最新型轟ー6Kと次世代爆撃機

 いかにも形状は古臭いですが内容はすでに別物ということです。まあB-52もそうらしいですが。

http://military.china.com/important/11132797/20160327/22314587.html


轟ー6Kの弾薬搭載量、15トンまで向上 数トンの大型貫通爆弾が選択搭載可能

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「轟ー6K」 なおこの記事のキャプションは全てこれと同じです。)

2015年9月3日、9機の轟ー6K「戦神」遠距離爆撃機が意気盛んな空中梯隊を組み、隊列をなして天安門広場の上空を通過した。これは中国の新型轟ー6K爆撃機部隊初の公開、お目見えだった。その後、轟ー6Kはまた何度も西太平洋で訓練するなどの活動の中で重要任務を執行し、関連の海域で国際水道を飛び越え、全世界の極めて大きな関心を引き起こしている。

五大改良が轟ー6Kに「換骨奪胎」を実現させる

轟ー6K爆撃機は轟ー6を基礎に改良されてできた新型爆撃機である。我が国が1960年代に生産した轟ー6爆撃機は、推力が小さく、燃料消費量が大きく、機体の弾薬コンパートメントの容量が小さく、将来の作戦の中で「足が短く、弾薬が少なく、遠くが見えず、打撃が正確でない」などの問題が存在する。ここ何年か以来、国産の空中発射型長剣-10巡航ミサイルは不断に完備されてきたが、それにもかかわらず轟ー6はこのミサイルを搭載および発射できなかった。

こうした欠陥を克服するためには、轟ー6に対し巡航ミサイル搭載の改装を行う必要がある。何故ならこの種の改装費用は新型爆撃機の研究開発あるいは国外の爆撃機導入の費用よりもはるかに小さく、半分の労力で倍の成果を得る効果を果たすことができるからである。もし改めて新型爆撃機を研究開発したら、飛行機プラットフォームを全部更新することになり、費用は非常に高くなる。まさにこのため、経済的実力が強大なアメリカさえも、止むを得ずその旧式なB-52爆撃機を2030年以後まで就役させ、その時この機は80歳の「高齢」となる!

轟ー6Kの研究開発成功は、我が国の航空電子、材料技術の最新の成果を集中的に体現している。ここ10年近く以来の我が国航空製造業の総合集成能力の1つの大々的な展示であるだけでなく、しかもその他の古い航空製品のグレードアップ改造のために全く新しい考え方の筋道を提供した。一連の先進技術の応用により、轟ー6の元々あった改良型に比べ、最新の轟ー6Kはすでに「換骨奪胎」の発展変化を実現している。

1つ目は爆撃機の燃料節約性能と航続距離を向上させたこと。轟ー6Kは燃料消費が低く、重量が軽いD-30KP-2ターボファンエンジンに換装しており、このエンジンはすでに成功裏にイリューシン-76や運ー20大型輸送機上に応用されている。新たなエンジンに適応するため、空気取り入れルート、尾部ノズルなどに対し目的性を持った新規設計と形の修正が行われ、エンジンの空気取り入れ口が顕著に拡大され、推力を30%増加させ、燃料消費量は20%減少した。

2つ目は空対地打撃能力が向上したこと。轟ー6に比べ、轟ー6Kの主な力を受け入れる構造に大きな改造はないが、主翼の下に外部搭載ポイントが増え、6発の長剣-10巡航ミサイルあるいはKD88空対地ミサイルが搭載でき、最大弾薬搭載量は15トンに達し得、1機および1回の火力攻撃密度を有効に向上させた。重量数トンに達し、体積が非常に大きい貫通爆弾が搭載できるように、轟ー6Kの内部弾薬庫は大型の着脱可能な燃料タンクからなる燃料コンパートメントに改められ、貫通爆弾と燃料タンクの間で選択が行えるようにさせ、地面貫通打撃能力も持つし、またその他の任務を執行する需要も満足させることができる。

3つ目は最新の電子設備を採用したこと。前部機体に対し新規設計が行われ、狭く、短く変えた。機首は完全密封の流線型整流カバーに換えられ、新型火力コントロールレーダーと捜索レーダーが追加装備された。機首の透明なナビゲーション員コンパートメントと顎下のレーダーはなくなり、レーダー設備コンパートメントに改装され、新型前視赤外線探知計測装置と光学照準設備が取り付けられ、GPS+北斗衛星ナビゲーションシステムと標準データリンクシステムが追加装備された。防御突破の安全を保証するため、轟ー6の機関砲の砲塔は全部廃止され、尾部の無線電子操作員コンパートメントもなくなり、電子コンパートメントに改められ、新型アクティブ・パッシブ大出力電子妨害設備に換装された。

4つ目は操縦の適用性が向上したこと。轟ー6Kのクルーは4人で、全部で2列、1列2人で、統一されて機首に配置される。それぞれ操縦、副操縦、電子戦/通信官およびナビゲーション/爆撃官で、全部前向きに座り、かつ独立した射出座席が装備されている。座席への進入は前の脚から、前部機体左のハッチからの出入りに改められている。

この機はさらに電子飛行、慣性ナビゲーション、外部搭載管理を含む総合航空電子システムとガラス化コックピットに換装され、6つのカラーデジタル式多機能モニターを装備し、操作を大いに簡略化させた。同時に、フライバイワイヤシステムを用いて現有の「硬式」助力操縦システムに取って代わらせ、飛行員の負担を大幅に軽減しただけでなく、飛行の質を向上させ、しかも非常に大きな構造重量を節約することができる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

六大作用が轟ー6Kを中国空軍進攻作戦の核心力量とさせる

我が国の新世代戦略爆撃機研究開発成功前の応急空中打撃プラットフォームとして、轟ー6Kは中国の近代化された戦略空軍の象徴的性質の装備であり、未来の立体作戦の中で取って代わることのできない重要な使命を担う。それは中国空軍進攻作戦の核心力量であるだけでなく、信頼できる戦略威嚇力量でもある。航続距離と弾薬搭載量は米ロの先進的な戦略爆撃機に比べまだ比較的大きな隔たりがあるが、轟ー6Kは中、遠距離爆撃などの戦略任務が執行でき、戦略爆撃機の典型的特徴を具備している。このため、多くの人は轟ー6Kを中国の戦略爆撃機と呼び、かつ我が国の「三位一体」核攻撃力量の重要な組成部分と賞賛するのである。

第1に、この機は我が軍の空中戦術打撃能力を増強できる。轟ー6Kは巡航ミサイルを発射する良いキャリアでもあるし、また空対地ミサイルを搭載でき、さらに20発の500kg級衛星あるいはレーザー制御誘導爆弾が搭載できる。この機は巡航ミサイルあるいは空対地ミサイルで地上目標を打撃できるし、また近距離爆撃が実施できる。さらに空中でまだ武器を発射する前に随時命令に基づいて攻撃目標を改変することができ、非常に強い正確性と柔軟性を持ち、非常に大きく我が軍の空対地正確戦術打撃能力を増強することができる。

第二に、この機はスムーズに迂回打撃が実施できる。攻撃方向に背を向け、かつ極めて堅固な石質の山の保護のある洞窟倉庫のたぐいの目標に対し、もし迂回せず目標の真正面に到達したら、洞窟倉庫の入り口に正確に命中できる高精度武器は、それに対し有効な打撃を行うことが非常に難しい。空軍の「巡航ミサイル発射器」として、轟ー6Kは遠距離奇襲し、堅固な山体を迂回し、洞窟倉庫の入り口真正面に迂回し、敵の防衛区域外からこの種の目標に対し有効な打撃が実施できる。

第三に、第二列島線以西の目標に対し正確打撃が実施できる。轟ー6Kの作戦半径は3,500kmに達し得、長剣-10巡航ミサイルの射程は1,000kmあまりであり、非常に強い防御突破能力と正確打撃能力を持つ。轟ー6Kは長剣-10巡航ミサイルを搭載した後、その火力カバー範囲は5,000kmに達し得、人民空軍に「第二列島線」以西の広大な区域に対し打撃を行う能力を具備させることになる。

第四に、この機は我が軍の縦深打撃能力を向上させることができる。轟ー6Kは遠距離奇襲、大区域パトロール、防衛区域外打撃能力を持つ。このことは、轟ー6Kは高空巡航の方式をもって目標に向かって飛び、目標からの距離数百km、甚だしきに至っては千km以上のところで巡航ミサイルを発射した後、元通りの道で帰投することができることを意味している。また、轟ー6Kは多種の爆弾とミサイルを搭載することができ、敵の海上および陸地の重要な戦略、軍事、経済の中心に対し正確打撃を行うことができる。その作戦模式の選択肢は多く、完成させる任務の種類は多く、打撃する目標の類型は多く、見くびることのできない遠距離戦略打撃力量であり、敵対勢力の頭上に吊された「ダモクレス剣」でもある。

第五に、この機は有効にその他の軍兵種の作戦を支援できる。一個爆撃機連隊の1回の出動は多くの戦役目標を破壊することができ、このことは敵対勢力に対し巨大な戦略的震撼を形成することができるだけでなく、さらに後続の攻撃機群のために空襲のルートを開くことができる。このため、轟ー6Kは未来の戦争の中で先鋒で道を開く作用を果たし、「初戦には我を用いよ」の「鉄拳」となることができる。

轟ー6Kはさらにその他の軍兵種の発射プラットフォームと共に、同時に巡航ミサイルを発射し、あるいは制空権獲得後、敵に対し大面積での上空に到達しての絨毯爆撃を実施し、連続し、厳密な火力打撃体系を形成し、敵に対し集中し、複数回の火力打撃を行い、有効に敵の集中した目標群を破壊し、敵の作戦機能を低下させることができる。

第六に、この機は空中力量の生存能力および威嚇能力を向上させることができる。轟ー6Kは航続距離が長く、弾薬搭載量が多く、長時間空中に滞空でき、敵サイドの突然の攻撃を防止し、したがって我が空中力量の生存能力を向上させることができる。この爆撃機はさらに空中基地威嚇の主力プラットフォームであり、迅速に国境地域あるいはその他の作戦区域付近に到達して威嚇性の飛行を行い、防衛区域外打撃の態勢を形成し、敵を震撼させ、その抵抗の意志を動揺させ、敵サイドに侵略の意図を放棄するよう迫り、戦わずして敵を屈服させる兵法の効果を達成することができる。

当然、轟ー6Kは亜音速爆撃機であり、飛行機プラットフォーム自体の防御突破性能は比較的弱く、ミサイルプラットフォームとして防衛区域外で打撃を実施する、あるいは絶対の制空権を持つ状況下で上空に行っての爆撃を行うのにしか適さず、さらに大量の戦闘機の航路護衛があることを必須とする。さもなければ、それ自身の安全が極めて大きな脅威を受けることになる。

(頑住吉注:これより3ページ目)

我が国が新世代爆撃機を開発するのには三大要素の総合的考慮が必須

大国の重器として、アメリカとロシアはずっと戦略爆撃機の研究開発と発展を非常に重視している。近年来、米ロはそれぞれ本国の新世代戦略爆撃機の能力の指標と特徴を提示した。アメリカが重点的に開発する新世代戦略爆撃機は、「システムファミリー」遠距離打撃爆撃機(LRS-B)で、ロシアは「遠距離航空兵未来航空総合体」(PAK-DA)戦略爆撃機を開発中である。こうした新世代戦略爆撃機は主に以下の特徴を持つ。

まず比較的強い快速反応能力を持つ。新世代戦略爆撃機は短時間内に重大な作戦任務を完成させる快速作戦反応能力を持つ。戦争が始まった最初の時間あるいは戦前の数時間に各種の異なる類型の飛行場から発進し、甚だしきに至っては道路、土の滑走路や短い滑走路から発進でき、素早く作戦地域に到達できる。

次はより高い高空飛行能力である。新世代戦略爆撃機の飛行高度は18km前後に達し得、これは現在の大多数の戦闘機の上昇限度を超える。この高度以上の天空の背景は黒色で、飛行機が発見されるおよび攻撃を受けるリスクを下げることになる。飛行高度の増加はさらに飛行機全体のレーダー反射面を減少させ、その生存能力を高めるだろう。

もう1つは良好なステルス能力である。ステルス技術は新世代戦略爆撃機に必要不可欠な技術的選択項目である。新世代戦略爆撃機は広範にステルス技術を採用し、飛行機の電磁、赤外線的特徴を弱め、レーダー反射面積を小さくすることによって、高度のステルスををもって敵サイドにより発見されることを避けあるいは遅延させ、したがって複雑な環境下で敵の先進的な防空体系を突破し、戦術上の突然性を実現する。これと同時に、新世代戦略爆撃機はより先進的なレーダー、ナビゲーション、通信、電子対抗システム、偵察監視システムなどの機載無線電子設備を搭載し、非常に強い電磁妨害に抗する能力および高度に危険な環境下での生存能力を持つ。

最後に、核・通常兼備の打撃能力を持つ。内部埋め込みおよび外部搭載の核兵器は次世代戦略爆撃機の存在意義であるが、核爆弾は非常に多くの状況下で威嚇性武器でしかありえず、実戦使用に投入することは非常に難しい。戦略爆撃機はより多く通常遠距離正確打撃任務を遂行する。このため、次世代戦略爆撃機は重点的に通常武器の搭載を強調し、各種戦場および気候条件下で全天候打撃を実施することができる。

(頑住吉注:これより4ページ目)

また、米軍は明確に、次世代戦略爆撃機には無人操縦の可能性があるとしている。

新世代爆撃機は重要な遠距離打撃兵器であるだけでなく、さらに「三位一体」核力量の重要な組成部分であり、非常に大きな程度上戦争の運命を決定できる「大殺器」であり、国家の戦略目標を実現する重要な手段である。このため、新世代爆撃機の開発は必然的にそれぞれの軍事強国の軍隊近代化建設の重点の1つとなる。我が国について言えば、新世代爆撃機の開発は、軍事的問題でもあり、また経済的問題でもあり、さらに政治的問題でもあり、絶対に盲目的に風まかせにしてはならず、総合的に考慮し、かつ以下の三大要素を統一的に計画配案し協調させることが必須である。

1つ目は未来の軍事闘争が必要か否かである。国家自身の戦略の需要、将来あり得る作戦環境、作戦方式、および現有の作戦体系との融合を根拠に、新世代爆撃機の我が軍の作戦体系の中での作用を充分に論証する必要がある。このようにしてのみ、やっとより良く未来の軍事闘争の需要を満足させ、国家の領空の安全を維持保護することができる。

2つ目は経済能力が受け入れ可能か否かである。戦略爆撃機開発の資金消耗は非常に大きく、金のかかることで、費用が不断に上昇するのは武器装備開発過程の中の普遍的現象である。このため、国家の財力を根拠に、全寿命での費用という角度からはっきりと経済的受け入れ可能性、およびコストパフォーマンスなどの要素を考慮し、我が国の新世代爆撃機の性能の特徴や指標体系を確定することが必須である。

3つ目は科研と生産技術水準の具体的状況である。現有の工業的基礎と科研技術能力を充分に考慮し、適切で実行可能な発展の道筋を提出することが必須である。新世代爆撃機の強大な防御突破能力と対地正確打撃能力を重点的に突出させる必要がある。ステルス性能が新世代戦略爆撃機の重要な印であることにかんがみ、我が国が研究開発する新世代爆撃機もステルス機能を持つことが必須である。だがステルス爆撃機が関わる技術の種類は多く、複雑でハイエンドであり、大きな力を入れて大量の技術的難関を克服することが必須である。同時に、電子対抗設備、正確打撃武器、自身の防御武器、維持修理設備などセットになる装備を研究開発する時にも、我が国の科学技術水準を根拠に適切で実行可能な指標を提出することが必須である。(作者は張礼軍 李偉 機関:後方勤務学院 国防大学)


 米ロが競争で開発している以上中国が追随するのは当然のようにも思えますが現実離れした開発はいかんということです。殲ー20ではむしろロシアのT-50より思い切って進んだ設計にしているようですが、中国は大型機に関してまだ経験不足で、戦略爆撃機はおろか中型爆撃機を設計したことさえまだ全くないわけですからね。



















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