巨大ホバークラフトと水陸両用戦車

 中国の上陸戦用兵器に関する記事を2つまとめて紹介します。まずはずっと前からコラムで何度も触れている巨大ホバークラフト関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20130419/17787983.html


ヨーロッパバイソンの火力は超越的に強い 解放軍の島奪取戦能力を極めて大きく向上させる

(頑住吉注:この記事のキャプションは全て本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

【グローバル時報駐ロシア特派記者 謝亜宏 本報特約記者 柳玉鵬】 アジアの島嶼をめぐる争いがどんどん激烈になっているまさにその時、ロシアとウクライナのメディアは17日相次いで、島嶼争奪の利器と見なされる「ヨーロッパバイソン」級ホバークラフト上陸艇がすでに中国に引き渡されたと明らかにした。この現在世界最大のホバークラフト上陸艇は1回に500名にも達する作戦人員を上陸する砂浜に輸送することができ、しかも独立した作戦能力を持つ。外界は、「ヨーロッパバイソン」は極めて大きく中国の島奪取戦力を向上させる、と考えている。

ウクライナ特殊装備社は17日にウェブサイトで情報を発表し、ウクライナはすでに中国に向け1隻の大型ホバークラフト上陸艇を引き渡した、とした。この「ヨーロッパバイソン」級と呼ばれる上陸艇は世界最大のホバークラフト上陸艇と呼ばれるに耐え、主に軍事設備や海兵隊の輸送に用いられる。この艇は上陸作戦を行い、かつ海兵隊のために火力支援を提供できるだけではなく、さらに機雷を輸送、敷設することもできる。中国とウクライナの契約に基づき、ウクライナは最初の2隻の製造を担当し、後の2隻は中国国内で建造されることになる。

ロシアの世界武器貿易分析センターのウェブサイトは17日、ウクライナ安全保障業務工業のカンツァイエンと中国海軍は12日に、第1隻目の「ヨーロッパバイソン」級ホバークラフト上陸艇の引き渡し文書に署名し、中国海軍代表はウクライナが建造したホバークラフト上陸艇の品質に対し高い評価を与えた、とした。ロシアの「視点報」は17日、ソ連時代、ロシアの臨海造船工場とウクライナの「大海」造船工場は共に「ヨーロッパバイソン」を建造したことがある、とした。中国はかつてロシアとこの上陸艇の販売に関し長期にわたる談判を行ったが、価格で一致を達成させることができず、またロシアサイドはさらに過酷な技術移転条件を設定した。中国は15隻の完成品を購入する必要があり、その後にやっと関連の技術資料が獲得できる、と。中国はその後ウクライナと購入契約を締結する方向に転じた。ロシア国防製品輸出社の輸出業務部門責任者アチゾフは、ウクライナが中国向けに「ヨーロッパバイソン」を提供する行為は、ロシアサイドの知的財産権を侵犯しており、何故ならこの艇はサンクトペテルブルグの「ダイヤモンド」中央設計局が設計したものだからだ、と批判している。だがウクライナは、移転されようとしている技術はロシアが生産した「ヨーロッパバイソン」には属さず、ウクライナが自主的に研究開発した技術だ、としている。このホバークラフト上陸艇の標準排水量は480トン、最大航行速度60ノット(頑住吉注:およそ時速111km)、3両のTー80型メインバトルタンクあるいは10両のBTR-70型兵員輸送車が搭載できる。船上にはさらに4つの上陸船室があり、全部で140の上陸人員の座席があり、必要時は武器装備輸送のための船室内に枠外で360人の海兵隊員を収容できる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

ホバークラフトの主要なメリットは適応性が強いことで、船上の大出力ファンを利用して空気を船底に圧入し、船底と水面(あるいは地面)との間に空気のクッションを形成させ、船体全部あるいは大部分を水面(あるいは地面)から離して航行することである。このためホバークラフトは航行速度が速いだけでなく、さらに湿地、砂浜など各種の地形を通過することができる。このことは軍事領域において優勢が特に突出し、伝統的上陸艇は全世界の15%の海岸が通過できるだけだが、ホバークラフト上陸艇は70%の海岸で上陸が行える。普通のホバークラフト上陸艇に比べ、「ヨーロッパバイソン」にはさらなる独特の絶技がある。この艇は完備された武器装備を備え、これには30mm機関砲2門、「ニードル-1M」あるいは「アロー-3M」対空ミサイルシステム、完備された通信ナビゲーション、電子対抗設備などが含まれ、独立した作戦能力を持つ。

「視点報」は、ロシア海軍が「ヨーロッパバイソン」を購入することはなく、何故ならそのサイズが大きすぎ、上陸艦の中に入らないからである、とする。説明によれば、アメリカのLCACに代表される中型ホバークラフトは体積がより小さく、大型上陸艦艇内に搭載してグローバルな配備ができる。一方「ヨーロッパバイソン」は自らの燃料備蓄に頼るしかなく、活動範囲は近海に制限される。このため各国の海軍が装備するホバークラフト上陸艇の主なものは皆LCACを模倣した運用模式である。現在、中国海軍071型ドック上陸艦もすでにLCACに類似した国産ホバークラフト上陸艇を装備している。

だが、「ヨーロッパバイソン」級ホバークラフト上陸艇は中国にとってそれでも特殊な意義を持つ。この艇は他のプラットフォームの助けを借りる必要なく投入され、また積載重量が大きい、航行速度が早いなどの優勢を持つため、独立作戦能力が非常に強い、台湾の本日ニュースネットは、もし「ヨーロッパバイソン」が解放軍が駐留して守る西沙永興島に配備されれば、その作戦範囲は西沙諸島全体をカバーでき、南海の主権争奪の重要な道具となる、とする。カナダの「漢和安全保障業務評論」も、「ヨーロッパバイソン」の対地攻撃火力は西側のいかなるホバークラフトをも超えており、この艇は極めて大きく中国海兵隊による東海、南海の争いのある島嶼を奪取占領する能力を向上させる、と考えている。


 ロシアの批判に対するウクライナの答えを見ると、なるほど中国と気が合いそうなメンタリティだなという感じがします。最初に販売側の国で2隻、続いて購入側の国で2隻、という建造方法は中国が購入するという未確認情報があるロシアの「アムール」潜水艦と同じで、潜水艦同様さらに中国なりにアレンジして量産が続けられるものと思われます。

http://military.china.com/important/11132797/20130419/17789005.html


台湾メディア:大陸の上陸部隊の新戦闘車両は重武装化され島の奪取能力が強い

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ずっと前、すでに04式歩兵戦闘車両の中国陸軍への装備が開始され、機械化部隊の主力装甲戦闘車両の1つとなっている。」)

新たに装備される多種の重装備戦闘車両に頼り、中国の上陸戦部隊の「海から陸へ」の突撃能力は急速に向上する。

皆が知る原因から、台湾島内の軍事ウォッチャーは中国大陸の上陸能力にことのほか関心を注いでいる。最近出版された「先端科技」誌の報道によれば、海兵隊はすでに中国人民解放軍の建設の重点となっており、その戦力向上の秘訣は「重装備化」にあり、その目的は防御側の火力阻止下で岸の防御体系に対する「強行突破」を実現することにある。近年来解放軍海兵隊が続々と装備している多機種の水陸両用戦車は「重装備化」の核心である。

報道は、解放軍の多種の歩兵戦闘車両および火力突撃車両はいずれも抜きん出た海上に浮かんで渡る性能を持つ、とする。2006年に初めて明るみに出たZBDー04歩兵戦闘車両は、現在すでに海兵隊および上陸機械化師団に大量装備されている。この車両は7名の兵士を搭載でき、ロシア製をコピーした2A70型100mm低後座力砲と30mm2A72機関砲を同時に搭載した砲塔レイアウトを採用し、火力の強さは西側の同類装備を超えている。文章は、ZBD-04の100mm砲は自動装填装置によって装填され、実用発射速度は毎分10発で、しかも射程5,000mに達する砲から発射するタイプのミサイルが発射でき、浮かんで渡る途中での固定目標に対する命中精度は9割に達する、とする。

「先端科技」は、ZBD-04戦闘車両は外観上非常に大きく、戦闘全備重量は21トンと軽戦車に近いが、強力な動力システムに頼り、路上最高時速はそれでも60kmを超える、とする。この車両のシャーシが備える浮力は充分に大きいため、解放軍海兵隊はさらに「派生版」工程車両を発注し(頑住吉注:水陸両用工兵戦車みたいな感じだと思います)、もって部隊の持続作戦を保証している。また中国大陸の軍事工業部門はすでにより先進的な、ZBD-04のグレードアップ版であるZBD-08を登場させているとされる。ZBD-08の外観はスウェーデンのCV9040戦闘車両に似ており、正面装甲防護に重点が置かれ、特にウォータージェット推進システムが追加され、海兵隊の「岸に対する突撃」速度をさらに一歩向上させた、とされる。

台湾メディアは、国際的な大環境の下で、台湾海の平和は両岸が今に至るも完全に解決し難い問題となっており、中国軍は武力という選択肢も放棄してはいない、と信じている。同時に、国力が日増しに強大化するにつれ、中国の南海と東海における島嶼の帰属問題による隣国との摩擦もまた日増しに増え、上陸作戦に責任を負う海兵隊は自然に新式武器支給の重点となっている。

(頑住吉注:これより ページ目。画像のキャプションは「台湾軍が装備するアメリカ製AAAV-7水陸両用車両は、大陸の水陸両用戦闘車両の相手になるにはほど遠い。」です。)

ZBD-04/08歩兵戦闘車両の他に、解放軍海兵隊はさらにより専業的な水陸両用戦闘車両ZBD-05式を受領している。この車両は車体正面に人目を引く大型防浪板を持ち、水中で展開するとサーフボードのように抵抗を軽減し、水上前進速度を向上させる。動力システムは陸上と水上の環境の違いに基づき、空冷および水冷模式を柔軟に選択できる。

「先端科技」は分析し、ZBD-05の普通型車両は30mm機関砲1門と7.62mm同軸機銃を搭載し、砲塔両側にはさらに2発の紅箭-73C対戦車ミサイルが追加装備できる、としている。画像から見て、この車両は9名の兵士が搭載でき、操縦員はより省力化されたハンドルを使って方向転換をコントロールし、全体性能はアメリカが台湾に販売するAAAV-7水陸両用突撃車両を超えている。

これだけではなく、解放軍海兵隊はさらに同時並行でZBD-05の「火力突撃型」であるZTD-05水陸両用突撃砲を装備し、徐々に元々ある63A式水陸両用戦車に取って代わらせている。ZTD-05の車体部分はZBD-05と基本的に同じだが、長砲身の105mm砲を装備し、中戦車と対抗するに耐える火力を備える。関心を注ぐに値するのは、ZTD-05も同様に砲から発射されるタイプのミサイルを発射する能力を持つことで、これにより敵のアウトレンジを実現する。

台湾メディアは、解放軍海兵隊がZBD-04、ZBD-05/ZTD-05系列戦闘車両を装備すれば、上陸作戦執行時に第1波の上陸部隊は敵守備軍がまだ脅威を構成する距離で即海に下ろされ、浮かんで海を渡って上陸でき、戦役行動の突然性と快速性が向上し、また各種の上陸艇、ホバークラフトに対する需要を減らすことができ、狭小な上陸場所を過度に混み合わせることがない、と考える。「先端科技」は、現在中国大陸の海兵隊の編成はおよそ2個旅団規模で、陸軍の2個上陸機械化師団を加算すれば、総兵力は3.5〜4.5万人であり、台湾海問題や南海、東海の争いに直面する時、こうした徐々に機械化、重装備化する上陸戦力は、日増しに軽視できない戦略打撃戦力になる、とする。

(頑住吉注:3ページ目)台湾メディアは、大陸最新のZBD-08式歩兵戦闘車両は外観上スウェーデンのCV90戦闘車両に似ているとしているが、まだ真偽は見極め難い。画像はスウェーデンのCV90戦闘車両。

(頑住吉注:4ページ目)画像は中国陸軍の62式軽戦車で、グレードアップ改装を経たもの。外国メディアの報道によれば、この戦車は04式歩兵戦闘車両によって取って代わられる。

(頑住吉注:5ページ目)中国海兵隊の新型水陸両用戦闘車両が対戦車ミサイルを発射しているところ。

(頑住吉注:6ページ目)中国海兵隊の新型水陸両用突撃車両。この戦闘車両はすでに非常に大きな程度上既存の水陸両用戦車に取って代わっている。

(頑住吉注:7ページ目)中国は現在世界最強の水陸両用装甲戦力を持つ。

(頑住吉注:8ページ目)アメリカが装備する水陸両用高速突撃車両。現在唯一の、中国の新型水陸両用突撃車両と比肩し得る水陸両用戦闘車両でもある。


 確かに火力では中国の水陸両用戦車は強力ですが、総合性能となるとどうなんでしょうか。しかし日本がわずかな数の同種の装備を購入しても数で圧倒されることは間違いないはずです。

















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