沿海域戦闘艦が中国の川を遡上して奥地を攻撃する?

 考えたこともなかった視点です。

http://military.china.com/important/11132797/20130805/17981269.html


専門家:中国は河川用「浅水砲艦」を作って沿海域戦闘艦制圧専門とすべき

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「沿海域戦闘艦は海軍が新たな作戦需要を満足させるために建造した、近海作戦に適応可能な艦艇である」)

中新ネット8月5日電 香港の「大公報」は5日、中国軍事学会高級研究員劉江平の文章、「沿海域戦闘艦が河川に侵入する脅威は大きい」を掲載した。文章は、敵国の大きな河川に深く入り込んでの遠距離奇襲作戦は往々にして小さな力で大きな力に打ち勝つ「雪崩効果」を引き起こし、その深刻な破壊力は過小評価できない、と指摘した。このため中国は新型の河川内で使用する高速の「浅水砲艦」を研究開発すべきであり、これは機動性が良好で、火力が強く、装甲防御力が強く、情報ネットワーク化作戦が行え、河川に入り込んだ沿海域戦闘艦に専門に対処し、長所を伸ばして短所を避け、敵に勝ち勝利を制するものである。

文章を次のように要約する。

何故敵国の大きな河川に深く入り込んで遠距離奇襲作戦を行う必要があるのか? 何故ならこれは現在大きな河川の三角州地帯および沿岸の数百、甚だしきに至っては数千kmの地帯は往々にして一国の政治、経済、商業貿易、科学技術、エネルギー、金融、交通、通信、基礎工業施設、軍事基地および都市居住区の密集地帯だからで、沿海域戦闘艦が遡上し、高速でこうした重要な地域に奇襲をかけることは小さな力で大きな力に打ち勝つ「雪崩効果」を引き起こす可能性が高く、その深刻な破壊力は過小評価できない。

水上運輸の発展は水文資料の透明化をもたらした

河川内で沿海域戦闘艦を迎撃するのは決して容易なことではない。我々はくれぐれも河川や湖の中で沿海域戦闘艦と戦う非常な困難さを軽視してはならない。改革開放が始まった30年余り前以来、これに伴って河川や海の水上運輸量が激増し、外国の貨客船がすでに大量に中国の河川などに入り込み、河川や湖の水文資料、航路の配置などはすでに広範に公開化されている。水先案内人は乗船しているが、それでもいくつかの航行の要素は公開される必要があり、このことは沿海域戦闘艦が中国大型河川に潜入する隠れたリスクを埋もれさせる。

大型河川や湖で沿海域戦闘艦と勝負するには、地理的条件を有効利用する必要があり、これには自然の浅瀬、激流、季節性の水位の変化などが含まれ、また人工の橋梁、大型のダム、水門なども沿海域戦闘艦が長距離にわたって直接入り込むのを遅延させ、その高速性およびステルス性の優勢を弱めることができる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「20世紀末以来、アメリカ海軍の作戦環境、作戦対象が非常に大きく変わるにつれ、アメリカ海軍は徐々に「今日の戦場は沿海、5大陸の陸と海が境を接する場所にある」と認識するに至った。」です。)

河川などの水域周辺の工業施設、交通施設、エネルギー関係施設、都市居住区、甚だしきに至っては軍事基地などは、基本的に水上から来る火力打撃の防御という問題を考慮しておらず、沿海域戦闘艦の猛烈な火力攻撃の面前では一撃にも耐えないということができる。沿海域戦闘艦は巧妙に河川などの航路の忙しい水上輸送の状態を利用する。例えば、昼夜止まることなく河川を頻繁に行き交い、上り下りする大小さまざま、各種の船舶を援護とし、自身のレーダー反射信号を背景のやかましい雑電波の妨害の中に埋没させ、陸上基地レーダーが何百何千隻の民間船の反射信号の中で遅れず正確に沿海域戦闘艦の微弱な反射電磁波を捕捉することを難しくするのである。

河川などの水域の幅は狭いため、水域の面積は海域に比べると取るに足りないほど小さいと言える。伝統的な陸上基地対艦ミサイルは作用を発揮し難く、陸上基地火砲はいささかの作用を発揮できるが、正常に航行している船舶への誤爆を心配するため、やはり沿海域戦闘艦への攻撃の効果は良くない。

迎撃が誤爆を生むことを恐れて手が出ない

固定翼機、ヘリの河川水域における沿海域戦闘艦に対する作戦効果は良いだろうか? やはり多くの不利な要素の制限を受け、防衛区域外遠距離打撃が行える各種機載正確制御誘導弾薬が欠乏し、戦場を通過する船舶への誤爆を恐れる。沿海域戦闘艦の防空火力の射程内に入ると、また艦載対空ミサイル、艦砲、艦載ヘリ、無人機などによって撃墜されることを心配する。作戦機の飛行速度はいずれも速すぎ、くねくねと曲がり、狭く長い河川の航路で長時間沿海域戦闘艦の周りを旋回することは難しい。非対称作戦の難点、転換点が突然に出現する。

機雷敷設は作用を発揮できるだろうか? 伝統的機雷はダメである。高度で、正確で、先端的なスマート化機雷を研究開発する必要がある。やはり主に同時に航行する本国の民間船が多すぎ、誤爆を恐れる。

河川内で使用する高速の新型「浅水砲艦」を研究開発すべきである。それは機動性が良好で、火力が強く、装甲防御力が高く、情報ネットワーク化作戦が行え、専門に内水に入り込んだ沿海域戦闘艦に対処するものであり、長所を伸ばして短所を避け、敵に勝ち勝利を制するものである。機動が敏捷な戦略戦術を採用し、沿海域戦闘艦を囲み、追い、遮り、止める。伏兵を置いて狙撃し、包囲して援軍を打撃し、追跡追撃する。長躯遠征し、孤軍深入りし、後方の援助がない単独行動の沿海域戦闘艦に対し、追いつめて痛打を与え、いかなる息をつく機会も与えず、これを終始恐怖のどん底の危急の状態に置き、奇襲任務の完成をかえりみるいとまも全くなくさせるのである。

(頑住吉注:3ページ目)アメリカ海軍は不断に軍事戦略を調整し、相次いで「海から陸へ」、「前線の存在」などの戦略思想を提出した。ここ何年か以来、アメリカ海軍は「海上打撃、海上の盾と海上基地」概念を提出し、「近海戦略」が正式に「遠洋戦略」と入れ替わったことを示した。

(頑住吉注:4ページ目)沿海域戦闘艦の就役はアメリカ海軍の沿海域における安全な介入も保障できるし、その他の作戦艦艇がその主要な作戦使命に従事できることも保障できる。

(頑住吉注:5ページ目)アメリカ海軍の構想の中で、沿海域戦闘艦は大洋の航行能力を持ち、遠距離を航行して全世界の配備が必要な場所に到達できることが必須である。世界のいかなる場所でも近海何百海里の区域内を出ず、特別派遣部隊と連合して快速機動の高い正確度、強い火力の打撃を提供して軍事行動を支持するのである。

(頑住吉注:6ページ目)沿海域戦闘艦はアメリカ海軍の「未来30年発展計画」の中で主力の役割を演じる。未来のグローバルな海上戦略の必要性を満足させるため、アメリカ海軍は2035年までに少なくとも50〜60隻の沿海域戦闘艦を調達する計画で、その総額は120億アメリカドル以上にも達する。

(頑住吉注:7ページ目)アメリカ海軍は大きな力を入れて高速の「沿海域戦闘艦」を開発し、アメリカの軍事力のネットワーク化およびグローバル化された作戦の重要な組成部分となる。

(頑住吉注:8ページ目)「沿海域戦闘艦」はアメリカ海軍軍事戦略が遠洋から近海に向かう重要な印であり、アメリカの意図は世界近海水域の重要な海上力量を統治することにあり、革命的な新世代海軍艦艇と称するに堪える。


 非常に面白いですし理論的にはあり得ると思いますが、アメリカはそんな特攻まがいのリスキーな作戦は行わないのでは。それと沿海域戦闘艦に対抗するのに専門の艦まで必要としますかね。ミサイル艇あたりで間に合うのでは。

















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