対ステルスレーダーが国家科学技術進歩二等賞を獲得

 まあ普通に考えて有用と評価されたということでしょうね。

http://military.china.com/important/11132797/20170126/30213227_all.html#page_2


中国の対ステルスレーダーが国家の大きな賞を獲得 アメリカの数千億ドル、あるいは水の泡か

最近行われた国家科学技術奨励大会で、中国電子科技集団社第38研究所が研究開発したメートル波三座標レーダーが国家科学技術進歩奨励ニ等賞を獲得した。

国防科学技術大学国家安全・軍事戦略研究センターの軍事専門家である王群教授は科技日報記者に対し説明し次のように語った。「全く疑いなく、メートル波三座標レーダーはより良くステルス実戦機に対する質の高い位置決定と追跡が実現できる。国際的に、フランス、ドイツ、ロシアのメートル波レーダー研究水準が比較的高く、高速、高機動のステルス実戦機の探知計測方面でいずれも「人を越えたところ」がある。今回我が国で賞を獲得したメートル波レーダーは主要な性能指標上ある程度超越しているが、全面的な超越を実現しかつ先んじた水準を保持するには、おそらくまだ不断に研究開発に入れる力の度合いを強化しなければならない。何故なら中国の殲ー20およびロシアのT-50ステルス戦闘機の装備と共に、需要の牽引の下、西側諸国が視線を改めてメートル波レーダーなどの対ステルスレーダーの研究に投げかける可能性が高いからである。」

メートル波三座標レーダーの強みは一体どこにあるのか?

王群は次のように説明した。メートル波レーダーとは作動する波長が1〜10mで、作動する周波数が30〜300兆ヘルツにある長波レーダーを指し、別名超短波レーダーあるいはVHFレーダーである。伝統的あるいは普通のメートル波レーダーの多くは単純な八木アンテナ(早い時期に日本の八木秀次などの人が発明した)あるいは旧式なネット状矩形パラボラアンテナを使用し、基本的に目標までの距離や方位の2つの座標のみ測量でき、このため2座標レーダーに属する。この種のレーダーは平面(地面あるいは海面)の目標に対してのみ位置決定が実現でき、空中の目標に対し位置決定することはできない。一方メートル波三座標レーダーとは目標までの距離と方位の2つの座標も測量できれば、目標の俯・仰角あるいは高度の測量もできるメートル波レーダーを指し、それは平面の目標に対し位置決定できるだけでなく、空中の目標に対し位置決定し、かつ目標追跡に用いることができる。

「明らかに、メートル波2座標レーダーに比べ、メートル波3座標レーダーの主要な優勢は目標に対し三座標(3Dあるいは空中)の位置決定ができることに他ならず、機能が多く、目標適応性が良く、識別能力が強い。」と王群は語る。

フランス、ドイツ、ロシアのメートル波レーダー研究水準は比較的高い。例えばフランスのメートル波総合パルス口径レーダー(RIAS)、ドイツのメートル波円アレイレーダー(MELISSA)、ロシアの東方-Eおよび天空-Yレーダーなどは、いずれも性能が非凡で、代表性を持つメートル波三座標レーダーである。このうちRIASは全方向アンテナユニット希薄アレイやワイドパルス全方向輻射などの技術を採用しており、MELISSAは全方向発射、円アレイ多ルート受信およびマルチビームなどの技術を採用しており、一方ロシアの東方-Eおよび天空-Yレーダーはアクティブフェイズドアレイ、時間-空間デジタル化処理および単一ルート受信伝達などの技術を採用している。

公開の資料は、我が国のY-26レーダーは全く新しい設計のメートル波UHF周波数帯三座標レーダーで、先進的な2Dデジタルアクティブフェイズドアレイ体制を採用し、探知計測距離は500kmに達し、測量精度が高く、抗妨害能力と機動性が高く、対ステルス能力を持つことをはっきり示している。

彼は次のように指摘する。こうしたメートル波レーダーの信号処理能力はいずれも比較的強く、探知計測距離が長く、探知計測範囲が大きく、探知計測精度が高く、抗妨害能力が優れているだけでなく、しかも低空探知計測性能が比較的大きな改善を得ており、戦場適応能力が増強され、基本的に全て、捜索、誘導、追跡などの機能を一体に集めることができ、高速、高機動のステルス実戦機を探知計測する方面においていずれも「人を越えたところ」がある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:JY-26型対ステルスレーダー」)

メートル波レーダーはいかにしてステルス実戦機に形を現させるのか?

最近、アメリカはどんどん多く先進武器をアジア太平洋地域に配備し、その中にはF-22、F-35といったようなトップクラスのステルス実戦機が含まれる。最近、最初の16機のアメリカ海兵隊のF-35B戦闘機も日本本島の本州島上の岩国海兵隊航空基地に配備され、このステルス戦闘機の初の海外配備の旅を開始した。

あるメディアの報道は、アメリカはステルス技術方面にすでに数千億ドルを投入済みであり、相次いでB-2爆撃機およびF-22、F-35戦闘機などを開発している、とする。もしこうした実戦機のステルスの優勢が実戦の中で作用を発揮できなければ、アメリカは深刻な損失に遭うことになる。

非常に多くの人から見て、メートル波レーダーこそがステルス実戦機の天敵であるが、それにもかかわらずその原因をはっきり言える人は何人もいない。

これに対し王群は次のように説明する。「主にステルス実戦機の現在の設計と製造に源がある。」

彼は次のように指摘する。ステルス実戦機は現在主に外形(構造)設計および材料の表面塗装層に頼って、その探知計測可能性を下げ、レーダーステルスを実現している。だが、現有の技術と材料レベルおよび実戦機製造の難度、機動性能、製造コストおよび後続の費用、維持保護保障利便性などの多くの制限を受けて、登場するステルス実戦機は上述のいくつかの方面で一定のバランスを取らざるを得ず、このため一般に全方位および全電磁波段階のいわゆるフルステルスを実現することは不可能であり、特にそれは特殊任務執行においては、機体外部に暴露した非ステルス配置のもの(例えば外部燃料タンクやミサイルなど)を搭載する時、ステルス能力は非常に大きく低下するだろう。このため全体的には、ステルス実戦機の(レーダー)ステルスは、主に実戦機の前部と腹部に集中し、かつステルス電磁波段階は大部分が0.3〜29ギガヘルツの周波数の範囲にあり、基本的に主に地上および海面に位置し、かつ発射と受信がいずれも同一地点にあるマイクロ波(単一基地)レーダーにしか対応できない。それらは軍事上使用が最多で、実戦機の防御突破に対する脅威も最大である。

「明らかに、メートル波レーダーはちょうどうまくステルス実戦機のステルス周波数の段階を避けており、これがまさにそれがステルス実戦機を探知計測する主要な原因の在処であり、その先天的な優勢なのである。」と彼は語る。

「全体的に見て、ステルス実戦機などのステルス目標を探知計測する方法は、おおよそ非レーダー方法とレーダー方法の2大種類に帰することができる。後者は通常防空探知計測システムの主幹装備で、一方前者は補充装備である。」と王群は語る。

記者は次のように理解するに至った。非レーダー方法はステルス実戦機の重点はレーダーステルスであり、一方その赤外線、可視光線、音波や電子などのステルス措置は欠けているあるいは比較的弱いかもしれないことに依拠し、レーザー、赤外線、可視光線、音波、電子、磁気などの探知計測設備を利用し、ステルス実戦機を発見することができる。一方レーダー方法は、メートル波レーダーや先進的(特殊)な体制のレーダーを用いてステルス実戦機を発見する。先進的な体制のレーダーの中にあるのはまず超視距離レーダーで、その中の宇宙波超視距離レーダーの作動周波数帯は短波の上端にあり(5〜30兆ヘルツ)、一方地上波超視距離レーダーの作動周波数帯は短波の下端(2〜5兆ヘルツ)にあり、それらはいずれもステルス実戦機のステルス周波数段階にはなく、このため有効にステルス実戦機に対し探知計測が行える。次にダブル(マルチ)基地レーダー、ミリ波レーダーやパッシブ(受動)レーダーなどで、それらはそれぞれ異なる目標探知計測原理に基づき、やはり有効にステルス実戦機に対抗できる。

「特殊なレーダーを用いてのステルス実戦機探知計測にはそれぞれメリットとデメリットがあり、コンビネーションして使用することが必須で、それでやっとステルス実戦機に逃げられるところをなくさせることができる。」 王群は次のように説明する。相対的に言って、メートル波レーダーは総合性能がやや良く、探知計測水準が比較的高いだろうだけでなく、一定の機動能力があり、かつ雑電波の妨害に抗する、気象条件に適応する、電子対抗などの方面でのパフォーマンスも非凡だが、低空の死角区域が比較的大きく、探知計測と位置決定の精度が非常に高くはなく、誘導や追跡に用いる能力は非常に強くはなく、応用する場合が一定の制限を受ける。

「これにかんがみて、対ステルス装備体系建設を行う時には、メートル波レーダーに対する研究に入れる力の度合いを拡大する必要もあれば、相応の先進的な体制のレーダーの開発も深化し、同時に非レーダー装備に対する積極的な開発を忘れない必要がある。防空探知計測システムの構築時は、メートル波レーダーと相応の先進的な体制のレーダーを一体に総合し、かつ非レーダー装備で補い、一体化した効果の高いネットワークを組成し、それらに相互補完を実現させ、したがって体系化された対抗能力を形成させ、より良くステルス実戦機に対抗させることができる。」と王群は提案する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「メートル波レーダー」)


 しかしステルス機を探知計測できるレーダーがあってもステルス機が意味を持たなくなるわけではなく、例えばミサイルが命中しにくくなるでしょうし、事前に対ステレーダーを選択的につぶすこともある程度可能でしょうし、またこうしたレーダーが発達すれば対抗してステルス技術にも改良が加えられていくはずです。























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