中国の世論調査関連2題

 まあいつも言うように言論の自由がない国の世論調査には民主国家のそれと同等の価値は最初からないんですけどね。

http://military.china.com/news/568/20140805/18684768.html


世論調査:9割の被調査者が中国人であることを誇りに思う 7割は軍事的脅威を受けることを心配

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国は正確な発展の道を行きつつあるのか否か」 ちなみに分かると思いますけどイエスが79.6%、ノーが9.3%、「分からない・言いたくない」が11.0%です。)

【グローバル軍事報道】 中国共産党第18回大会以来、中国の反腐敗に入れる力の度合いは不断に強まり、経済改革は持続的に深化し、民主、法制、社会福利などの領域の改革も同時進行している。グローバル世論調査センターの連続5年にわたる全国の主要な都市の普通の民衆を対象とした「中国国家発展民衆予期調査」は、8割近い被調査者が「中国は現在正確な発展の道を行きつつある」と考えていることをはっきり示しており、国の人の中国の長期的発展に対する自信をはっきり示している。

今回の調査の範囲は北京、シンセン、西安、沈陽、ウルムチ、廈門、保定、蕪湖など代表性を持つ第一、二、三線の全部で15の都市である(頑住吉注:こういう調査は大都市住民ばかりを対象とすることも多いようですが、この調査では比較的小さな都市も含めたようです)。調査は8月1日15時30分までで、全部で有効回答2,218件が回収された。

中国は現在どのような国なのか? 81.7%の被調査者は、中国は依然「発展途上国」である、を選択し、この項目の調査の5年来の最高値を作り出した(頑住吉注:普通に考えれば徐々に減ってきそうなもんですけどね)。5.7%の被調査者だけが中国は「先進国」であると考えている。中国共産党中央党学校教授張希賢は4日「グローバル時報」記者に対し、このことは公衆の国と国情に対する見方を説明しており、自身の建設と追求に対する基本認識はいずれも客観的な方向に向かっている、と語った。

中国の現在の国際的地位に対しては、82.9%の被調査者は中国の国際的影響力は比較的強いと考え、このうち21.1%の被調査者は、中国は「世界中で影響力を持つスーパー大国」であると考えている。

中国は平和的勃興を実現し、世界の強国になり得るか否か? これに対し59.5%の被調査者がポジティブ、楽観的態度を持っていた。このうち、9.4%の被調査者は、「中国はすでに世界の強国である」とし、50.1%の被調査者は「きっとなれる」と考え、30.1%の被調査者は「なれるかもしれない」と考えた。調査はさらに、79.6%の被調査者が、中国は現在正確な発展の道を行きつつある、と考えていることをはっきり示している。52.6%の被調査者は、中国は西側諸国の妨害を排除し、継続的に中国の特色ある社会主義の道を行くことを堅持することが「きっとできる」とした。7割を超える被調査者は今後5年の中国の法制化のプロセスに対し自信を持ち、6割を超える被調査者は今後5年の中国の民主化プロセスに対し自信を持ち、「非常に大きな後退」があるだろうと予期する被調査者は1.0%しかいなかった。

中国と先進国との隔たりを認識してはいるが、それでも中国の未来を好意的に見ているのである。北京大学教授張頤武は「グローバル時報」に対し、このことは国の人が中国の長期的発展に対し自信を持っていることを説明している、と語った。具体的な前途の見通しに対してはあまり確定していないが、中国民間社会の活力はすでに解放されている。また、西側諸国も非常に多くの問題を暴露しており、我々は他人に比べより良いわけではないが、非常に大きなポテンシャルを持っている、と。

だが中国の領土と主権の完備に対しては、68.0%の被調査者が今後5年で脅威を受けるだろうと心配し、このうち13.0%は「非常に大きな脅威を受けるだろう」と考えている。また、46.4%の被調査者は、中国の軍事力は国が強国の侵入を受けないよう保障する、に対し肯定的態度を持っている。張頤武は、現在中国人に領土と主権が脅威を受けていると感じさせるのは、1つには大国関係から来るもので、主にはアメリカとの関係である、とする。2つ目は周辺国から来るもので、これには日本、フィリピンなどの国との関係が含まれる。またこの2つは相互に連動するものである。中国は勃興し遠海区域に入り込んでいる。張希賢は、恐らく今後2、30年内に、この問題は必ず厳しく中国の面前に置かれるだろう、とする。

「中国の現在の経済発展の速度は速すぎる」に関する視点では、38.8%の被調査者しか「同意」としなかった。この比率はここ4年の最低値である。55.9%の被調査者は「不同意」で、過去3年より高かった。これに対し張頤武は分析し、次のように語った。過去何年か経済発展は速すぎ、非常に多くの問題を暴露した。だが経済発展が減速してから公衆は、いくつかの内部および外部の問題はいずれも解決できないのだ、と意識するに至った。こうしたデータは一定の経済発展速度の保持に対する公衆の期待がどんどん強烈になっていることを説明している。3年前の調査結果と比べると、被調査者の経済成長速度に対する予測はより楽観的になっている。今後5年中国経済全体の成長速度は「年を追うごとに上昇する」だろうと考える被調査者は46.4%に達した。

民衆の中国社会各方面の発展に対する自信に対する調査結果を5段階評価に転化して結果を得た。今後5年、中国の発展の宏観と微視領域を総合的に考慮すると、民衆の自信が最も充足している領域は反腐敗(4.01)、自信が最も弱い領域は社会の貧富の差の縮小(2.64)だった。張希賢は、調査は中国共産党の反腐敗が人心に深く入り込んでいることを反映しており、一方社会の貧富の差の縮小は、確かに改革開放の時期に直面する最も困難な任務である、と語る。

非常に多くの問題に対し異なる見方があるが、「あなたは中国を熱愛していますか」に回答する時、96.8%にも達する被調査者がイエスと表明した。89.0%の人は自分が中国人であることを誇りに思っている。94.5%は「天下の興亡には国民1人1人に責任がある」に同意している。【グローバル時報記者 郭芳】


http://military.china.com/important/11132797/20140804/18681299.html


中国の80後は西側に非常にあこがれる 90後には独特の愛国主義がある (頑住吉注:「80後」は1980年代生まれ、「90後」は1990年代生まれの中国人のことです。)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「解放軍の90後の軍人」)

愛国は人の一種の本能で、このため愛国はごく自然なことである。だが人々には愛国に対し異なる理解、解釈そして行為の模式があるので、これに付随して論争が起こる。中国社会の新世代である90後も愛国主義に関する討論に加わっている。そして90後こそ独特の愛国主義を持った世代と言うべきである。

90後の成長環境の中に戻ってみよう。前の何世代かの人とは異なり、90後が成長した時代はまさに中国の勃興期である。このため90後の成長の中には劣等感、苦難、恥辱の記憶がなく、自然に近代史の負担から解放され、「被害者意識」が形成されていない。90後は中国の経済と国家の地位に対する誇りでいっぱいであり、零点研究諮問集団が行った「90後調査」の中では、85%の90後が中国人の生活水準はまさに世界平均水準にあるか、あるいはそれより高いと考え、79%が中国は強大な国家だと考えていた。つまり、90後の中国と世界に対する位置付けは一種平等な、同歩調の関係であり、少なくとも経済の上ではそうである。

このため、90後が持つのが一種平等で自信ある国際観であることを理解するのは難しくなく、90後は外国に追従する必要はなく、また実際することもないだろう。もし皆が同じならば、何故外国に追従する必要があるだろうか? これは80後の集団とはやや異なっている。80後は決して平等な国際観を建立してはおらず、西側に対し非常にあこがれている。当然外国に追従しないことは、90後が排外的であることを意味しない。90後が持つのは一種の開放的な心的態度であり、他国に対する受け入れ度が非常に高く、国際社会には中国の発展に対して非常に多くの参考にできるところがあるとも考えている。

「我々の国は他国に比べて劣っていない」、これが90後の愛国主義の基調である。90後は総じて中国人の角度に立って国家を防衛し、北京オリンピックの聖火リレーはもちろん、南海をめぐる争いでもその他の国際問題の中でも、彼らはいつもきっぱりと、中国はあなたたちが言うように劣ってはいない、と考えている。このため次のようなデータが見られるのである。93%の90後は「中国人として非常に誇らしい」と思い、81%の90後は「他国ではなく中国に住みたい」としている(頑住吉注:これでも低いような印象を受けますけど他の世代はもっと低いということなんでしょうね)。

我々はこの種の愛国主義を「弁護性愛国主義」と称する。90後は中国が想像の中のように良くはなく、非常に多くの方面で先進国とでは隔たりがある、と認めている。例えば環境保護、貧富の分化、食品の安全、社会保障などである。調査の中では64%の90後が、「現在の中国の某いくつかの方面は自分に羞恥を感じさせる」とさえ表明している。だがこれは中国自らの事情であって、中国は自らこうした問題を解決することもできるしその能力もあると考えている。90後は中国に対し簡単な善し悪しの定論をなすことに反対し、一方的に中国に対し悪意をもってあざけり風刺することに反対する。彼らは、非常に多くの問題は国外にも同様に存在し、例えば堕胎、銃器の氾濫、政治家のスキャンダル等々である、と考える。このため、他人が中国を攻撃する時、90後は特別に容易に愛国主義者に変わるのである。

90後にもう1つある特徴は、国家と政府を非常にはっきりと区別していることである。90後は、我々は政府を批判してもいいが、この国家の基本とは関わりがないと考えている。1つの場所に問題が出たことは、決してその他の場所にも問題が出ることを意味しないし、中国全体に問題が出ることはなおさら意味しない。これが90後の愛国観形成の思考的基礎である。

90後の弁護性愛国主義には、実は非常に強い年齢段階の特性がある。若者として、90後は素朴に自らの力を用いて祖国が傷害を受けないよう保護することを希望する。たとえそれが言語上の傷害であってもである。我々には、自信と平等を基礎に建立された愛国主義の感情は、90後の年齢の増加につれ、より理性、成熟度を加えるだろうと信じる理由がある。(筆者は零点指標情報諮問有限責任会社副社長)


 「完璧な人間なんていないって」を言い訳にするダメ人間がいます。「非常に多くの問題は国外にも同様に存在」するのは確かでしょうけど当然度合いが異なるわけで。まあでもネット時代になって情報の遮断にも限度が生じ、私は若い世代の中国人の国家観、世界観は少しずつでもよりまともな方向に向かう傾向になるのではと思いますけどね。



















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