中国におけるスパイ事件関連4題

 コラムに最近スパイ関連の記事が多いと書き記事を1つ紹介しましたが、比較的短い関連の記事を4つ紹介します。

http://military.china.com/news/568/20140508/18490064.html


国内の女子、国外に向け中央の機密文書を提供したために逮捕される かつて前科あり

新華社北京5月8日電 記者は8日北京市公安局から、国外のために不法に国家の秘密を提供した罪に関わった嫌疑により、高瑜が最近北京警察によって法により刑事拘留されたことの事実確認を得た。

2013年8月、某国外ウェブサイトはある中央の機密文書を全文公開し、その後多くのウェブサイトが転載を行い、社会の広範な関心を引き起こした。北京警察は迅速に専門の案件グループを成立させ、全力で調査作業を展開した。多くの調査を経て、専門の案件グループは最終的に犯罪容疑者高瑜(女性、70歳、北京市朝陽区の人)に容疑を絞り込んだ。専門の案件グループは大量の証拠の掌握を基礎に、2014年4月24日にこの人物を逮捕し、かつ居住地で重要な証拠を獲得した。

審査を経て、犯罪容疑者高瑜はある不法に獲得した中央の機密文書を某国外のウェブサイトに提供した犯罪事実を供述した。2013年6月、高瑜は他人を通じてこの機密文書のコピーを獲得した後、内容を全て電子版に記録して保存し、その後この電子版をインターネットを通じて某国外のウェブサイト責任者に提供した。このウェブサイトは文書を全文掲載し、多くのウェブサイトの転載を引き起こした。

犯人逮捕後、犯罪容疑者高瑜は深い後悔を態度表明した。彼女は、自らの秘密漏洩行為は国家の利益に危害を及ぼし、国の法律に触れ、これに対し深い後悔を表明し、誠心誠意自らの誤りと罪を認識し、法律の処罰を甘んじて受ける、と語った。

記者は、高瑜が1993年にかつて国家機密漏洩罪により裁判で6年の懲役に処せられたことを知った。

現在案件はさらに一歩調査中である。


 「某国外のウェブサイト責任者」というのはひょっとしてアサンジのことですかね。70歳女性がネットで秘密を漏洩するというのが時代を感じさせます。

http://military.china.com/news/568/20140507/18487866.html


国外の情報部門、大陸の学生が秘密に関わるポストの公務員を受験することを扇動

【グローバル軍事報道】 広東方面で5月4日に明るみに出た案件の中で、国外スパイ「飛哥」は「ネット書店」、軍事愛好者ウェブサイトなどのルートを利用して、7年来広東で12人を買収、利用し、全国20余りの省、市で40人を買収、利用した。「グローバル時報」記者が権威ある情報源から獲得した資料は、「飛哥」が所属する国外情報機構は、同様にネットのルートを利用して大陸の学生を買収、利用していることをはっきり示している。近年多く起きている案件から見て、この国外の機構は20歳前後の在学中の高等教育機関の学生を主要な目標とし、ウェブチャットツール、学校のフォーラム、募集ウェブサイトなどの助けを借りて「調査研究員」物色している。「招聘を受けた」学生はまずいくつかの捜索収集、整理、とりまとめの仕事をし、もし提供した情報に価値がなくても、定期的に数百あるいは数千人民元の報酬金を受け取る。

ある安全保障担当の当局者は記者に、学生がこの種の急速な収益に病みつきになった後、このスパイ機構はさらに一歩より目的性と機密性のある情報の捜索収集任務を手配する、と教えた。もし学生が従わないと、相手方はこれまでの関係の内容と金銭のやりとりを中国安全保障部門に知らせると威嚇する。この過程で、一部の学生は「情報員」に発展させられ、固定した月給を受け取り、この種の支配力が一定の程度に達すると、国外情報機構は学生の就業の選択と発展の道の手配と支配を開始する。

2012年後半、浙江省の某重点大学卒業生宋飛は募集ウェブサイトに簡単な履歴を投稿した。12月初め、「市場研究会社の専門員李華」からメールが来て、宋飛の加盟を勧誘した。李華は、同社の主要な業務は大陸で投資を行う外資企業のために情報サービスを提供することで、宋飛の仕事は中央政府部門の政策研究資料の捜索収集と調査研究レポートの執筆であり、報酬は2,000人民元から5万人民元と異なり、高い質のレポートには賞金が高い、と語った。

宋飛は相次いで中央経済業務会議、農村業務会議、業界再編、エネルギー源産業発展など10項目の「調査研究課題」を受け取り、彼は学校の図書館、論文・定期刊行物データバンク、校内の学術講座などのルートを通じて資料を収集し、李華に向け多数の「研究レポート」を提出した。この間、李華は宋飛を彼のいる高等教育機関の台湾研究所に行かせて両岸関係の材料を捜索収集させたが、宋飛は台湾研究所の人事や状況を熟知しておらず、成果はなかった。

李華の要求は徐々に深入りし、彼は宋飛に積極的に人脈を育て、政府や当局の背景あるシンクタンク、学者のところから裏事情をつかみ、視点を聞き出すことを要求し、「関係を引き出す金は全て社が出す」とした。2013年1月、宋飛は公務員試験の受験に着手し、李華は全力の支持を表明し、宋飛を試験準備に専念させるため、さらにしばらくは「調査研究課題」をストップし、かつ毎月3,000人民元の生活補助を提供した。李華はさらに宋飛が受験する下層の公務員ポストに異議を提出し、何故なら「社の情報獲得に対する助けにならない」からで、省級の機関、シンクタンク、研究部門の受験を提案した。

上述の安全保障担当当局者は「グローバル時報」に対し、国内学生が省級あるいは国家公務員、安全部門、軍情報機関など秘密に関わるポストを受験するのを煽るのは、国外情報機構の常套手段である、とする。


 これを読むと国外(原文では「境外」)スパイ組織とは台湾のそれっぽい感じですね。

http://military.china.com/news/568/20140507/18487886.html


大陸の学生、スパイのために秘密に関わる資料を渡す 関連部門、処理をできるだけ軽くする

【グローバル軍事報道】 通常、国内で案件に関わる学生が短期間内に接触できる核心的情報や人員はいずれも比較的限られており、多数の人が案件の発生に関わった時もなお深刻な現実の危害がもたらされるには至らず、関連部門は「罪を認め後悔する態度が比較的良い」若い学生は教育して救う必要がある、と強調する。これに関し、国内安全保障部門当局者は「グローバル時報」記者のインタビューを受けた時、その他の社会人が案件に関わった状況と異なるのは、もし学生の犯罪案件が発覚したら、関連部門は往々にしてまず学生に警告し、相手方との関係を中止するよう要求し、工夫を凝らして放線(頑住吉注:意味不明ですが文脈などから泳がせて捜査に利用すること?)することはないことであり、このようにするのは「全てこの子に対する保護から出たことだ」とした。

2011年に湖南省湘潭でかつて発生した性質が比較的深刻な裏切り扇動事件では、案件に関わった人はたった16歳だが、犯罪行為の内容には政府の文書の盗み取りと国外スパイのための暗号化された資料の伝達が含まれた。この安全保障担当当局者は、「国外のスパイ機構が年少の無知な未成年者を利用して明確に犯罪を構成する『交通』の役割にさせるのは非常に劣悪である。」と語る。

当初この案件に関わった張という姓の高校生はネット上で、自分は軍事院校を卒業したと詐称しており、国外スパイは能動的に彼に接触し、部隊内部の文書を提供するよう要求した。張某は相手方が送金してきた400アメリカドルを受け取った後、「演習計画」を編集して作ったが、誤魔化してその場を取り繕うことは難しかった。張某はそこで主張を変え、自分の本当に仕事をしている機関は教育局であると言い、その後国外情報機構の要求に基づき、彼は相次いで多くの同級生を組織して職員室に進入させ、党や政府機関の公文書を盗み取った。

相手方の指示通り、張某は宅配便の受け取りを開始し、かつそれの中に挟んで隠されたメモリーカード内の暗号化された資料に対し処理を行い、電子メールで発送した。「グローバル時報」記者が権威あるルートから獲得した情報は、これらの資料がある国外機構によって裏切りを扇動された我が重要機関の人員によって売り渡された秘密に関わる資料であることをはっきり示している。

案件の発覚時、張某が合計で受け取った報酬は2万人民元余りに相当し、その行為はすでに犯罪に関わった嫌疑があった。国内の関連部門は「グローバル時報」のインタビューを受けた時、張某が比較的年少であることを考慮し、彼が心を入れ替えて生まれ変わり、将来を持つことができるよう希望し、「我々は法律の許す範囲内で彼に対しできるだけ軽い処理を行った。」とした。

「担当したいかなる発見された隠れたリスクも、大きかろうと小さかろうと、全て消し去ることが必須だ。」 上述の部門当局者は「グローバル時報」記者に対し、国家の安全は空気のごとくそれぞれの人と関係があり、人はだれもが自覚することが必須だと強調した。(当事者の保護のため、文中の徐鵬、宋飛などはいずれも仮名である)【グローバル時報記者 劉暢】


 いや徐鵬なんて出てきてないし、宋飛は前の記事に出てきた人物だし、編集されてるようです。それはともかく年少者で反省していれば罪は軽いとすることによる自首を促すメリットと、スパイに関わるハードルが低くなってしまうことのデメリットの比較判断は難しいですね。「法律の許す範囲内で〜できるだけ軽い処理」というのがどの程度なのかはっきり書かれてないのがやや不気味ですが。

http://military.china.com/news/568/20140507/18487398.html


国内の航空など重点高等教育機関の学生、国外スパイの裏切り扇動の対象となる

【グローバル軍事報道】 広東省安全保障機関は4日、国外情報機構がにネットを通じて国内人員の裏切りを扇動し、中国の軍事機密を盗み取った案件で、犯人の李某は懲役10年の判決を受けた、と発表した。「グローバル時報」記者は国の関連部門から、同一の国外情報機構は近年中国大陸の学生に照準を合わせて数十回のネットでの裏切り扇動活動を実施し、国外スパイは金銭をもって世間にまだ深く関わっていない大学生、甚だしきに至っては中学生を情報収集、分析、伝達に参加するよう誘っている、と知った。権威ある情報源からの案件の例は、多数の学生がネット上で求職あるいはチャットする過程で国外スパイの目に留まり、彼らは最初の情報提供の時には決して事情を知らないが、一部の人は国家の安全保障機関に法によって処理されるまでずっと、相手の身分を察知している状況下で依然利をむさぼるために協力を継続することをはっきり示している。

あるネット上の助け求むのページから始まる

求職し助けを求める学生、調査研究の誘い、出来高による報酬支払いと、裏切りの扇動はいつも人情や道理にかなっているように見える場面の中で幕を開ける。2012年4月、広東省の某航海学校の学生徐鵬(頑住吉注:あ、こっちの記事に出てきましたね)はこの省の某重点大学を受験して入学する時、QQ群(頑住吉注:交流サイト)内に助け求むのページを作った。徐鵬の父母はいずれも農村にいて、家の生活には余裕がなく、彼はネット上で「学費援助2,000元を求」めたのである。

ほどなく、ハンドルネーム「Miss Q」という人がこれに回答の書き込みをし、徐鵬のフルネーム、携帯電話番号、在学する学校と専攻を質問し、その後援助を提供したい、とした。徐鵬は思いがけないことに喜び、クレジットカード番号を相手に教え、翌日にはもう2,000人民元の送金を受け取った。徐鵬はこの「善意の人」の提案通り、領収書を書き、携帯電話で写真を撮り、その後QQを通じて相手に送った。徐鵬が当時知っていたのは、「Miss Q」は「ある国外の投資コンサルタント会社の研究員」で、顧客のために「解放軍部隊の装備調達方面の定期刊行物資料を捜索収集」しており、徐鵬が捜索収集を助け、学費援助のお返しにすることを希望している、というものだった。徐鵬は気持ちよく答えたが、航海学校の図書館では関連の資料は見つからなかった。だが「Miss Q」も強くは求めはしなかった。

こんなにもうまく儲かった金は、当時実習中の徐鵬の心理に変化を発生させ、彼は実習は「苦しいし疲れるしもらえる金も少ない」と思い始めた。2012年5月、徐鵬は能動的に「Miss Q」に連絡を取った。相手は彼に「野外調査研究員」の兼職(頑住吉注:副業の方が近いですかね)を提供し、月給は2,000元だった。徐鵬がいた広東省の某大都市には軍港の埠頭と歴史の非常に長い造船工場があり、彼の「調査研究」業務とは軍港に行って軍事施設と軍艦を撮影し、造船工場に行って観察し、建造中、修理中の艦船の状況を記録し、かつ艦船の方位標識のある電子地図をドキュメント化し、「Miss Q」に提供することだった。双方が約定した伝達方法は、携帯電話のショートメールで約束した時間に送ることだった。これを徐鵬側が暗号化したドキュメントにしてネット上のハードディスクに転送し、すると「Miss Q」側は直ちに国外からログオンしてダウンロードするのだった。

1年後に事件は発覚し、この時徐鵬は23歳だった。徐鵬は後に、「調査研究員」をしてほどなく、自分はは相手方が我が軍事情報を捜索収集する国外スパイだと意識するに至っていた、と認めた。彼はかつて内心の極度の不安が原因で能動的に学校のいくつかの栄誉を放棄していたが、利益誘導の前では相手方を拒み難くもあったのである。2013年5月、徐鵬は国家安全保障機関によって法により審査された。

ある権威ある筋の匿名の人物は、「グローバル時報」記者に、国外情報機構は当初学生に接触する時、簡単な要求しか提出しない、と教えた。例えば図書館に行って資料を探す、学術定期刊行物を予約購読するなどである。こうした情報は大多数が情報価値を具備し難いが、連絡を持続する過程で、特に定期報酬金支払いは極めて容易に若い学生に依存を形成させやすい。要求が具体化し深入りするにつれ、多数の学生は相手の身分を察知し、一部の学生は能動的に関係を終わらせるが、一部の人は威嚇され、また利に貪欲であるがゆえに関係を継続する人もいる。

この国外情報機構は重点的に大陸のいくつかの地域と高等教育機関を選定し、特定の専攻の在校生を巻き込んで裏切りを扇動する。北方の某重点航空宇宙院校に関わるある裏切り扇動案件の中では、この学校のある大学4年生が校内フォーラムで兼職を探した時、待遇が素晴らしい「ネット兼職」の情報が気に入り、かつ能動的にメールを発信して「雇い主」に連絡した。その後5ヶ月内で、この学生は何度もハンドルネーム「ジーナ」および「Roby」の2名の国外スパイに向け宇宙、航空、船舶、武器装備のたぐいの学術資料を提供し、かつ彼らが内部の学術定期刊行物を予約購読、撮影複製するのを助けた。【グローバル時報記者 劉暢】


 日本の学生がこうした勧誘を受けることはないんですかね。























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