ピックアップ戦闘車、シリアで活躍

 日本車の評価が高いそうですよ。

http://military.china.com/news2/569/20131111/18140137.html


ピックアップ戦闘車、再度威力を見せつける シリアの田舎工場、4日で10台を作り出す

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「シリア反体制派がピックアップの上に立って警戒する」 防盾が結構厚いのが分かりますね)

機動性が高く、改装に便利なことに加えてコストが低廉なことは、武装ピックアップ車がシリアの衝突の各方に寵愛を受ける秘訣である。

シリア国内の衝突は3年近く持続しており、氾濫する現場報道の中に、各式武器を配置したピックアップ車がしばしばカメラの面前で堂々と町を行き交っている。それらの主人は通常シリア自由軍(FSA)など反体制派武装勢力であるが、シリア政府軍陣営の中に出現する時もある。製造が簡単で、使用が便利で、機動が敏捷なため、戦車、装甲車の人気を奪っている。

粗末な工場内から全能の戦闘車が走り出る

大型武器が欠乏するFSAにとって、自力更生は必ずしも衣食を豊かに充足させることをもたらさないが、いくつかの珍奇で風変わりな武器を作り出すことができる。アメリカの「大衆科学」誌記者ケルシー アサートンはFSAに代わって10大「クレイジーウェポン」をまとめたが、その中で少なくとも4件はピックアップ車と関係がある。このうち、ふざけて「贋作-2」と呼ばれる「田舎戦車」は日韓などの国が生産したピックアップ車のシャーシに何十mm厚かの鋼板を溶接し、内部には1名の操縦員と1名の砲手を収容する。民間用電子市場から購入した車載カメラは、操縦員に4つのスクリーンを通して「田舎戦車」周囲の状況をクリアに視察させることができる。しかも砲塔上にもカメラが装備され、砲手が自分がどこに向かって発砲しているのか見ることができることを確保する。さらに興味深いのは、この車の砲塔は何とソニーのゲーム機のコントローラーによって操作されることだ。砲塔上に装備される武器は7.62mm機関銃で、AK-47小銃と同じ弾薬が発射できる。「贋作-2」でさえ自らの機動能力を持つというのに、「トレーラー戦車」はさらに珍奇である。これは実際上ピックアップが牽引する「移動トーチカ」である。FSAは破壊された政府軍の戦車あるいは歩兵戦闘車から取り外された、依然使用できる砲塔を火力ポイントに充当し、ピックアップによって動力を提供し、「機動射撃」を実現している。

当然、ピックアップのシリアの戦場において最もよく見られる搭載武器はやはり機関銃プラス小口径火砲であり、たまにいくつかのミサイル武器もある。双方の交戦が最も激烈なアレッポにおいて、FSAは「ピックアッププラス機関銃」の「中等品」の組み合わせに満足せず、視線を「ピックアップロケット車」、甚だしきに至っては「ピックアップミサイル発射車」に向けている。火力強化のため、FSAは事故で墜落した政府軍ヘリからロケット発射ポッドを取り外し、ピックアップ車上に取り付けている。この種のロシア製ロケット発射ポッドは口径57mm、32にも達する発射管があり、見たところ巨大なスズメバチの巣である。当然この「スズメバチの巣」をつつくことは禁物で、弾薬装填後一斉に発射され、数百m離れた建築物を平地にならすことができる。FSAが自ら作った「ピックアップロケット車」は威力が非常に大きいだけでなく、さらに1回砲撃してはその場を移ることに長け、正規の多砲身ロケット砲に比べ、さらに敏捷でさえある。

もう1つの問題はどうやってシリア政府軍の実戦機に対応するかである。当初、FSAはロシア製14.5mm高射機関銃と23mm高射機関砲をピックアップ上に装備して移動式防空武器に充当した。だがあるいは「高度科学技術」ぶりが充分でないと思ったのか、「ピックアップミサイル発射車」の自作を始めた。報道によれば、FSAはアレッポ付近に「武器工場」を持ち、専門に「ピックアップミサイル発射車」を製造している。この簡単でやや荒削りな「パクリ」防空武器は、主体がピックアップ車上に装備された4本の発射筒で、筒の長さは3m、地対空ミサイルが発射筒内に収納されている。電気撃発装置がこの武器の中で技術含有量が最高の部分である。こうではあるが、コストの制限を受けて撃発装置は手動しかできず、駆動電池もどこから取ってきたものか分からない。だが、これらは決してミサイルの発射には影響しない。FSAの技術者は、4発のミサイルは単発ができ、連続発射もでき、射程は21.4kmに達し得る、とする。彼らは海辺で実弾を用いて試験を行ったことさえあり、成功裏にミサイルを岸辺から5km離れた海中に到達させた(頑住吉注:それ対空ミサイルとして成功?)。「ピックアップミサイル発射車」の技術は簡単で、FSAはかの粗末な工場に頼り、4日しか使わずにもう10台を生産する、とされる。

頑丈で耐久性があり、正規軍も歓迎

ピックアップを用いて大型武器に対抗するのはFSAの独創ではない。1980年代末には早くも、リビアがチャドに侵入した戦争の中で、ピックアップは世の人の面前に大々的に出現し始めた。1983年、カダフィ政権はチャド政府の合法性を承認することを拒み、出兵してチャド北部の重要都市アオズを占領し、両国にはこのため戦争が発生した。この時、リビアはチャドに300両の戦車、8,000名の兵士、60機の実戦機と若干のミルー24ヘリを配備し、「無敵」と称した。一方チャド国民軍は1万人余りしかおらず、増して戦車、飛行機はあえて想像することもしない「贅沢品」だった。だが、彼らにも自らの切り札があった。‥‥ピックアップ機動部隊である。

戦争の期間、フランスはチャド向けに400両のトヨタピックアップを提供し、チャド国民軍はそれらに機関銃、「ミラン」対戦車ミサイル、あるいは106mm無反動砲を装備し、機動が敏捷で、火力が強大な防空・対戦車部隊を組成した。あるフランス将校はこの「ピックアップ部隊」を評論する時、「私は以前、チャド騎兵が天下一であると知っていただけだったが、現在彼らは馬をトヨタに乗り換え、まさに鬼に金棒になっている。」と感嘆した。1987年1月2日、チャドのピックアップ部隊とリビア軍はファーダー地域で交戦し、短時間の戦闘の中で、リビアサイドは一個装甲旅団が殲滅され、一方チャドは3両のトヨタ車を損失し、18人が戦死しただけだった。軽装備の部隊が重装甲部隊を殲滅した古典的戦例と称するに堪える。この後、「トヨタ戦争」との言い方が急速に広まった。

これに啓発を受けて、武装ピックアップは徐々にアフリカと中東の非正規武装力量の最愛のものとなっていった。1990年代初めのソマリアでは、少なからぬ国際組織もピックアップ車に乗る軍閥武装勢力を招聘して用心棒とし、かつ正式な文書の中でこれを「技術支援」と称した。月日が建つうち、こうしたピックアップ車には耳触りの良い正式名称ができた。‥‥「技術車」である(頑住吉注:「エンジニアリングカー」か何かですかね)。「技術車」の姿は第三世界の戦乱地域に不断に出現し、アフガニスタン、ニカラグア、中東、北アフリカ‥‥いずれも彼らの舞台である。当然、いくつかの国の正規軍も「技術車」への歓迎の度を加えた。アフガニスタンでは、アメリカ特殊部隊がかつて「ハマー」を捨てて使わず、「技術車」に乗ってタリバンとアルカイダ組織メンバーを捜索した。イラクでは、アメリカ人がイラク安全保障部隊再建を助けた時、彼らに数十台のロシア製PKM機関銃を装備した日産の「技術車」を提供した。

多くのピックアップ車の型の中で、最も歓迎を受けるのはトヨタの「ハイラックス」である。この車にはアメリカ式ピックアップのような巨大なサイズはなく、体積が適度で、操縦が敏捷かつ丈夫で実用的である。2006年、イギリスのテレビ局は1台の18年前に作られ、30.6万kmを走った「ハイラックス」の耐用性試験を行ったことがある。樹木にぶつかる、水に沈める、火で焼く、空中から墜落させる、重量物で圧迫するなどの一連の試験を経て、車は高さ73mの塔状の建築物まで運転され、建築物は直ちに爆破され崩れ落ちた。廃墟の下に埋もれた「ハイラックス」は掘り出された後、簡単にどんどんと叩いただけでまた改めて始動し、部品の交換すら必要としなかった。なるほど米軍の「レンジャー」特殊部隊が「技術車」に言及する時、「ゲリラのハイラックスは随所に見られた。これは車界のAK-47であり、その面前ではハマーも何でもないものであり、我々が運転しなければならない時もあった。」と感嘆したわけである。

改装後の「技術車」は強大な火力を持ち、簡単に軽装甲車両を破壊でき、同時に移動が迅速で、人員と物資を素早く目標区域に移すことができ、1両の「技術車」が車内に20人を満載してもまだ飛ぶように走れたのを見た人さえいる。要するに、特定の環境下で、武装ピックアップは軽視できない脅威なのである。トヨタの「ハイラックス」が余りにも多くのテロ分子、反逆武装分子に喜ばれるため、トヨタ社は対テロを己の任務と見るアメリカに誤解されるのを心配し、特別に前面に出てはっきりさせた。「トヨタは決してアフガニスタンに販売所を設立していない。テロ分子が現在使用するピックアップは、別の何らかの場所から密輸されてきたものに違いない。」と。(特約執筆原稿 雷炎)


 まあこんな形でも国産品が高く評価されるのは悪い気分ではないですね。。
















戻るボタン