中国軍用機関連2題

 まず何度か触れた「空警ー500」関連ですが、本文中で基本的に全てカッコつきになっているのはまだ正式名称として確認されておらず、いわゆる空警ー500、という意味を込めているためです。

http://military.china.com/important/11132797/20131113/18144694.html


大佐:空警ー500のレーダーの探知計測能力はあるいは空警ー2000より優れているか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「最近ネット上に流れ伝わる国産新型早期警戒機の画像で、『空警ー500』と呼ばれる。この機の外形は中国がパキスタンに輸出したZDK-03型早期警戒機に似ているが、新型レーダーを採用している。」)

最近、アメリカの著名な軍事フォーラムに中国国産新型早期警戒機の画像が出現し、再度国産早期警戒機を国内外が関心を注ぐホットな話題とした。この国産新型早期警戒機は軍事マニアたちから「空警ー500」と呼ばれている。軍事専門家杜文竜はメディアのインタビューを受けた時、この新型早期警戒機はフェイズドアレイレーダーを採用し、空警ー2000に比べその探知計測能力はより強く、追跡する目標の数および誘導する戦闘機の数が大幅に向上している、と指摘した。

早期警戒機は「千里眼」に長けた空中偵察兵と呼ばれ、「天上に運ばれた空中の指揮所」であり、空中作戦体系の中で極めて重要な作用を果たす。だが今、世界に大型早期警戒機を研究開発する能力がある国は指を折って数える程度である。中国も他国との協力が妨害される苦しみを経て、最終的にやっと早期警戒機自主開発の道を行った。

中国が現在までに自主研究開発した早期警戒機には空警ー200、空警ー2000早期警戒機があり、また輸出型のZDK-03早期警戒機がある。2009年、中国が自主研究開発した空警ー200、空警ー2000という2つの型の早期警戒機が国慶節の閲兵式でお目見えした。2つの機種は共に世界の早期警戒機発展史上の9つの「初」を創造し、アメリカのシンクタンクであるジェームズタウン基金会は、中国のフェイズドアレイレーダーを採用した空警ー2000早期警戒機は、アメリカのE-3C早期警戒機に比べまるまる1世代先んじている、と評価している。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「『空警ー500』は運ー9輸送機を飛行プラットフォームとして採用し、外観から見てこの機はより多くの先進的センサーを配備している。」です。)

ネット上の現有の資料は、「空警ー500」は運ー9輸送機を搭載機とし、外形は中国がパキスタンに輸出したZDK-03型早期警戒機に似ている、ということをはっきり示している。この新型早期警戒機のレーダーは空警ー2000のアクティブフェイズドアレイレーダーを採用しているが、外観上はレーダーの中心位置に1カ所はっきりした突起があるのが見られる。

熱い議論を引き起こしている「空警ー500」に対し杜文竜は、この機種は新型技術手段を採用した中型早期警戒機で、ネット仲間の推測によれば、さらにハイローミックスとして大型の「空警ー5000」がある、とした。彼は分析し、空警ー200に比べ、「空警ー500」の基本性能には特にレーダーの性能に非常に大きな技術的改良があった、とする。

空警ー200は一定の角度内では目標を観測できず、主に側面偵察の手段による。一方「空警ー500」は円盤状のフェイズドアレイレーダーを採用し、探知計測の死角を大幅に縮小でき、その偵察距離、追跡する目標の数、および誘導する戦闘機の数はいずれも大幅に向上する。

杜文竜はさらに一歩分析し、「空警ー500」は空警ー2000と同様のフェイズドアレイレーダーを採用しているが、外観から判断するなら、そのレーダーの探知計測性能はあるいは空警ー2000より優れているかもしれない、とする。空警ー2000は電子スキャン方式を採用し、機械スキャンではない。一方「空警ー500」のレーダーの探知計測力はあるいはさらに精細さが加わり、目標を追跡する数の上で大幅に向上しているかもしれない。現在早期警戒機は早期警戒機能と指揮機能を集成しているが、指揮機能はなお強化が待たれ、これには機のレーダー設備に対する極めて高い要求がある。

(頑住吉注:3ページ目)先に流れ伝わった新型早期警戒機の構造図。機の頂部の円形レーダーカバーの中心に顕著な突起が1つあり、衛星通信アンテナらしい。

(頑住吉注:4ページ目)ネット仲間が作成した新型早期警戒機の側面図。

(頑住吉注:5ページ目)運ー9戦術輸送機の早期警戒機など特殊飛行機プラットフォームとしての採用は、現有の条件下における多少止むを得ずの選択でもある。

(頑住吉注:6ページ目)空警ー2000は現在中国軍の中に少数しか装備されておらず、この問題をもたらす最大の原因は、中国に適した大型飛行機プラットフォームが欠乏していることである。

(頑住吉注:7ページ目)ZDK-03早期警戒機のパキスタン空軍引き渡し後、パキスタン軍の防空および体系的作戦能力には顕著な向上が獲得された。

(頑住吉注:8ページ目)中国がパキスタンに販売したZDK-03早期警戒機の内部コックピットとされるもの。


 「そのレーダーの探知計測性能はあるいは空警ー2000より優れているかもしれない」の根拠が具体性を欠きますね。大型輸送機をベースとする空警ー2000の最大離陸重量は190トンとされ、一方空警ー500のデータは不明ながらベースの運ー9の最大離陸重量は65トンとされているので、技術的にとんでもないレベルの画期的進歩でもない限り空警ー500が空警ー2000を超えるような装備一式を搭載できるとは考えにくい気がするのですが。また両者の最大航続距離はさほど変わりませんが、速度は時速850km対時速570kmと大差があり、大きなお皿型レーダーを背負ったらさらに速度が低下することも考えられ(エンジンのパワーアップなどで相殺される可能性もありますが)、目標区域までの到達時間も非常に大きく変わってくるはずです。

 次は航空エンジン関連です。

http://mil.huanqiu.com/mlitaryvision/2013-11/2717150.html


ロシア、中国が国産戦闘機のために再度7億アメリカドル以上のエンジンを購入、とする

ロシアの週刊「軍工信使」ウェブサイト11月12日の報道によれば、ロシアと中国を国際政治および経済領域においてどんどん近づけている多くの軍事、政治的要素は相互に重なり、まさに双方の軍事技術協力の改めての活発化を促している。ロシアの対中国兵器輸出はすでに安定した上昇段階に入り、両国の兵器貿易の「黄金時代」(すなわち1990年代から今世紀初頭までの何年か)と比肩し得るレベルに到達し、かつ今後数年でソ連解体後の成約に関する記録を作り出すチャンスがある。(画像は中国空軍将校がロシアのエンジンメーカーのブースでロシア製のAL-31FNエンジンの模型を見ているところ)

ロシアの新聞は、現在すでに知られているデータは、2011年、ロシアの軍用製品の対中国輸出は19億アメリカドルを突破し、2012年にはまた増加があった、ということをはっきり示している、とする。ロシア国防製品輸出社の指導層は、新たに締結された総額176億アメリカドルの契約の中で中国の占める分は12%であり、これはすなわち双方は21億アメリカドルを超える新たな契約を締結した、ということである、と言明する。

現在、すでに具体的内容が確実に知られている契約の総額は13億アメリカドルで、このうち6億は中国に輸出される52機のミルー171E多機能ヘリ、7億は140台のAL-31F航空エンジンから来るものである。このエンジンは中国に対し輸出されたスホーイー27、スホーイー30戦闘機、および中国が自ら製造した殲ー11B/BS、殲ー15、殲ー16戦闘機に装備される。

(頑住吉注:2ページ目)画像は中国が殲ー10戦闘機のために購入したAL-31FNエンジンである。これはロシアが中国の殲ー10のために専用に研究開発した特別な改良型で、累計ですでに中国におよそ350〜400台が輸出されている。ロシアメディアの言によれば、過去10年ないし未来の若干年、対中国航空エンジン輸出は継続して高い状態を維持する。中国の航空メーカーの成績はめざましいが、飛行機のエンジン製造は依然、中国軍事工業業界の最も薄弱な部分である。現在、中国で製造される第4世代戦闘機の中で、3種全ての機種が使用するのはロシア製エンジンである。すなわち、殲ー11BのAL-31F、殲ー10のAL-31FN、FC-1「梟竜」のRD-93である。

補足が必要なのは、中国の最近の遠距離巡航ミサイル爆撃機轟ー6Kも同様にロシア製D-30KP2ターボファンエンジンを使用していることである。このエンジンは中国初の自主研究開発による戦略大型輸送機である運ー20にも装備される。2009年と2011年、中国は契約を締結し、ロシアから239台のD-30KP2エンジンを購入し、現在商品の供給は依然継続中である。

これと同時に、中国の2機種の第5世代戦闘機、殲ー10と殲ー31はまさに試験飛行段階にあり、このため中国はすでにロシア製の新世代エンジンの購入に興味を示しており、これにはスホーイー35に配備される117Sエンジンが含まれる。

(頑住吉注:3ページ目)太行エンジンが依然信頼できないため、殲ー10戦闘機の現有の4つの機種と7つの主要生産ロットはいずれも国産エンジンを採用しておらず、中国がほとんど毎年ロシア製のAL-31F、AL-31FN系列エンジンを輸入する必要があるという結果をもたらしている。外国メディアの統計によれば、現在この2つの型の系列のエンジンの累計輸入数は550〜600台にも達しており、甚だしきに至ってはロシア空軍を超え、AL-31系列エンジンの最大のユーザーとなり、ロシア航空エンジンの最大の輸出市場でもある。

(頑住吉注:4ページ目)画像はロシアが中国に向けて輸出するAL-31Fエンジン。このエンジンは殲ー11A、殲ー11Bの初期ロット、および殲ー15戦闘機に広く応用されている。太行エンジンの性能が安定した後、殲ー11B、殲ー11BS、殲ー16戦闘機はいずれももはやロシア製AL-31Fエンジンを使用していないが、海上での発着の安全に適応するという考慮のため、中国海軍の殲ー15戦闘機はまだAL-31F cep.3艦載戦闘機特殊エンジンを使用中である。

(頑住吉注:5ページ目)殲ー15が使用するAL-31F cep.3艦載戦闘機特殊エンジンは、海上の艦載戦闘機の使用に照準を合わせて研究開発された専用のエンジンで、その推力はAL-31Fより小さいが、抗腐蝕および高い信頼性などのメリットを持つ。

(頑住吉注:6ページ目)画像はロシアが中国向けに輸出するRD-93エンジン。これは中国の「梟竜」輸出型戦闘機および「ファルコンイーグル」対外貿易戦闘機の主要なエンジンで、「利剣」無人機の試験動力でもある。

(頑住吉注:7ページ目)「ファルコンイーグル」戦闘機は2台のエンジンを採用している。


 殲ー15用特殊エンジンという話が出てきたのは初めてだと思います。推力がどのくらい小さいかにもよりますが、これまでの性能に関する推測を修正する必要を生じさせる可能性があるのでは。「太行エンジンが依然信頼できないため」、「太行エンジンの性能が安定した後」という矛盾した記述はどう考えればいいんでしょうか。まあ比較的安定してきたので双発機にはだましだまし使っているが単発機には怖くて使えない、ということも考えられますが。



















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