H&K P11水中ピストル製作記

これはP11の製作情況をリアルタイムでお知らせしたものです。なお、他のページと重複する画像は削除しました。

6月5日 
 H&K P11は特殊部隊等が水中で使用することを想定して作られた秘密兵器です。5本のバレルを束ねた(広義の)ペッパーボックス形式ですが、バレルグループは固定されて回転せず、電気発火で次々に発射することができます。発射前銃口はふさがれ、弾丸はカバーを破って発射されますが、再装填はできず、メーカーに送り返さなくてはなりません。銃自体も大きく重いですし、多数発射するには大きく重いバレルグループを複数持たねばならないのが欠点とされています。負担が大きく、地上用のピストルを別に持つのが困難であるからか、地上用のバレルグループもあるそうです。
 まだ秘密の存在であり、情報は多くありませんが、「DWJ」2002年5月号にレポートが掲載されており、ネット上にも一部情報が出ているのである程度リアルな外観の再現が可能です。
 本当は5連発できるものにしたかったんですが、現実的に難しいと判断し、全く別のギミックを選択しました。外観はP11ですが、発射機能はコンパクトモスカートにより、当然単発になります。

 現在メカが出来たところです。実銃同様、レバーを180度回転させるとバレルグループが前に抜けます。これによりコンパクトモスカートが装填、排出できます。バレルグループとレバーを戻すと固定され、トリガーを引くと発射します。クロスボルト式のセーフティも実銃通りの再現になります。機能はありませんがグリップ下部の電池ボックス部分は着脱可能とし、発射時はやむを得ませんがディスプレイ時は銃口にリアルなカバーを装着できるようにします。
 バレルグループは20mmアクリルパイプを束ねて作り、太いパイプを通すために内部をくりぬこうと思ったんですが、事実上ちょっと無理っぽかったんでやむを得ず型を取って複製しました。ちょうどいい内径(29mm)の紙製パイプが都合よく手元にあり、これを鋳込んでバレルグループを作りました。写真では分からないと思いますが、たぶん大部分の人は実物を見たら「こんなに大きいの?」と驚くと思います。
 形状もメカも単純なので、製作にはあまり長い時間はかからないと思います。7月末頃には発売できるのではないでしょうか。価格は完成品2万円、キット1万円程度を考えています。発売までにコンパクトモスカートが別売されているといいんですが。

6月13日

 だんだん形ができつつあります。
 以前サンプロジェクトの40mmカート(実際には弾丸の径は40mmありませんでしたが)を使用するH&K製グレネードランチャーをアームズのガンスミス記事用に作ったことがありました。あのカートはプライマー部分(ここを押すことによって発射が起こる)が注入バルブより少し大きいくらいの径しかないので精度が要求され、しかも注入バルブには鋭い段差がありますからストレートに押さないと抵抗が大きくなり、そして非常に強い力で押す必要があるという使いにくいものでした。今回使っているコンパクトモスカートはプライマー部分が非常に大きく、スムーズなので回転運動するパーツでも無理なく押すことができ、しかもごく弱い力で押せばいいのでガレージキットにも使いやすいです。実際サンプロジェクトのカートでは全く不可能でしたが、コンパクトモスカートなら指で押して発射することも容易なほどです。しかも小さいけれどけっこうパワーもあって迫力のある発射音がしますし、非常に気に入りました。
 製作も順調で、この分だと今月中に原型が完成するかもしれません。ちなみに言うまでもないとは思いますが上に書いた大体の予価は、発売時期も価格も発表されていないコンパクトモスカートは含まない価格です。

6月19日

 細部の造形もほぼ終わり、現在はすでにサーフェイサーを吹いて仕上げにかかっています。型で作るパーツの点数は13個程度になりそうです。

6月27日

 仕上げにやや手間取っていますが、もうちょっとです。6月末日か7月初めに原型が完成し、7月10日までには試作第一号ができると思います。

7月8日

 今日試作第一号が完成しました。
 というわけで、

 一部のパーツが原型では問題なかったのにプラキャストでは剛性不足と分かり、手直しが必要になりましたが、大きな問題ではありません。今回は接着部分がほとんどなく、表面仕上げを除けばあまり手のかからないキットになりそうです。かつてモデル化されたことのない非常にユニークな形状、迫力あるコンパクトモスカートによる発射と、けっこう面白いものになったと思います。
 発売はやはり7月下旬になりそうです。









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