運ー20関連3題

 輸送機という機種はやや地味なイメージですが中国国内では非常に注目度が高いようです。

http://military.china.com/news/568/20141113/18959740.html


専門家:運ー20は野戦飛行場での発着を実現する必要がある 中国は100機以上必要とする

人民ネット北京11月13日電(邱越) 先日第10回中国国際航空宇宙博覧会が珠海で開幕し、多くの素晴らしい飛行デモンストレーションの中で、「パンニュー」(頑住吉注:日本語にない漢字が使われ「太った娘」の意)運ー20のパフォーマンスがことのほか人の注目を引いた。軍事専門家杜文竜は中央テレビのインタビューを受けた時、その他の大型輸送機に比べ、運ー20の電子設備と飛行コントロール技術はいずれも非常に先進的で、将来我が軍の重要な主戦装備は全て運ー20を使用して遠距離投入できる、とした。

運ー20は最大離陸重量220トン、搭載重要は66トンを超え、我が国が今までに研究開発した最大の飛行機である。中央テレビの報道によれば、飛行デモンストレーションの中で運ー20は1,000mに満たない空域内でやや萌えっぽく軽々と旋回し、何度もの比較的大きな角度の旋回、カーブを行い、特に離陸時には極めて短距離滑走しただけでもう急上昇した。

杜文竜は、運ー20の技術の起点は非常に高く、C-17やイリューシンー76に比べ、運ー20の電子設備は非常に先進的で、飛行コントロール技術は非常に発達し、飛行デモンストレーションの中で「飛行員は何と運ー20というこの『大型トラック』を『小型セダン』のように飛ばし、空中の敏捷性は想像を超えた」、とする。また運ー20の機体は非常に幅広くて大きく、我が国の主戦装備の外形寸法に照らして設計が行われ、将来我々の新型戦車や大型対空ミサイルをいずれも運ー20に搭載し、遠距離投入が行える、という。

「運ー20は将来の我が国の戦略装備になり、快速投入の完成と我が軍の快速反応能力保証の重要な基礎であり、我が国の国土の縦深内の兵力投入に非常に大きな依拠を提供した。」 李莉(頑住吉注:女性の軍事専門家)はこのように語り、潜在的脅威、あるいは自然災害など突発事件に直面した時、兵力を最短の時間内に指定の地点まで投入するには、大型の輸送機群を保障として必要とし、もしグローバルな投入を考慮しなくても、全国土の縦深内の投入の需要を満たすには、何十〜100機以上の規模を必要とする、とした。

李莉はさらに一歩、運ー20は戦略および戦術性能を兼備した輸送機となることが必須で、前線の保障条件が不充分な飛行場であっても降着できる必要がある、とする。イリューシンー76が兵器貿易市場で販売が徐々に低下しているのは、まさにその滑走路に対する要求が比較的過酷だからで、発着距離が800〜1,000mに達する必要があり、非常に多くの前線の飛行場はこのような条件を具備せず、このためその適用範囲は大いに制限を受ける。将来運ー20は区域をまたいで機動する需要を満足させる必要があるだけでなく、しかも条件が良くない野戦飛行場でも発着できる必要がある。また運ー20は最も良い電子設備を配備しており、かつ我が軍の装備に照らして機のキャビンの設計が行われており、こうした後発の優勢は我が軍にとって意義が重大であると言える。


http://www.hinews.cn/news/system/2014/11/13/017110047.shtml


運ー20、多くの大型装備を収納可能 中国軍用輸送の新時代を開くことに

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「国産大型輸送機運ー20。魏明撮影」)

11月12日は第10回中国国際航空宇宙博覧会の業界向けの日第2日目であるが、国産大型輸送機運ー20はずっと関心の焦点である。今回やって来て展示に参加する運ー20は明るい灰色の塗装を採用し、垂直尾翼に巨大な五星紅旗が描かれている。

運ー20が2013年1月26日に成功裏に初飛行してから今まで、まだ2年の時間にも満たず、運ー20の初飛行から展示への参加までの時間の短さは、中国軍用機の記録を創造したと言うことができる。

現場から見て、運ー20は同じエンジンを採用するイリューシンー76輸送機に比べて体型が見たところより「豊満」で、このことはその貨物室の設計がより広々としており、もって大型装備輸送の需要を満足させることを説明している。ロシアのイリューシンー76輸送機の貨物室の寸法はメインバトルタンクであるT-72、T-80およびS-300対空システムが輸送できる指標をもって設計されており、中国国産の96式などのメインバトルタンクは輸送できない。一方運ー20はより大きな貨物室の寸法で、これはより多くの種類の大型装備が収納できることを意味している。

空軍軍事専門家王明志は、運ー20のデータはまだ完全に公開されていないが、その研究開発成功は中国の軍用航空輸送体系に新たな革命をもたらすことになる、と指摘する。運ー20の基本的な外形寸法、空輸搭載能力などの基本性能はいずれもすでに公開されているが、飛行機がまだ最終的に定型に至っていないので、非常に多くの技術的ディテールがまだ秘密保持段階にある。運ー20がひとたび研究開発に成功すれば、中国の軍用航空輸送力量、特に戦略的空輸力量にさらに一歩の強化が達成されることになる。我々は戦略縦深から、作戦力量あるいは物資を直接前線まで輸送する能力を実現することができ、このことは中国の軍用航空輸送の方式に重大な変化を発生させることになる。

関連の資料は、運ー20輸送機、コードネーム「鯤鵬」(頑住吉注:巨大な想像上の魚と鳥、転じて最大級に大きなものの例え)は、我が国が自主研究開発する新世代大型軍用輸送機で、最大離陸重量は220トン、搭載重量は66トンを超えることをはっきり示している。我が国が今までに研究開発した最大の飛行機で、その搭載能力は世界の先進国の主流の大型輸送機の搭載能力と同等で、中国軍事近代化の重要なマイルストーンである。


http://military.china.com/important/11132797/20141114/18963834.html


運ー20プロジェクト立ち上げ後かつて反対に遭う 中国、イリューシンー78と運ー10で大いに馬鹿を見る

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国の運ー20珠海航空展にお目見え」)

中国の運ー20、アメリカのC-17、ロシアのイリューシンー76というこの3人の同業者が珠海航空展現場に一緒に出現した時、ざっと見たところそれらはいささか似ているようだ。

C-17とイリューシンー76戦略輸送機はすでに就役して2、30年、中国の大型軍用輸送機である運ー20はまだ若造であり、この機は去年1月26日に初飛行したばかりで、現在定型段階にある。今週の珠海航空展へのお目見えは、この機と公衆の初の近距離での接触である。

航空展が11月11日に開会して以来、サイズの非常に大きい運ー20は連続2日デモンストレーション飛行を行い、この機を持ち上げる4台のD-30KP2エンジンが航空展の所在する金湾飛行場上空をかすめて過ぎる時、轟音が観衆の耳をつんざかんばかりである。超越的に高い関心度は人々に、これは中国が独立自主で研究開発した初の戦略輸送機であると注意を促す。

ある業界の人物は、運ー20には空力外形上C-17、イリューシンー76の影がある、と考える。中国空軍の初期の輸送機は大半がコピー生産されたものだったが、運ー20は明らかに「パクリ」の結果ではない。

「この種の空力外形はルールで、この種の技術的ルールは、アメリカ人に遵守する必要があり、ロシア人に遵守する必要があれば、中国人も遵守する必要があるのだ。」 軍事科学院の王長勤研究員は、「これは人それぞれが皆糧食、野菜、果物を食べてこそ栄養を保証できるようなものだ。」と語る。

国際的な習慣では最大離陸重量100トンから200トンの間の輸送機を大型輸送機と称し、100トン未満は中型輸送機である。大型輸送機の代表はアメリカのC-17とロシアのイリューシン-76で、この隊伍の中には遠からぬ将来中国の運ー20が加入することになる。

運ー20は中航工業西安飛行機工業集団社によって研究開発され、「鯤鵬」と命名されたが、この機を研究開発する作業人員は密かに親しみを込めこの機を「パンニュー」と呼んでいる。その体型は見たところ中国空軍が装備するイリューシン-76に比べやや幅広く、もってより多くの大型作戦装備を搭載するのに便としているようだ。

工業的基礎が薄弱なため、中国空軍の当初の軍用輸送機はソ連製をコピー生産したもので、例えば運ー7はソ連のアントノフー24を参照し、運ー8の原型機はアントノフー12である。「後には差し迫った需要を満足させるため、またソ連や後にはロシアからツポレフ-154、イリューシン-76が輸入された。」

だが外国から装備を購入することは、容易に人に制約を受けるということである。「航空知識」副編集長の王亜男は、今世紀初めにかつて中ロ双方はイリューシン-76とイリューシン-78の兵器販売契約を締結したが、価格などの原因により、この契約は最終的に履行されなかったとされる、と説明する。

「国家の戦略装備、技術は買ってこられるものではなく、市場は代わりにはならないのだ。」王亜男は総括して語る。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「資料画像:中国の運ー10輸送機」です。)

事実は再三この点を証明済みである。装備専門家である軍事科学院の王長勤研究員は中国青年報記者のインタビューを受けた時、「我が国の大型輸送機の研究開発は、軍用も民間用もいわゆる『紆余曲折』で、一方においては関連の技術の基礎研究が持続しつつあり、もう一方では開発を必要とするか否か、自主開発ができるのか否かなどの論争が終始絶えたことがない。」と語った。

「このように論争の中で前進し、前進の中で論争があったのだ。」と彼は語る。

周知なのは1970〜80年代の大型ジェット式旅客機運ー10プロジェクトであり、研究開発経費の逼迫、外部環境の妨害、このプロジェクト自体の問題などの原因により、途中で中止された。「関連部門は極力、マクダネル-82旅客機のいわゆる中米協力研究開発・生産を推進したが、後にアメリカサイドは一方的に契約を破棄し、協力計画を夭折させた。」 (頑住吉注:それは天安門事件のせいなのでは。)

「悲惨で痛切な経験は、自主的な技術能力なくして西側の重大プロジェクトとの協力を行うことには言うに足るような対等な利益はない、ということを示した。」と王亜男は語る。2007年、国務院は原則的に大型機研究開発重大科学技術特定プロジェクトの立ち上げを批准した。「10年の時間にもならず、我々はもう成功裏に運ー20輸送機とC-919大型旅客機を研究開発した。」

「国が『大型機開発』の決策をなした後、依然少なからぬ人が中国が大型機を開発することに反対し、かつその必要性と自主開発能力に疑問を呈した。」と王長勤は興奮して語った。

運ー20がすぐに初飛行に成功し、C-919が航空展にお目見えするとすぐ100機の発注を獲得したことは、こうした疑念に対する最も良い回答である。一部の軍事専門家は、運ー20の全体性能はイリューシン-76を超え、その改良型であるイリューシン-476に近く、かつ顕著な中国の特色を持っている、と考える。

王長勤は、こうした「中国の遺伝子」は集中的にこの機の機体、飛行コントロール、通信ナビゲーション、総合輸送方案の自主創新の上に体現されている、と考える。機の機体設計の上で、新型軽質材料の採用、新型の空力モデルの運用などは、機の空力性能と輸送能力を高めた。「現在の状況の下で、運ー20の最大離陸重量は220トン、搭載重量60トンに達し得る。後続の改良で、依然搭載重量増大の余地がある。」

今回の航空展最初の2日、運ー20は毎日観衆のために15分間の飛行デモンストレーションを行った。その非常に大きな体躯がゆっくりと頭上に飛翔した時には、まるで巨大な「鯤鵬」のようである。「運ー20の操縦性、信頼性、安全性、情報化レベルはすでに世界先進レベルに到達している。」 王長勤は、「一言で言えば、技術は時代性を体現し、機能は戦略性を体現し、総合して中国の特色を体現している。」と考える。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「資料画像:中国の運ー10輸送機」です。)

「『大型機開発』といったような戦略的問題に対しては、我々は戦略的にしっかりした見解を持つことが必須であり、さらには戦略的定力がある必要があるのだ。」と彼は思い返して語る。(頑住吉注:「定力」は本来仏教用語ですが、ここでは雑音に惑わされない力くらいの意味でしょう。)

第10回珠海航空展は非常に盛んに行われつつあり、航空展に参加する運ー20原型機の頭上にはコードナンバー「783」が記され、塗装も去年の黄緑色から灰色に改められ、このことはこの機が空軍に装備されるまでの時間がどんどん近づいていることを意味している。この運ー20のかたわらには、中国空軍の空警ー2000早期警戒機が駐機され、これも自主研究開発の成果である。中国はかつてイスラエルと合同で早期警戒機を研究開発したが、他国の圧力と妨害により、最終的に中止せざるを得なかった。

全く疑いなく、運ー20がひとたび就役すれば、非常に大きく中国空軍の戦略投入能力を高める。この機はさらに早期警戒機、空中給油機のプラットフォームにもなり得、このスターたる実戦機はさらに大衆の民族的誇りの感情を高めた。

だが王長勤はこうした意義について多くを語りたがらない。このキャリアの長い専門家はむしろ一言忠告したがった。彼は、「我々の大型輸送機、大型艦は全て回り道を経てきた。その中では『防忽悠』というのが比較的通俗的に分かりやすく、また銘記しておくに値する言葉かもしれない。」と語った。(頑住吉注:「動揺するのを防ぐ」?)

(頑住吉注:3〜5ページ目)中国空軍が装備するイリューシン-76輸送機

(頑住吉注:6、7ページ目)中国空軍のイリューシン-76輸送機のコックピット

(頑住吉注:8ページ目)中国の運ー20輸送機


 日本も戦後最大規模で離陸重量が100トンを優に超え得る次期輸送機を開発していますけど注目度はあまり高くなく、「大衆の民族的誇りの感情を高めた」というのはいまいちピンときませんね。























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