中国の新型軽戦車

 これに関しては一昨年7月21日のコラム昨年1月11日のコラム昨年11月17日のコラムでも取り上げました。

http://tuku.military.china.com/military/html/2014-03-25/223038_2475250.htm


中国の新型軽戦車、複合装甲を用いる ヘリに対応可能

【グローバル軍事報道】 先日、中国が最も新しく研究開発した軽戦車の画像が再度大々的に暴露され、小さからぬ波瀾を引き起こした。この戦車はやや早い時期にすでに数回明るみに出てはいるが、今回の最新の画像はこの戦車の正面のディテールを見せており、車体正面にあらかじめ留保された穴があり、モジュール化された付加装甲を装備し防御強化に用いられることをはっきり示している。

(頑住吉注:2ページ目)この戦車は青蔵高原など海抜の高いでこぼこの山道の地域のために専門に研究開発され、総重量は比較的軽いがエンジンの馬力は比較的高く、もって空気の薄い高原環境の中で正常に作戦できるのに有利とする、と考えられている。この新型戦車はどういった新技術と特性を具備しているのか? 一緒に見てみよう。

(頑住吉注:3、4ページ目)ネット上に最も新しく明らかにされた中国新型軽戦車

(頑住吉注:5ページ目)1、山地戦のために生まれた:液圧サスペンションを採用

外形から見て、この戦車は(頑住吉注:片側)6つの転輪を持つシャーシを採用している。だが注意に値するのは、シャーシ部分のディテールから、この戦車が液圧気動サスペンションシステムを採用しているに違いないと推断できることだ。この種のサスペンションシステムはその山地条件下での機動性能と戦時における生存率を向上させる助けになる。

(頑住吉注:6ページ目)ロシアメディア「軍事視察」のかつてのある報道は、国内に山が多い韓国と日本が現在装備する戦車も液圧気動サスペンションシステムを採用している、としていた。中国はこの新型戦車の研究開発過程で、この2カ国の経験を参考にしたのかもしれない。あるいは、中国の設計人員と技術者たちはさらにロシアの「ドイル-M1」防空システムのシャーシの一部の動力ユニットをコピー生産したのかもしれない。中国軍は現在多数のロシア製「ドイル-M1」防空システムを装備済みである。同時に、中国サイドがこの戦車のシャーシを研究開発する過程で、ベラルーシのミンスクトラクター重工連合体の援助を得た可能性も排除されない。

(頑住吉注:7ページ目)ロシアのT-90SM戦車がその液圧サスペンションシステムをデモンストレーションする

(頑住吉注:8ページ目)液圧サスペンションシステムをデモンストレーション中の日本の10式戦車

(頑住吉注:9ページ目)2、火砲の謎:あるいは砲から発射されるミサイルを装備か

中国の戦車が現在使用する火砲の口径には、125mmスムーズボア砲、120mmスムーズボア砲、105mmライフル砲という3種の類型がある。最新の軽戦車が使用する火砲の類型に関しては、多種の説がある。外国メディアは分析し、この戦車が使用するのは125mmあるいは120mm口径の火砲であるとする。

(頑住吉注:10ページ目)我が国が現在依然使用中の改良型59式戦車。この戦車が研究開発当初使用したのは100mm口径ライフル砲で、59II型以後は105mmライフル砲を採用した。

(頑住吉注:11ページ目)我が国はかつて59式戦車で120mmスムーズボア砲の試験を行ったこともある

(頑住吉注:12ページ目)89式駆逐戦車が使用するのは120mm対戦車砲である

(頑住吉注:13ページ目)96および99式戦車が採用するのはいずれも125mmスムーズボア砲である

(頑住吉注:14ページ目)だがより合理的な説は、この軽戦車が使用するのは105mm口径のライフル砲だというものである。120mmスムーズボア戦車砲は現在まだ我が軍の制式装備ではなく、ずっと選択使用されていない(頑住吉注:「中国製戦車砲の発展過程」では中止されたような書き方でしたが。それに125mmが普及している中わざわざ120mmを新たに加えるとも考えにくいでしょう)。一方105mmライフル砲の後座力は適度で、弾薬は現有装備と共用できる。

(頑住吉注:15ページ目)我が国は1970年代から105mm戦車砲の研究開発を開始し(頑住吉注:基本的にはイギリス製のコピーのはずですが)、今に至り技術はすでに相当に成熟している。1990年代に定型に至ったZPL94式砲身延長105mmライフル戦車砲および最近新たに開発された長さ:径の比が大きい徹甲弾は、すでに105mm戦車砲のポテンシャルを極致にまで掘り起こしている。ある分析は、このような火力配置はすでに、我が国周辺の第2世代および第2世代改良型メインバトルタンクに余裕で対処するに足り(頑住吉注:74式とかですかね)、一部の第3世代戦車に対しても一定の脅威を構成し得る、とする。

(頑住吉注:16ページ目)我が軍の戦車/対戦車砲が使用する代表的な3種の口径のサボ付き徹甲弾には、射程が遠から近まで順に125mm口径砲弾、100mm口径砲弾、105mm口径砲弾がある。現在105mm口径の砲弾は解放軍装甲兵の装備の中で依然重要な地位を占め、現役の105mm戦車砲に使用される弾薬の備蓄は充足し、弾薬の種類は揃い、これには徹甲弾、榴弾、攻堅弾(頑住吉注:トーチカなど用の弾薬と思われます)、砲から発射されるミサイル等々が含まれる。画像は我が軍部隊が装備する99式新型戦車。

(頑住吉注:17ページ目)画像は我が軍部隊が装備する99式メインバトルタンクで、この戦車は125mmスムーズボア砲を使用する。

(頑住吉注:18ページ目)何年も前、中国はすでに105mm口径の砲から発射されるミサイルおよび105mmレーザー制御誘導砲弾を発表しており、このためこの2種の弾薬いずれにもこの軽戦車に装備される能力があることは全く疑いない。特に105mmの砲から発射されるミサイルは、高原、山地の中で対戦車ヘリに対応する非常に大きな作用がある。時限信管の殺傷爆破弾は低速の飛行機に対する殺傷能力が非常に大きく、同時に歩兵を殺傷するエースの弾種でもある。画像は我が国が研究開発する105mmの砲から発射されるミサイル(頑住吉注:ミサイルの長さと弾薬の長さが同じくらいのようで、発射薬はごく少ないんでしょうね)。

(頑住吉注:19ページ目)新型軽戦車がもし105mm口径の火砲とセットされる弾薬を採用していたら、技術および汎用性の上でいずれも非常に顕著な優勢がある。しかもこの軽戦車に関して言えば、その未来の戦場は主に高原あるいは山地地形で、過大な口径の砲塔設計は体積や重量を増大させる可能性があり、軽戦車がより重視するのは機動性能とオフロード性能なのである。

(頑住吉注:20ページ目)軽戦車が相手方のメインバトルタンクと力と力で対抗するのはよろしくなく、主要な作用は機動する、および地上のハードターゲットの破壊であり、同時に敵サイドの対歩兵火力の制圧、山地における歩兵突撃の支援である。この他、防空能力は山地で作戦行動する戦車には特に重要で、このため105mm口径火砲を採用することはより適している。画像は我が軍部隊が装備する96A式戦車。

(頑住吉注:21ページ目)現在我が国が採用する105mm口径戦車砲は重量が相対的に軽く、人力での装弾に困難は存在せず、このため国内の105mm口径戦車砲に自動装填装置が配備されることは非常に少ない。

(頑住吉注:22ページ目)だが存在する問題は、砲塔内スペースの制限を受けて、いずれも砲塔内壁のラックに少数の予備砲弾が固定され、その他の弾薬は車体の内部に位置し、砲手の持続的な快速装填に不便だ、ということである。だがこの軽戦車を見ると、大型の砲塔尾部コンパートメントがあり、採用されているのは縦方向に配置された弾薬架の形式であると推測され、弾薬の安全には不利だが、装填手が素早く弾薬を選択するのに便利で、かつ装填の持続性が顕著に向上する。

(頑住吉注:23ページ目)3、先端的火力コントロール:照準・誘導一体 猟殲合一 (頑住吉注:猟殲合一とは必要に応じて車長が直接砲を使用、射撃できるシステムのことらしいです。)

ある情報は、この軽戦車は我が国の先進的な乗員視察照準システムを装備しており、車長はサーモグラフィー装置を配した周視視察照準装置を使用し、砲手はサーモグラフィー装置を持つ「照準・誘導合一」総合視察照準鏡グループを使用し、車両のクルーは良好な戦場感知能力を持つ、とする。火力コントロールシステムの反応は迅速で、車長/砲手の「猟・殲」作戦能力を実現できる。

(頑住吉注:24ページ目)車内にはデータバス技術が採用されている可能性が高く、車長と砲手は、大型スクリーンを配備したモニター、車内に配備された総合電子情報システムによって車内、車間のインターネット相互通信と情報共有が実現でき、軽戦車とその他の軍の兵種とのネットワーク化された作戦能力を持つ。さらに「北斗」衛星ナビゲーションシステムも装備されている可能性がある。

(頑住吉注:25ページ目)4、防御能力:モジュール化された複合装甲は多種多様

最も新しく明るみに出た車体前部のディテールから見て、この戦車の車体外表面には複合装甲の外部吊り下げポイントらしきものがあり、将来は大量にモジュール化された複合付加装甲を採用して防御性能を向上させる可能性が高い。新型軽戦車は将来異なるクラスの防護方案を採用する可能性があり、例えば軽量型複合装甲を配備すれば敵サイドの歩兵戦闘車両の小口径自動砲の攻撃を近距離で有効に防御でき、重量型複合装甲に換装すれば兵個人用ロケットランチャーあるいは携帯式対戦車ミサイルの攻撃が有効に防御できる。

(頑住吉注:26ページ目)現在の世界の軽戦車の発展から見て、総重量は一般に25〜35トン前後に統制されている。このことから、我が国のこの軽戦車の重量もこのグループ内にあるはずだと推測できる。新型軽戦車が複雑な地形で快速機動することが必須であるという過酷な使用条件を考慮すれば、軽戦車は火力および防御能力の上ではいずれも大型戦車に匹敵し得ないが、我が国の山の多い地域や高原地域においては、やはり不可欠な戦場の「万能選手」である。

(頑住吉注:27ページ目)中国の最新の軽戦車のディテール

(頑住吉注:28ページ目)最新の軽戦車と99式メインバトルタンクのサイズの比較


 中国が問題を抱えている動力に関する記述がほとんどないのが気になるんですが。高原、山地用とされていますが軽量の装軌式戦車ということで上陸作戦にも使われる可能性があるでしょう。軽戦車ですから防御力に限界があるのは当然ですが、あるいは砲塔後部は特に弱点になるのかもしれません。





















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