ロシアの新戦車「アーマタ」

 まだ実際どれだけの実力があるのか全く分かりませんけど。

http://military.china.com/news2/569/20161110/30035166.html


戦車はアウトになった? 陸戦の王「マーマタ」逆潮起勢 (頑住吉注:「逆潮起勢」は熟語みたいに見えますが検索しても他に使われている例がヒットしないので違うようです。退潮の中で巻き返すみたいな感じでしょうか。)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像は『アーマタ』の模型。ソース:TAKOM」)

幕を下ろしたばかりの第11回中国航空宇宙博覧会では、各種航空機の他、多くの性能が卓越した国産地上兵器もお目見えし、「陸戦暴風」を巻き起こした。この前、ロシアの新世代メインバトルタンク「アーマタ」が突然に登場し、同様に高度の関心を引き起こした。

ある評論は、機械化戦争時代のその名に恥じぬ主役であるが、空、ネット、地、海一体の情報化局地戦争の中で、戦車に大いになすところがあるのは難しいようだ、と考える。未来の戦争の中で、戦車はアウトになったのだろうか? またロシアは尋常な道を行かず、継続して大きな力を入れ「アーマタ」を開発したが、それに込められた意味は何なのか?

ウクライナ危機勃発後、ロシア軍はかつて「1つ目には先進的なメインバトルタンクがなく、2つ目には大規模な戦車部隊がない」苦境に陥った。


少し前、ロシアメディアの報道によれば、ロシア国防省はウラル大型機械製造工場とすでに協定を締結し、ウラル工場は5年内にロシア軍に向け100台の最も先進的なT-14「アーマタ」メインバトルタンクを提供するものと規定した。この情報は3日後「軍隊-2016」軍事フォーラムに出席したロシア国防省副大臣のユーリ ボリゾフによって事実確認されたが、このことはロシア軍の新世代「装甲のスター」、「アーマタ」がすでに正式に量産段階に入ったことをも意味している。

ロシアにとって、「戦車コンプレックス」(頑住吉注:この場合のコンプレックスはインフェリオリティーコンプレックスすなわち劣等感のことではなくより広義の「心的複合」ですね)はとっくに民族および軍隊の中に根を下ろしており、このコンプレックスは一般の軍事の需要を超越し、それは歴史の栄光と民族および軍隊の誇りを担っており、ロシアに戦車を放棄してはならないだけでなく、さらに継続して戦車を開発せよと懇切に促している。世界初の「第4世代」メインバトルタンクとして、T-14「アーマタ」は理の当然にこの責任を負うべきである。

当然、「コンプレックス」では飯は食えず、軍隊の現実の需要こそが武器装備発展の活性剤である。地縁安全の角度から見て、ロシアの西部および西南部のウクライナと国境を接する地域は広大な平原地帯で、歴史上ヒトラーはかつて大規模な装甲集群を利用してソ連に対し「電撃戦」を発起し、ソ連に祖国防衛戦争の初期に西部の広い肥沃な土地を失わせた。冷戦の中、祖国防衛戦争の教訓を吸収したソ連は膨大な規模の装甲集群を建設し、西部方向でNATOに対し不屈の態勢を形成し、攻をもって守に代え、NATOを対応に疲れさせるのと同時に西部の核心地域の安全を防衛した。

しかし冷戦の後、ソ連は解体し、かつての「赤い鉄流」はもはや存在せず、ロシア軍は西部地域でNATOに対しもはや圧力を形成せず、NATOの東への拡大が激化するという結果をもたらした。

現在、ロシアとNATOは関係が日増しに緊張し、今年6月に始まり、アメリカとNATOは中部、東ヨーロッパで大規模演習を行い、レオパルド2A6およびM1A2「エイブラムス」メインバトルタンクにあふれたNATO装甲集群が再度中央ヨーロッパの平原上を縦横無尽に疾駆した。これと同時に、ウクライナ東部の戦火は終始静まり得ず、ウクライナ軍はジューコフの「戦車の墓場」の中から大量のまだ使用できるT-64およびT-80メインバトルタンクを発掘し、かつ維持保護の後東部の前線に投入している。

このような情景に直面し、ロシア軍が持ち出せる装備は旧式なT-72BMメインバトルタンクの大規模改良型であるT-90Aメインバトルタンクでしかなく、このことはロシア軍上層部を針のむしろに座ったようにさせている。加えて、元国防大臣のセルジュコフ(2007〜2012年に在任)が主導した「新面貌」軍事改革の下、ロシア軍は盲目的に西側の軍隊の「師団を旅団に改める」の潮流に追随し、あらゆる戦車軍および戦車師団を解散し、ロシア軍をウクライナ危機勃発後「1つ目には先進的なメインバトルタンクがなく、2つ目には大規模な戦車部隊がない」苦境に陥らせた。

「アーマタ」メインバトルタンクへの換装は、峻厳な現実の需要に基づいており、ロシアの地縁政治の安全を防衛することに対し重要な意義がある

新任の国防大臣ショイグ就任後、ロシア軍の装甲力量はすでに西部と西南部の緊張した情勢に対応できないことに気づいた。そこで装甲兵出身の参謀長ヴァレリー ガラシモフ大将の補佐の下(頑住吉注:意外ですけどショイグ自身には軍歴はないらしいです)、強大な戦車部隊再建計画を開始した。

今年2月9日、ロシア国防省は西部軍区で栄光の歴史を持つ近衛第1戦車軍を再建し、かつ西部軍区のボロネジおよび中央軍区のチェリャビンスクに2つの新たな装甲師団を成立させ、これをもってロシア軍の西部戦略方向の快速反応部隊発展の一部分とすることを宣言した。

その中で、近衛第1戦車軍の再建作業はすでに完成し、500両あまりのT-72B3およびT-80メインバトルタンクを装備している。南部軍区では、すでに2009年に解散された近衛戦車第10軍が再建され、直接ウクライナ方向と向き合う彼らはT-72B3メインバトルタンクを装備し、かつ80%の新兵を補充済みで、装備は充足し、士気は完全である。

戦車部隊の編成の回復と同時に、ロシア軍は新式「アーマタ」メインバトルタンクの装備を加速し、これをもって戦車部隊の再建と連動させている。中央軍区司令ウラジミール ジャルデニスキー上将は今年2月にもう、チェリャビンスクに新たに建設される装甲師団は「最も先進的なメインバトルタンク」を持つことになると言明し、この師団がもうすぐT-14「アーマタ」およびモジュール化車両ファミリーを持つことを暗示した。6月、ロシア国防省は、西部軍区戦車部隊を「アーマタ」メインバトルタンクに換装するのを加速するとの決議を通過させ、この措置は峻厳な現実の需要に基づいており、ロシアの地縁政治の安全を防衛することに対し重要な意義がある。

「アーマタ」は設計上ロシア製通常武器の一貫した初志を継承しており、一部の重要な性能指標の上で潜在的ライバルに対し絶対の圧倒を形成する

ロシア戦車部隊再建の重要な一部分として、T-14「アーマタ」メインバトルタンクはウラル大型機械製造工場によって研究開発が担当され、2012年にロシア政府のプロジェクト立ち上げの批准を正式に獲得し、かつ2015年5月9日に赤の広場での勝利の日大閲兵の中で初めて公開されお目見えした。ロシアの未来の「陸戦の王」として、「アーマタ」は設計上ロシア製通常武器の一貫した初志を継承しており、一部の重要な性能指標の上で潜在的ライバルに対し絶対の圧倒を形成する。

現在「アーマタ」メインバトルタンクが配備する主砲はエカテリンブルクの第9工場によって研究開発された2A82-1M型125mmスムーズボア砲である。しかし、今年6月13〜17日に行われたユーロサトリ安全保障業務展で、ドイツのラインメタル社は1990年代に研究開発したNPZK-140 140mmスムーズボア砲をベースとしたL-55 130mmスムーズボア砲を登場させ、もって「アーマタ」の技術的脅威を相殺した。だが「後手」が残されたロシアサイドは直ちに、「アーマタ」に2A83 152mm戦車砲を配備すると宣言した。

2A83は重量の上で2A82-1Mを倍近く超えているが、性能指標上はそれにもかかわらず非常に大きな優勢がある。それは尾翼で安定するサボ付き徹甲弾、劣化ウラン弾、砲から発射する対戦車ミサイルおよび「紅土地」制御誘導砲弾が発射でき、尾翼で安定するサボ付き徹甲弾使用時は1,200〜1,400mmの均質装甲が貫通でき、「紅土地」制御誘導砲弾使用時はさらに一部の152mm自走榴弾砲の(頑住吉注:に相当する、ですかね)作戦能力を持ち、かつ「アーマタ」により多くの遠距離打撃任務を執行できるようにさせる。このように巨大な威力は西側メインバトルタンクがもし130mm戦車砲に換装しても望んでも及ばなくさせ、劣勢は再現される。

「アーマタ」の就役が開始されさえすれば、ドイツの「レオパルド」式戦車やアメリカの「エイブラムス」戦車は直ちに近代化グレードアップを開始するだろう

「アーマタ」の機動性能は全面的に西側の同類メインバトルタンクを超える。「アーマタ」は1台のA-85-3A型X-12ダブルタービン増圧ディーゼルエンジンを採用し、定額出力は1,500馬力で、時速は90kmに達し得る。米軍で現役のM1A2「エイブラムス」メインバトルタンクに比べさらに時速20km速いだろう。このエンジンはさらに動力システムが加熱しているか否か自動判別できる。

このエンジンの技術はなお完備されるのが待たれるが、環境保護性能、燃料の経済性能の上でいずれも質的向上があった。また「アーマタ」はさらに一歩伝動システムを改良し、技術が成熟した電子補助液力伝動装置を採用し、戦車の機動性能を向上させている。

まさにロシア装甲車両・戦車総局の局長アレキサンダー シェフチェンコ中将が言うように、「『アーマタ』が追求したのは火力、操作コントロール、防御の統一的計画配案、協調で、『アーマタ』の就役が開始されさえすれば、ドイツの『レオパルド』式戦車やアメリカの『エイブラムス』戦車は直ちに近代化グレードアップを開始するだろう」

「アーマタ」と現役ロシア製メインバトルタンクとには比較的大きな差異が存在し、それ相応の人員編成、制度体系、作戦条例などこれとセットになる制度もなお制定が待たれる

ロシアの新世代メインバトルタンクとして、「アーマタ」は大幅に装備の研究開発コストを下げ、さらに武器装備保障一体化実現のために条件を創造した。その量産はロシア陸軍装備近代化建設のマイルストーンである。

だが、戦場に登場したことがない「アーマタ」に関して言えば、カタログデータは論拠として弱過ぎることを免れず、後日練兵場や戦場での厳しい練磨こそが、真に「アーマタ」の目を引く戦術指標を検証できる。加えて「アーマタ」は構造原理、操作使用などの方面で現役のロシア製メインバトルタンクと比較的大きな差異が存在し、それ相応の人員編成、制度体系、作戦条例などこれとセットになる制度もなお制定が待たれる。


 この戦車のハイライトといえば無人化砲塔やアクティブ防御システム、ミリ波レーダーの搭載といったところだと思いますが、これには言及されてませんね。またこの戦車は非常にコストが高くなるはずなので、特に今のロシアには過去のソ連のようなような大量装備はできないはずですし、質で圧倒するにしても本文にあるように西側の戦車の発達が比較的停滞していたのは脅威となる戦車がなかったからで、新たな脅威が現れれば当然対抗してより強力な戦車を登場させるでしょう。また戦車砲の口径は大きければ大きいほどいいというわけでは当然なく、大口径にすれば重量や発射時の反動が大きくなり、機動性、搭載する弾薬の数、発射速度などにも悪影響が出るおそれがあります。
















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