ルーマニア製M1941/48サブマシンガン

 ルーマニア製の銃器を1つ挙げろ、と言われてぱっと答えられる人は濃いマニアの中にも少ないのではないでしょうか。今回はルーマニア製のサブマシンガンに関するページの内容を紹介します。

奥裏塔M1941/48 9mm沖鋒槍


ルーマニアの老兵 OritaM1941/48 9mmサブマシンガン

ルーマニア史上初のサブマシンガン、M1941 9mmサブマシンガンはLeopold Jaska によって設計され、1941年から1944年までルーマニアのCugir兵器工場で生産された。1945年、Martin OritaがM1941サブマシンガンに改良を行い、OritaM1941/48サブマシンガンと命名された。

M1941/48サブマシンガンはストレートブローバック式自動原理、慣性閉鎖方式、オープンボルトファイアを採用している。原型銃と比べると、M1941/48サブマシンガンではセレクターがなくなっており、フルオート射撃のみできる。またグリップセーフティが採用され、M1941サブマシンガンのクロスボルト式セーフティに取って代わっている。

M1941/48サブマシンガンはかつてルーマニア軍に装備されていたが、後に警察や民兵の使用に転用され、最終的に1980年代に退役した。

(頑住吉注:本文はたったこれだけで、あとは画像のキャプションのみです。1ページ目の画像のキャプションです。「M1941/48サブマシンガンは三角形のフロントサイトを採用しており、フロントサイト両側にはガードウィングが設けられている。」)

(頑住吉注:2ページ目の画像のキャプションです。「エジェクションポートはレシーバー前端右側に位置する。L字型の起倒式リアサイトには大小2つのV字型ノッチが設けられている。」)

(頑住吉注:3ページ目の画像のキャプションです。「前部スリングリングはバレル左側に設けられている。コッキングハンドルとボルトには分離式設計が採用され、コッキング後コッキングハンドルを前に押すと前方でロックされ、コッキングハンドルが手にぶつかることが防止される。携行時、コッキングハンドルを下に回して固定ミゾにはめこむことができ、他の物体に引っかかることを免れる。コッキングハンドルを起こせば、即ボルトを後方に引くことができる。」 この画像ではいまいち分かりませんが、6ページ目、および最終21ページ目の画像だとよく分かります。なお、画像中の文字は「コッキングハンドルを起こした状態」です。)

(頑住吉注:4ページ目の画像のキャプションです。「レシーバー右側の銘板には「modifical 1948」の文字が刻印されており、「1948年改良型」を表す。」)

(頑住吉注:5ページ目の画像のキャプションです。「チャンバーが開放された発射準備状態。ボルトユニットは後方に停止し、チャンバーはオープンの状態になっている。」)

(頑住吉注:6ページ目の画像のキャプションです。「マガジンキャッチはマガジンハウジング後方に設けられている。」 これは発射時に左手の親指あたりで意図せず押してしまいそうな位置ですね。)

(頑住吉注:7ページ目の画像のキャプションです。「M1941/48サブマシンガンは装弾数32発のダブルフィードマガジンを採用している。マガジン後方には、マガジン表面から小さく突出する金属ブロックが溶接されている。マガジンキャッチはこれとかみ合ってマガジンを固定する。」 大した手間ではないでしょうが、単にマガジンを切り抜く通常の方法の方がずっとスマートですね。)

(頑住吉注:8ページ目の画像のキャプションです。「レシーバー頂部の刻印、「UZINELE CMCCUGIR」は製造工場の名称、「P.U.A“ORITA”Md.1941」はOrita M1941サブマシンガン、「C a l . 9mm」は9mmx19パラベラム拳銃弾薬口径、「SERIA 020805」はシリアルナンバーを表す。」)

(頑住吉注:9ページ目の画像のキャプションです。「トリガーガード後方にはグリップセーフティが設けられている。」)

(頑住吉注:10ページ目の画像のキャプションです。「木製ストック左側には後部スリングリングが設けられている。肩当ての部位には金属製バットプレートが装備されている。」)

(頑住吉注:11ページ目の画像のキャプションです。「マガジンキャッチを押し、マガジンを取り外す。」 なお、ここから分解に入ります。)

(頑住吉注:12ページ目の画像のキャプションです。「レシーバー尾部カバー右側の固定金具を前に押し、ロックを解除する。」 下が押す前、上が押した状態のようです。)

(頑住吉注:13ページ目の画像のキャプションです。「レシーバー尾部カバーを90度回して取り外す。」)

(頑住吉注:14ページ目の画像のキャプションです。「レシーバーの中からリコイルスプリングを取り出す。コッキングハンドルを後方に引き、ボルトをレシーバーから取り出す。」 部品名称は「ボルトユニット」です。)

(頑住吉注:15ページ目の画像のキャプションです。「トリガーガード前後に各1本固定ネジがある。ネジが自然に緩まないため、固定ネジの脇にはさらに緩み止めネジが装備されている。」 部品名称は上が「緩み止めネジ」、下が「固定ネジ」です。)

(頑住吉注:16ページ目の画像のキャプションです。「固定ネジおよび緩み止めネジを抜くと、バレル/レシーバーユニット、銃本体/ストックユニット、トリガーガードユニットに分離できる。」 ストック前部を「銃本体」(原文では「槍体」)と呼ぶのはちょっとおかしいと思いますが。)

(頑住吉注:17ページ目の画像のキャプションです。「レシーバー左側下方にグリップセーフティが設けられている。緩めている時はセーフティ状態の位置になり、セーフティバー前端がレシーバーに入ってボルトの運動を制限する。」)

(頑住吉注:18ページ目の画像のキャプションです。「グリップセーフティを握るとグリップセーフティがセーフティバーを押し動かし、前端が下降し、セーフティ状態が解除される。」)

(頑住吉注:19ページ目の画像のキャプションです。「コッキングハンドルを後方に引き、ボルトをいっぱいに後退させると、シア中部の突出部がボルト下方のコッキング突起とかみ合い、発射準備状態となる。」 これは分解手順ではなく機構の説明ですね。シアの軸は前方にあり、トリガーを引くとトリガー上前部が下降してシア後端を押し下げる、ということのようです。 部品名称は上が「シア突出部」、下が「ボルト下方のコッキング突起」です。)

(頑住吉注:20ページ目の画像のキャプションです。「ボルト前面にはファイアリングピンの穴、エキストラクター、ファイアリングピンと連動する撃発ブロックが設けられている。通常ファイアリングピンはファイアリングピンスプリングの作用下で後方位置にある(ファイアリングピン先端は包底面の中に引っ込んでいる)。トリガーを引き、ボルトが前進し、撃発ブロックがバレル後端に衝突してボルト内に引っ込められるとファイアリングピンが突出させられ、プライマーを打撃し、撃発が起こる。」 部品名称は上が「エキストラクター」、右が「撃発ブロック」、左が「ファイアリングピン」です。)

(頑住吉注:21ページ目の画像のキャプションです。「ボルト尾部には緩衝器が連結され、射撃時の後座力を減少できる。」)


 一見して、MP41の亜流かな、という印象を受けましたが、詳細に見てお分かりのように全く別物です。削り出し加工のレシーバーは生産性が悪そうですし、分解を見れば同時期のドイツ等のサブマシンガンに大きく劣ることが分かります。前進しきる際の衝突を利用してファイアリングピンを勢いよく突出させる機構は興味深いですが、多くのサブマシンガンは固定撃針で問題ないわけですから無用に複雑化させているとしか思えません。バッファーは普通レシーバー側に取り付けるものですが、ボルトに付属させたのはボルトの重量をかせぐためでしょうか。

 前回、史上初のグリップセーフティを持つサブマシンガンはイタリアのTZ-45だという内容を紹介しました。しかしこの銃は1941年に設計されているにもかかわらずグリップセーフティがあり、おかしいなと思ったんですが、実は1941年段階ではグリップセーフティはなく、1945年の改良の際に加えられたものでした。明記されていませんが、モデル名が48なので、終戦直前に登場したTZ-45より登場が遅かったと思われ、「史上初のグリップセーフティを持つサブマシンガン」の称号をつかみ損ねたということでしょう。

http://www.worldwar2.ro/arme/static/orita.htm

 この銃に関してはこんなページがありました。グリップセーフティのない1941年型の画像もあります。


















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