中国、ボリス ネムツォフ暗殺事件を評する

 まだ真相は分かっていないわけですが。

http://news.china.com/international/1000/20150301/19332576.html


ネムツォフ射殺される かつてプーチンがシベリアを中国人に売ると痛罵

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシア元副首相ネムツォフ射殺される(画像集)」)

中新社北京2月28日電 題:反対派領袖射殺される ロシア政界の満塘池水を撹乱? (頑住吉注:「満塘池水」はいかにも慣用句っぽいんですが検索しても他に使われている文章は全くヒットしません。直接的には水でいっぱいの池、みたいな意味だと思いますが。)

中新社記者 劉旭

モスクワ時間27日23時40分頃、56歳に満たないロシア元副首相ネムツォフがモスクワ市中心で射殺された。大国の元政府高官の不自然な死は、確かに人を騒然とさせる。だがこの件が大騒ぎを引き起こしているのは、この政治家のロシア政治座標系の中におけるもう1つの地位‥‥プーチンの反対派、のせいである。ネムツォフの射殺事件に対し、プーチンは非難を表明し、「陰謀ある挑発だ」とした。

事件発生時、ネムツォフはクレムリン宮殿付近を歩いているところだった。1台の白いセダンが彼に向け接近し、車内の射手が彼に向け近距離で発砲し、ネムツォフは背部に数発連続して命中弾を受け地面に倒れた。警察は、射手は7発発砲し、4発が命中したとひとまず認定した。

「現在明らかにされている情報から見て、この件は一般的な謀殺に比べさらに複雑かもしれない。」 中国社会科学院のロシア問題専門家である姜毅は中新社記者に教えた。さらにある分析はこの件は政治的暗殺であると直接的に指摘している。実は、この見方は決して単純に「陰謀論」の視点から出たものではない。何故なら、ネムツォフが暗殺される前、彼は自らの社交ウェブページ上で、自分が暗殺されることが心配だと語っていたからである。

清華大学国際問題研究所教授の呉大輝は次のように評論する。事件の一切はあまりにもデリケートである。すなわち、まずデリケートな暗殺対象。ネムツォフはロシアの著名な2大体制外反対派領袖の1人で、もう1人のナワーネイはすでに審判を受けている。デリケートな謀殺の地点。クレムリン宮殿の赤の壁の下、ワシーリ教会のそば、大モスクワ橋の上である。デリケートな謀殺のタイミング。まさにネムツォフが指導するウクライナ戦争に反対する「ロシアの春」大デモ開始2日前であり、まさに彼がロシア軍がウクライナ戦争に参加している「証拠」を公開しようとする前だった。

ネムツォフは確かにプーチンの先鋭な批判者だった。彼は、プーチンは在職期間に狂ったように個人的財産を蓄積しているとし、かつて2012年にはプーチンが58機の飛行機とヘリ、20件の豪邸を持つと言明した。2013年には、冬季オリンピックはロシアの近年来における「最も憎むべき詐欺」で、300億アメリカドルの金が収賄され、冬季オリンピックに関する全ての支出の60%を占める、とした。27日前にはさらにその個人の社交ウェブサイトで、プーチンがクリミアを併呑したことを痛罵し、シベリアを中国人に売るとし、プーチンはスパイではないかと疑義を呈した。

ロシアメディアの報道によれば、プーチンは報告を受けた後、ネムツォフの親友に向け哀悼の意を表し、かつこの射殺事件を非難した。彼はさらに合同調査委員会を設立して調査を行うよう要求した。「プーチンはすでにこの事件の性質を決定づけ、『これは陰謀ある謀殺だ』とした。これには明らかにある程度の指摘があり、国内の反対派を指すか、アメリカを指すかである。」 呉大輝教授は、このように一牽一引し(頑住吉注:ちょっと引っ張る、みたいな意味だと思いますが、ここでは自分にとって有利なようにする、でしょうか)、「悪いことを良いことに変える、これはプーチンの強みだ。」と分析する。

中国現代国際関係研究院ロシア研究所所長の馮玉軍研究員は、この件が引き起こす結果に対し関心を注ぐべきだと注意を促す。「この事件は、ロシア国内の政治分野と『極化』がすでに尋常の深刻さを超えていることを説明しており、超越的に高い支持率は決してプーチンの超越的に強力な局面コントロールを保証できない。」

「誰がボリス ネムツォフを殺害したのかのかについては論じないが、この驚愕すべき謀殺は、ああいったあえてプーチン政権に反対する人々に対する最も新しい攻撃である。」 アメリカ下院外交事務委員会主席はこのように言う。呉大輝教授はさらに、事件発生後にオバマはすぐプーチンが犯人を厳重に処罰することを要求しており、アメリカ議会共和党指導者は、オバマ政権がロシアの反対派に対しより多くの支持を与えるよう督促したことに注目した。

ロシア大統領ニュース秘書ペイスコフはこの事件につきメディアのインタビューを受けた時に次のように言った。「現在のところいかなる結論を下す、あるいは大ざっぱなことを言うにもまだ時期尚早だ。だが現在すでに言うことができるのは、これは徹頭徹尾挑発だということである。」 「挑発者」が誰なのか、また誰を「挑発」しているのか? これに関しペイスコフは決して明言していない。

1人のプーチンの反対者が射殺されたことは、ロシア政界の満塘な池水を撹乱するのだろうか? 馮玉軍は次のように語った。「ロシア政界には密かに某種の比較的はっきりした動向が形成されており、政治の『ドラマ』の幕はゆっくりと開かれている。蝶の羽は扇動したばかりで、それがどのような暴風を巻き起こすかを見る‥‥」(完)


 日本の専門家だったらインタビューを受けた時、こんな訳分からん文学的表現はしませんわな。それはさておき、表面的に見ればこれはプーチンが邪魔者を殺したのでは、と考えたくなり、もちろんその可能性も否定できませんが、アメリカその他の勢力がロシアを混乱させ、またプーチンは危険な人物だというイメージを高めるために仕組んだという可能性もあり、プーチンはそれを臭わせているわけでしょう。














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