中国の航空エンジンの現状

 周知のようにボトルネックなわけですが、いろいろな方法で克服を図っているようです。

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中国航空業の「心臓病」 毎年エンジンの輸入に数百億が費やされる

国産大型旅客機同様、民間機用エンジンの研究開発はずっと中国航空業の心臓病である。毎年中国のエアバスおよびボーイング社から導入した商用機には、全てより多くの数の飛行機の「心臓」としてのエンジンの装備が必要で、これらのエンジンは基本的に世界三大エンジン供給商であるゼネラルエレクトリック、ロールスロイス、プラット&ホイットニーによって供給される。

興業証券取引所が行った予測によれば、今後10年、中国の軍、民間用航空機エンジンの年平均市場規模は1,100億人民元を超え、このうち800億余りが民間用市場、300億余りが軍用市場である。

現在、中国の軍用機はすでに国産エンジンを配備しているが、国産旅客機である新舟60、ARJ21は依然国外のエンジンを使用する必要がある。この百億元以上の市場のパイを争奪するため、国産エンジンの研究開発と投資も、国産大型旅客機の始動と共に日程に上がっている。

三大寡占企業、中国の「金を吸い取る」

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:中国国産高バイパス比ターボファンエンジンが珠海航空展でデビュー。大型旅客機への配備が可能」)

「エンジンは飛行機の研究開発の中で技術的難度が最も高い部分と言うことができ、その価値も当然高く、一般にエンジンの価格は機のコストの25〜30%を占め得る。」 かつて多くの国産機の研究開発に参加したことのある専門家周済生は昨日本報記者に、現在商用機のエンジンの製造は主にゼネラルエレクトリック、ロールスロイス、プラット&ホイットニーの三大エンジンメーカーの寡占状態である、と教えた。

周済生は次のように指摘する。我が国の軍用機はすでに国産の軍用エンジンを配備できるが、国外のエンジンと比べると隔たりは依然比較的大きく、「隔たりは多方面であり、これには工程、冶金、設計、製造などが含まれ」、しかも軍用エンジンに比べ、民間用エンジンは安全性、信頼性、経済性などの方面の要求がより高くなり、加工、製造もより複雑になる。

「民間用飛行機のエンジンの研究開発の難度は非常に高く、研究開発時間は長く、研究開発から生産まで15年を必要とする。」 中航工業社長譚瑞松もかつて、先進国の大多数は国外向けに航空エンジンの核心技術を移転することを厳禁しており、甚だしきに至っては西側諸国間でも例外ではない、と本報記者に教えた。

技術的ハードルが高いことは、三大エンジンメーカーに毎年高額の市場での見返りを享受させてもいる。しかも中国はさらにその重点的「金吸い取り」の市場である。中国商業飛行機社の最新の予測によれば、今後20年で、中国市場は50席以上の旅客機5,357機を引き取り、それぞれの旅客機には2台あるいは4台のエンジンが装備される。

だが、中国の民間用エンジンの研究開発が「動力不足」であることにはもう1つ原因があり、それは重視の程度と投資の不足である、と指摘する業界関係者もいる。例えばアメリカは過去50年中、航空エンジン領域への累計の投資が1,000億アメリカドルに達している。一方中国の累計の投資総額はまだアメリカの単一企業の投資レベルにも達していない。

「以前我々の民間旅客機は全て国外からの輸入に頼っていた。民間用エンジンはさらに言うまでもない。国内製品の市場の牽引がないため、民間用エンジンの研究開発はこれまで確かに重視されていなかった。だがここ何年か、国産民間用旅客機の研究開発が国の戦略計画に入れられるのと共に、国産民間用エンジンの研究開発も日程に上っている。」 周済生は本報記者に教える。

問題解決は困難

2012年7月に印刷、発行された「『第12次5カ年計画』国家戦略性新興産業発展計画」は、航空装備産業を先端装備製造産業の第1の項目に挙げ、航空エンジンのカギとなる重要核心技術の突破、航空エンジン産業化の加速しての推進の必要性を明確に提示している。その後さらにある専門家は航空エンジンを国家重大科学技術特定項目に入れ、もって国家の資金を航空エンジンの研究開発に直接投入するのに有利とするよう提案した。

エンジン市場の大きなパイを先を争って奪い合う「戦争」の中で、ずっと我が国の軍用機および民間機の部品の研究開発任務を担ってきた中航工業集団も、ここ何年か航空エンジン領域における突破と再構築を加速させている。

中航工業集団会長林左鳴はこの前本報記者に対し、「第12次5カ年計画」の期間は中国航空エンジン研究開発の中でのカギとなる重要な時期であり、中航工業は全力で航空エンジン技術を発展させ、自主的に100億元を投入する計画で、エンジンの問題を積極的に解決する決心だ、と指摘した。

現在、中航工業集団傘下では主に3つの上場企業が航空エンジンの研究開発に関わっており、航空動力(600893.SH)、中航動控(000738.SZ)、成発科技(600391.SH)がそれぞれ中航工業エンジン会社のメインエンジン、コントロールシステム、伝動システムというこの3つの業務の産業化発展プラットフォームである。

これと同時に、中航工業はさらに海外から購入する方式を通じ、国外の先進的エンジン技術を加速して獲得する試みを行っている。今年7月、中航工業傘下の中国航空技術国際株式会社がドイツのThielert航空ピストンエンジン社の資産購入の決済を完了し、これは中航国際が2011年4月にアメリカのコンチネンタルエンジン社を買収したのに続くエンジン領域でのまた1つの買収である。

アメリカのコンチネンタルエンジン社とドイツのThielert社の資産買収を通じ、中航国際は全世界で唯一の、全系列の航空ガソリンピストンエンジンと全系列の航空燃料ピストンエンジンの供給商となり得る。だが、この種のエンジンは主に汎用航空市場で応用される。

協力の困った状況

2009年に中航工業、上海電気(集団)総会社、上海国盛(集団)有限会社などによって合資され成立した中航商用飛行機エンジン有限会社(以下「中航商発」)は、我が国民間用航空エンジンの自ら行う研究開発が実質的段階に入ったことを象徴的に示す。この会社の任務は、主に国産大型旅客機C919とセットになる国産エンジンを研究開発することであり、将来はさらにより推力の大きなエンジンを研究開発する可能性があり、例えば250席級の大型旅客機のエンジンであり、甚だしきに至っては支線飛行機や公務飛行機に装備されるエンジンも開発する可能性がある。

だが、国産化研究開発の道は決して平坦ではなく、技術、材料、設計、製造など各方面いずれも経験が欠乏しており、中航商発はその後やはり国外の成熟したエンジン生産企業と合資の方式をもって初期の研究開発を行うことを選択し、ドイツのMTU航空エンジン社と、上海に商用航空エンジン合資会社を設立するカギとなる重要な条項の協議を成立させ、双方から組成される合資会社は中国・ドイツ双方各自の優勢に基づき、150席級商用高バイパス比ターボファンエンジンを共同開発することになり、これが装備する目標たる機はまさに中国商飛社が現在研究開発するC919大型旅客機である。

注意に値するのは、ドイツのMTU航空エンジン会社はドイツ唯一の独立した航空エンジンメーカーであり、低圧タービン、高圧圧縮機、製造技術、維持修繕技術の上で世界に先んじた地位にあるが、この社は決して全世界の主要商用飛行機エンジンメーカーの陣営には属さず、絶対の市場シェアを占めるゼネラルエレクトリック、ロールスロイス、プラット&ホイットニーはいずれもまだ伝統的な「市場と技術を交換する」道で中航商発と合資、協力を行ってはいない、ということである。(チェンシャンシャン 方海平)


 中国民間機用エンジンで協力する外国企業は今のところ最先端の企業ではないようですし、協力するからといって最新技術をすべて伝えるとは限らないですが、こうしたことから徐々に軍用エンジン技術に波及してくる可能性は高く、気になります。

















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