殲ー15が搭載するレーダーは

 現時点で最高のものを搭載しようとするのではないかと思いますが。

http://military.china.com/important/11132797/20151204/20875133.html


殲ー15機群、ミサイルを搭載して出撃:コックピット内部のディテールがはっきり見える

殲ー15は我が国が研究開発した初の艦載戦闘機で、現在すでに中国海軍遼寧艦空母に配備されている。最近、ネット仲間が1組の殲ー15艦載機のコックピットの高度にクリアな特写画像を整理し、近距離でこの戦闘機のコックピットの設置を見ることができる。

ニュースの延伸:中国の殲ー15艦載機の火力コントロールシステムを深く解析する

最近ネット上に国産艦載機部隊の報道が出現し、関連の報道から見て殲ー15はすでに設計定型に至り、大量生産されて部隊に装備され、したがって中国海軍と航空工業に艦載機がなかった歴史は終わる。

中国航空技術発展報告(2012〜2013)によれば、殲ー15艦載戦闘機は電子スキャンレーダーを配備しており、それが初のフェイズドアレイ火力コントロールレーダーを配備した国産戦闘機であることをはっきり示している。だがプロジェクト立ち上げの時間から見て(殲ー15は2009年に試験飛行しており、プロジェクト立ち上げは21世紀初めのはずである)、このためそれが配備するのはパッシブフェイズドアレイレーダーに違いない。

現在作戦機が配備する機械スキャン火力コントロールレーダーは、機械コントロールの精度および慣性の制限を受けるため、快速スキャンする時、レーダーの探知計測精度が比較的劣り、このため多くの方向、多くの目標に対応し難い。このため現在機械スキャンのレーダーの性能紹介にも、数十の目標を追跡し、数目標を同時に攻撃できるとの言い方があるが、その角度的範囲は非常に小さく、このため通常機械スキャンレーダーの多目標能力は象徴的意義が実際よりも大きい。

作戦機の多目標攻撃能力を高めるためには、電子スキャンレーダーが必要である。電子スキャンのメリットはビームの指向が迅速敏捷で、精度が高いことであり、2D電子スキャンレーダーはさらに目標を探知計測した後、迅速に調節確認することができ、機械スキャンレーダーのように次のスキャン周期までちょっと待つことが必須ではない。したがって非常に大きくレーダーの目標に対する目標(頑住吉注:原文ママ。記述の間違いでしょう)能力と速度が向上した。電子スキャンレーダーはアクティブフェイズドアレイとパッシブフェイズドアレイの2種に分かれ、アクティブフェイズドアレイレーダーのそれぞれの輻射器はいずれも発射/受信ユニットを装備し、このため損耗が小さく、信頼性が高い。だがシステムが比較的複雑で、コストが高い。パッシブフェイズドアレイレーダーは1つの中央発射機と受信機しかなく、発射されるエネルギーはコンピュータによってアンテナ上のそれぞれの輻射器に分配され、技術的に比較的簡単で、コストや費用が比較的低い。だが信頼性が比較的劣る。また帯域幅、信号処理などの方面でアクティブフェイズドアレイレーダーより低く、このため現在アクティブフェイズドアレイレーダーが趨勢であり、一方パッシブフェイズドアレイレーダーは前者への過渡的なものと見なされている。

国産機載パッシブフェイズドアレイレーダーの発展は1960年代に始まり、パルスドップラーレーダーに比べてさえさらに早かったようだ。当時水轟ー5(頑住吉注:飛行艇)に配備するため、国内の関連の研究開発部門は1Dパッシブフェイズドアレイアンテナを採用した698側視対海捜索レーダーを研究開発し、1970年代末にサンプル機を研究開発した。このレーダーは設計定型に至らなかったが、それにもかかわらず国産機載パッシブフェイズドアレイレーダーの発展のために経験を累積し、基礎を打ち立てた。

(頑住吉注:これより2ページ目)

1980年代に入り、新型戦闘機に配備することに着眼し、国産機載火力コントロールレーダーの難関攻略の重点は機械スキャンパルスドップラーレーダーの研究開発に置かれ、フェイズドアレイレーダーも技術の発展方向として技術事前研究が行われ、パッシブフェイズドアレイレーダーサンプル機の研究が展開された。関連の画像から見て、国産パッシブフェイズドアレイレーダーサンプル機が採用したのは空餽(頑住吉注:非常に難しい専門用語らしく、「空餽って何?」という2012年の質問ページにいまだ回答が1つもなかったりしてます。ちなみに「餽」には「贈り物をする」などの意味があるということです)方式で、主に加工難度が高い高周波数マイクロ波ユニットを回避し、したがってレーダーの製造価格、重量、コストを下げた。だがその欠点は餽源およびその支えのアンテナに対する遮蔽の問題が解決し難く、したがってアンテナおよびレーダーの性能や製造コストに比較的大きな影響をもたらすことだった。

1990年代に入り、国産レーダーの発展を加速するため、国内の関連機関はロシアの機載フェイズドアレイレーダー領域と技術協力を行い、ロシアのレーダーメーカーである-NIIPはかつてPEROパッシブフェイズドアレイレーダーアンテナを中国サイドに与えて試験を行わせたが、これも空餽技術を採用しており、空餽の欠点が比較的大きいため、国内の関係機関はこの方案を放棄し、国産パッシブフェイズドアレイレーダーが最終的に採用したのは強制餽電方式だった。新世紀に入り、国内関係機関は相次いでパッシブフェイズドアレイレーダーサンプル機の研究開発に成功し、アクティブフェイズドアレイレーダーおよびT/Rモジュール方面でも比較的大きな進展を取得した。このためある技術人員はパッシブフェイズドアレイレーダーを跨ぎ越して、直接アクティブフェイズドアレイレーダーに行くことを提案した。だが著名な専門家である賁徳などを含む同志は、当時国内の電子技術の実力は決して強大ではなく、このような跨ぎ越し式発展の難度は高過ぎると考えた。実際日本もJ/APG-1アクティブフェイズドアレイレーダー開発の時、挫折に遭遇していた。このため国内ではやはりツーステップで行く方針に照らし、まずパッシブフェイズドアレイレーダーを研究開発し、しかる後さらにアクティブフェイズドアレイレーダーを研究開発するという比較的穏健妥当な一定(頑住吉注:これも記述の間違いでしょう)を提案し、国家は最終的にこの提案を取り入れた。

関連資料によれば、14所が研究開発したパッシブフェイズドアレイ火力コントロールレーダーは、比較的良い多目標探知計測および攻撃能力を具備し、同時に10の目標を追跡し、同時に4つの目標が攻撃できる。一方607所がL-15のために研究開発したパッシブフェイズドアレイ火力コントロールレーダーは、アンテナの口径が400mmで、発射器の出力は400W、RCSが5の目標に対し75kmの探知計測距離が提供でき、超視距離空戦、近距離格闘、空対地/艦正確打撃などの能力を具備し、空対空模式下では捜索しながら追跡する、単/2目標追跡、垂直スキャンを持つ近距離空戦などの模式が提供でき、空対地模式下では真実ビーム作図、地図凍結/拡大、多ドップラービーム鋭化、合成開口成像、地上/海面移動目標追跡などの模式が提供でき、比較的強い探知計測、多目標、多模式能力を具備する。

殲ー15は大型戦闘機であり、そのレーダーアンテナの口径、発射機の出力はL-15のレーダーよりはるかに大きく、このためその機載レーダーの探知計測距離、多目標攻撃能力はきっとL-15のそれより高いだろう。また国産パッシブフェイズドアレイレーダーの優良な多模式能力は殲ー15の用途の拡張展開のためにも基礎を打ち立て、このことは艦載戦闘機にとって非常に重要と言える。

だがパッシブフェイズドアレイレーダーは結局のところ明日黄花(頑住吉注:時代遅れで意味をなさない)であり、すでに徐々に淘汰されている。国内電子技術は新世紀において迅速、猛烈に発展し、アクティブフェイズドアレイレーダーの規模をもっての装備にも堅実な基礎を打ち立てており、このため新世代国産作戦機が大量配備するのはアクティブフェイズドアレイレーダーである。このため筆者は殲ー15のパッシブフェイズドアレイは過渡的なものに過ぎず、将来はやはりアクティブフェイズドアレイレーダーに改められるだろうと考える。


 これから大金を払ってロシアから購入しようというスホーイー35が搭載するのがパッシブフェイズドアレイレーダーであることに疑問を呈する記事もいくつかありました。現在試作されている新型戦闘機が搭載するのがアクティブフェイズドアレイレーダーではないかとの説もいくつかあるようですが、実用に耐えるものであるのかどうかよく分かりません。しかし殲ー15は中国にとって非常に重要な機種で、本格的量産はこれからのはずですから問題がなければ最初から搭載しようとするのでは。

















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