「アーマタ」に関する議論続く その2

 今回の記事には内容以外にも面白いところがありました。

http://military.china.com/important/11132797/20150616/19852211.html


ロシア:1両のT-14で一個中隊の中国のVT-4を破壊できる!

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『アーマタ』メインバトルタンク」 なおこの記事のキャプションは全てこれと同じです。)

【グローバル軍事報道】 ロシア軍事視察ネット6月15日の報道によれば、ロシアの「アーマタ」統一プラットフォームを基礎にしたT-14メインバトルタンクの出現は真にセンセーショナルな効果を引き起こし、国内外メディアが広範に討論する対象となっている。少し前ドイツメディアは「アーマタ」プロジェクトはドイツの30年前の某いくつかの研究開発成果を基礎とし、このことはロシア民衆、特に研究開発商であるウラル機械車両工場の労働者を驚愕させて止まない、と言明した。そして今「中国日報」もT-14戦車に対する奇談怪論を発表し始めた。

中国の視点

6月5日、「中国日報」ウェブサイトは「戦車メーカー、陸軍武器の輸出増加を探求」という題の文章を発表したが、その中の中国北方工業社最新の行動と言論に関する内容は充分な重視を引き起こしていない(頑住吉注:よく分かりませんがもっと重視されるべき内容を含んでいる、ということですかね)。同社は各種武器と軍事装備を生産し、これには戦車が含まれる。文章は北方工業社の新プロジェクトに言及する時、社は最新流行の技術を利用して自らの製品をセールスしようとしている、と指摘した。社の武器装備の広告には現在さらにスマートフォン応用程序微信(頑住吉注:分かりませんが別にどうでもいいので調べません)に出現すべきで、およそ5億のユーザーの中で瞬間的に情報交流を実現することができる。少し前、中国の多くの国防工業企業は広告の発表を開始し、これにより国際市場に向け自らの製品をセールスした。

通常の広告の他、さらに各種の文章があり、これには某話題に対する完備された情報が含まれる。通常さらにいくつかの各種の原因ゆえに社の公式ウェブサイトに掲載できない情報があり、そのうちの1つは中ロ最新の戦車に言及している。文章は、西側諸国はとっくにもはや戦車を生産しておらず、このため現在中ロだけがこの種の新型戦車を製造している、と指摘している(頑住吉注:そりゃ公式サイトには恥ずかしくて載せられんでしょうな)。もし第三国が新しい戦車の購入を希望したら、あまり多くの選択はなく、中ロの製品の中から選択するしかない。

現在ロシア工業には輸出型戦車はT-90S一種類しかないが、中国は同時に国外ユーザーに向け3種の製品を推薦しており、相対的に安価な戦車であるVT-2、「中等」のVT-1、あるいは最も高価で最も先進的なVT-4を受注することができる。要するに、北方工業社代表は、顧客は自らの要求に最も符合する装備を得ることができる、と指摘している。

中国は現在ロシアの戦車輸出方面の主要な競争相手である。主に、戦車装甲部隊の更新を希望する途上国の受注をいかにして争奪するかをめぐって競争が展開されている。だが戦車市場の規模は極めて限られ、新たな受注量は減少を続けている。北方工業社代表はモスクワの世界武器貿易分析センターのデータを引用し、2014〜2017年の戦車の需要は大幅に減少するだろう、このため市場競争はエスカレートすることが予測される、と指摘する。

中国の専門家は次のように考える。ロシアの主要な輸出製品であるT-90Sは戦後第3世代戦車に属し、中国のVT-1に完全に対抗できる。だがロシアの新製品であるT-90AMには実質的な性質の改良はなく、必ずしも中国戦車を超え得る優勢はない。このためロシアのメーカーは中国のVT-4の優勢を見た後、迫られて外国のユーザーに最新型であるT-14「アーマタ」戦車を推薦することになる。

(頑住吉注:これより2ページ目。)

ロシアの最新型メインバトルタンクであるT-14「アーマタ」は5月9日にモスクワの赤の広場の閲兵式で初めて公開されお目見えした。北方工業社は、ロシアメディアが明らかにしたデータによれば、T-14は初の第4世代戦車に属し、一連の性能の上で国外のあらゆる現役製品よりも優れている、と指摘する。全面使用が開始された後、それは世界で最も強大な戦車となる。しかし北方工業社の専門家はロシアサイドの視点への賛同に傾くことがないだけでなく、かえって全く逆の考え方を持っている。ブログの文章は、T-14は一連のデータ上中国のVT-4に及ばない、と指摘する。中国戦車メーカーはロシア戦車の自動化、機動性、火力コントロールシステムの上での隔たりを見ている。また、製造コストの角度から見ても、中国戦車には優勢がある。

北方工業社の専門家は赤の広場の閲兵リハーサルの期間にT-14戦車が動かなくなった事件に言及する時、ロシア戦車の伝動システムには問題が存在し、一方中国のVT-4戦車は類似の問題に遭遇したことが全くない、と指摘する。また文章の作者は、中国が生産する火力コントロールシステムは世界に先んじたレベルを持ち、ロシアの同類装備よりも優れている、と考える。

また北方工業社代表はさらに戦車のコストの問題に言及している。彼らが掌握するデータによればロシアのT-14戦車の価格はアメリカのM1A2「エイブラムス」と差が大きくない。この状況下で、高性能低価格をもって知られる、ものは良く廉価な中国の装甲戦闘車両は重大な優勢を持つという。

北方工業社のブログの文章は中国の装甲車両を宣伝する広告であるというだけでなく、さらにあり得る競争相手をけなすことを企図しているような印象を人に残す。文章の第2の部分は完全にこの点を実証している。それはVT-4に対しさらに一歩広告に酷似した描写をし、この戦車の性能に対する公平にして公正な評価とは非常に言い難い。

(頑住吉注:これより3ページ目)

メーカーは、VT-4は近代化された火力コントロールシステム、最新型アクティブ防御システムを持ち、全く新しい自動変速ボックスを配備する、とする。またこの戦車の電子設備にはその他の戦車、指揮部と連絡する通信設備が含まれる。このような配置は戦車部隊にリアルタイムで戦場の状況、目標位置などの情報の交流ができるようにさせる。VT-4戦車の総設計師である馮益栢は、この戦車は1,200馬力のディーゼルエンジンを配備し、電子コントロールシステムを使用し、戦車の最大速度が時速68kmのレベルに到達し得ることを保証する、と指摘した。戦車の主砲は125mmスムーズボア砲で、弾薬にはサブキャリバー徹甲弾や爆破殺傷弾が含まれ、さらに射程が5kmに達し得る制御誘導砲弾が発射できる。彼はさらに特別に、この戦車が比較的高い防御性能を持つことを指摘した。防御レベルは比較的高いが、戦車の戦闘重量は52トンしかなく、一方類似の防御性能を持つ国外の戦車は重量が約60トンで、この特徴は最終的に中国戦車が国外の競争相手よりも優れた機動性能を持つようグレードアップさせている。

北方工業社研究開発部副責任者の劉松は、VT-4は国外のあらゆる近代化された戦車(アメリカのM1A2「エイブラムス」やドイツの「レオパルド2A6」を含む)と競争できる、と考える。去年8月VT-4は内モンゴルで44カ国の代表に向け展示された。一部の外国当局者は中国の新製品に興味を示し、談判を開始し、あり得る購入の件を討論したいと表明した。こうした出来事や談判に関する詳細は明らかにされていない。しかし記者はプロジェクトの総設計師から、パキスタン軍がVT-4戦車に対し試験を行うことになる、と知った。

中国の専門家はVT-4の輸出ポテンシャルを高く評価する傾向にある。軍事専門家の施洋は、中東の多くの国はこの中国の新たな戦車に対し興味を感じる可能性がある、と考える。多くのアジアの国(パキスタン、バングラディシュ、ミャンマー含む)はすでに中国のVT-1戦車を装備しており、しかも中国はさらに一歩外国ユーザーの数を増やそうともしている。また中国はさらに新世代軽戦車を研究開発している。現有の情報によれば、この戦車は主に山岳地域の作戦に用いられ、複雑な条件下での使用に適した液圧気動式懸架装置を配備することになる。

国連通常兵器登記簿のデータによれば、1992年から2013年まで、中国は全部で国外ユーザー向けに461両の戦車を販売し、このうちパキスタンが296両を購入している。この期間、ロシア企業はユーザー向けに1,279両の戦車を引き渡した。アメリカとドイツは21年内にそれぞれ5,511両および2,680両の戦車を販売した。


 ってこれで終わりかい。「1両のT-14で一個中隊の中国のVT-4を破壊できる」とロシアが言ったなんて内容出てこないじゃん。まあたぶん当初あった内容がまずいということでカットされたのにタイトルを修正するのを忘れたんでしょうな。検索してみると多くのページが同じところまででカットされていますが、続きが載っているページもありました。そちらに移動しましょう。1ページ目の内容は上のと同一で、2ページ目からです。

http://mil.huanqiu.com/observation/2015-06/6695922_2.html


ロシアの回答

中国のブログの文章の作者がロシアの新しい戦車に対しあまり尊重していないことに気付くのは難しくない。しかも自らの製品のために広告をすることを希望する時、彼らはいくつかの完全には誠実でない言論を語りたがるようだ。当然、この種の自らの製品をセールスするやり方が、ロシアサイドの関連の反応を引き起こさないということは有り得ない。

装甲車両に重点的に関心を注ぐモルドヴィア信徒ニュース社は6月9日に「1両のロシアの『アーマタ』は10両の中国のMBT-3000戦車に等しい」という題の文章を掲載した。作者のロマノフは中国の視点を分析し、かつ回答を行っている。表題からは、ロシアの記者が明らかに中国の専門家の視点により不賛同であることがすぐ見て取れる。

ロマノフはまずロシア最新の戦車の初陣後すぐに出現した国外の評論の文章を提示している。まずアメリカメディアはT-14「アーマタ」はアメリカのプロジェクトを参考にしたようだと指摘し、後にドイツメディアにも類似の文章がすでに出現している。比較すると、中国の文章は突出ぶりが目立つ。許可を経ずに勝手に国外製品をコピー生産する方面で豊富な経験を持つ中国が得た視点は、国産VT-4戦車はT-14より優れていると考えるものなのである。

モルドヴィア信徒ニュース社は同時にMBT-3000として有名な中国のVT-4戦車のいくつかの特徴を指摘している。この戦車は中国とパキスタンが合同で研究開発した「ハーリド」(MBT-2000)戦車のさらなる一歩の発展型である。基礎的プロジェクト研究開発は1988年に始まり、1991年に最初の「ハーリド」戦車サンプル車が試験を行った。その後またいくつかの種類の変形車両が出現し、使用されるエンジンの類型はそれぞれ異なった。各種の原因ゆえに、およそ10年が過ぎてこの戦車はやっと大量生産に投入された。パキスタンがこの武器の試験を行った後、西側諸国はそれに対し制裁を実行し(頑住吉注:核実験のせいですかね)、結果としてこの戦車が欧米の生産するエンジンを使用することができない結果をもたらし、最終的にウクライナの6TD-2型エンジンを使用するよう改められた。これはコストパフォーマンスの上で最も良い選択だった。また「ハーリド」戦車製造時にはソ連戦車を参考にした部品やユニットが広範に使用された。例えば、中国が第三国を経て得たT-72M戦車と、走行部分、125mmスムーズボア砲、自動装填装置方面のいくつかの元素を「分かち合った」。

ロシアメディアはさらに、中ロ戦車の比較の性質の試験に言及している。数年前、サウジアラビアはT-90Sと「ハーリド」戦車の性能を検証することを決定した。結果として、ロシアの装甲戦闘車は戦車試験場のあらゆる障害を成功裏に克服したが、中国のMBT-2000には多くの問題が出現した。このため、サウジアラビアは中国戦車に対する試験を取り消し、ロシアのT-90Sの勝利を宣言した。

指摘しておくべきなのは、後に「ハーリド」戦車が近代化グレードアップを行ったことで、その更新版は2012年にMBT-3000の名をもって公開展示された。ロマノフは、MBT-3000からはロシアのT-90SM戦車の顕著な影響を感じ取ることができる、と指摘する。中国戦車はグレードアップ時新たな反応式装甲と新型動力装置を得、国産1200馬力エンジンを使用してウクライナ製品に取って代わらせることを決定した。だがこの交換にはいくつかのネガティブな特性もあり、何故なら中国のエンジンの作動寿命はしばらくの間はまだあまり理想的でないからである。操縦員の作業位置には新たな設備が追加された。現在あらゆる必要な情報は電子モニター上に結集され、操縦員は伝統的なレバーに取って代わったハンドルによって車両をコントロールする。だが専門家は、新たなコントロール機構の構造は深思熟慮を経ておらず、いくつかの状況下でこのハンドルは戦車に対するコントロールを妨害するだけでなく、しかも操縦員に対し危険をもたらすだろう、と指摘する。

MBT-3000戦車の戦闘室の公開された画像により、専門家や関係者はさらにこの戦車のいくつかの興味深い特徴を見ている。特に各種情報を表示するカラーモニターである。だが画像からはさらに、中国最新戦車のいくつかの部品に錆の跡が点々としていることに気づき、この問題はMBT-3000の名声に対する顕著な打撃である。このような質に頼って、さらに一連の性能が決して最良ではない中国戦車をロシアの最新型T-14戦車と比較しようとすれば、結果は言わずとも明らかである。ロマノフはさらに姓名を明かされたがらないロシアの専門家の視点を引用し、「アーマタ」プラットフォームを基礎にしたT-14戦車は中国戦車に対する重大な優勢を持つ、と指摘する。彼らの計算によれば、1両のT-14は戦場で一個中隊のMBT-3000戦車を破壊できる。最新型火砲、新たな記録を作る発射速度、サブキャリバー砲弾、先進的な火力コントロールシステムはいずれもロシア戦車がこの点を達成するのを助け得る。ロマノフはさらに、T-14戦車が使用する新型アクティブ防御システムは、極めて大きく戦車の生存能力を増強しており、「アーマタ」に性能がMBT-3000より優れた最も先進的な戦車の砲火の攻撃を防御できるようにさせる、と指摘する。

(頑住吉注:これより3ページ目)

誰が正しくて誰が間違っているのか?

各種ルートの情報によれば、現在T-14「アーマタ」戦車は試験を行っているところである。またさらに各種システムをテスト中で、大量生産への投入が準備されている。今後何年かで、新型の量産型戦車がロシア軍の使用のため引き渡されることになるだろう。全体的に言って、現在プロジェクトの進行過程は楽観する理由になり得る。

現時点で、「アーマタ」プロジェクトに関する大部分の情報はしばらくのところまだ秘密保持の中にあり、今後何年か経っても必ずしも公衆に向け明らかにされないだろう。このため、現在では現有の断片的な情報と各種評論に依拠して推測を行うしかない。あらゆるこうしたものは、人々のロシア最新戦車に対し完全に要求に符合するとの見方を形成させられず、同様にそれとその他の装甲車両と比較を行うのも非常に困難である。

このため、中国の専門家が急いで上述の2種の戦車を比較して得た結論は当然不正確だと考えることができる。しかも、この種の言い方は事実に完全に符合してもいない。問題は、北方工業社の文章はむしろ広告のようで、客観的比較ではないというところにある。

モルドヴィア信徒ニュース社の文章に関しては、中国の専門家がT-14の意外な立ち往生だけをもって軽率に出した結論に対する適当な回答であるということができる。北方工業社の文章内には「アーマタ」戦車の上に暗い影を落とす1つの事実が指摘されているだけで、一方ロマノフはいくつかの例を挙げてVT-4/MBT-3000戦車の問題を説明している。2つの文章の特徴は決して完全に同じではないかもしれないが、それいもかかわらず非常に良く「手前味噌」の特色を見せており、何故なら彼らはいずれも自らの装備を誇り、同時に国外製品をけなしているからである。

周知のように、広告は貿易のエンジンである。しかし、中国北方工業社が少し前ブログ上に発表した広告材料は、必ずしも自らの製品をセールスする方面で称賛に値する模範とは評価されない。この事実、および各国の技術装備の特徴により、将来国際戦車市場の状況にはほとんど変化は発生しないだろうと推断できる。中国の市場シェア増加の可能性は、しばらくのところ依然企業の願望よりも低いかもしれない。(編集翻訳:林海)


 「1両のT-14は戦場で一個中隊のMBT-3000戦車を破壊できる」というのもいまいち具体的根拠を欠きますし、カットしなきゃいかんほどまずい内容を含んでるようにも見えないですが、こうした評価が独り歩きすることを嫌ったんですかね。中国自身がやっているように、「中国メディアが『1両のT-14は戦場で一個中隊のMBT-3000戦車を破壊できる』というロシアメディアの内容を紹介した」を「中国メディアが『1両のT-14は戦場で一個中隊のMBT-3000戦車を破壊できる』と言っている」にねじ曲げて宣伝される恐れもありますし。






























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