F-35の強みはどこにあるか　その2

　続きです。

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実は、F-35をけなす一方は不断にこの機の機動性をつかまえてあれこれ言うが、最も主要な理由はやはり機動性の善し悪し、優劣は直感的に比較できるからである。F-35戦闘機とその他の機種の戦闘機との模擬格闘の他、今回のパリ航空展で6分間にも達する飛行デモンストレーションもこの機とその他の戦闘機の機動性を比較する最も良い証拠となった。

この機が機動性の上でその他の戦闘機に及ばないところがありさえすれば、反対サイドはすぐに、製造コストがこのように非常に高く、第5世代と称するF-35戦闘機が何と何十年前に設計された前の世代の戦闘機にも及ばず、完全に納税者の血と汗の金の浪費である、と言明することができる。このような言論は非常に容易にアメリカ国内民衆の共鳴を引き起こすが、F-35戦闘機が随時飛行コントロールソフトウェアをグレードアップし、その機動性能をさらにある程度向上させることができるという事実を完全に無視している。

さらに一歩言うならば、F-35の研究開発計画のそもそもの始まり、JSF計画から言えば、それは三軍種汎用で、F-16、A-10、AV-8BおよびF/A-18C/Dに取って代わり得る先進的な攻撃機を研究開発するためだけで、攻撃機の本職たる仕事は決して空戦ではないのである。

当然、JSF計画が要求するこの種の先進攻撃機も一定の空戦能力を具備すべきだが、決してF-22Aのような制空戦闘機ではなく、当然機動性能に対する要求も最も突出した重点ではない。

（頑住吉注：原ページのここにある画像のキャプションです。「F-22A（資料画像）」）

このため、この点から見て、ロッキード・マーティン社は現在F-35戦闘機が3Iバージョンの飛行コントロールソフトウェアを使用する状態下で依然この機を作戦状態下の機動性を第4世代戦闘機より弱くなく、甚だしきに至っては某いくつかの方面でより大きな優勢を持たせ得ており、すでに任務を超過して完成させたことに属する。

当然、もし今年年末前にF-35戦闘機が3Fバージョンの飛行コントロールソフトウェアへのグレードアップを完成させても、この機は機動性能上やはりF-22Aに比肩することはできない。だがこれはごく正常な事情でもある。まさに我々があるSUVがさらにスーパーカーに似た加速性能や最高時速を持つことを要求することができないようにである。

「神の目」と「全能王」

もし我々がF-35の機動性能を単純に討論するというこの誤解と陥穽から飛び出し、この外形が「不格好」に見える第5世代戦闘機をより全面的に注視することができたならば、すぐその真に恐るべきところを発見するだろう。

例えば、アメリカ海兵隊のF-35B飛行員の身をもっての体験の描写により、この機の強大な態勢感知能力および高度スマート化機載総合コントロールシステムを難なくはっきりと実感する。

この機自身が装備する各種先進センサーが獲得する情報の他、F-35はさらに高速データリンクによってその他の同型戦闘機および作戦ユニットの共有情報を獲得することができ、アメリカ海兵隊飛行員はイメージ的に「神の目」と称している。

高速データリンクも実は決して米軍の専売特許ではなく、データリンク端末を持つ戦闘機でありさえすれば同様にやはり類似の態勢感知能力を有するだろう、と言う読者がいるかもしれない。実はそうではない。F-35戦闘機の先進的なところは機載総合制御システムによる大量の情報に対する選択ふるい分けと整合にあり、最も重要な情報だけを自動的に飛行員に伝達するのである。

例えば、システムは戦闘機の帰投時自動的に付近空域のあらゆる空中交通状況情報に自動的にアクセスし、敵機に遭遇した時には作戦空域のあらゆる敵サイドの目標の位置と類型などの情報を表示し、かつ脅威度の大小に照らして順序づけを行うことができる等々である。

また、元々飛行員が大量の手動操作を行う必要があったプログラミングも機載総合制御システムによって自動的に完成され、例えば対空、対地作戦模式の転換、垂直着陸時の戦闘機の姿勢およびエンジンの状態の調整、作戦時の攻撃ルートの計画、およびエンジン始動・停止時の作業プロセスなどである。

F-35戦闘機の機載総合コントロールシステムはスマート化だけでなく、さらによりヒューマニゼーションされ、それは飛行員を元々の大量の回転スイッチや押しボタンの操作が必須な者から作戦に傾注できる決策者に変え、したがって最大限度飛行員の知恵と技巧を発揮させることができる。

また、F-35戦闘機の強大な多用途能力もこの機を戦場の「全能の王」とならせるに足りる。これまでの米軍第4世代戦闘機（第5世代戦闘機F-22Aも含むが）は作戦中往々にして大量のその他の機種とのコンビネーション作戦を行う必要があった。例えばE-3早期警戒機、RC-135電子偵察機、E-8戦場連合監視機、甚だしきに至っては最新のEA-18G電子戦機などである。

だが、F-35に関して言えば、相当程度こうした特殊機の支持から離脱して作戦が行える。例えば、1つのF-35戦闘機4機編隊は、自身の多用途性能を利用して、それぞれ戦闘機、攻撃機、電子戦機および早期警戒監視機に「変身」でき、さらに加えて比較的出色のステルス性能があり、その全体作戦の実力はF-22Aの4機編隊に比べさらに強いと言うことができる。

このため、我々は某いくつかのアメリカメディアの歩調に追随し、ひたすらF-35戦闘機の機動性能が一体高いのか低いのか、優れているのか劣っているのかにこだわっていてはならない。全作戦体系という角度からこの機の優劣や強みを全面的に視察および分析すべきなのである。

現在我々ははっきりと認識することが必須である。F-35は「足が不自由」でないだけでなく、しかも極めて強い態勢感知能力と高度の人工知能を具備している。極めてリアルな脅威として、異なる国、異なるタイプのF-35戦闘機がより多く我が国周辺に出現することになるだろう。それらの存在価値は軽視したり無視したりではなく、充分な重視をするに値する。

（頑住吉注：原ページのここにある画像のキャプションです。「日本がF-35を導入することはそれに対し嘲笑すべきでないだけでなく、さらに充分に重視するべきである。」）

　仮にこの評価が当たっていたとしても、果たして日本がこの機を使いこなして充分に能力を発揮させられるのか、「全体系」を比較した場合にこの機の優勢がどこまで価値を持つのかも問題になると思いますが。