中国の無人機の発達状況は

 近い将来尖閣上空にも飛来すると見られる中国の無人機ですが、多くのSFチックな非現実的機種はともかくとして現在最も進歩した機の実力はどんなものなんでしょうか。

http://tuku.military.china.com/military/html/2012-10-24/208968_2252287.htm#pic


中国最強の無人機を評価

(頑住吉注:1ページ目)現在まで、全世界ですでに30カ国余りの国が無人機の研究と生産に従事し、すでに50カ国余りが使用中である。このうち、特にアメリカ、イスラエル、ロシアの3カ国が先んじたレベルにいる(頑住吉注:ロシアの無人機ってあんまり聞かないですけどね)。この領域をリードする地位を争奪するため、3カ国はいずれも無人機開発を航空産業発展の優先プロジェクトとし、相互の間で激烈な競争を展開している。現在、世界の無人機市場の主要な販売国はアメリカ、イスラエル、フランス、イギリスなどである。中国はと言えば、国内の無人機研究開発と応用の開始が比較的遅く、西側先進国に比べて、システムの搭載重量、空力、エンジン、軽量構造、高精度ナビゲーションなど多くの方面においてまだ相当の隔たりが存在する。このため、現在依然追いかける態勢にある。現在国内で無人機研究開発に従事するのは主に西工大、北航、南航、中航工業、総参60所、天海翔、漢飛602、科斯特、普洛特などなどである(頑住吉注:最後の2つは「コスター」、「プラット」の音訳?)。

(頑住吉注:2ページ目)1、翔龍無人機

翔龍無人機は中国によって自主的に研究開発、設計された大型無人機である。「翔龍」高空高速無人偵察機は全長14.33m、全幅24.86m、全高5.413m、正常離陸重量6,800kg、任務搭載荷600kg、機体寿命は暫定で2500飛行時間である。巡航高度は18,000〜20,000mで、巡航速度は700km/h以上である。作戦半径は2,000〜2,500km、航続時間は最大10時間、離陸滑走距離は350m、着陸滑走距離は500mである。アメリカが現在使用する数種の無人機とは異なり、「翔龍」無人機は性能上の高い指標をひたすら追求してはおらず、一切が国内の実用条件とユーザーの必要をメインにしている。

(頑住吉注:3ページ目)翔龍高空長航続時間無人機は中国の新世代高空長航続時間無人偵察機である(頑住吉注:2ページ目の内容は元々の記事ではキャプションだったのか、内容がこの部分と重複しているので、重複部分省略します)。軍隊の未来の作戦の必要性を満足させ、平時と戦時の周辺地域に対する情報偵察任務を完成させ、部隊が正確でリアルタイムに戦場の態勢を理解する有力な手段を提供するため、中航集団組織成都飛行機設計研究所、貴州航空工業(グループ)有限会社など関連部門が「翔龍」高空高速無人偵察機の概念方案を設計し、これには無人機飛行プラットフォーム、任務積載荷、地上システムという3つの部分が含まれた。

(頑住吉注:4ページ目)「翔龍」無人機最大の特色は、この機が稀にしか見られない連翼レイアウトを採用したところにあり、これは中国航空機設計史上における1つの大胆な飛躍である。この機は前翼、後翼という2対の翼を持ち、しかも前後の翼は相連なって1つの菱型のフレームを形成している。前翼の付け根は前部機体につながり、後退角がつき、ウィングレット(頑住吉注:翼端に付属する小さな翼、というか翼端の角度が大きく変わっている部分)が付属する。後翼の付け根は垂直尾翼の上端につながり(頑住吉注:画像で見るとどう見ても上端ではないです)、前進角がつき、かつ下反角がついている。後翼の翼端は、前翼の全幅の70%のところで前翼と90度の角度で連結している。通常の飛行機に比べ、連翼機は構造が頑丈、抗墜落能力が強い、抗振動能力が良好、飛行抵抗が小さい、航続距離が長いなどのメリットを持つ。

(頑住吉注:5ページ目)「翔龍」無人偵察機は機体設計上アメリカの「グローバルホーク」高空長航続時間監視無人機とも非常に似ており、機体の尾部背鰭上に複合材料のエンジンコンパートメントが装備され、空気取り入れ口の形状は半楕円形である。機首上部は同様に巨大な流線形の水泡型絶縁カバーである。任務積載荷は機首下部に装備される。降着装置も引き込み式の前3点降着装置である。

(頑住吉注:6ページ目)「翔龍」無人機はさらに複合材料を大量に採用し、主翼の設計には菱型のレイアウトを採用し、機体の曲線は連続しかつ平滑で、いずれもRCS反射面積減少の原則に符合する。機のレーダー断面積は決して大きいとは評価されず、推測によれば典型的戦闘機目標より小さく、加えて複合材料と電波吸収材料を採用していると思われ、RCSは1平方m前後と見積もられ、遠距離監視レーダーや高空防御システムの発見距離が短縮する。全体的に言って、飛行高度が20,000mに達した時は、SAM-2など射程40km前後のミサイルは最大でも防御陣地の外側半径15km前後にも満たない範囲を防御できるだけである。一方「パトリオット」1/2でも30kmに満たない。無人機はこの高度で光学偵察設備を使用して防御区域外で視察ができ、もし合成開口レーダーがあれば距離はさらに遠くでき、システムの生存力は非常に高い。

(頑住吉注:7ページ目)「翔龍」無人機は現在10時間以上の滞空時間を持つことを保証できる。巡航速度は750km/hを超え、「グローバルホーク」に比べ15%以上速い。有効任務搭載荷は650kgで、「プレデター」に比べ2倍余り多い。この機が搭載する電子設備は「グローバルホーク」により似ており、高クリア度デジタルカメラがあり、これにはモノクロ高解像度とカラー画像という2つの模式があり、解像度が非常に高い偵察静止画像を閲読と判別に供することができる。高クリア度デジタルテレビカメラがあり、デジタル動画を提供することができ、リアルタイムの監視コントロールに便利である。動画信号にはさらに夜視能力があり、独立した赤外線成像チャンネルがあり、8〜12ミクロン長波自然熱輻射ビデオあるいはより先進的な高クリア度凝視3〜5ミクロン中波熱成像が提供でき、後者は機器動力の機動目標に対する視察効果がより良い。先進的な合成開口レーダーと、逆合成開口レーダーは必ずしも1機の偵察機それぞれの上に出現するわけではない。何故ならこの種のレーダーの製造コストは比較的高価だからである。レーダーは劣悪な気候下でクリア度の高い地上の3D画像が獲得でき、劣悪な気候条件下での機動目標追跡、監視能力を持ち、往々にしてより高いクラスの偵察および監視任務に用いられ、光学偵察ユニットと組み合わせて使用される。「翔龍」無人機は、数セットの相互平行の通信システムが装備される可能性がある。多チャンネルの戦術短波デジタル無線電信局は直接地上の指揮所、地上情報共有単位の直接連絡や情報発信に用いることができ、授権により情報チャンネルのダウンロード権限をより低い作戦単位に委ねることを許す。例えば師団、旅団、連隊等々にである。機にはさらにより高い転送速度の一定方向通信装置もあり、地上の受信基地あるいは衛星と、点対点の高速データ転送ができる。

(頑住吉注:これより8ページ目)2、「天翅」無人機

「天翅」無人機は「天翼3」無人機とも言う。全長8.9m、全高3.44m、最大離陸重量2,350kgである。「天翼3」は近距離偵察無人機システムで、戦時は戦術偵察と監視任務執行に用いられる。獲得された偵察情報はリアルタイムで地上の測量製図基地に転送され、部隊の快速機動作戦のために情報的な保障を提供し、平時はパトロールと監視を行い、国境警備、沿岸防衛のために働く。

(頑住吉注:9ページ目)天翅高空無人偵察機は最近ネット上で暴露された国産無人機である。この機は成都飛行機製造社で試験飛行中である。そのレイアウト、寸法、外観の特性から推測して、この機は高空長航続時間無人偵察機に違いないと判断され、全体的な概念はアメリカの「グローバルホーク」に似ている。

(頑住吉注:10ページ目)機首の白色の整流カバーは衛星通信アンテナと推測され、このアンテナはこの機が収集した地上の目標情報をリアルタイムに高速で衛星に転送することを保証するのに用いられ、衛星中継によって地上の受信設備に発信される(頑住吉注:11ページ目はこの機の画像と「『天翅』無人機の資料画像」というキャプションのみです)。

(頑住吉注:12ページ目)3、「彩虹」3無人機

彩虹-3(CH-3)無人機は中国航空宇宙科技集団社によって自主的に研究開発された、無線電信遠隔操作設備あるいは自身のプログラムコントロール装置によって操縦される無人操縦飛行機である。彩虹-3無人機の中距離無人機システムの主要な装備構成には次のものが含まれる。中距離無人機、地上車載遠隔測定遠隔操作基地、地上保障設備。彩虹-3無人機が採用するのはピストンエンジンで、最大航続距離は2,400kmに達し得る。巡航時間は12時間に達し得、この間に給油は必要ない。この機は静止画像、動画の撮影装置を装備し、偵察機として使用できる。

(頑住吉注:13ページ目)彩虹-3無人機は無線電信遠隔操作設備あるいは自身のプログラムコントロール装置によって操縦される無人操縦飛行機である。彩虹-3無人機は車輪式自主式発着を採用し、離陸重量は640s、積載能力は60s、飛行時間12〜15時間、飛行高度5,000m、最大航続距離2,400kmである。この一連の性能指標はいずれも彩虹無人機が同類無人機の国際的レベルに到達したことを示している。

(頑住吉注:14ページ目)彩虹-3無人機は第1にサイズが比較的大きく、その全幅は8m、全長5.5m、離陸重量は640sに達し、第2に有効積載荷60s、最大積載荷100sで、光電子偵察設備、甚だしきに至ってはAR-1型空対地ミサイルが搭載でき、第3に巡航高度は3,000〜5,000m、最大上昇限度は6,000mで、普通の無人機より優秀で、第4に3点式降着装置を装備し、他の無人機は通常カタパルト発進しかできないが滑走路から離陸でき、第5にピストンエンジンを採用し、滞空時間は12時間に達し、多くの有人機では追いつこうとしても困難である。

(頑住吉注:15ページ目さらに)彩虹-3機が搭載するAR-1型空対地ミサイルは世界初の無人機専用に開発された類似の武器である。このミサイルの性能は有名なアメリカ製の「ブルパップ」ミサイルと似ており、慣性+GPS複合制御誘導を採用し、重量は45sしかなく、弾頭には6.8sの高性能混合炸薬が装備され、最大破甲厚度は1.4mである。「彩虹-3」がこの種の対地攻撃の優れた武器を搭載すれば、敵戦車、固定された構築物などの目標を打撃することが完全に可能である。

(頑住吉注:16ページ目)「長鷹」無人機

北航は我が国初の大型長航続時間無人機、長鷹の研究開発に成功した。21世紀に入って、飛行機を天空で自由に旋回させ、物言わぬ兵士のように昼夜を分かたず万里のかなたで続々と絶え間なく情報を送ってこさせることは、人類の新たな夢となった。この夢は多くの普通の人間にとってははるかに遠い神秘だが、北航無人機所では一群の天空の熱愛者が飛翔の理想に対する執念、航空事業に対する情念を心に抱き、7年の月日を費やして、ついにこの夢を現実に変えたのである。‥‥国家重点機種「長鷹」長航続時間無人機の研究開発成功は、我が国無人機に近、中距離、短航続時間から、遠距離、長航続時間へ向かっての歴史的飛躍を実現させた。この「英雄」的団体の中には、一群の「尖兵」がいた。彼らは共産党員と呼ぶ。その組織はバックボーンであり、これぞ無人機所の党総支部である。

(頑住吉注:17ページ目)「あなたにはまだ取り組まねばならない機種がある」 2000年、学校の指導者は向錦武を訪ね、彼に「長鷹」の総設計師を担当するよう要請した。機種工程研究開発は向錦武にとって熟知したものに過ぎなかった。当時、弱冠36歳の彼はすでに北航飛行機設計学科の学術リーダーで、相次いで飛行機設計と応用力学科の副主任、飛行設計研究所所長を担当し、学術領域での前途は計り知れなかった。「今度はどんな機種に取り組む必要があるのですか?」 向錦武はこれが大学の教員にとってどんな犠牲を意味するかを充分に分かっていた。正常な学術研究と教学を中断しなければならず、非常に長い一定の時間論文発表の継続が難しくなる。試験飛行基地に行って年中試験飛行作業を展開する必要がある。1つの機種の研究開発中は、世間に全く知られずに一生の勢力を消耗し尽くし、最終的に学術上も成就が得難かった事例は決して稀ではない。しかし向錦武は我が国長航続時間無人機研究開発に関する緊迫した背景をもよく分かっていた。長航続時間無人機は「大気圏内の人工衛星」とも賞賛され、現在の戦争の模式に重大な変革をもたらした。より良く国を防衛するため、我が国の無人機が中、近距離から遠距離、長航続時間への飛躍を実現することは必須だった。中国の長航続時間無人機「長鷹」研究開発の歴史的重任は北航無人機所の手中に委ねられたのである。

(頑住吉注:18ページ目は画像と「5.『翼竜』無人機」というキャプションだけです。19ページ目)翼竜無人機は中国の成都飛行機設計研究所が研究開発した、中、低空、軍民両用、長航続時間多用途無人機で、1台の100馬力ピストンエンジンを装備し、完全自主の水平輪式発着、飛行能力を備えている。各種の偵察、レーザー照射/距離測定、電子対抗設備および小型の空対地打撃武器が搭載できる。監視、偵察および対地攻撃任務などが執行でき、治安維持、対テロ、国境パトロールなどにも用いることができる。この他、翼竜無人機は民間用や科学研究などの領域にも広範に応用できる。例えば災害状況監視、麻薬密輸監視、環境保護、大気研究、および地質探査、気象観測、大地の測量、農薬噴霧、森林の防火などである。

(頑住吉注:20ページ目)翼竜無人偵察機は2005年5月に研究開発開始、2007年10月に初飛行に成功、2008年10月に性能/任務積載荷飛行試験を完了した。

(頑住吉注:21ページ目)翼竜無人機は正常式空力レイアウトを採用し、大アスペクトル比の中翼単葉、V字型尾翼、機体尾部には1台のピストンエンジンを備え、主翼にはフラップとエルロンが付属し、V字型尾翼には方向舵、昇降舵はない。3点式降着装置を採用し、引き込みとブレーキの機能を持ち、機体構造にはアルミ合金材料が選択使用され、アンテナカバーには電波を透過する複合材料が採用されている。

(頑住吉注:22ページ目)データから見て、この機の性能はアメリカの有名な「プレデター」無人攻撃機に酷似している。「プレデター」はイラクやアフガニスタンにおいて「斬首行動」に長けたことで名が知られる(頑住吉注:テロ組織の幹部殺害を指しています)。翼竜無人機は性能はアメリカ軍の「プレデター」に劣らないが、価格は競争相手に比べはるかに安い。(頑住吉注:後のページはこの機の画像と「翼竜無人機」というキャプションがあるだけです。)


 最終ページの画像の右をさらにクリックすると次の画像集が表示され、空中から撮影した中国の無人機基地に関するものです。コラムで紹介した内容には、「中国は〜2015年までに11の無人機基地を設立する計画であると宣言している」という内容がありましたが、すでに計画は進んでいるようです。見て分かるように現在の中国の無人機にはアメリカのパクリと思われる機種が多く、全体的な性能も言うほど高くないと思われますが、少なくともこの分野で大きく出遅れている日本よりはるかに進んでいるのは間違いないでしょう。そしてやがて中国はこうした無人機を尖閣上空にも飛来させようとしているわけです。そして無人機基地の画像集の後にあるのは全翼式のより先進的なステルス無人機の画像集です。













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