航続距離は現役で最も先進的な艦載機である「スーパーホーネット」の2倍である、と明らかにした。

非常に大きな作戦半径はF-35Cに強大な戦術の弾性を賦与する。新世紀のアメリカ海軍の「海から陸へ」の戦略構造の中で、このステルス艦載機は遠距離打撃を行い、あるいは戦闘区域上空を徘徊して情報プラットフォームに充当され、また防空パトロール時非常に長い滞空時間を持つことができる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

「高い危険度の環境下では、F-35Cはステルス状態をもって敵防衛区域に深く入って作戦行動できる。低い脅威に直面する時、この機はまたステルスを放棄し、大量の武器を外部搭載して攻撃効率を高めることができる。」と張勇は説明する。

ひどく太る:完全武装で飛んでもF-16よりもさらに敏捷

F-35は極度に太り過ぎで動きが鈍いがゆえに広く非難され、国内軍事マニアはふざけてこの機を「肥電」、「球電」と呼び、最高速度がやっとマッハ1.6で、機動性は第4世代機の中の強者、例えばスホーイー27、F-16にも及ばず、しかも抵抗がより大きいF-35Cはさらに見込みがない、と考えている。

だが軍事科学普及作家の張明の眼中では、この惷萌(頑住吉注:天然ボケで萌え、みたいなスラングらしいです)に見える戦闘機の機動能力は絶対に善人ではない。「F-35Cの主翼面積は大きく、翼面荷重は小さく、必然的に出色の亜音速安定旋回能力を持ち、中、低空性能が出色で、海上作戦の要求に非常に適合する。」 張明は分析し、次のように考える。現役のF-16およびF/A-18Cは外部吊り下げ搭載がない状況下では敏捷性がF-35Cより強いが、ひとたびサブタンクや空対空ミサイル、制御誘導爆弾を搭載すれば、それらの性能は深刻に低下し、何故ならこれらは全て外部に吊り下げ搭載され、抵抗を大いに増加させるからであるが、F-35Cは同様に多くの武器や燃料を腹の中に隠すことができ、外表面は不変である。こうなってしまえば、標準作戦搭載荷の下でのF-35Cの機動性は逆にF-16およびF/A-18Cよりも強い。

張勇は、F-35Cの機載電子戦システムの総合化レベルは全世界最高であると考える。「電子戦システムとAPG-81アクティブフェイズドアレイレーダー、光電子分布式開口システム(EODAS)センサーは互いに連絡し、各センサーが探知計測した脅威ある目標を自動的に対比し、最も良い結果を飛行員に表示し、非常に大きく飛行員の決策時間を短縮している。」

F-35Cはデータリンクを通じてその他の作戦プラットフォームと連合作戦が実施できる。「例えば米軍が発表している『海空一体戦』模式は、F-35Cが戦闘区域に深く入り、その先進的な探知計測能力をもって戦術情報を獲得し、『ホーネット』が遠距離で各種ミサイルを発射し、『Aが発射しBが誘導する』の方式を採用して、F-35CあるいはE-2D早期警戒機によって直接ミサイルを誘導して攻撃するというものである。」 このため張勇は、「アメリカ海軍航空隊が『ステルス時代』に入ることは、その海上からの攻撃発動がよりすさまじいものになることを意味している」、とする。


 殲ー31との比較がなかったのが残念ですが、まああれはまだ詳細が分からないですからね。着艦フックの問題は解決されたようですし、それ以外の点についてはおおむね高い評価で、殲ー31にとって手ごわい相手だと考えているようです。


























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