QSZ92 5.8mmモデル
中国製QZB92ピストルのうち5.8oモデルに関する解説です。
http://www.gun-world.net/china/handgun/qsz92/58mmpis.htm
QSZ92自動拳銃系統
5.8oｘ21型
我が国の小口径軍用戦闘拳銃の研究開発は1994年に始まり、7年の技術方案の論証と工程の研究を経て、また国立射撃場における設計定型の試験、寒冷地、高温の地域、塩分を含む霧の発生する地域における部隊試験を経て、戦術技術上の指示要求が全面的に達成された。
92式5.8o拳銃の開発目的は軍の指揮官および特殊部隊等戦闘人員に提供する自衛あるいは軍用戦闘拳銃とすることで、主に50m以内の生体目標を殺傷するのに用いられ、拳銃弾は50m以内で232型戦闘ヘルメットの鋼板を貫通後、さらに50o厚の松板を貫通する。殺傷効果は9oパラ弾より優れ、弾頭が人体に侵入して空腔を形成する効果はパラ弾の2.5倍とされる。
92式5.8o拳銃は慣性閉鎖の半自由遊底式であり、バレルがその軸線を中心に回転する減速機構を採用している。その基本的な動きは次のようなものである。撃発後、薬莢底部の圧力によりスライドは後退を強いられる。しかしスライドが一定距離後座した後、スライド内側の表面頂部にあるらせん状の溝が、それに収用されているバレルの突起と接触し、両者のらせん面作用を通じてバレルは45度の範囲で、その場で軸線を中心に回転することを強いられる。これによりスライドの後座エネルギーが消耗され、後座運動速度を減じる目的が達成される。これは伝統的なバレル回転式機構とは異なる。伝統的なバレル回転機構の目的は閉鎖にあり、バレルとスライドは１つの剛性を持った連結体を形成する。特徴はバレルが後座運動中に回転することである。5.8mm拳銃は慣性閉鎖であり、スライドとバレルは剛性を持った連結を行わない。バレルはただ軸線を中心に回転することができるだけで、縦方向には動かない。バレル回転の目的は、スライドに1つの転換質量を付加することによってスライドを減速することである。
拳銃が、スライドがバレルを回転させる前の状態において、１つの自由行程が設けられている。バレル回転時期をコントロールすることによって、弾頭が銃口を飛び出す前にはバレルが回転せず、元の位置で動かないようになっている。これにより弾頭飛行の安定性が保証される。すなわち、5.8mm拳銃は発射の際の内部弾道時期においては純粋な自由遊底式であるとも言える。かつ、銃は新設計を採用している。銃に元々備わっている部品すなわちバレルを利用して減速を実現し、部品の増加を通じて閉鎖を遅らせる伝統的方法を放棄した。このため銃全体の部品数も有効に減らされている。
92式5.8mm拳銃は20発の大容量マガジンにダブルカアラムダブルフィードの給弾技術を採用し、火力持続性が高められている。給弾の信頼性を高めるため、（頑住吉注：この部分専門用語が分からないため意味不明ですが、「前部弾薬ガイド筋上方局部加深」というようなことが書いてあり、フィーディングランプの形状の工夫であると推定します）、マガジンスプリングがマガジンフォーロワ後端に作用する位置を下に移し、弾薬の前端、後端が下がることなく、給弾の信頼性が保証される。マガジンが特殊環境下で泥や砂などの汚れを集めず、もって信頼性を高め、マガジンの重量を軽減するため、使用強度が保証される前提下で、マガジン両側にできるだけ長いスリットが開けられ、底板には円孔が開けられている。
驚くべき記述です。私はこの銃の作動方式はサベージやM.A.B.
PA-15のような、ライフリングによって弾丸が回転させられる際に反作用によってバレルに逆方向にねじられるトルクが生じることを利用したディレードブローバックだと思ったんですが、このページの説明によれば、弾丸が銃口を出るまではストレートブローバックであり、その直後にバレルが回転を強要されることによってスライドを減速するというシステムだということになります。弾丸が銃口を出た後ということはすでにトルクは存在しませんから当然これを利用することはできないはずです。
しかしこの説明は本当に正しいんでしょうか。本来のPDW弾薬よりは弱装とはいえ、軍用ピストル弾薬としては初速が最高の部類に入る弾薬をストレートブローバックで発射して、薬莢切れなどの問題が起きないのか、また単に比較的軽いバレルを一緒に回さなければならない負荷だけでスライドの後退が大きく減速するのか、いろいろな疑問が生じます。もし実物が観察できればバレルとライフリングの回転方向が確かめられるんですが。
この銃は命中精度が高く、装弾数が多く、貫通力が高く、リコイルが少ないとされています。もし本当にその実力が本物ならば、セミフル化してホルスターストックを付属したら面白いPDWになるかも知れません。