ロシア、自国の軍艦に中国製ディーゼルエンジンを採用

 単純に安いからというわけではないようで。

http://military.china.com/important/11132797/20160331/22344637.html


出藍の誉:中国国産ディーゼルエンジン、すでにロシア艦艇市場に進軍

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「中国の河柴重工がロシアに向け輸出するCHD622V20ディーゼルエンジン」 続いて2枚目。「このタイプのエンジンを配備するロシアの21631軽護衛艦」)

3月28日にロシアメディアは、ロシア海軍21631型ミサイル艦は中国のディーゼルエンジンに換装することになるだろう、これは21980型快速艇に続く、中国のディーゼルエンジンのまた1回のロシア軍艦への装備である、と報道した。

指摘を必要とするのは、今回ロシア向けにエンジンを提供する中国河南ディーゼルエンジン重工有限責任会社はまさに当時旧ソ連の援助の下に建立されたということであり、今回ロシア向けにディーゼルエンジンを販売することは、間違いなく人に「出藍の誉」と感じさせる。

21631型ミサイル艦はロシア海軍が専門に近海作戦のために研究開発したミサイル軽護衛艦で、主に現役のゲリーシャ級ミサイル軽護衛艦に取って代わるのに用いられる。この艦は全長72m、満載排水量900トン前後、第1号艦は2010年に建造が開始され、2013年に進水し、2014年にロシア海軍に引き渡された。このタイプの艦は喫水が浅いのに重武装なことで有名で、1,000トンに満たない艦体に、100mm主砲と8連装ミサイル垂直発射システムを配備し、クラブ対地攻撃巡航ミサイルを発射することができ、シリア戦争の中で、21631型ミサイル護衛艦はかつてカスピ海でクラブ対地攻撃巡航ミサイルを発射し、1,000km離れたシリア過激組織の目標を攻撃した。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「21631型軽護衛艦はかつて巡航ミサイルを用いてシリアの過激組織を打撃した」です。)

ロシア海軍の計画によれば、9隻の21631型護衛艦(工場のコードナンバー631〜639)が装備されることになり、このうち黒海艦隊が3隻、カスピ海艦隊が6隻で、このクラスの艦は当初2基のドイツから導入したMTU16V4000M90ディーゼルエンジンを採用した。だがウクライナ危機ゆえに、西側は対ロシア武器禁輸を実施し、MTUディーゼルエンジンも禁輸リストにあり、21631型護衛艦は5隻完成(コードナンバー631〜635)した後、もう使えるエンジンがないまずい状態に陥った。残る4隻(コードナンバー636〜639)の建造作業は継続できず、別のエンジンのソースを探求することが必要になった。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「建造中の21631型軽護衛艦。エンジンの欠乏のため、進度は停滞状態にある」)

周知のように、旧ソ連の船舶用ディーゼルエンジン領域は本来もう西側より弱く、旧ソ連解体後、軍事工業業界は衝撃を受けること比較的大きく、人員の流失、設備の老化、経費の欠乏、新技術や新製品方面における投資不足は、西側ディーゼルエンジンとの隔たりを拡大させ、後には一部の西側の技術や設備を導入した(例えばロシアの関連のメーカーは相次いでオーストリアやオーストラリアと船舶用ディーゼルエンジンを合同研究開発し、ロシアは2020年には国内企業の採用するディーゼルエンジンの国産化率を70%前後にまで高めることを計画した)が、こうしたディーゼルエンジンにも国外の部品に依存する、質が安定しないなどの状況が存在し、例えばロシアがオーストリアと合同研究開発した新世代船舶用ディーゼルエンジンにある半分の部品が国外由来で、西側がロシアに対し制裁を行う状況下で、ロシア海軍は明らかにこのようなエンジンを採用し難い。また国内製品の質に対しても、ロシア海軍にはすこぶる不平があり、ロシア海軍総司令はかつて政府の海洋委員会の会議で国内のディーゼルエンジンの質に対し不満を表明した。彼は「このようなエンジンは、海水において2ヶ月作動したらもう完全に腐蝕する」と指摘した。このような状況の結果は西側のディーゼルエンジンがロシア民間用船舶用のディーゼルエンジン市場に大量進入するだけでなく、多くの軍用艦艇も導入した西側のディーゼルエンジンを採用し始めるというものだった。これには今回の21631軽護衛艦が含まれる。だがウクライナ危機以後、西側はロシアに対し禁輸を行い、ロシア海軍新型艦艇建造計画は比較的大きな影響を受けた。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「21631が本来使用したMTU4000系列ディーゼルエンジン」です。)

中国の船舶用ディーゼルエンジン工業は旧ソ連の支持の下に歩みを始め、河柴重工自身旧ソ連の援助の下に建立されたのだと前に言ったが、中ソ関係の決裂以後、中国の船舶用ディーゼルエンジン工業は自力更生を開始し、1970年代に入って以後、当時の有利な国際環境を利用して西側の技術を導入し、これにはドイツのMTU、フランスのピールディスクなどの先進的なディーゼルエンジンが含まれ、こうした技術に対する消化、吸収を経て、国産化を実現した。国家の経済、技術的実力の増強と共に、国産エンジンの性能にはさらに一歩の向上があり、今回輸出されるCHD622V20高速ディーゼルエンジンを例にすると、これは高圧コモンレール技術を採用し、広い範囲内で噴射圧力と噴射時間を改変でき、油圧の発生過程と燃料噴射コントロール過程を分けて考慮することによりディーゼルエンジンの電子制御を実現し、したがってクリーン、高い効果という目標が達成されている。ロシア方面の言い方によれば、CHD622V20は多くの方面ですでに21631軽護衛艦が現在配備しているMTU16V4000M90ディーゼルエンジンを超えており、例えば最大出力方面では、CHD622V20は310キロワットを達成でき、一方MTU16V4000M90は2,720キロワットでしかなく(頑住吉注:たぶん数字間違ってますね)、持続出力方面では前者は2,300キロワット、後者は2,100キロワットで、燃料消費方面では前者は196g/KW.H、一方後者は209g/KW.Hである。実際CHD622V20はすでに河柴重工の初のロシアに輸出されるディーゼルエンジンではなく、この前にロシアの21980型快速艇がすでに河柴重工のTBD620V12ディーゼルエンジンを選択している。

(頑住吉注:これより4ページ目。1枚目の画像のキャプションは「河柴重工がすでにロシアに輸出したTBD620V12ディーゼルエンジン」 続いて2枚目。「TBD620V12エンジンを配備したロシアの21980快速艇」)

指摘しておくことが必要なのは、中国は艦船の動力方面でディーゼルエンジンの他、ガスタービン、電力推進システムなどの方面でもロシアに比べ先んじているだろうことである。現在国内ではすでにガスタービンの大量生産が実現しており、より先進的なintercooled regenerative cycleガスタービンエンジンもすでに研究開発が成功し、一方ロシアはウクライナ危機によりガスタービンエンジンのソースも失っている。ロシアはすでに艦用ガスタービンエンジンを自ら研究開発しているが、まだ月日を必要とし、先進的なintercooled regenerative cycleガスタービンはなおさら言うまでもない。もたらされる結果は、22350護衛艦などの艦艇の建造も停滞にある、ということで、このため将来ロシア海軍が中国からガスタービンエンジンを導入する可能性が排除されない。

(頑住吉注:5ページ目)ロシアには艦用ガスタービンエンジンも欠乏し、将来中国の艦用ガスタービンエンジンを導入する可能性が排除されない


 ちなみに中国は潜水艦の非空気依存推進システムでもロシアより進んでいるとしていますね。しかし21980型快速艇を検索してみると、

http://bbs.tiexue.net/post_11399430_1.html

 こんなページがあり、これによるとこの「快速艇」も元々2,400馬力のドイツのMTU製ディーゼルエンジン2台を採用していたものの、同じ理由で中国製ディーゼルエンジンに換えたとされていますが、元々の最大速度も23ノットと「快速艇」の名に値するか疑問なもので、しかも中国製ディーゼルエンジンは燃料消費が低く寿命も長いとされているものの2,215馬力とされているのでたぶんさらに速度は落ちるでしょう。ロシアも大喜びで中国製ディーゼルエンジンを使っているわけではなく、他に選択肢がないので止むを得ずといったところではないでしょうか。
















戻るボタン