中国空軍基地は攻撃にもろい?

 基地の防空というと対空ミサイルの配備状況がまず頭に浮かびますが、私があまり意識したことがなかった視点からの分析です。

http://military.china.com/top01/11053250/20121003/17460620.html


平可夫、中国の基地はまるでダメと非難 開戦すれば必ずや惨敗する

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「平可夫はしょっちゅう中国大陸と解放軍を侮辱するいわゆる名の知られた「専門家」である」 平可夫は中国系カナダ人で、「ロシア、中国戦車の自動消火装置は劣る?」にもちらっと登場しました。それにしてもうまいこと不快感を与える表情を選びましたね)

【グローバルネット報道 記者 李宗沢】平可夫は最も新しく出版した「漢和安全保障業務評論」の中で、中国が建築する空軍基地はまるでダメで、戦争になればきっと敗戦する、としている。

平可夫は文章の初めでもう、真に近代化された戦争を戦ったことのある空軍は、基地建設から初戦必勝ができるか否か見て取ることができる、と指摘する。現在のあらゆる空軍強国の空軍基地建設の経験は全て第3次中東戦争の結果から吸収されたものである。すなわち有名なイスラエル空軍の「7時45分攻撃」である(原注:1967年6月5日朝7時45分、イスラエルはほとんど全ての空軍戦力を出動させ、エジプト、シリア、イラクの全ての飛行場に対し電撃的な襲撃を行った。30分の空襲の後、イスラエル地上部隊も攻撃を発動し、アラブ諸国は抵抗した。10日で戦争は終結し、アラブ諸国は敗戦した。これが第3次中東戦争であり、「6.5戦争」、「6日戦争」とも呼ばれる)。当時ロシア式モデルで建設されたエジプト空軍は、戦闘機を一列に並べて飛行場に開放状態で並べ、あるいは土積みの航空機用格納庫に置いており、イスラエル空軍は20分しかかからずに400機近い各種のエジプトの作戦機を全滅させた(原文ママ)。「空戦を行わなかったのではなく、戦闘を行うチャンスが全くなかったのだ。」 元エジプト飛行員はこのように語る。

この後、ソ連式、アメリカ式空軍国は相次いで空軍基地の建設様式を変えた。この戦争の教訓の吸収とは当然、いかにして空襲を受ける実戦機を保護し、かつ快速発進能力を強化するかに重点を置くかだった。アメリカ式の国の空軍基地建設、改造は、今日のエジプト空軍基地、台湾地区の空軍基地、日本の空軍基地に一部見いだすことができる。すなわち強化型堡塁機庫の建設であり、通常爆弾の破片を機に命中できなくさせる。空中からのロケット弾攻撃は当然強化型セメントを貫通できない。次に、より多くの滑走路を建設する。エジプト空軍は現在それぞれ主に3、4本もの滑走路によって緊急発進しやすくしている。実はこの建設方式はソ連からも完全に借用された。1970年代以後のソ連空軍基地も多くの強化型空軍機用堡塁を建設した。

ここでパキスタン空軍を研究すると、この空軍の訓練、作戦思想は完全にアメリカ式である。だが多数の戦闘機は中国製である。この空軍は機の抗爆発能力を高度に重視しており、全ての飛行場に強化型堡塁掩体が建設されている。殲-7、殲-8戦闘機がもし今日中国空軍の多数の飛行場において依然土積み型の航空機堡塁に置かれ、あるいは一列に並べられているとすれば、これは進取の態度を持つ空軍と考えられるか否か! 「6.5戦争」からすでにどのくらいの年月が経過しているだろうか? 今日でもまだこうなのである。パキスタンでは殲-7Pは全て最も良好な機用堡塁に駐機する待遇を享受しており、これはエジプト空軍の殲-7と全く同じである。

平可夫は続いてパキスタン空軍基地の建設状況を分析する。彼は言う。近年、新型のF-16BLOCK52が部隊に装備されるにつれ、飛行場建設に入れる力もより大きくなっている。先進的なF-16A/B戦闘機は第38連隊、第9および11中隊に配備されている。Sargodha地区の防衛のために駐屯し、距離はニューデリーから592kmしかなく、基地の滑走路は3本である。この基地には少なくとも6つの機用堡塁群があり、全て強化型鉄筋コンクリート構造を採用している。ここの防衛のために駐屯する殲-7P戦闘機の待遇はF-16A/B戦闘機と全く同じで、同様の強化型セメントの掩体を持つ。推測により、パキスタン空軍は第3、4次中東戦争を仔細に研究し、かつ直接エジプト空軍から学んだと断定できる。このため機用堡塁群はかくのごとく分布し、1回で徹底的に爆破損壊させることは難しいのである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像は「中国空軍基地」です。確かにこれは単なる雨よけで、無防備に等しいようですね)

1980年代になる前はずっと、機用堡塁式の欧米の空軍基地建設は、機が直接攻撃を受ける可能性を非常に大きく低下させた。だが1980年代以後は機用堡塁の建設は新たな危機に直面した! それは高強度レーザー制御誘導爆弾の発明と運用である。この点は第1次湾岸戦争から見いだせる。本刊はイラク空軍の基地建設を研究した。作戦機はソ連式だが、基地建設は標準的な欧米式で、戦争前全部で594の強化型機庫が建設されていた。これらが完全にGBU27/GBU24徹甲型レーザー制御誘導爆弾の直接攻撃に遭い、機庫は貫通され、140機のミグ-25/23などの戦闘機が破壊された。これは戦闘機の総数の63%を占めた。だがこのような非常に高い攻撃コストの負担はアメリカ軍だからこそできたことである。イギリス空軍でさえJP233対滑走路爆弾のみをイラクの飛行場への対処に使用し、飛行場の滑走路に対する攻撃しか行えなかったし、自らも7機の「トーネード」戦闘機の損失を出した。このため強化型機用堡塁の建設は、現在でも依然強国の空軍が航空機を保護する主要な方式なのである。

話をパキスタンに戻すと、真に精強な戦闘機中隊は第5独立中隊で、最も新しく獲得した18機のF-16BLOCK52戦闘機を装備しており、Jacobabad地区の防衛のために駐屯している。多くを語る必要もないが滑走路はダブルで、しかも機用堡塁は相当に分散している。この基地の機用堡塁が数多く建設されている原因は、どの機用堡塁に真に戦闘機が駐機されているか識別できなくすることである可能性が極めて高い。もう1機種の最も新しく獲得された戦闘機は、部隊装備されたばかりの36機のJF-17戦闘機である。それらはペシャワール防衛のために駐屯する第36戦術攻撃連隊、第16および26の2つの中隊に属する。ペシャワール飛行場だけが単一の滑走路で、軍民両用である。この点は比較的中国の多数の空軍基地に近いが、ここにも強化型機用堡塁群は建設されている。もう1つのJF-17戦闘機を配備している飛行場は著名なKAMRA基地で、ここはJF-17戦闘機の組み立てを担当し、1本の滑走路を持ち、機用堡塁群はさらに分散の度合いを加えている。今後SAAB2000、早期警戒機などが防衛のため駐屯することになり、距離はイスラマバードから62kmしかない。SHORKOT、MIANWALI、Quettaにはそれぞれ第34、37、31連隊が属している。MIANWALIの飛行場の規模は相当に大きく、かつダブルの滑走路で、長さ10,000m以上にわたって機用堡塁群が分散して配備されている。ここだけに中国空軍基地に普遍的に建設されているのに類似した、簡易型の一列につながった維持メンテナンス保障機庫が見られる。これに類似の連結式機庫は中国空軍ではやはり第3世代戦闘機の待遇である。実際にはひとたび開戦すれば、1発のレーザー制御誘導爆弾しか必要とせず、すぐに多くの戦闘機が破壊できる。このため、簡易型の一列につながった維持メンテナンス保障機庫の建築は実際には非常にまずい方法で、航空機をより集中させることになる。

最もニューデリーに近い飛行場はSHORKOT基地で、ダブルの滑走路機構を採用し、ミラージュ5戦闘機や殲-7P戦闘機が防衛のため駐屯し、多くの堡塁型機庫を持ち、しかも重量のある扉で遮蔽されている。弾薬庫とミサイルは堡塁型機庫内の部屋で遮蔽して保存できる可能性がある。一方パキスタンのQUETTA基地のようにインドから遠く離れ、実際上アフガニスタン国境にある空軍基地でも2本の滑走路が使用でき、殲-7P戦闘機の機用堡塁が滑走路の2つの起点に建設されている。さらに日本の沖縄の嘉手納大型空軍基地を見ると、ダブルの滑走路体制で、基地全体がほとんど兼用の機用堡塁で囲まれている。沖縄で絶対の制空権を掌握するアメリカ軍でもなおこうなのである。

平可夫は指摘する。「さらに中国の空軍基地はと見れば、最も好待遇の飛行場、例えば空3師の殲-10戦闘機連隊、空6師の銀川基地、空1師の赤峰殲-10連隊基地などはいずれも簡易型の一列につながった維持メンテナンス保障機庫を建設しており、同時に地下格納庫を持つ。一般的状況下では地下格納庫には2つの出口が存在し、張家口の空7示師の地下格納庫には4つの出口がある。少なくとも50%の中国空軍基地は大型の地下格納庫を建設済みである。これは中国が第3次中東戦争の教訓を吸収した結果である。多数の中国空軍の飛行場には1本の滑走路しかなく、その論理は明らかにまず航空機を良好に収納することをメインとしている。地下格納庫を建設するか、それとも堅固な堡塁型機庫を建設するか? この論争はずっと国際的な空軍界に存在している。真に戦争の洗礼を受けた国、例えばエジプト空軍、パキスタン空軍はかえって地下格納庫を建設していない。これらの国の理論家は次のように考えている。レーザー制御誘導爆弾、制御誘導兵器が高度に発達した今日の空軍作戦環境の中で、たった2つ、あるいは4つしか出口がない地下格納庫は、ひとたび扉に命中弾を受けたら、あらゆる機が戦闘から退出せざるを得なくなる。これではもし破壊されなくとも、制空権を失うに等しくはないか? このためエジプト空軍の論理は、待つことはできない、緊急にできる限り速く離陸する、というものである。2000年以後、中国の若干の空軍基地はやっと積極的により多くの強化型、隠蔽式の堡塁型機庫を建設し始めた。福建前線の飛行場は基本的に類似の機庫の建設を終えている。空2師の遂蹊基地(原文ママ)は最も早くアメリカ式機格納庫を建設した飛行場であり、同時に簡易型の一列につながった維持メンテナンス堡塁型機庫も持つ。最近空29師も類似の堡塁型機庫を建設した。」 だが平可夫は最後にこうも言う。「現代の空軍作戦の中では、堡塁型機庫の分散建設、滑走路を増加させる設計と、地下機庫の建設とでどちらがより合理的かは、戦争があって初めて説明され得る問題である。」

(頑住吉注:後のページは画像とキャプションだけです。キャプションは全て「中国空軍基地」ですが、3ページ目は完全に暴露して並ぶ機群が分かり、4ページ目では1本の滑走路しかない様子が分かります。幾分防御機能がありそうなのは最終8ページ目のものですが、これも防御力はごく弱そうです。)


 少なくともこの内容に関して言えば、別に不当に誹謗中傷するものでは全くなく、中国としても改善に向け参考になる意見として拝聴すべき内容でしょう。しかし衛星写真で基本的に全ての飛行場を知り得、バンカーバスターのような強力な兵器も持つアメリカが相手ではどんな対策も充分な効果は上げられないと思います。
















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