運ー20、年内の解放軍への引き渡しが有望視される?

 「ロシアの専門家、運ー20を語る」の前に紹介したほうがよかった内容ですが。

http://military.china.com/news/568/20160407/22382977.html


運ー20、頻々と高原の寒冷地域にお目見え 今年中国空軍への引き渡しが有望

3月31日の国防部定例記者会見で、「運ー20大型輸送機今年就役」との情報に対しニューススポークスマンの楊宇軍は、運ー20は計画通り試験、試験飛行作業を展開中で、いつ引き渡されるかに関しては、試験、試験飛行の進度を根拠に確定されることになる、とした。

去年の末、銭報シンクタンクの専門家、功績ある試験飛行員兼空軍理論専門家である徐勇凌はインタビューを受けた時、運ー20の研究開発がボトルネックに遭遇していないことにかんがみれば、2016年に使用に投入されることが有望である、とした。これに対しあるインドのネット仲間はうらやましげに、「中国の軍事工業領域は我々に少なくとも20年先んじている」とした。

「鯤鵬」は羽根を広げてたった3年でもう戦力化され、このような速度は全国人民を満足させ得る。銭報軍情版は運ー20の話題につき再度徐勇凌にインタビューし、彼は運ー20は始まったばかりにすぎず、有無の問題を解決する過渡的機種であって、過大な期待をこの機種だけに押し付けてはならず、まだよりデラックスな新型大型輸送機が後で我々を待っているのだ、と明らかにした。

あるいは1年前倒しで部隊に引き渡しか

2013年1月のハイテンションな初飛行から、特に2014年11月の珠海航空展への鮮やかなデビューの後、ネット仲間から「胖頭魚」(頑住吉注:日本語名コクレン、コイ科の淡水魚で、ずんぐりした姿が似ているということでしょう)と呼ばれる運ー20は、地上試験に用いる静力試験機の他、すでに4機の原型機が生産され、しょっちゅう存在感を見せつけている。

2015年1月、黒竜江省加格達奇の寒冷な地域の飛行場に姿を現し、寒冷地域性能試験を行った。6月にはまたあるネット仲間が運ー20が雲貴高原の麗江飛行場に出現し、高い海抜での飛行試験を行ったのを発見した‥‥

2015年の両会の期間、運ー20の総設計師である唐長紅は、運ー20は「非常に短い時間」内に引き渡されるとした。2015年3月、中航飛行機社社長の理唐軍も、「運ー20は今年年内にあらゆる試験飛行、試験の高難度科目を完成させ、できる限り早くユーザーに引き渡される」とした。

見たところ、元々の計画では2017年に引き渡される計画だった運ー20プロジェクトは、1年前倒しで就役する希望が非常に大きい。

大型輸送機欠乏の苦しみを嫌というほど受ける

輸入した中古イリューシン-76の寿命は半分過ぎていた


戦略軍用輸送機に対し、中国空軍はまさに喉から手が出るほど欲しがっている。何故なら我々は長期にわたり大型輸送機欠乏の苦しみを嫌というほど受けてきたからである。

軍事視察員ケロリョフが明らかにするところによれば、あるロシアと中国のネット仲間が、現在明らかになっている中国空軍のイリューシン-76輸送機の機体ナンバーを根拠にして統計を行った。中国は2013年から今までの2年の時間で、すでにロシアから19機の中古のイリューシン-76を購入している。このうち2013年に11機、2014年に2機、2015年に6機輸入し、こうしたイリューシン-76はいずれもソ連が1980年代末から1990年代初めに製造したもので、機の年齢は最長で28年、最短で21年で、いずれも大修理、リニューアルを経ている。

このように密集した大型輸送機の輸入は(甚だしきに至っては寿命の半分を過ぎた中古機だということも気にせず)、まさに中国空軍の大型輸送機不足が戦略輸送任務にもたらす重大問題を説明している。

1970年代の技術にルーツがある

過渡的に用いるもので過大な期待はしてはいけない


だが、外界の運ー20に対する熱烈な期待に対し、徐勇凌の視察はそれにもかかわらず明らかに非常に冷静かつ実務的で、彼の「胖頭魚」に対する位置付けはいささか人々の予想外である。「事実として運ー20は有無の問題の解決のためで、小幅の駆け足の産物である。できる限り早い就役のため、それは技術上非常に多くの成熟した『在庫品』を採用している。」

例えば軍事マニアたちが得々として語る、揚力:抵抗比を向上させることができる超臨界翼は、実は30年あまり前の運ー10にすでに採用されていた。さらに活動式3スリット揚力増加フラップの設計も、すでに大型旅客機に非常に普及している。

一方現在運ー20が搭載するロシアから輸入したD-30KP-2エンジンは、その細長い造形が「鯤鵬」の雄大な体と非常に不釣り合いで、この騒音、燃料消費がいずれも大きい立ち後れたエンジンは(頑住吉注:って、最新型の轟ー6Kも使用してるんですが)、飛行機の搭載重量と航続距離を制限しているだけでなく、短距離離着陸性能も実現が非常に難しく、アメリカ製C-17のように、本土から大陸をまたぎ越して直接前線の野戦飛行場に向け輸送を行う「単一基地式戦略投入」を運ー20に実現できなくさせ、戦略および戦術空輸を一身に集めることはできない。「我々がD-30KP-2を選択したのは、できる限り早く戦闘力を形成するための止むを得ざる選択でもある。」

(頑住吉注:これより2ページ目)

徐勇凌は分析し、運ー20の機体構造とエンジンは我が国が熟知するロシア製イリューシン-76に基づいており、しかる後に機体の尾部など少数の部分にC-17に類似した設計を採用し、某いくつかの方面はイリューシン-76に比べ向上がある、とする。だがこのプラットフォームは全体の上で1970年代の技術にルーツがあり、このためグレードアップの余地には限りがある。

まさにこのようだから、徐勇凌は運ー20は単に過渡的的な役割を演じるだけであり、生産数は50〜100機のはずで、外界が伝える300、400、甚だしきに至っては900機のようなオーバーなことはないだろう、と考える。「運ー20の最終的な役割は当時の運ー10のように、中国の航空工業に大型機を研究開発、使用する各種経験を熟知させ、先行者の作用を果たさせることである可能性が高い。」

同時に徐勇凌はさらに、「我が国は現在と未来の一定の時間内、大規模な海外投入の需要はなく、このため米軍を持ち出して我々の手本とすることはできない。」と強調する。徐勇凌は、もし「一帯一路」戦略を考慮しても、中国の軍用大型輸送機の空間は300機以下であると考える。もし生産技術水準が限られた運ー20を全力で生産したら、深刻な浪費をもたらすことになる。

落とし穴をはっきり認識する

エンジンは飛行機の意義に比べより重大


徐勇凌は銭報読者が認識上の落とし穴をはっきり理解することを希望する。具体的な飛行機の機種に関心を注ぐことは、実は戦略的意義を持つエンジンプロジェクトに感心を注ぐことに及ばない。例えば巷で運ー20に搭載されようとしていると伝えられる渦扇-20高バイパス比ターボファンエンジンである。

2014年には早くも、もうあるネット仲間が中国試験飛行院の1機のイリューシン-76の試験飛行の画面を撮影した。この機の左翼内側には1台の新型高バイパス比エンジンが装備され、それは渦扇-20と呼ばれている。ケロリョフが明らかにするところによれば、それは渦扇-10「太行」エンジンを基礎に研究開発され、今後2から4年内に使用に投入される。

あるスポーツ選手のレベルは、非常に大きな程度上その心肺機能に制限を受ける。同様の道理で、あるエンジンのレベルはそれを搭載する飛行機の機動、速度、航続距離、発着などの性能を決定する。甚だしきに至っては飛行機の寸法や重量を決定づける。

「この角度から見て、渦扇-20というこの我が国初の高バイパス比ターボファンエンジンの研究開発成功は、甚だしきに至っては運ー20に比べさらに歴史的意義を持つ。」 徐勇凌は、このエンジンは新たな大型輸送機に搭載できるだけでなく、C919クラスの民間旅客機にも搭載でき、我が国の未来の早期警戒機、給油機、対潜哨戒機、電子偵察機ないし戦略爆撃機のために脈々と尽きることのない動力を提供できる、と語る。 (ソース:浙江オンライン)


 期待がヒートアップし過ぎなので専門家が冷静になるよう呼びかける、というのは時々見られるパターンですね。心肺機能が低かったらスポーツ選手として実力が発揮できないというのはそうでしょうが、心肺機能が優れていたら優れたスポーツ選手と言えるわけでは当然なく、むしろ心肺機能は最低条件であり才能やセンスが決定的に重要なわけで、この点は飛行機にも似たようなことが言えるんでしょう。










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