北朝鮮の「水爆実験」関連2題

 そもそも水爆実験だったかどうかも怪しいわけですが。

http://military.china.com/important/11132797/20160106/21085698.html


技術的分析:北朝鮮の水爆試験は成功を獲得していない可能性が高い

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国地震局ネットはいち早く北朝鮮の地震に対し『核爆発の疑い』の判断をした。」)

2016年1月6日午前9時30分、各国の地震局ネットは北朝鮮国内で発生した強度およそ5級(頑住吉注:マグニチュード5クラス)の地震を探知計測し、外界は普遍的に北朝鮮が第4回核実験を行ったと推測している。2時間後、北朝鮮当局の通信社は、北朝鮮が初の水爆試験を成功させたと宣言した。

周知のように、水爆は原爆に比べより威力ある核兵器であり、核武装する国の真の印である。ここ2、3年北朝鮮はずっと外界に向け水爆を研究開発中であると情報を流し、今年になるとすでに水爆を持つと言明し始めた(頑住吉注:去年の終わりごろからですね)。だが口では言っても根拠はなく、北朝鮮は自らが水爆を持つと証明する必要があり、また一度世界の願いに反して核実験を行うしかなかった。

現在の問題は、北朝鮮の水爆試験が本当に成功したのか? である。

中国の地震局ネットの測定したデータに照らせば、今回北朝鮮が引き起こした地震の強度は4.9級である。本体波マグニチュードによって核爆発の威力を逆算する(Y/kt)には経験則に基づく公式、mb=a+b log Yがあり、その中のaとbは地質構造と関係がある定まった数値である。ソ連のShagan River Test Site (SRTS)とアメリカのNevada Test Site (NTS)地下核実験の画定した結果は、それぞれa=4.45, b=0.75 (SRTS)およびa=3.92, b=0.81 (NTS)である。一方全世界範囲内の異なる試験場の統計結果はa=4.08,b=0.77である。全世界の平均のデータに照らして計算すると、北朝鮮の今回の核実験の威力はおよそTNT炸薬1.1万トンの爆発に相当する。

中国の中で北朝鮮の近隣にあり、かつ世界で最も良い地震測定技術を持つ、中国科学技術大学地震・地球内部物理重点実験室はかつて北朝鮮が2013年2月12日に行った第3回核実験を正確に分析したことがある。北朝鮮の第3回核実験が引き起こした地震の強度は4.9級で、同大学地震実験室は分析後、その爆発力は1.22万トンのTNTに相当し、誤差は0.38万トンであると考えた。

同様に4.9級の地震を引き起こしており、つまり北朝鮮の今回の核実験の爆発も0.74万トンから1.6万トンの間に相当するはずで、爆発の規模は決して大きくない。比較できるものとして、中国初の水爆は300万トン相当で、その前の水爆の原理試験でも爆発の規模は12.2万トンに相当した。

(頑住吉注:これより2ページ目。1枚目の画像のキャプションは「探知計測した地震の波形を根拠にすると、自然の地震なのか、それとも人工的な爆発なのかが判断できる。画像の中の赤色の波形は北朝鮮の2009年の核実験の爆発が生じさせた波形で、青色は付近の自然地震の波形で、両者は顕著に異なる。自然地震は、縦波(P波)の伝播速度が速いが強度は小さく、横波(S波)の伝播速度は遅いが強度が大きい。一方人工爆発が引き起こした地震の波形にはこの特徴がない。」 続いて2枚目。「中国の地震科学者はかつて国内と日本の多くの地震局のデータを総合し、北朝鮮のこれまでの3回の核実験の状況を分析した。」です。)

このことは人々に推測の余地を残している。水爆の威力をごく小さくすることもでき、例えば一部の中性子爆弾の爆発規模は数千トンでしかないが、ある国が初めて水爆試験を行う場合、特に北朝鮮は力を尽くして外界に向け自らの核能力を証明する必要があるのであって、爆発の規模を小さすぎるまでに制御することはあり得ない。

この方面には前車の轍がある。インドは1998年の核実験の時、熱核装置(水爆)試験を行ったと言明したが、外界の少なからぬ科学者はその爆発規模が小さすぎると疑問を呈した。たった4.3万トンであり、その水爆の爆発は決して成功していない、と考えたのである。インドの科学者は事後、付近の村落の破壊を避け、また放射性物質の放出を減少させるために、自分たちは故意に水爆の規模を小さく調整したのだ、と説明した。だがこの説明は決して学会から認可されず、現在インドが一体水爆を持つのか否か、依然1つの謎である。

事実、地下核実験の封鎖深度と核爆発規模の1/3乗は正比例し、北朝鮮が水爆試験の規模を10万トンまで調整して高めようとしても、水爆を置く地下の縦穴を倍深く掘る必要があるだけで、これは決して達成し難いことではない。北朝鮮にとって、外界に向け自分たちが水爆を持つと証明することはトップの大事なのであって、ちょっと多く土を掘る、あるいは各試験場の範囲を拡大し、一部の付近の住民を疎開させることは、全く何でもないことと評価される。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「地下核実験では、トンネルを倍深く掘りさえすれば、10万トン規模の核実験を行うことが保証でき、放射性物質を放出することはないだろう。」です。)

このため、北朝鮮初の水爆の爆発試験は、失敗だった可能性が高い。周知のように、水爆は二段階核兵器であり、第1段階のトリガーの原爆を用いて核融合材料を起爆させ、より大きな威力を獲得する。実際の状況は、北朝鮮は確かに水爆試験を行ったのだが、設計の問題ゆえにトリガーとしての原爆だけが爆発し、核融合材料は決して起爆させられなかった、というものである可能性がある。

北朝鮮は弱国であり、核兵器の道はずっと困難にぶつかっている。その第1回の原爆試験は外界から不完全な成功と考えられている。爆発はしたが、威力は設計の規模には到達しなかった、と。今初の水爆試験も類似の状況に遭遇した可能性がある。より正確な判断には中米などの核大国が一定の時間を費やして分析することが待たれる。例えば大気中に放射性物質が探知計測されるか否か、水爆の爆発を証明する生じた放射性物質が探知計測されるか否か、スパイが北朝鮮内部でより多くの今回の試験の状況を獲得できるか否か、である。

だがこうしたことは決して北朝鮮自身が水爆試験成功を宣言することを妨げることはないだろう。北朝鮮の核実験は各国の反対を受け、たとえ失敗しても、北朝鮮は無理に笑顔を作って、成功を宣言するしかない。これはちょうど北朝鮮の第2回人工衛星発射のようなもので、ロケットに故障が発生し太平洋に落ちたが、当局はそれでも成功を宣言した。だが各宇宙強国はいずれも北朝鮮の衛星が軌道に進入したことを探知計測していないのである。(文/杜松涛)


http://military.china.com/news2/569/20160106/21086020.html


北朝鮮の水爆試験は成功したのか? 水爆を作り出すには実はこの6ステップが必要

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:中国が500万トン級水爆を空中投下し試験爆発させる震撼する場面」)

1月6日午前、北朝鮮政府は声明を発表し、同国が「成功な」水爆試験を行ったと宣言した。ならば北朝鮮の今回の水爆試験は本当に成功したのか否か、また1発の成熟しかつ作戦に投入できる水爆を作り出したければ、どういった技術的難関を突破する必要があるのだろうか?

核兵器というと、皆の第一の反応は大多数が原爆であり、結局のところ原爆はすでに実戦の中で使用されたことがある。だが、原爆の上に、まだ1種類威力がより大きな核兵器があり、これが水爆である。

第1の関門:構造タイプ

各国が製造する水爆であるが、実は本質的原理は大差ない。水爆には第1段階と第2段階があり、第1段階の核分裂エネルギー爆発の発するX線に頼って、第2段階の核融合反応を引き起こす。通俗的に言えば、「点火」である。ならば、「点火」を達成する条件こそが、水爆の構造タイプの核心的要求である。

聞けば簡単だが、実現するのは実に困難である。もし単純に第2段階を第1段階の上に置いたら、第1段階がひとたび爆発するや、第2段階はたちまち「吹き」飛ばされてしまい、核融合は形成され難い。

ある専門家は、現在世界に、2種の水爆の構造タイプしかない、と語っている。

第二の関門:多くの学科の協同

核兵器というと、皆が思い至る第1の学科はきっと核物理研究である。だが成熟した水爆の技術を掌握したければ、単に核物理に頼ったのでは充分にはほど遠い。

簡単に言って、水爆の研究開発には力学、光学、化学、コンピュータ科学以下多くの子学科の協同コンビネーションが必要とされ、関連の知識は10あまりの大類、100以上の小類の学科体系に設計される。

このことから、水爆を作り出したければ、必要なのは巨大な人材の備蓄であるということが見て取れる。

第三の難関:試験

要するに、水爆研究が関わる知識は膨大、複雑で、構造タイプは困難で、ならばどのようにすればやっと構造タイプが適合するか否かを確定することができるのだろうか? 試験に頼り、水爆の爆発が必要とする極端な条件をシミュレーションするしかない。

あるメディアは、どの国家であろうと、水爆研究を完成させたければ「核爆発装置-武器化された原子爆弾-水爆」というこの道を通過することが必須だと報道している。水爆の第2段階を成功裏に「点火」する必要条件は第1段階の爆発規模が大きく、分量が小さいことに他ならない。

つまり、たとえ原爆技術を掌握しても、もしさらなる一歩に進めなかったら、成功裏に「点火」を完成させることはできないのである。このため、不断に試験を通過し爆発規模、核融合の時間、点火温度を検証する必要がある。

第四の難関:核材料の備蓄

通俗的に言って、水爆は実は「黄身が2つ入った卵」であって、原爆も包括するし、水爆にも関わる。

原爆はウラン、プルトニウムなどに関わり、水爆は重水素、トリチウム、リチウムなどを必要とする。こうした材料はいずれも反応炉に頼って生産する必要があり、原爆と水爆の技術を掌握したければ、充分な試験を経ることが必須であり、つまり大量の核材料の消耗を必要とする。核材料が充分でなかったら、水爆の完成は不可能である。

第五の難関:工業と経済の実力

核材料の生産は同位元素工場の建設を必要とし、核実験は大規模な工程建設を行うことを必要とし、さらには大量の複雑、精密な核測定設備を要する。このため、核兵器の製造、特に水爆の製造は全てがある国家の工業能力に対する検証である。

ある専門家は、充分な国力の支持なしには、成熟した水爆技術は掌握し難い、とする。

第六の難関:武器化

水爆を作り出すことと、水爆を作戦投入できることはまた別のことである。

まず、核爆弾小型化の問題を解決する必要がある。弾道ミサイルの運搬搭載能力には限りがあり、もし核爆弾が小型化できず、信頼性が欠乏していたら(例えば発射の震動や大気圏外の試練を受け入れる必要がある)、弾道ミサイルに用いることはできない。

次に、再突入段階の難関を突破する必要がある。核弾頭の再突入段階とは核弾頭が大気圏外から大気圏内に戻ってくる過程を指す。この過程の中で、弾体外部の複合材料は極めて高い温度の試練を受け入れる必要がある。

第三に、さらに運搬ツールの難関を解決する必要がある。本体に関して言えば、弾道ミサイルの研究開発はあるいは難しくないかもしれないが、もし精度と安定性が核兵器、特に水爆の配備に足りる弾道ミサイルを研究開発しようとすれば、国家の総合国力、科学技術水準などの方面いずれに対しても極めて高い要求を提出する。(編集 ジャンコンシャオ、新華社国際客戸端総合報道)


 というわけで私も水爆実験をしようとしたが起爆用の原爆だけが爆発し核融合反応は起こらなかった、という可能性が高いと思いますね。しかし失敗したならまた設計や条件を変えて再チャレンジしようとする可能性が高いのでは。もちろん材料の生産状況や制裁による影響などにもよるでしょうが。

















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