99式戦車を解読

 96AでさえM1系列より強いというんですから当然99ならなおさら強いという主張になるのは予想できますが。

http://military.china.com/important/11132797/20140905/18764548.html


99式戦車を解読:徹甲弾の初速1940m/sで世界一

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「2009年7月19日、『平和使命-2009』中ロ合同対テロ軍事演習に参加する99式メインバトルタンク(資料画像)」)

少し前、我が軍の99式新型戦車が「平和使命-2014」合同対テロ演習の中に輝かしく登場した。このメインバトルタンクがヘリの火力援護の下に快速で突撃するシーンは、人に「目玉たる力量」の深い印象を残した。

99式戦車は我が国陸軍の新世代メインバトルタンクで、陸軍装甲師団と機動歩兵師団の主要なと突撃力量である。1999年の就役以来、この戦車は中国メインバトルタンクの最高水準を代表している。長年の発展と変化を経て、99式戦車はすでに多種の改良型を派生させている。99式系列戦車はいずれもずば抜けた防御外形を持ち、複合装甲を大量に採用し、我が国最新の情報技術を融合しており、現在世界でも先進的な戦車である。

世界の戦車の潮流に追いかけるために生まれた

1980年代以来、ドイツ製の「レオパルド-2」戦車、アメリカのM1A2などに代表される第3世代戦車が世界のメインバトルタンクの潮流を引っ張り始めた。だがこの時、中国の戦車の全体的性能は依然第2世代の水準にあり、その防御力、機動力、電子システムの性能などは世界の先進戦車とでは非常に大きな隔たりがあった。1989年、我が国はソ連のT-72戦車の技術を参考にすることを基礎に、充分に西側のより先進的な技術を吸収し、中国兵器工業集団第201研究所をメインとして新型戦車を研究開発することを決定した。

1992年、北方工業社617工場は4両の第3世代戦車の原型車を登場させた。その後、原型車はそれぞれ湿った暑い環境への適応性試験、寒冷地域の操作試験、信頼性および渡河試験などの多項目の試験を行った。1996年5月、617工場は第3世代戦車改良型原型車の総組み立て作業を展開し、その後軍サイドに渡して試験を行い、かつこの戦車をZTZ-99式メインバトルタンクと命名した。これより99式メインバトルタンクは正式に定型に至り、かつ生産に投入された。

6大特徴が人の注目を引く

99式戦車の全体的技術水準の先進性は主に6つの方面に体現される。

1つ目は外形の「低矮生存」が突出していること。99式戦車は設計上ロシアのT-72を参考にしており、そのシャーシは拡大したT-72に酷似している。低矮さが目立ち、これにより比較的強い生存能力を持っている。戦車の操縦席は車体前部の中央に設置され、操縦席のハッチは1枚式で、ハッチには3つの潜望鏡が設けられ、中央の1つは両目で見ることのできるスターライト夜視鏡と交換することができる。砲手席は砲身左側に位置する。最上部に置かれる車長夜視装置は、戦車に比較的強い「狩・殲」能力を具備させることができ、砲手は車長がロックオンし追跡する目標を直接攻撃できる。

2つ目は二層の装甲構造を採用していることである。99式戦車の砲塔正面は矢じり型装甲ジャケット部品を採用し、外部装甲板と内部構造である本体装甲を含む二層が、二層のアクティブ反応保護層を形成している。それぞれの層の装甲は決して厚くないが、二層の保護があるので実際の防御層の厚さは過小評価できない。米軍のM1A2メインバトルタンクの120mm主砲の貫通力は810mmで、我が国の99式を貫通することはできない。これに比べ米軍のM1A2戦車の防御層の厚さは600〜700mmである。このためアメリカの軍事シンクタンク「戦略研究機構」の責任者ジェームス ダニガンはかつて文章を執筆して、99式戦車の装甲防御能力は米軍のM1A2メインバトルタンクよりはるかに強い、とした。戦場でもしこの2種の戦車が正面からあいまみえたら、M1A2はきっと「大いにしてやられるだろう」。

99式戦車の車体正面と砲塔両側にはさらにいくつかの四角い装甲ブロックが追加装備されており、砲塔両側の中央部から尾部までには大型の一体の物品貯蔵ラックが設置され、中には水タンクなど車両に随伴する物品が搭載できる。このラックは敵の成形炸薬弾を事前に爆発させることができ、あまり多くの重量を増加させない状況下で砲塔両側と後部の防御能力を強化することができる。

3つ目は動力が強大なこと。99型戦車は新世代1,500馬力大出力ディーゼルエンジンを使用し、その性能指標はドイツの先進的なMTUMT883エンジンに似ており、このエンジンは戦車に時速70km以上の速度を獲得させることができる。伝動システムの上では、先進的なトーションバー技術を採用し、戦車の平均走行速度を12%高めることができ、停車状態から時速42kmに加速するまで10秒しかかからない。また、99式戦車はさらにアメリカのM1A2に似た二重の空気濾過装置を採用し、砂塵がある環境下でのエンジンの作動信頼度を強化でき、戦車を山地地形や砂漠化気候の環境下での使用により適合させる。

4つ目は射撃コントロールシステムが先進的なことである。99戦車は先進的な射撃コントロールシステムを配備し、その照準器のレンズの上反射鏡の俯角・仰角および回転軸にはジャイロ装置が追加装備されて安定を実現し、かつ電子同調方式で砲身と照準軸線の連動を維持する。ドイツの「レオパルド-2」戦車に似て、99式戦車の砲手照準装置には新型の凝視焦平面赤外線熱映像装置が採用され、直接全視野の熱輻射信号を受信して凝視映像を形成でき、もってより遠い距離で目標をロックオンするのに便利で、かつ光学スキャンの動作が必要ない。火砲の射撃精度もロシアの同類戦車に比べ25%向上している。

5つ目はアクティブ対抗能力が強いことである。99式戦車は世界で初めて頂部に置かれたレーザー目くらまし制圧妨害装置を配備したメインバトルタンクであり、敵サイドの視察照準機材を妨害、破壊できる。そのアクティブ式レーザー警告/対抗システムはレーザー事前警告システム(LWR)と致盲レーザー発射器(LSDW)を包括する。またさらにレーザー通信/敵味方識別システムを装備する。LWRが敵サイドのレーザー信号を受信した後、システムは自動的に信号のやって来る源の方位を定める。砲手と車長の席にはいずれもLSDWの操作コントロールインターフェイスが設けられ、ボタンを押すとシステムは1秒以内に自動的にLSDWを目標に合わせ、かつ高エネルギー致盲レーザーを発射して敵サイドの光電子感知計測器を妨害、破壊でき、甚だしきに至っては敵サイドの視察観測機器操作人員の目に傷害を与えることができる。

6つ目は火力が強大であること。99式戦車にはZPT-98式125mmスムーズボア砲が装備され、レーザー制御誘導ミサイルを発射すると射程はxmである(頑住吉注:伏字になってます)。砲口エネルギーはロシアの先進的な125mm戦車砲に比べ45%近く向上しており、「レオパルド-2」A5およびM1A1/A2戦車に搭載される120mm戦車砲に比べ30%近く勝っている。砲身の高熱による腐蝕や摩擦による損傷に対する寿命を高めるため、火砲は砲身内全体のメッキ技術を採用し、全部で700発の徹甲弾を発射でき、世界先進水準に近づいている。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「99式メインバトルタンク(資料画像)」です。)

この戦車砲は新型のタングステン/ウラン合金サボ付き徹甲弾、成形炸薬弾、多機能殺傷爆破榴弾を配備できる。徹甲弾の初速は1940m/sに達し得、世界一に位置する。砲弾は2000mの距離で850〜960mm厚の均質装甲を撃ち抜くことができ、相手方の戦車の戦闘力を迅速に喪失させる。比較して言うと、アメリカの先進的なM1A2戦車の装甲貫通能力は810mmでしかなく、ドイツの「レオパルド-2」A6メインバトルタンクは約830mmで、日本の90式メインバトルタンクは650mmである。このことは、99式戦車の火砲の威力が世界に先んじた地位にあることを充分に説明する。

当然、我が国の装甲、冶金、電子、エンジン伝動などの技術は依然相対的に立ち後れており、このため99式戦車の総合戦力は西側の最先端の戦車より依然やや劣る。隔たりが比較的大きいのは主に2つの方面である。1つは戦場適応能力が比較的劣ること。99式戦車は重量50トン級のM1A2戦車より重い。このため、99式戦車は多くの道路、橋梁を通行できない。2つ目は夜戦能力が比較的弱いこと。新型のM1A2は夜間に1,550mの距離以内の目標が発見、攻撃できる。このことは、ひとたび99式とM1A2が夜間に交戦したら、M1A2が先に我が方を発見し、我が方に先んじて攻撃する可能性が高いことを意味している。

「陸戦の王」は依然「王」と呼ばれる

第二次大戦後の相当の期間内、戦車はその出色の防御性能、機動能力、強大な直接照準火力をもって地上の主要な突撃力量となり、かつ「陸戦の王」と讃えられた。しかし、湾岸戦争、コソボ戦争、アフガニスタン戦争などの戦争の実践は人々に、空軍、海軍の地位、作用が不断に高まり、陸軍の地位は相対的に低下していると認識させるに至った。武装ヘリ、攻撃機、対戦車ミサイルなどの武器の現代の戦車に対する脅威がどんどん深刻になるにつれ、多くの人は空中の打撃が未来の戦争の中で決定的作用を果たすこととなり、大規模に戦車を配備した大型装甲機械化部隊は歴史となる、と考えた。一定の時間、「陸軍時代遅れ論」、「戦車無用論」が世間に言いはやされた。

この視点を持つ人は往々にして戦車の作戦を陸軍の作戦と同一視し、しかも正確制御誘導武器の不断の運用と共に、空中、海上から外科手術的打撃を実施することが最も常用される手段となる、と考える。作戦の時、戦闘機から発射される超視距離正確打撃武器に頼って戦車やその他の地上目標を殲滅することが完全にでき、近距離戦闘は発生し難く、当然戦車や陸軍部隊も必要なくなる。この種の状況下では、陸軍の任務はフォローアップ、整理、占領などに削減され、むしろ警察の役割に似たものになる、と。

しかし、我々が近い時期のいくつかの局地戦争の特殊性の束縛から離脱し、陸軍、戦車の作用を深層から視察、分析する時、すぐに気付く。戦車は予見できる将来、依然その極めて重要な作用を発揮し、依然陸軍の生体戦力を保護する第1の障壁である、と。その理由は次の通りである。

第1に、陸軍は依然未来の作戦の主要な軍種である。国土の攻防、「領土征服」型の戦争に関して言えば、陸軍だけが有効に敵サイドの政府を転覆させ、領土を攻撃占領かつ保全でき、大規模な陸軍決戦の勝利があってこそ敵を徹底的に打ちのめし、殲滅して戦争を終わらせることができる。このため、この種の戦争の勝利を取得するには、強大にして充分な数量の陸軍なくしては想像し難い。そして世界にまだ領土をめぐる紛糾があり、領土を占領する必要性がまだありさえすれば、「領土征服」型戦争は不可避なのである。

第2に、戦車は依然接近戦の有効な武器である。戦車の使用寿命が一般に40年前後であることにかんがみれば、今後短期間内に世界の戦車の数が大幅に減少することはないだろう。だが現有の戦車の不断の退役、新型戦車の価格の不断の高騰と共に、戦車の大規模生産はより困難になり、今後何十年か以内、世界の戦車の数は減少の趨勢を呈することになる。しかし、戦車の数が多かろうと少なかろうと、戦車は依然未来の戦争の中の有効な武器であり、人々の戦車に対するグレードアップ改造も停止することはないだろう。

作戦の必要性から見ると、飛行場や交通の中枢の防御に関しては、戦車を含む強大な機動作戦力量が保証としてあることが必須である。空中の遠距離打撃に直面して、いくつかの地上部隊は必然的に偽装、欺瞞、浸透などの措置を採って逃避を行うだろう。このようにすれば不可避的に接近戦に陥り、接近戦では必然的に戦車が参加することが必要になる。何故なら陸地上の戦争は最終的にはやはり戦車部隊を含む陸軍に頼って解決する必要があるからである。対戦車技術が不断に発展する唯一の原因は、戦車が依然陸地上で最も強大、最も有効な武器であるというところにある。このため、地上での交戦が不可避でありさえすれば、戦車は依然接近戦の中の最も有効な武器の1つなのである。

第3に、戦車の運用は長所を伸ばして短所を避けることが必須である。攻撃機、武装ヘリは戦車の天敵として知られる。しかし簡単な兵個人対戦車ミサイル、甚だしきに至っては機関砲でそれを撃墜することができ、厳密な区域防空システムならなおさら言うまでもない。このため、戦車の天敵が戦車に対し攻撃を発起しようというのは決してたやすいことではない。世界に天敵のない武器はなく、戦争で単一の武器の使用にだけ頼って勝利が獲得されるということはあり得ない。戦車も一切の能力を具備することは不可能であるが、未来の陸の戦場で、もし空中の火力支援の下に、自走砲、歩兵戦闘車、装甲車とコンビネーションして戦車を使用したら、有効に敵の生体戦力を打撃し、戦車の受ける脅威を減少させ、かつ戦車の強大な火力と防御力の優勢を発揮させることができる。

第4に、戦車は必ずしも軽ければ軽いほど良いわけではない。現在、装輪式装甲車をメインとする軽装甲部隊が徐々に各国の装甲車両の発展の方向および主力となっている。アメリカはかつて一度、陸軍は軽量化する必要があり、各種装甲車両はいずれも20トン前後に統制すると言明した。その7,000両余りのM1型メインバトルタンクは、現役の1,200両余りを除き、大多数は不使用状態で保存されている。ロシアの現役戦車も1990年代の9,000両余りから2,600両余りにまで減っている。

だが、軽装甲車両には防御力が弱く、破壊されやすいという致命的欠陥があることを知る必要がある。特に対戦車兵器が日増しに普及し、威力がどんどん大きくなる状況下では、この種の欠陥はより突出する。イラク戦争の中で、アメリカ海兵隊の多くの水陸両用軽装甲車がイラク軍小火器によって撃破され、乗員の死傷は悲惨、重大だった。一方大型のM1A2戦車など重装甲車両は、何度もイラク軍による直接の命中を受けたにもかかわらず動揺せず、逆に迅速に反撃し、イラク軍のT-72の砲塔を吹き飛ばし、あるいはその全面主装甲を貫通した。

戦争中往々にして次のような情景が出現する。相手方にもし対戦車ミサイルがないと、味方の戦車がひとたび出現するや、しばしば敵前逃亡する。このことは大型戦車がどんなに強大な威嚇力を持っているかを充分に説明する。イラク戦争後の長年にわたる「治安戦」の中で、米軍はしばしば軽装甲車両が道端の爆弾によってひっくり返されるのをどうすることもできず見ているしかなかったが、「皮がごつく肉が厚い」M1A2は逆に彼らの守護神となった。このことから、人々は難なく次のような結論を得る。単純に戦車の軽量化を強調するのは一方的であり、重戦車には依然その腕の振るい場所がある。戦車の発展の上では、軽量化と火力、装甲防御力などカギとなる重要な指標のバランスを取得することが必須なのである。

(執筆した機関:国防大学)

(頑住吉注:以後のページのキャプションは5ページ目まで2ページ目と同じ。6〜8ページ目)朱日和軍事演習の中の99式メインバトルタンク


 これまであまり出てこなかった中国戦車の短点にも触れられており、その分長所に関する記述の信頼度も増している感じです。














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