殲-15の着艦過程

 殲-15着艦過程の詳細な解説です。

http://military.china.com/important/64/20121203/17560684.html


中国の殲ー15艦載機着艦の7つの大きな鍵となる重要段階を完全解読 

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殲-15着艦前には着艦ルートをよく調整する必要がある。」)

リレーでのナビゲーション

艦載機の正確な帰投と着艦を保証するため、現代空母は全て戦術空中ナビゲーションシステム、空中交通管制システム、着艦誘導システムを配備している。これは1つのリレーによるナビゲーションである。空母からの距離が300kmの時、帰投する艦載機は戦術空中ナビゲーションシステムによって指揮誘導される。距離100kmの時、空中交通管制レーダーによって引き継がれる。距離30kmの時、さらに戦術空中誘導システムによって誘導される。距離10kmの時、自動着艦システムが誘導を開始する。距離3kmの時、艦上光学着艦補助システムの作動区域に入り、最終的にこれにより着艦する。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「殲-15の遼寧艦上での発着過程の説明図」です。)

待機ルート

これは直径約5海里の逆時計回りの円形の飛行ルートである。異なる機の待機高度は異なり、最低の待機高度はおよそ600m前後である。艦載機は毎回空母上空を通過する時、着艦指揮官と連絡を取り、もって着艦許可を獲得するのに便とする。いくつかの機の燃料不足を考慮して、高空においてはさらに空中給油を手配する可能性もある。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「艦載機着艦過程の複雑な飛行ルートの説明図」です。)

着艦ルート

着艦命令を受けた後、艦載機は空母からの距離10km前後の場所で待機ルートを離れ、高度を300m前後にまで下げ、空母後方5kmの所で着艦ルートに入る。この時、艦載機は武器システムを閉鎖し、機の重量が空母着艦の基準に符合することを確認し、その後減速板を開き、制動フックおよび脚などを下げ、その後空母左側で再度旋回し、着艦中心延長線の後方に到達し、光学着艦補助システムの作動範囲に入り、その後下降、降着を開始する。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「遼寧艦の『フレネル』レンズは殲-15着艦の重要な装備である」です。)

「フレネル」レンズ

着艦は発進に比べずっと難しい。着艦技術の難度は高く、危険係数は高く、制動ケーブル装置の他、飛行甲板中央部外側の「フレネル」レンズなど特殊装備も重要な作用を果たす。これは1組の十字架状を呈する照明グループで、機が着艦訓練を行うとき、このワンセットの照明グループが黄色、赤、橙色という3種の異なる色彩の光を下降傾斜面に発し、この3種の光で高低の位置を区分けする。黄色の光は高い下降傾斜面、赤い光は低い下降傾斜面、橙色の光は正確な下降傾斜面である。飛行員は光が決める位置に基づき橙色の光の区域内で下降すれば、正確安全に着艦できるのである。飛行員がもし高すぎ、あるいは低すぎる飛び方をすれば、見ることのできるのは黄色い光、あるいは赤い光だけである。

(頑住吉注:これより5ページ目。画像のキャプションは「殲-15着艦の瞬間」です。)

対中

戦闘機が安定してコントロールされ、正確に滑走路に対して降着できるか否かは任務の成否の重要なカギである。いわゆる対中とは、艦載機の着艦過程で必ずできる限り甲板の滑走路の正確な中心軸線に正確に相対する必要があることである。さもないと甲板上の他の建築物や滑走路脇に駐機してある他の機に衝突する可能性がある。空母の飛行甲板はいずれも左舷側寄りに設計され、空母の軸線とは外向きの角度を形成している。艦載機が下降して艦尾に接近する過程で、空母は不断に前進するため、降着を待つ甲板の滑走路が空母の運動と共に不断に右前方に向けて平行移動する結果がもたらされる。このため、飛行員は最初の対中成功後、さらに下降過程で滑走路の平行移動の状況に基づいて、不断に右向きに飛行方向を修正し、終始正確に滑走路の中心線に相対する必要がある。これは艦載機が安全に甲板上に降着するまでである。

(頑住吉注:これより6ページ目。画像のキャプションは「殲-15着艦成功の瞬間」です。)

着艦指揮官

着艦指揮官、英語での略称LSOは艦載機飛行員に対し操縦の指令を発し、下降ルート上での機の安全な着艦を誘導する士官である。着艦指揮は空母艦載機部隊の要であり、艦載機飛行員は無条件でLSOの指揮を信じ服従することが必須である。アメリカ、ロシア、イギリス、フランスなど空母を持つ国の中では、LSO着艦指揮官は成熟した艦載戦闘機飛行員の中から生まれる。彼らは飛行技術がその他の艦載機飛行員を敬服させ信頼させる必要があるだけでなく、さらに
優秀な指揮組織能力を持つことが必須で、同時に飛行機の状態と性能、飛行員の技術の特性と性格を十分に理解することが必須であり、これで初めて艦載機の安全な着艦を指揮できるのである。

(頑住吉注:これより7ページ目。画像のキャプションは「殲-15、遼寧艦甲板上への降着に成功」です。)

逃逸復飛

最大限に着艦の安全性を保証するため、艦載機の着艦プロセスの中にはさらに非常に重要な1ピースが設計されている。これこそ艦載機の「逃逸復飛」である。逃逸復飛機動は、初速度がゼロではない加速直線運動である。着艦時、制動ケーブルに引っかけるのを失敗した場合のため、艦載機飛行員はスロットルを開いて下降着艦し、もって「逃逸」の速度を保持することが必須である。


 これまで紹介した内容とかぶっている部分が多いですが、距離別の誘導、待機から着艦に至る過程、着艦指揮員の条件や選抜方法は新しい内容でした。しかし「成熟した艦載戦闘機飛行員」が存在しない中国ではどういう条件で着艦指揮員が選ばれたんでしょうかね。










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