フィリピンは何故強気なのか

 フィリピン関連の記事を2つ紹介します。

http://military.china.com/news/568/20130531/17865867.html


フィリピンが台湾漁船を射撃するビデオが明るみに:1人は発砲したがらず指揮官に叱られる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「5月29日フィリピン調査団は襲撃に遭った台湾漁船を現場検証した」)

台湾漁船がフィリピン公務船の発砲、掃射に遭った案件で、双方の調査団はひとまずの調査結果を明らかにしたが、両船には決して衝突は生じていなかった。同時に調査団は、フィリピン船の指揮官は8人に発砲を命令し、このうち1人は無辜の者をみだりに殺したがらず発砲を拒絶し、指揮官が怒って痛罵し、さらに彼の手から銃を奪い、射撃しながら「SHOOT! SHOOT!」と大声で叫び、その行為が非常に冷血だったことに気付いた。

フィリピンサイド、両船が衝突していないことを証言

事件発生当日、フィリピン公務MCS-3001船上には全部で指揮官を含め沿岸警備隊員17人がいて、別に3人の農業部漁業局の公務員がいた。

29日、フィリピン国家調査局の協力と援助の下、台湾調査団はまず漁業局の3名の公務員および発砲していない8名の沿岸警備隊員を尋問して証言を聴取し、その他の発砲に関わった疑いのある8名および指揮官の尋問は30日まで延ばされた。

多くのフィリピン沿岸警備隊員は証言時異口同音に、台湾漁船とは海上で決して衝突は発生していないが、フィリピンサイドは間違いなく放送によって警告し、かつ台湾漁船に離れるよう要求し、船上の指揮官は台湾漁船が指示に従わず、依然離れずに留まるのを見、このため発砲が命令された、と言ったとされる。

29日に証言したフィリピンサイドの人員は、彼らは当時漁船上でこのための死傷者があったとは知らず、事後に知り得、相当に遺憾に感じた、とした。

発砲者は「ジャム」し、銃を換えて発砲を継続

調査団は29日スムーズに事件発生のビデオテープの予備を得た。ビデオテープは、当時船上では8人銃を持った者がいて、このうち1人は発砲したがらず、さらに怒った指揮官に罵られていたことをはっきり示している。「まださっさと発砲しないのか? 何故発砲しない!」 指揮官は怒って銃を奪い取り自ら射撃した。一部の発砲者は半分まで射撃すると銃が「ジャム」を起こし、すぐに銃を換えて発砲を継続しており、凶悪残忍な行いは調査団を軽々しく同意できなくさせた。「本当に誇張だ! 漁船は追い殺されたも同然だ。」(頑住吉注:書き手の感情が高ぶっているのか何を言ってるのかよく分かんなくなってます。少なくとも辞書には日本語と違う「誇張」の意味は載ってないです)

同時に、ビデオテープはさらに公務船が30分余りにも渡って追いかけ、.30口径機関銃、M16、M14の火力を全開にし、漁船の燃料タンクに弾が命中し動力を失って海上を漂流する時になって公務船はやっと離れた、ということをはっきり示している。

理解されているところによれば、フィリピンサイドが先日発表した調査結果と、台湾サイドのひとまずの調査結果は一致する方向にあり、発砲に参加しなかった11名の証人の証言は台湾漁船に対し極めて有利である。

フィリピン美人記者、台湾で人気

このような氷のように冷たい調査による真相に対し、台湾メディアは報道する他、ゴシップの本領も忘れていない。

フィリピンのテレビ局「TV5」の随行した美人記者メディヤナはフィリピン調査団と共に台湾に赴き、屏東県小琉球を訪れて台湾の被害に遭った漁民、洪の家族にインタビューした。同行した台湾の男性記者は不断にフィリピンの美人記者を撮影し、台湾メディアの焦点も一瞬にして転向し、ネット仲間はストレートに「これはフィリピンの陰謀か?」と言っている。


 衝突していない云々は、フィリピンサイドの「向かってきたから撃った」が事実でないという意味で強調されています。警告に従わなかったことは事実のようですが、漁船に向けていきなり集中砲火を浴びせるのは不穏当なやり方という感じがします。

 ちょっと驚くのはこんな深刻な問題にもかかわらず最後がフィリピンの美人記者の話題になっていることです。

http://tuku.military.china.com/military/html/2013-05-30/216307_2355714.htm#pic

 この人なんですけど、まあ美人か美人じゃないかといえば美人かもしれませんけど日本人が被害に遭った場合、日本のマスコミがこんな取り上げ方するのは考えられないです。勝手に変な騒ぎ方しといて「フィリピンの陰謀」って何なんですかね。

http://military.china.com/important/11132797/20130528/17858687.html


我々は問う必要がある:フィリピンは何が頼りでこんなにも横柄なのか?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「フィリピン公務船の台湾漁民銃撃事件は両岸人民の憤慨を引き起こした。」)

フィリピン公務船の台湾漁船銃撃事件からすでに20日近く過ぎたが、フィリピンサイドの態度が軽佻で、謝罪に誠意が欠けているため、台湾当局はフィリピン労働者入国制限などの制裁措置を取り、かつ艦艇をフィリピン付近の海域に派遣して演習を行ったが、フィリピンは台湾の軍事演習は怖くないと放言し、光脚的不怕穿鞋(頑住吉注:例によって非常に多い、検索すると無数にヒットするのに意味を説明したページは全くない慣用句で、「裸足で靴を履くのを恐れない」みたいな意味だと思いますが転じてどういう意味になるのか全く分かりません)な無頼の顔つきである。近年における南海の情勢を回顧すれば、我々はフィリピンが立ち後れた小国であるにもかかわらず、何度も人を驚かせることをし、不断に周辺国に面倒事を作り出していることに気付く。我々は問う必要がある。フィリピンは何が頼りでこんなにも横柄なのか?

実はフィリピンには横柄になり得るような資本は全くない。フィリピンは立ち後れた国であり、東南アジアにおいてもその国家発展レベルはシンガポール、マレーシア、タイなどの国に遠く及ばない。しかもフィリピンは軍事力も非常に弱小であり、特に海軍は現役最大の艦艇がアメリカに去年プレゼントされた「ハミルトン」級巡視艦で、76mm砲と何挺かの機関銃があるのを除き、いかなる大型武器もなく、しかも就役時間は40年余りの長きに渡り、老朽化していると言える。フィリピン海軍の主力艦艇の多くは何百トンかの小型艦艇で、さらには第二次大戦期の軍艦もあり、正常に海に出られるか否かが問題である。フィリピン国内の政治的形勢は不穏で、それぞれの大政治ファミリーの闘争が激烈で、大統領選挙期間には何度も候補者が殺される悪質な事件が発生している。これと同時に、フィリピン国内にはさらに実力が強大な反政府武装勢力がいる。例えば南部のアブ・サヤフ反政府武装勢力、および最近活躍しているフィリピン共産党武装勢力である。要するに、フィリピンは豊富な資源を持ち、交通の要衝も守っているが、統治当局の腐敗と無能のため、貧窮しまた乱れた混乱状態にあり、対外的「強硬」は実際「空威張り」に属するのである。

ではフィリピンは何故こんなに横柄なのか? 私は主要な原因として4点あると思う。

1つは横柄さを人民に見せること。フィリピンは世界で最も劣悪な「民主国家」であり、激烈な政治闘争は同国に国家の遠大な発展の大計を計画する余裕をなくさせている。このため、フィリピンにには政治家はおらず、政治屋しかいない。彼らの眼中にある国家の利益とは、政党が与党の地位を保持でき、現任の指導者が再任できるか否かである。このため、こうした政治屋は自分の私利のため、何事も極端に走るのである。繰り返し民族主義といった民衆の熱情を容易に刺激する話題を持ち出して人民の視線を逸らし、対外的強硬を用いて自らの国を治める政治的知恵の弱さを覆い隠し、現政府の国家利益を維持保護するきっぱりとした決心をはっきり示し、もって民意を勝ち取ることを愚かにも企図するのである。今回の台湾漁船銃撃事件は、まさにフィリピンの中間選挙前に発生し、「果断」な「権利維持」行動がアキノ陣営の人気を得させた。選挙の中で大統領のアキノ三世は圧倒的勝利を得、銃撃事件の功績が非常に大である。

(頑住吉注:これより2ページ目。以後のキャプションは全て本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

2つ目は横柄さを「後ろ盾」に見せることである。大樹を背にすれば涼しく快適である。自身の実力は低いが、現在の大国の利益をめぐる対抗が日増しにはっきりする国際情勢の下、フィリピンは自分が地域外の大国の勢力の助けを借りて周辺国に対抗し、ここから利益を獲得できると考えている。元アメリカの植民地として、アメリカこそがフィリピン当局の眼中にある「後ろ盾」である。アメリカの「アジア回帰」戦略が次第に実施される今日、フィリピンの動きは頻繁で、地域の不穏な情勢を作り出し、不断にアメリカのアジア回帰のために口実を作り出し、アメリカの地域情勢攪乱の「急先鋒」に充当されている。

3つ目は横柄さを「世界」に見せることである。フィリピンは南沙諸島の6つの島礁を不法に盗み取った。手にした利益を保持するため、一心に南海をかき乱し、地域情勢を複雑化させたがっている。このためフィリピンは不断に挑発して事を起こし、国際的メディアの注意を引きつけ、地域の大国が小国をあなどって威圧し、小国は「勇敢」に抵抗しているという「いじめ」の形を見せ、こうして世論の同情を獲得し、自らの島嶼をめぐる争いの中でポイントを稼ぐ。この種の、悪人が先手を打って自分が被害者だと訴え出るお芝居は低劣ではあるが、すでにフィリピンの政治屋の常態となっているのである。

4つ目は横柄さを「台湾」に見せることである。台湾当局は砲艦外交政策によってフィリピンを圧迫して屈服させることを望んだが、フィリピンのスポークスマンの怖くないという放言は台湾当局を愕然とさせ言葉をなくさせた。フィリピンにこのように自信があるのは、彼らが台湾と自分たちはいずれもアメリカの盟友であり、彼らの共通の後ろ盾が内輪もめを許さないと確信しているからである。このため、台湾の軍事演習はただ単に虚勢を張っているに過ぎず、フィリピンが台湾の脅しに乗る必要はないのである。つきつめて言えば、フィリピンは台湾の特殊な身分を馬鹿にしているのである。この立場は台湾に他への影響を心配して悪人を叩くことをためらわせ、叩きたいがあえて叩かなくさせ、長期的威嚇力を意気込みに実力が追いつかないものにさせ、疑われないように外部からの援助を引き入れることも望まなくさせる。フィリピンのこの手は実に腹黒く、下劣で腹黒い。

巨視的に見れば、フィリピンは大国のゲームの1つの「コマ」に過ぎないのだが、彼らは喜んで「コマ」になっている。何故なら「コマ」自身の実力は限られ、治国がなっていない前提の下ではゲームのプレーヤーが「コマ」にいくらかのメリットをくれるからである。このため、フィリピンはいつも小さな動きによって某大国に気に入られようとし、誉められ施しを受けることを渇望し、精力を集中して国を治めてよい政治を行い、民生を発展させようとはしない。これがフィリピン当局の「小賢しい」ところで、フィリピンが今に至るも発展が依然立ち後れていることの根源でもある。わずかな利益のために国家と国民全体の発展という大きな利益を犠牲にする、この種のゴマを拾って西瓜を失う行為は、ああした内輪もめに熱中し、腐敗と虚栄に明け暮れるフィリピンの政治屋だからこそできることでもある。(劉征魯)


 「悪人が先手を打って自分が被害者だと訴え出るお芝居」と訳したのは「悪人先告状」というポピュラーな慣用句で、レーダー照射事件の時日本に向けても使っていました。しかし日本語にはこんな言葉はなく使われてもピンときませんよね。中国ではポピュラーな慣用句になっている、ということは逆に中国人にはそういうことをする奴が多い、ということを証明していることになると思いますが。「繰り返し民族主義といった民衆の熱情を容易に刺激する話題を持ち出して人民の視線を逸らし、対外的強硬を用いて自らの国を治める政治的知恵の弱さを覆い隠し、現政府の国家利益を維持保護するきっぱりとした決心をはっきり示し、もって民意を勝ち取ることを愚かにも企図するのである。」なんてのもまさに「お前が言うな」状態です。フィリピンの民主主義にも問題は多いでしょうが、そもそも根底から非民主的な中国に言われる筋合いはないです。














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