対艦用に使えるその他の用途のミサイルとは

 「艦対空ミサイルで対艦攻撃?」という記事を紹介しましたが、似たテーマです。

http://military.china.com/news/568/20160328/22319693.html


S-300FMの他、中国海軍にはまだ1つ対艦を兼職できるミサイルがある

1940年代の対艦ミサイル発明以来、近代化された海戦における対艦攻撃はすでに対艦ミサイルによって主に行われ、統計によれば全世界の海軍は全部で6万発の各機種の対艦ミサイルを装備しており、1回で一斉射撃すれば地球上のあらゆる水上艦艇を何度も爆沈させるに足りる。

中国海軍も全く立ち後れてはおらず、現役として上遊-2固体二次降高ミサイル(頑住吉注:意味不明ですし検索してもほとんどヒットしません)、鷹撃-62遠距離地対艦ミサイル、鷹撃-83系列の空対艦ミサイル、鷹撃-82潜水艦発射対艦ミサイル、鷹撃-18汎用ダブル速度対艦ミサイル、鷹撃-12超音速空対艦ミサイル、鷹撃-9小型空対艦ミサイル、およびロシア製KH-59、潜水艦発射のクラブなど十何種類かの対艦ミサイルを装備しており、技術水準は世界のトップクラスに到達している。このようだとしても、中国海軍はまだ満足せず、現有のミサイル武器の中には、さらに何種かの平行して対艦任務を執行できるミサイルがある。例えば艦対空ミサイルや対潜ミサイルである。

人々は皆知っているが、艦対空ミサイルは艦載の対空ミサイルであり、主要な任務は飛行機を打撃するのに用いることである。だが某いくつかの艦対空ミサイルは軍艦を打撃する任務をも執行できる。3月24日の「解放軍報」の文章によれば、海軍北海艦隊の051C型ミサイル駆逐艦である沈陽艦は2015年の実弾演習の中で、初めてロシア製S-300FM艦対空ミサイルシステムを使用して水上目標を打撃した。沈陽艦は国産051C型ミサイル駆逐艦の第1号艦で、艦ナンバーは115、2006年に北海艦隊に加入し就役した。このクラスの艦は2隻しか建造されず、もう1隻は石家庄号、艦ナンバー116である。排水量6,500トンの沈陽艦は中国初の大型区域防空駆逐艦で、艦上には1セットのロシアから導入したS-300FM型遠距離艦対空ミサイルシステムが装備され、6基8ユニットの垂直発射装置からなり、弾薬は48発である。艦上に配備された48N6対空ミサイルは、最大射程150km、全長7.5m、本体直径500mm、全体重量1,800kg、破片殺傷戦闘部の重量は150kg、セミアクティブTVM制御誘導態勢を使用する。

「現代の対艦ミサイルは全て半徹甲型戦闘部を使用しており、軍艦への命中時、艦体に食い入ってから爆発でき、軍艦に対し比較的大きな傷害をもたらすことができる。一方S-300艦対空ミサイルはハイエクスプローシブ破片型戦闘部を使用し、爆轟と破片で目標を殺傷し、敵艦を撃破するには不足であり、増してや敵艦の撃沈は言うまでもない」と考える人がいる。実はそうではない。S-300ミサイルの戦闘部は比較的重く、およそ鷹撃-83対艦ミサイルの165kgの戦闘部の重量に相当し、かつ装薬はより多い。フランスのエクゾセミサイルは半徹甲/空中爆発両用戦闘部を使用し、非触発の近接爆発形式をもって敵艦の外部低空で爆発することができる。S-300ミサイルは無線電子距離測定信管を採用し、軍艦の甲板の上で空中爆発し、同様に敵艦に比較的大きな損害をもたらすことができる。

沈陽艦が搭載するS-300艦対空ミサイルはセミアクティブTVM制御誘導体制を採用し、比較的高級なセミアクティブレーダー制御誘導模式に属し、ミサイル発射後、艦載アクティブフェイズドアレイレーダーによって目標を照射し、ミサイル上の無線電子方向測定装置によって目標のレーダー反射信号をキャッチし、さらに測定して得られた目標のドップラー信号を軍艦上の艦載指揮装置に送り返し、計算を経て制御誘導指令を形成し、さらにミサイルに送り返し、それに対する制御誘導を行う(頑住吉注:これだけ複雑な過程だと妨害も受けやすそうですね)。この種の制御誘導体制は艦載レーダーが直接目標を照射することを必要とし、地球の曲面の制限を受け、艦載レーダーが敵艦を照射する直線距離は35km以内である。このため沈陽艦が今回艦対空ミサイルを使用して軍艦を打撃した有効距離は35kmを超えないはずである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「海軍の116艦が配備するS-300FM型遠距離艦対空ミサイルシステム」です。)

ならば、中国海軍はまだより遠距離で軍艦を打撃できる対空ミサイルを持っていないのだろうか。いや当然ある。海軍の052C/D駆逐艦に装備される海紅旗-9型遠距離艦対空ミサイルも軍艦を打撃できる。海紅旗-9ミサイルはアクティブレーダー制御誘導体制を採用しているので、ミサイル発射後、自身のレーダーに頼って目標を発見かつロックオンし、自動追跡し、艦載レーダーの照射を必要としない。このため視距離外の軍艦目標が打撃できる(頑住吉注:ただミサイルに搭載できるサイズのレーダーでは能力が限られるはずです)。アクティブレーダー誘導弾頭に雑電波に抗する技術を導入しており、最低射撃高度25mが実現でき、重量180kgに達する破片式戦闘部に頼り、200kmにも達する最大射程の助けを借りて、150km以内の敵艦を有効に打撃することが完全にできる。紅旗-9ミサイルの飛行速度はマッハ4.2で、もしエンジンが燃焼し尽くしエンジン停止した無動力状態でも、急降下弾道を使用して敵艦を攻撃する速度はマッハ3以上だろうことを知る必要がある。このためこの遠距離「対艦ミサイル」は実際上迎撃できないのである。

中国海軍の第2種目の軍艦を打撃できる(頑住吉注:対艦ミサイルでない)ミサイルは、054A護衛艦と052D駆逐艦に配備される魚-8型ロケットブースト飛行対潜魚雷である。この武器は飛行の中間段階でデータリンクによって弾道を修正でき、末端では魚-7型自動誘導魚雷を戦闘部として使用するため、完全にミサイルの一切の特性に符合し、このため人々は「対潜ミサイル」とも呼ぶ。本号は3月21日「就役10年で依然高度に秘密保持:ニュース、中国海軍の神秘のミサイルを突然に明るみに」との一文の中で、魚-8対潜ミサイルに対し特定テーマで紹介したことがある。このミサイルは中国が研究開発に成功した新世代の垂直発射ロケットブースト飛行対潜魚雷で、2006年に初めて054A型ミサイル護衛艦の第1号艦530号徐州艦に装備された。魚-8対潜ミサイルは外形がアメリカのアスロック対潜ブーストロケットに似ており、射程は50km以上、紅旗-16型艦対空ミサイルシステムの垂直発射装置と共通架台とすることができ、かつ紅旗-16ミサイルの発射コントロールシステムと互換性があり共用でき、多目標攻撃能力を持つ。

魚-8対潜ミサイルの戦闘部は改良型魚-7甲対潜魚雷で、この魚雷は全長2.86m、全体重量230kg、最大航行速度45ノット以上、最大射程14km、典型的条件下での目標に対するキャッチ確率は90%、ハイエクスプローシブ戦闘部の重量は45kgである。魚-7魚雷の誘導システムはアクティブ・パッシブ連合音響自動誘導体制で、性能は先進的、極めて敏感で信頼性が高く、最大対潜深度は400m、深いところでも浅いところでも使用でき、最小対潜深度はたった6mのため、魚-7はさらに水上艦艇を攻撃する能力を持つ。魚-8対潜ミサイルを搭載し、敵艦からの距離2km前後で海に入ることができれば、もし敵艦が30ノットに達する高速で逃げても、魚-7の最大45ノットの速度をもってすれば、5分間の追跡を経て、もう敵艦が4.2海里高速航行した後で敵艦に命中でき、45kgの戦闘部が水中で爆発し、あらゆるエネルギーが水を通じて全部軍艦に作用し、3,000トンの戦闘艦を真っ二つに爆破することが完全にできる。

もし継続して掘り起こせば、中国海軍の対艦任務が執行できる(頑住吉注:対艦ミサイルでない)ミサイルはまだたくさんある。例えば中国海軍のロシア製スホーイー30MKK戦闘機が配備するKH-31対輻射ミサイルやKH-59テレビ制御誘導空対地ミサイルは、いずれもレーダー末端制御誘導の対艦型を持つ。海軍と空軍の轟ー6爆撃機が搭載する鷹撃-63テレビ制御誘導空対地ミサイル、飛豹戦闘機が搭載する鷹撃-88空対地ミサイルというこの2種の空対地ミサイルはいずれも水上艦艇を打撃する能力を持ち、実戦機によってデータリンクを通じてミサイルの飛行する方向をコントロールし、あるいはミサイルの光学制御誘導システムによって目標をキャッチかつロックオンし、しかる後に敵艦を自主攻撃できる。

まとめると、物事に執着する中国海軍は、対艦ミサイルを持つ他、さらに対潜ミサイルをもって偽装した、対空ミサイルをもって偽装した、空対地ミサイルをもって偽装した、および弾道ミサイルをもって偽装した各種の「対艦ミサイル」を持っており、(頑住吉注:最後突然砕けた話し言葉になっておりはっきり意味が分かりませんが、アメリカが中国の海域に入って武力をひけらかしたら痛い目を見る、というようなことが言いたいようです)


 ただまあ対艦用に対艦ミサイル以外のものを持ちださざるを得なくなった状態というのはたぶん中国軍に不利な状況でしょうね。
















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