何故中国はフィリピンによる仁愛礁への補給を阻止しなかったのか

 「軍情視界」の記事です。

http://military.china.com/jqsj/062/


フィリピン、事前に仁愛礁強行突入のどたばた劇を慎重に画策

中国がフィリピン船迎撃を強行しなかったのにはあるいは原因があるか

イントロダクション:最近、南海問題はフィリピンが起こした騒ぎによってヒートアップさせられていると言べきである。フィリピンが仁愛礁に向け建築物資を輸送する企図に実りがなかった後、挑発行為を慎むことがないばかりか、かえって再度船を派遣して仁愛礁に強行突入し、甚だしきに至ってはさらにアメリカ、フィリピンの記者を招待して共同で乗船、「目撃」させ、その結果をかえりみない挙動は全く人をして瞠目させ、言葉をなくさせる。この事前に念入りに画策したどたばた劇と拙劣な演技に頼って、フィリピンはまた南海で中国に向け面倒事を起こし始めている。

フィリピンが関門の突破に成功した原因は深く考えさせられる (頑住吉注:この場合の関門とは中国の包囲のことです。)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「フィリピン軍の乗った船、仁愛礁に突入し守備交代を行う」)

事件発生は突然で中国海警は準備不足

今回フィリピン船舶が仁愛礁に強行突入して補給を行ったことに対し、ネット上には次のような声が流れ伝わっている。中国海警はフィリピンの行動に対し準備不足であり、したがってフィリピンの補給、守備交代を成功させたのだ、と。だが仔細な推敲を経さえすれば、この言論は実は根拠があるとは言い難いことに気付くのは難しくない。フランス通信社の報道によれば、フィリピン船舶が接近した時、全部で4隻の中国船舶が仁愛礁を包囲しており、2隻の船には「中国海警」の文字がマーキングされ、しかも双方の船舶は一度たった何百mかの距離まで接近していた。このことは、中国の仁愛礁付近における海上法執行力量はフィリピンよりはるかに強かったこと、同時に中国海警もいち早くフィリピン船舶に対し行動をとったことを示している。中国のフィリピンに対する考え方と行動は非常にはっきりしていると言える。しかも、2012年の黄岩島事件後、中国公務船が南海に行ってパトロール、法執行を行うことはすでに常態化しており、フィリピンもこれに対して非常に大きな圧力を感じている。このことから、事件が起きたのが突然だったことが中国海警の準備不足をもたらしたという可能性はごくごくわずかだと言うことべきである。確率指数:星1つ

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「フィリピン海軍兵士が中国サイドに向け勝利のゼスチャーを見せつける」)

フィリピン船舶、水深の浅い区域に頼って中国海警から脱する

フィリピンメディアの説明によれば、2時間近い「対峙」が経過した後、フィリピン船長は船を比較的水深の浅い海域に航行させ、中国サイドの大きな船は座礁を心配して追跡が継続し難く、フィリピン船舶は最終的に中国サイドの妨害を回避して仁愛礁に到達したのだという。公開されている資料から我々は、仁愛礁付近の平均水深が比較的浅く、大部分の台礁は引き潮の時海面上に露出し、一部の礁は大きくなり、大型艦船にとっては一定の通行困難があると言える、ということに気付くことができる。また、中国船舶もかつて島礁の付近で座礁したことがある。2012年、中国・フィリピンの黄岩島対峙の時期、中国の560号ミサイル護衛艦が意外にも南沙の半月礁付近海域で座礁したため、国際社会に小さからぬ影響がもたらされた。しかも今回のフィリピン船舶と対峙を行った海警3401船は、中国初の4,000トン級法執行船であり、排水量は560号ミサイル護衛艦の2倍余りで、フィリピン船舶に対して言えば絶対的に巨艦的存在と呼べる。このことから、中国サイドが座礁を心配したとの説には確かに一定の可能性がある。確率指数:星3つ

中国が人道主義の考慮から迎撃を強行しなかった

今回の中国海警のフィリピン補給船に対する態度は、今年3月のフィリピンの補給船と対峙した態度とでは大違いだったと言える。このようにしたのは、2回のフィリピン船舶の仁愛礁接近の性質が決して完全に同じではなかったからである。3月上旬にフィリピンの補給船が仁愛礁に接近したのは、施工材料の輸送のためで、目的は明らかに「座礁」した軍艦を強化し、したがってフィリピン軍の仁愛礁におけるプレゼンスを強化するためだった。一方今回の輸送は米、缶詰、淡水などの生活必需品で、中国海警が迎撃を強行しなかったのは人道主義的考慮から出たことである。しかも、今回のやり方にも決して前例がないというわけではない。去年5月、中国はすでに同様の原因から、フィリピンに同じ性質の補給を完成させたことがある。報道から、「座礁」した軍艦上に駐屯する人員は海兵隊を自称するが、扮装は「難民」とほとんど変わらず、その戦闘力は推して知るべしである、ということを見て取るのは難しくない。中国がフィリピンの艦上の武装人員を完全に包囲しようと思えば簡単なことだが、容易に道徳および世論の有利な高みを喪失する。西側メディアもこれにより大いに策略を凝らして中国を悪しざまに言うことができる。このため、今回フィリピンが「関門突破に成功」したのは、中国の人道主義的考慮から出たことだというのが最も有り得る。確率指数:星4つ

フィリピン、仁愛礁に強行突入し中国と激烈に対峙

フィリピンメディア、政府の船は巨大な中国海警船を全く恐れはしない、とする

フィリピン最高長官、「脅迫に対し屈服することはない」とする

中国サイドは絶対にフィリピンサイドのいかなる形式の仁愛礁侵略占領も許容することはない

フィリピンの補給行動の中で軽視できないアメリカの要素

アメリカ・フィリピンの記者、あるいはフィリピン船の「守護神」となるか

フィリピンは今回仁愛礁に強行突入し補給、守備交代を行うため、策略を尽くしたと言うべきであり、多くの手段の中の1つは極めて狡猾であるのが目立った。フィリピンは今回十何人かのアメリカ、フィリピンメディアの記者を招待し、一緒に仁愛礁強行突入を「目撃」させたのである。これらの船に随伴した記者はフィリピンの共犯者となっただけでなく、同時にフィリピン船舶の守り札ともなった。国外メディアが中国に対し色眼鏡で見るのはすでに1日や2日のことではない。増してや中国脅威論を騒ぎ立てるのはまるで日常茶飯事である。もし今回中国海警がフィリピン船舶に対し迎撃を強行したら、たとえ単に水鉄砲で警告を行っただけだったとしても、やはり彼らには中国海警が悪意を持ってフィリピンの無辜の民間船を攻撃したと解読され、武力で南海を統治するするなど一連の報道を企図することがあり得る。そしてこうした事実でない報道はフィリピンが南海で理由なく騒ぎを起こす新たな理由となり、同時にアメリカが南海の争いに介入する新たな口実にもなる。ひとたびこのような事情が発生すれば、中国の南海における権利維持の難度はにわかに高まることになる。このため、アメリカ・フィリピンの記者がフィリピン船舶の「守護神」となった、というのには確かに一定の道理がある。確率指数:星3つ

米軍機の怪しい影が迎撃行動の変数を増やした

仁愛礁強行突入行動に参加した記者たちは、1機のアメリカ海軍のマークがある飛行機が当時包囲されたフィリピンサイドの船舶上方を飛行していた、としている。このことは、フィリピンがとっくに今回の行動をアメリカに報告しており、一方アメリカもフィリピンの今回の行動の種々の計画に対して掌を指すようだった可能性が極めて高いことを示している。だが仁愛礁およびその周辺海域の主権は中国に属する。アメリカサイドが戦闘艦を派遣して直接航路護衛を行うのはよろしくなく、このことは中米の南海における矛盾を完全に激化させることになる。このためアメリカ軍は都合よく軍用機を派遣して追跡を行った。このようにすれば、第1にフィリピンの用心棒、航路護衛ができ、盟友としての態度を見せることができる。第2に随時最新の状況を掌握でき、ひとたび中国海警が過激な挙動をなし、フィリピン船舶あるいは船上の記者の安全に脅威を与えたら、アメリカの艦・機がいち早く支援を行うことができる。アメリカがフィリピンの今回の行動に対し非常に気にかけ、またアメリカの密かな介入も中国の迎撃行動にわずかな、だが測り難い変数を増やした、ということが見て取れる。確率指数:星2つ

各視点からの声

羅援:中国にはフィリピンの艦を解体させる多種の手段がある フィリピンは座礁の費用を支払うべき

3月29日、中国・フィリピン艦船が仁愛礁付近海域で対峙し、中国サイドはフィリピンサイドに向け「君たちは自らの行為の結果の全責任を負うことになる」と呼びかけた。我々はこれを直ちに行動に移し、フィリピンにその行いの結果を担わせるべきである。

さらに多くの声

外国メディア:中国がフィリピンに打ち勝つのに全く懸念なし

フィリピンメディア:フィリピン、中国に対し雄鶏のようにコッコと鳴く

アメリカメディア:日本、フィリピンに軍事援助し中国に対抗中

庄国土:フィリピンがもしやりすぎたら、中国は彼らに代価はより大きいと分からせるだろう

フィリピンは不断に挑発し、矛盾を激化させていると同時に、争いを複雑化させてもいる。フィリピンが中国を激怒させる方式を採ることは、フィリピンを今後の争いの中でより不利な位置に置くことにしかならないだろう。

さらに多くの声

香港メディア:フィリピンの挑発は徒労に過ぎない

外国メディア:フィリピンの南海における主権主張は成果がありそうにない

外交部:アメリカが関係国の挑発行為を助長するのを停止することを望む

ネット仲間の調査

あなたは何故フィリピンは仁愛礁への強行突入ができたと考えますか?

事が起きたのが突然で中国海警が準備不足だった 15.75% 111票

フィリピン船舶が水深の浅い区域に頼って中国海警から脱した 7.95% 56票

中国が人道主義的考慮から迎撃を強行しなかった 31.78% 224票

アメリカ・フィリピンの記者がフィリピン船舶の「守護神」となった 18.3% 129票

アメリカの軍用機がそのために用心棒、航路護衛を行った 13.62% 96票

はっきり言えない 12.63% 89票

総票数 705票

フィリピンにはすでに中国をの威嚇の「結果」を引き受ける準備が整っている

フィリピン武装部隊総参謀長は、フィリピンにはすでに中国の威嚇の「結果」を引き受ける準備が整っており、中国がこの前フィリピンに警告を行った挑発行動は結果をもたらすことになるだろう、とした。この前、このフィリピン軍高官はロイター社に対し、中国の南海の島礁に対する主権主張は「ナンセンスであり、地図をちょっと見ればすぐ分かることだ」と語った。

結びの言葉

南海の争いについて言えば、中国がもしフィリピンよりも無頼で、無恥だったら、きっとフィリピンを打ち負かすだろう。だが目下中国が最もする必要があるのは、南海においてフィリピンにレッドラインを与え、ひとたびフィリピンがその境界を越えたら、中国は直ちにフィリピンに対し厳しい打撃を行うことで対応する、ということであるべきである。まさに習近平主席の言うように、事は中国の主権と領土の完備という重大問題に関わるのであり、我々は厄介事を引き起こすことはないが、事を恐れてもいない。フィリピンが大国の仁には最低ラインがあり、小国の智は莫忘形(頑住吉注:意味不明)だということを理解することを希望する。


 この「軍情視界」では前々回にもフィリピンの問題を取り上げており、小国小国と言いながら非常に気にしている様子が伺えます。しかし必ずしも読者はついてきていないようで、読者アンケートの票数が少なく、いつもはとるに足りない数の「はっきり言えない」が妙に多いのが目立ちます。




















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