戦車競技関連2題

 競技会自体はもう終わりましたが。

http://tuku.military.china.com/military/html/2014-08-15/225511_2528900.htm


中国の96Aはなぜ戦車競技の中でのパフォーマンスが良くないのか

最近、ロシアの戦車大会がメディアの関心の焦点になっている。中国チームは第1、第2段階の競技を経て、国家総ランキングは依然8位にあり、合計得点の隔たりは縮まったが、最後の決勝戦に参加するには依然難度がある。結局のところ中国の96A戦車は何故競技の中でパフォーマンスが良くないのか? 本画像集はあなたのためにこれにつき解読する。

(頑住吉注:画像自体の中の文章です)最近行われた世界「戦車両項目-2014」競技の中で、中ロの3種の戦車のパフォーマンスがメディアと軍事マニアの高度の関心を引き起こした。

ロシア戦車の一貫したリードと中国戦車のやや不足が目立つパフォーマンスは人々を不可解にさせる。何故中国の96A型戦車はロシアのT-72改良型戦車を追い越せないのか?

(頑住吉注:2ページ目)広大な軍事マニアの熱烈な期待の中で「戦車両項目」はついに今週開幕した。当然みんなの期待は、今年の「戦車両項目」に解放軍南京軍区が派遣した4両の96A戦車の参加があることにも基づいている。

(頑住吉注:3ページ目)第1競技日の96A戦車809車両グループには競技中問題が起き、806車がこれに取って代わって競技を終え、全「戦車両項目」競技に対する観戦の熱情はここに至り起爆した。

(頑住吉注:4ページ目)96Aと同じ場にいたT-72B3およびロシアが使用したT-72B3Mの性能に対する横並びの対比、「戦車両項目」の性質に対する討論、96A車両グループの訓練レベルに対する討論、「戦車両項目」競技と実戦との間には緊密な関係はあるのか否か。

(頑住吉注:画像自体の中の文章および表です)

競技に参加する戦車の性能パラメータ

96A T-72B3 T-72B3M
エンジン 12V150ZALディーゼルエンジン V84ディーゼルエンジン V-93型ディーゼルエンジン
戦闘重量 43.7トン 44.5トン 44.5トン
馬力 800馬力 840馬力 1130馬力
出力:重量比 18.30馬力/トン 18.88馬力/トン 25.39馬力/トン
最大時速 時速57km 時速60km 時速60kmを超える
全長 10.65m 9.53m 9.53m
全幅 3.30m 3.46m 3.46m
全高 2.30m 2.19m 2.19m
乗員人数 3名 3名 3名
主砲 125mm主砲 2A46型125mm主砲 2A46型125mm主砲

※戦車の出力:重量比とはエンジンの馬力/戦車の戦闘全備重量

(頑住吉注:ちなみに画像の中のキャラは順に、「どういう原因?」、「目を見開いて見てみろ」、「真相はここにある」と言ってます)

実際、「戦車両項目」競技に参加するこの3機種の戦車の基本データの中で、競技場でのパフォーマンスに関係するデータはエンジンの馬力、すなわちエンジンの馬力を戦車の戦闘全備重量をもって除して得られた「出力:重量比」である。

ホスト国ロシアがその他の10の競技参加チームに提供した「公式指定使用車」はT-72のグレードアップ改良型T-72B3で、その出力:重量比は18.88馬力/トンである。我が国の出力:重量比が18.30馬力/トンの96A型戦車に比べやや優勢が目立つ。一方ロシアが競技参加に使用するのは、最新改良型のT-72B3M型戦車であり、1,130馬力のエンジンの優勢に頼って、その出力:重量比は25.39馬力/トンに達し、T-72B3および96式に比べ40%高い!

このため「戦車両項目」の競技場で、ロシアチームは全ての場で先駆けすることができ、競技の所要時間方面でその他の隊伍に大幅に先んじ、第1段階の競技の中での所要時間ではさらに27分リードした。

(頑住吉注:以後はこれまで紹介した記事との重複なので省略します。)


 戦車の機種名とか重量とか記事によってまちまちなんですが、トンあたり馬力でロシアの最新改良型が他を大幅に上回っていたことは事実でしょう。

 8月15日のコラムで紹介した記事との重複が多い、というかあれはこの記事のダイジェストだったという感じです。

http://military.china.com/important/11132797/20140814/18710457.html


中将、96式戦車を詳解:火力反応速度はアメリカ製M1系列に遜色なし

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「戦車大会に参加する解放軍の96Aメインバトルタンクのディテール」 なおこの記事のキャプションは全てこれと同じです。)

我が96A戦車の戦車大会におけるパフォーマンスをどう見るか

南京軍区元副司令員 王洪光


ロシアの戦車大会が盛んに行われ、「前方」の情報が不断に伝わってきており、すなわち人心を興奮させるものあれば、人を落胆させるものもある。広大な軍事マニアも顔を真っ赤にして論争している。これは人を喜ばせる良い現象であり、国防と軍隊建設に関心を持つ人が多くなったことを説明している。ある意見は先鋭かつ耳に痛く、「鉄が鋼にならないことを残念に思う」というものだが、愛国と軍を支持する情が紙上にありありとしており、人を喜ばせ安堵させる。

1人の戦車操縦員出身の老戦車兵として、筆者は装甲部隊、院校、本部装甲兵機関において30年余り就役し、自らにはやはり発言権があり、この競技に対しちょっと分析し、軍事マニアのために興を添えても良いと考える。

今回競技に参加した我が軍の96A戦車は、当時筆者の組織、指導下で研究開発が成功し、かつ部隊装備されたもので、パキスタンに輸出した戦車の改良型、すなわち「輸出を国内販売に転じた」ものである。このタイプの戦車にはそれなりの長所があり、天性の欠陥もある。その長所は火力と防御力であり、欠陥は機動力である。その情報化能力と装備の信頼性は改良型の中で不断に強化され、全車のコストパフォーマンスは高い。この戦車には車載コンピュータ制御の火力コントロールシステムがあり、レーザー距離測定(角度測定、速度測定)、自動修正、スターライト(サーモグラフィー)夜視、自動装弾を一体化し、T-72系列戦車に比べずっと速く、ずっと正確でもある火力打撃能力を持つ。この戦車の火力システムは東側(旧ソ連)と西側(欧米諸国)のそれぞれの長所を吸収している。火砲の口径、火砲の初速、砲弾の貫通力、装填速度などの方面では東側の伝統を継承および発展させ、火砲の威力は強大である。同時にまた必要な場合車長が砲手を飛ばして直接砲を発射する視察照準システム、像安定式火力コントロール、目標追跡、コンピュータ制御、サーモグラフィー夜視、砲の製造材料および技術などの方面では西側の長所を吸収しており、反応速度と精度の上で東側の戦車を超えている。時速30km以下の速度において運動目標に対する正確打撃能力を持っている。このため今回の戦車競技の中で連続3発命中させ、1発も標的を外さなかったのは、まさにこの長所の体現である。一方この戦車の機動力が弱い欠陥は、この戦車を研究開発する時もうすでに知られていた。型の改良の時不断に増強されたが、結局のところ先天的な欠陥は後天的には完全に補い難く、今回の競技の中でもはっきりと表れた。機動力の基礎はエンジンの出力である。96系列戦車の戦闘全備重量は41〜43トン、エンジンの出力は540馬力から徐々に780馬力まで増大した。これはすでにこの型のエンジンの材料、構造、伝動部品などの方面の極限であり、さもなければ動力がより大きなタイプのエンジンに交換する必要がある。買い入れの費用が非常に大きく増大するだけでなく、車内の動力室のスペースも増大し、作戦スペースに割り込むか、あるいは外形を拡大する必要がある。このため96系列戦車の出力は18〜19馬力/トンしかない。T-72後続型戦車の24馬力/トンに比べ少なからず劣っている。動力不足は実際の中に表れ、それは起動が遅く、加速性が劣り、坂を上るのに骨が折れるということであり、見たところどっしりと安定している。大馬力エンジンの戦車のように勇ましく元気いっぱいで、段差を越える時、甚だしきに至っては躍り上がるようなのとは違う。このため、ある人が96A戦車は第2世代のシャーシ(機械化)、第3世代の砲塔(デジタル化)だと言うのには道理がある。

防御力は競技の中では体現され得ない。筆者は責任を持って言うことができるが、96A戦車はT-72系列に比べずっと良い。我々が見る半球形の砲塔は全て鋳造砲塔であり、その外面にいくらかの付加装甲を追加装備しようとも(大多数は反応装甲で、成形炸薬弾にしか対応できない)、実は運動エネルギー徹甲弾に対する主要な防御能力は砲塔本体が生じさせるのである。鋳造鋼の砲塔は鋳造によってできるため、その強度は鍛造できてさらに溶接される鍛造砲塔に比べずっと弱い。我々が見る矩形に近い砲塔は大多数が鍛造砲塔で、96系列戦車も含めてである。初期の99式戦車は鋳造+鍛造砲塔で、まず砲塔のフレームを鋳造で作って、さらに主要な防御部位に鍛造装甲版を溶接した。現在では厚い装甲板の溶接技術がすでに難関を突破し、99式戦車であろうと96式戦車であろうと鍛造砲塔であり、さらに複合材料、反応装甲、レーザー警報、煙幕遮蔽などを加え、我が軍のメインバトルタンクの防御力は世界で最も堅固かもしれない。劣化ウラン徹甲弾を除き、その他の弾種が砲塔正面から貫通することは非常に難しい。車内にはさらに爆発、火を抑制する装置、防毒増圧装置があり、車内の乗員に対し最も有力な保護を提供している。

(頑住吉注:これより2ページ目)

さらに深入りして検討してみよう。何故あらゆる高度新技術を全てある1つの型の装備の上に応用しないのだろうか? これには作戦上の需要とコストパフォーマンスの問題がある。96系列戦車は主に中央平原および長江以南の地域に適用され、この地域は住民居住区(都市、村落)が密集し、道路が多く、網の目のような水路や丘陵地帯が多いため、戦車のオフロード機動能力に対する要求が相対的に高くない。特に対上陸および大型島嶼作戦では戦場の容量が限られ、最大進攻縦深は100〜200kmを越えない。もし「攻撃前進」の速度をもって攻勢行動を展開したら、給油を必要とせずもう「当面の任務」が完成されるかもしれない。このため「高い機動性」は必須の戦術技術指標ではないのである。また96戦車が直面するのはアメリカ製M60A3およびM1系列戦車であり、火力と防御力の指標が特に重要となる。96戦車の火力の威力と反応速度、正確度は絶対にアメリカ製M1系列戦車に劣らず、増してやM60A3は論外である。作戦実験室内で勝負はすでについているが、詳細な報告については言わない。コストパフォーマンスも考慮される重要な要素で、各種の高度新技術を一身に集めた戦車は、その価格も驚異的である。少数の戦車は作戦能力を形成せず、飛行機や艦艇のように何機あるいは何隻かでもう1つの作戦集団を形成でき、甚だしきに至っては1〜2機(隻)でもう1つの方面の戦役の戦術任務を担えるのとは違い、戦車は「集団」、「集群」を形成することが必須なのである。「合成大隊編成」が相対的に独立した戦術単位であり、30〜50両の戦車、歩兵戦闘車およびその指揮、保障車両が1つの「群」を形成し、これよりさらに小さい編成は独立して作戦できない。このため我々が第二次大戦の戦場と戦後のいくつかの戦争の中で、小分隊という戦術単位の作戦を全く見かけないのは、まさしくこの道理なのである。このため単一の戦車のコストパフォーマンスの重要性が突出する。1両の99系列戦車で3両の96系列戦車が買えるのである。軍としては、1個中隊の99戦車を買うだろうか、それとも一個大隊の96戦車を買おうと考えるだろうか? 当然、装備の中核として高度先端技術の装備も必要であり、陸軍は99系列戦車に体現している。ちょうどアメリカのF-22戦闘機とF-35戦闘機、我が国の殲ー20戦闘機と殲ー31戦闘機のようなものである。我が陸軍の99戦車と96戦車のハイローミックスは、1つは主に「三北」の広大な戦場に用いられ、1つは主に黄河、長江流域の相対的に狭小な地形の上に用いられる。まさかこれが「絶妙の配置」でないとでも?

最後にさらに軍事マニアたちに教える必要がある。戦車競技は戦車の乗員の操縦技能と射撃技能の競技に過ぎず、戦車固有の機動力と火力のレベルを一部反映できるが、戦車の戦術技術性能、すなわち作戦能力を全面的に反映することは決してできないのである。もし戦車の防御能力、情報化能力、戦場持続能力、維持修繕可能能力が全く反映できないとするなら、火砲の威力と砲弾の貫通力も反映できない。戦場の戦車とは完全に別物なのであって、作戦要求を用いて競技、試合を評定する必要はない。これは何故競技参加選手の多くが旧ソ連加盟共和国とソ連戦車を主に装備している国なのか、および何故T-72系列戦車を統一使用するのかの原因の在処である。我が軍の競技参加戦車の乗員は筆者がかつて勤務したことのある古い部隊から来ている。この部隊は我が軍で初めて96Aを装備した。筆者はこの部隊の訓練レベルに対し高度に認可し、自信に満ちている。彼らは平常でもしばしば射撃、操縦、通信、維持修繕などの専業技能の腕比べ、競技を行っており、世界の同業者や潜在的相手に比べ全く遜色なく、甚だしきに至っては技が一段優れている。競技を通じて外国軍から学び、きっとさらに一歩進むことができる。


 不利な条件の中で12か国中3位に入ったんですからまあ面目は保ったと言えるのでは。また中国戦車はロシア製戦車よりかなり安いようなので輸出にもいい影響が出るかもしれません。予算的に余裕のある国はロシアの最新改良型を買いたがるでしょうが。




















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