中国周辺国の潜水艦を評価

 日本を含む周辺国の潜水艦に対する評価です。

http://military.china.com/news2/569/20130724/17962348.html


中国周辺の潜水艦戦力をスキャンする:日本の潜水艦は就役年限が短く機種が新しい

国際的に権威ある機構の統計によれば、今後10年で、アジア太平洋地域では少なくとも9つの国と地域が18の潜水艦建造プロジェクトを実施し、83隻の潜水艦に関わり、このうち少なくとも半分はAIP潜水艦である。

陳光文 (頑住吉注:中国の軍事専門家で多数の雑誌等に記事を執筆していますが公的な肩書はないようです)

海洋権益の争奪が日増しに激烈になるにつれ、近年来中国周辺国は次々に方法を講じて自らの軍事的実力、特に海軍の実力を高めている。この間に少なからぬ国が潜水艦戦力の建設に大いに重点を置き、大いに追つ追われつの勢いがある。

日本:潜水艦の就役年限が短く、機種が新しい

第二次大戦の敗戦、降伏後、日本の軍事工業の能力はほとんど全て破壊され、「平和憲法」と国際条約の制限を受けているため、日本は通常動力の潜水艦しか開発できない(頑住吉注:別に憲法に通常潜水艦は持っていいけど原潜はダメなんて書いてないですけどね)。何十年か以来、日本は通常潜水艦方面に技量を注ぎ尽くしたと言うべきで、今この国はすでに世界で通常潜水艦技術が最も先進的な国の1つとなっている。

1960年代から日本は相次いで「はやしお」、「なつしお」、「おおしお」、「あさしお」、「うずしお」、「ゆうしお」、「おやしお」および最新のAIP(非空気依存動力装置)の「そうりゅう」級という8機種の潜水艦を製造した。現在、日本海軍は全部で3つの級、18隻の潜水艦を持ち、これには5隻の「そうりゅう」級、11隻の「おやしお」級、2隻の「はるしお」級が含まれる。

日本の潜水艦の主力である「おやしお」級は現在世界で排水量が最大の通常潜水艦の1つで、水中排水量は3,000トンに達する。この級の艦は同時に6発の有線誘導魚雷を誘導して水上および水中の目標を攻撃する能力を持ち、同時に潜水艦から発射する「ハープーン」対艦ミサイルと89式有線誘導魚雷を装備し、このことはこの級の艦に水中偵察、対艦、対潜、機雷敷設など多項目の任務を遂行できるようにさせている。

2009年から就役を開始した「そうりゅう」級潜水艦の水中排水量は4,100トンに達し、現在世界最大の通常潜水艦かもしれない。この型の艦はAIP装置を追加装備しており、その水中持続潜航時間を3週間前後まで延長させることを可能にしている。

近年来、日本海軍は基本的に毎年1隻を退役させ、1隻を就役させる方式に照らして新旧潜水艦の世代交代作業を行っている。このため、その潜水艦の就役年限は短く、機種は新しい。だが、現在日本海軍はすでに現役潜水艦の数を22隻にまで増加させ、2隻の訓練用艦を加え、その保有する潜水艦の数を24隻に到達させることを準備している。日本の今回の潜水艦部隊拡充の規模は、通常潜水艦領域の優勢を強化し、「数と質を相結合させる」模式をもって、日本のアジア太平洋地域に対する水中支配能力を向上させようとするものに他ならない。

韓国:ドイツ系潜水艦に頼って発達

韓国海軍は1980年代末になってやっと実戦的意味を持つ潜水艦部隊の建設を開始したが、その発展の速度は人をして注目させ、後発者が先発者を追い越す勢いが大いにある。

当初韓国はドイツから9隻の209級1200型潜水艦を購入し、韓国国内で「張保皐」級KSS-1型潜水艦と命名された。この級の潜水艦の水中排水量は1,200トンで、14発の魚雷あるいは28発の機雷を搭載でき、このうち3隻はさらに「ハープーン」対艦ミサイルを装備している。

さらに一歩水中作戦力量を強化するため、前世紀末、韓国は「遠洋海軍」発展戦略を提出し、2000年11月にドイツから3隻のAIPタイプの214級潜水艦を購入し、後に自ら6隻を建造した。これが「孫元一」級と命名されたKSS-II型潜水艦である。この級の潜水艦は燃料電池技術を採用し、15〜21日連続潜航でき、同時に25の目標を追跡でき、かつ同時にこのうち8つの目標を攻撃できる。この艦は8門の533mm魚雷発射管を装備し、各タイプの魚雷と「ハープーン」対艦ミサイルが発射できる。最多で1回に16発の大型魚雷あるいは25発の機雷を搭載できる。

韓国海軍はさらに自ら研究開発した3隻の排水量3,500トンのKSS-III新型潜水艦を準備しており、かつ北朝鮮のミニ潜水艦に対抗できる新型のミニ潜水艦KSS-500Aを開発している。KSS-III型潜水艦は韓国海軍近代化建設の重要なカギで、この艦は潜水艦から発射されるタイプの対地攻撃型巡航ミサイルを装備し、もって北朝鮮に対する威嚇能力を増強することになる。

北朝鮮:数には見るべきものがあり、特殊な地理的条件の便を持つ

数から見て北朝鮮海軍の潜水艦はアジア第2位に位置できるというだけでなく世界でもランク上位である。西側の情報機構の見積もりによれば、北朝鮮海軍は4隻のW級と22隻のR級通常動力潜水艦を持ち、さらに29隻の「山高」級小型攻撃潜水艦と、数に見るべきものがある「玉高」級ミニ潜水艦を持つ。

だが質から見ると、様子は決してそんなに壮観ではない。W級潜水艦はすでに非常に古く、基本的に戦闘能力を持たない。R級は現在北朝鮮潜水艦部隊の主力で、新しいとは評価できないが、北朝鮮による何度もの改良を経て、一定の作戦能力を持つと言うべきである。この潜水艦の前部には6門の533mm魚雷発射管があり、12発の魚雷を装備する。尾部には依然2門の魚雷発射管が残され、2発の魚雷が装填されている。1回の出航では最多で14発の533mm魚雷あるいは28発の機雷を搭載できる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

外界は、北朝鮮にはこれらの潜水艦のために有線誘導あるいは尾流自動誘導魚雷を配備する能力が欠けている可能性があり、このためその対潜対艦能力は全く理想的なものではないかもしれない、と考えている。だが、これらの潜水艦の多くは1970年代の製品だが、北朝鮮海軍は北朝鮮海域の特殊な地理的条件に頼って、やはり韓米海軍に多くの面倒をもたらす、と考える専門家もいる。

ベトナム:「大洋のブラックホール」は過小評価できない

ずっと以前からベトナムは決して潜水艦部隊を重視してこなかったし、潜水艦の購入も考慮しなかったが、近年来の南海問題はベトナムの考えを変えさせた。

2009年末、ベトナムとロシアは6隻の「キロ」級636M型潜水艦売買の契約を締結し、第1隻目は2013年末にベトナム海軍に引き渡される見込みである。この級の潜水艦の排水量は3,100トンで、6門の533mm魚雷発射管を装備し、魚雷、機雷、3M-54「クラブ」巡航ミサイルが発射でき、南海海域における対艦、対潜任務執行に非常に適している。

この潜水艦はそのずば抜けた静音性能ゆえにNATOから「大洋のブラックホール」と讃えられ、専門家は6隻の静音型潜水艦の能力は過小評価できず、ベトナム海軍がこれらの潜水艦を全て手に入れた後は、ロシア、日本、インド、甚だしきに至ってはアメリカの援助の下、5〜6年内には早くも他国に非常に大きな脅威をもたらすかもしれない、と考える。

インド:賃借と建造が結合した原潜計画

インド海軍は現在すでに南アジア地域実力最強の海軍となっており、しかも現在積極的に戦略的力量を東南アジアおよびペルシャ湾地域にまで拡張展開させているところである。

現在、インド海軍は14隻のディーゼル・電池潜水艦を持ち、これには10隻のロシア製「キロ」級潜水艦と4隻のドイツ製209潜水艦が含まれる。だが、これらの潜水艦はいずれもすでに老朽化し、退役に直面している。

2012年4月、インドがロシアから賃借した「アクラ-II」級「Nerpa」号攻撃原潜が就役を開始した。この艦の排水量は1.2万トン余りで、4門の533mm魚雷発射管と4門の650mm魚雷発射管を装備し、水中で巡航ミサイルなどの武器が発射でき、作戦能力は強大である。「アクラ-II」級の賃借期間は10年で、この艦の加入はインドをアメリカ、イギリス、ロシア、フランス、中国に続く第6の原潜を持つ国とした。

古い「キロ」級および209級と交代させるため、現在インドはフランスの援助の下に6隻の「スコルペヌ」級潜水艦を建造中で、2015年に第1隻目が引き渡される。「スコルペヌ」級はトン数は大きくないが、インド海軍の水中作戦能力を少なからず向上させることができる。この艦には6門の533mm魚雷発射管が装備され、「ブラックシャーク」有線誘導大型魚雷、SM-39「フライングフィッシュ」対艦ミサイルなどの武器が搭載、発射でき、搭載総数は18発に達し得る。

インドにはさらに意気込みに満ちた原潜計画があり、2020年までに5隻の原潜を持ち、このうち2隻はロシアから賃借し、他の3隻は自ら建造することになる。だがインド国産の「アリハント」号原潜が装備するミサイルの射程は700kmしかなく、一定の戦略核威嚇能力はあるが、他国の近海に接近した時にのみやっと作用が発揮できる。このためその他の大国が装備する原潜と同列に論じることには大きな無理がある。

「潜水艦の軍備競争」?

東南アジアの国の中でインドネシアは「カケライ」級(209型)潜水艦2隻を持ち、この国はアセアン地域で初めて潜水艦を持った。最近この国はさらに韓国と3隻の新しい209型潜水艦購入の契約を締結した。一方シンガポールはとっくにスウェーデンから4隻の「チャレンジャー」級潜水艦を購入済みであり、その後また2隻のより先進的な「アーチャー」級AIP潜水艦を購入し、東南アジア最大の潜水艦隊を建設している。マレーシアがフランスから購入した2隻の「スコルペヌ」級潜水艦はすでに全部納品され、さらに南海海域で派手に「フライングフィッシュ」対艦ミサイルを試射し、「地域の潜水艦競争」をヒートアップさせた。タイも少なくとも4隻の潜水艦の購入を準備しているとされるが、現在まだどの国から購入するか最終的に選定されていない。

現在の発展の趨勢から見て、アジア太平洋地域各国の間の「潜水艦軍備競争」はすでにどんどん激烈になる勢いである。国際的に権威ある機構の統計によれば、今後10年で、アジア太平洋地域では少なくとも9つの国と地域が18の潜水艦建造プロジェクトを実施し、83隻の潜水艦に関わり、このうち少なくとも半分はAIP潜水艦である。。(2013年7月16日出版の「グローバル」誌 第14期)


 オリジナルの潜水艦を建造できる国は少ないですが、基本的に潜水艦先進国から購入した潜水艦は中国の潜水艦より高性能のはずで、中国の大きな脅威になるでしょう。インドとは積極的に協力していくべきだと思いますが、韓国やベトナムとの協力には難しい問題がありますね。


















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