殲ー31の輸出対象として現実的なのはどういった国か?

 欲しくても金がないのでは現実味がないわけで。

http://military.china.com/topic/zhjp/11166312/20141031/18917171.html


中華軍評:どういった国が中国の殲ー31に対し興味が濃厚か

中国の殲ー31は明るみに出た日からすぐ国内外世論の高度の関心を引き起こした。現在世界の最先端兵器グループの1機種として、この機種もとっくに各国の軍の視線を引きつけていると信じる。最近ある情報は、多くの国が殲ー31に対し濃厚な興味を示している、と指摘した。ここで言う「濃厚な興味」は当然ただ単にアメリカに類似した「関心」ではなく、あるいは明確な、あるいは潜在的な購入の意向である。

ならば、結局のところどういった国の中国の殲ー31に対する興味が濃厚であり得るのだろうか? 筆者はここでいくつかの「いいかげんな推測」を行う。不当なところがあっても諒解を望む。

最も疑いの必要がない販売対象はパキスタンである。「巴鉄」(頑住吉注:「鉄の盟友パキスタン」)は単なる言葉ではなく、長期にわたり形成された中国・パキスタン戦略的パートナーシップが軍事装備レベルに反映された最も典型的な例は両国が協力して研究開発、生産するJF-17(FC-1)に他ならない。パキスタンに向け殲ー10を輸出する件に関する噂もすでに久しい。パキスタンのネット仲間は殲ー31のパキスタン式塗装さえすでにイラスト化済みで、渇望の程度の一端が窺える。明らかに、殲ー31がパキスタンに向かう最大の障害は殲ー10同様、パキスタンサイドの支払い能力かもしれない。殲ー10と異なるのは、殲ー31が典型的な第4世代戦闘機だということである。もしFC-1とF-16もかろうじてインドのスホーイー30MKIに弱含みのバランスを維持できると言ったにしても、インドが将来装備する第4世代機はまさにバランスを打破する力量である。再度空中の力量のバランスを形成したければ、中国はパキスタンのほとんど唯一の選択である。ロシア・インドが第4世代機を合同研究開発することに関する情報はパキスタンにとって小さからぬ圧力でもある。金に関しては、いつも解決の方法はある。

イランもきっと殲ー31を非常に渇望するだろう。アメリカとの関係が比較的劣悪な地域強国として、イランの頭上には終始ダモクレスの剣が吊されている。アフガニスタン、イラク、リビア、シリアなどの国は全て前車の轍である。イランは先進武器で米軍に対する潜在的殺傷能力を増強し、自身の安全感を維持する必要がある。ここ何年かイランは少なからぬ中国の武器を輸入もしている。また中国は世界でも数少ないイラン向けに武器装備および相応の技術を供給する国でもある。イラン自身一定の武器装備をコピー生産、研究開発する能力があるが、第4世代機はこの国の科研製造能力に比べればやはり先端的すぎる武器装備と言える。いわゆるイランの第4世代機である「征服者F313」は軍事ではなくむしろ政治的プロジェクトである。この機には技術的に多くの不合理な部分が存在し、すでに各方面が1つ1つ指摘しており、筆者はここで釈迦に説法はしない。一万歩ゆずって、もしこのプロジェクトに確かに実質的な推進があったとしても、F-22、F-35の技術的スタンダードに対抗する程度に到達しようというのはほとんど不可能である。これはイラン自身の科研レベルによって決定される。第3世代機を独立して設計、製造したことが全くない国が、短期間内に素晴らしい成績を上げて第4世代機を研究開発しようというのは全く非科学的である。パキスタンに比べ、世界の主要な産油国の1つであるイランの支払い能力は少なからず強いだろう。

エジプトの第4世代機に対する需要も日増しに急迫している。イスラエルは間もなくF-35を獲得することになり、必然的にエジプトというこのアラブ世界の大国に客観的に政治、軍事上の圧力を与える。この前、エジプトの政局の動揺は一定程度アメリカとの関係に影響した。この他、エジプトがアメリカの第4世代機を導入することには少なからぬ抵抗も存在する。これにはイスラエルのアメリカ政府に対する影響力およびF-35の価格が含まれる。たとえアメリカがエジプト向けにF-35戦闘機を輸出しても、その優先順位は必然的に非常に後ろ寄りであることがほとんど予測できる。エジプト軍はK-8を含む少なからぬ中国の武器を装備しており、中国から来る第4世代機を受け入れる障害はあまり大きくないだろう。当然、アメリカは軍事援助資金を梃子として利用し、エジプトが中国の第4世代機を購入する欲望を動揺させる可能性が高いが、エジプトが「殲ー31に対する興味」をもって逆にアメリカに圧力をかけるのを阻止できない。類似の動作は、トルコが「HQ-9導入」を利用して行った一切と同工異曲の妙がある(頑住吉注:トルコが中国のミサイルを買うそぶりを見せて、そうさせたくないアメリカとの交渉を有利にしようとした、ということでしょう。でもそれだと結局殲ー31の購入は実現しないことになるのでは)。

サウジアラビアが直面する局面はエジプトと大差ない。両国は同じくアラブ世界の重要な力量で、同様にイスラエルというこの潜在的ライバルを持つ。異なるのはサウジアラビアがエジプトをはるかに超える支払い能力を持つことである。サウジアラビアにとって、影響力が日増しに増大する中国はアメリカの影響力とバランスを取る唯一の選択に近い。当然、殲ー31はサウジアラビアの第4世代機の唯一の選択ではない。だが以前の状況から見て、サウジアラビアは多すぎる機種を装備することがもたらす煩瑣な後方勤務維持保護作業に対し決してあまり気にかけてはいない。もし将来F-35と殲ー31が共にサウジアラビア軍に就役する状況が出現しても、筆者は意外には感じないだろう。だがイスラエルは必然的に、アメリカがサウジアラビア向けにF-35を販売することに強烈に反対するだろう。かつてアメリカがサウジアラビア向けにF-15を販売したことはイスラエルサイドの強烈な反応を引き起こした。だが殲ー31のサウジアラビアにおける販売の前途の見通しに対し、イスラエルは明らかにごくささやかな役割しか演じることができない。

(頑住吉注:これより2ページ目)

ベネズエラも殲ー31の潜在的販売対象である。ここ何年か以来、中国とベネズエラの関係は着実に発展している。一方ベネズエラとアメリカの関係は持続的に緊張している。ベネズエラはすでに少なからぬ中国の武器装備を購入しており、外国メディアの報道によればその中にはL-15高等練習機が含まれる。中国の第4世代戦闘機購入には、単に重要な軍事的価値があるだけでなく、さらに軽視できない政治的意義がある(頑住吉注:アメリカに対する牽制ということですかね)。豊富な石油資源もベネズエラがカギとなる重要装備の上での支払い能力を重大な障害にならなくさせるだろう。

以上の5カ国こそが、筆者は殲ー31に対し最も「濃厚な興味」を持つ可能性のある国だと考える。

当然、ナイジェリア、アルジェリア、北朝鮮、タイ、ミャンマー、マレーシア、インドネシア、ブラジル、アルゼンチンなどの国も、殲ー31に対しあるいは多くあるいは少なく興味を持つ可能性が高い。こうした国には明確な現実の脅威がないか、充分な支払い能力が欠けているか、政治的に比較的デリケートかであるだけのことに過ぎない。このため、彼らの殲ー31購入への「興味」は前述の5カ国とは同列に語れない。

現在の中国はすでに世界の主要な武器輸出国の1つである。中国の武器装備の技術レベルと評判が持続的に上昇するにつれ、市場シェアはさらに一歩増加することになる。HQ-9対空ミサイルがトルコにおいてあんなにも大きなひとしきりの波風を巻き起こし得た以上、何故殲ー31がより大きな突破を取得できないことがあろうか? 第1の「トルコ」があれば、第2第3の「トルコ」があり得る。中国の武器が西側の伝統的市場でより大きな突破口を開くのは時間の問題でしかない。このため、筆者の上述の「いいかげんな推測」は保守的な推測に過ぎない。

注意に値するのは、殲ー31の一部の潜在的輸出対象の中ではさらにF-35あるいはT-50との競争に直面しているということだ。3つの機種にはそれぞれ優劣があり、その中のいくつかの優勢、劣勢はすでに改変が非常に難しい。例えばT-50は大型機であり、航続距離やポテンシャル方面における優勢は動揺させられ難い。だが大型機の購入、使用、維持保護コスト上の劣勢も消し去られることは非常に難しい。また例えばF-35は西側の武器装備体系に溶け込むのにより便利であるというが、アメリカはそれにもかかわらずこれまでずっとアメリカ製武器の購入に対しいくつかの政治的ハードルを設置している。さらに例えば各方は殲ー31には価格の優勢があるだろうと考えているというが、高度技術武器装備領域内における評判を少しずつ蓄える必要がある。またさらに忘れてはならないのは、アメリカ、ロシアを除き、韓国、日本などを含む国にも自らの第4世代機計画があるということだ。このため、時間が殲ー31の市場の前途の見通しに対し非常に重要だろう。

喜ぶに値するのは、殲ー31が間もなく珠海航空展で公開されデビューすることである。まさに外界が分析するように、殲ー31プロジェクトがスムーズに推進されつつあることが、これによりすでに充分に証明される。この挙動は疑いなく外界に向け充分な自信と決意を伝達している。数年後、真の「濃厚な興味を持つ国」が浮上するかもしれない!


 仲の悪い隣国がF-35やT-50を買ったら、充分な支払い能力がなくても無理をして殲ー31を買おうとする国はありそうに思います。日本が中国の戦闘機輸出に影響するほどの立場になることは少なくとも相当遠い将来までないと思いますが。













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