ロシアの次世代軍用機開発

 やや無理矢理ですが次世代戦略爆撃機、次世代迎撃機に関する記事をまとめて紹介します。なお最初に紹介する戦略爆撃機に関する記事は「ロシア、ステルス戦略爆撃機を開発」と大幅に重複しており、充分頭に入っているという人は「性能予測」部分だけ読めばいいと思います。

http://military.china.com/news2/569/20130415/17778453.html


ロシア第5世代戦略爆撃機:ステルス性能は速度よりもっと重要性が高い

亜音速巡航

ロシア第5世代戦略爆撃機は全翼レイアウトを採用し、合成材料とレーダー波吸収材料を広範に使用し、非常に高いステルス能力を持ち、敵サイドのレーダーに非常に発見されにくいものになる。だが全幅が比較的大きく、構造重量が相対的に軽いため、機の最大速度は音速を突破できない。

ロシアの航空領域のフリーの軍事専門家ラブロフは、西側はすでに超音速戦略爆撃機を使用して防御を突破する構想を放棄している、と指摘する。現在最も重要な防御突破能力はステルス性と航続距離であって速度ではない、と。

ステルス能力

ロシア航空領域の専門家は、高いステルス能力と極超音速飛行は一定程度上相互に矛盾する、と指摘する。

機が極超音速飛行速度を持ちたければ理想的な流線型の空力レイアウトを採用するべきである。だがレーダーステルス効果を達成したければ、エッジのある線形の空力レイアウトを採用し、敵の防空レーダーが照射する電波の反射波を偏向させ、機の反射信号がキャッチできないようにすべきである。

極超音速巡航を実現したければ、エンジンはより多くの酸素を吸入することが必須であり、空気取り入れルートは広くかつ真っ直ぐにすべきである。だがステルス機はS字型空気取り入れルートを使用し、もってエンジンのブレードを遮蔽し、レーダー輻射波を防ぐのに便とすることを要求する。

ロシアの「テイクオフ」誌は、ロシア空軍が亜音速戦略爆撃機方案を選択したのは、レーダーステルス性能を保証することと関係があるだけでなく、さらにこの種の機の製造コストが相対的に低廉で、航続距離が極めて長く、作戦半径がより大きいことと関係がある、と考える。軍サイドは設計、任務の要求を根拠に新世代戦略爆撃機の設計方案を選択する時、さらに全面的にその他の要素、例えば航続距離、搭載重量、強度などを考慮したのかも知れない。

現在航空技術は非常に発達しており、機のレーダーに対するステルス性能を保証するためには、ステルス外形、レーダー波吸収材料を採用することができるだけでなく、さらに特殊な電子設備を利用して妨害を行うこともできる。レーダーで絶対に探知計測できない完全ステルス機を研究開発することは不可能だが、有効反射面積を大幅に減少し、レーダーに表示される目標の感光点を縮小することはできる。一定の視角の下で、いくつかの第4世代戦闘機のレーダーに対する目標の有効反射面積が約3平方mだとするならば、アメリカの第5世代戦闘機の反射面積は0.3平方mでしかなく、次世代戦闘機は0.01平方mにさえ低下する可能性がある。

性能予測

一部の専門家はロシア空軍の新世代戦略爆撃機の飛行技術性能を予測する時、この機は4台のAL-31F1エンジンを使用し、最大推力は4x15,500kg、最大離陸重量は124トン、有効搭載重量は24トン、燃料の重量は50トン、最大航続距離は125,000km、最大片道航続距離は15,000km、作戦半径は6,000〜9,000kmである可能性がある、と指摘している。

計画によれば、新型機は全く新しい照準、ナビゲーションシステムを使用し、最新型の通信、航空電子設備を配備し、あらゆる現役および将来兵器が使用でき、これには核弾頭を使用するKHー102戦略巡航ミサイル、通常弾頭を使用するKH-101戦略巡航ミサイルが含まれるだけでなく、さらに航空制御誘導爆弾と自由落下爆弾が含まれる。このうち、KH-101は全体重量が2,200〜2,400kg、戦闘部重量400kg、最大射程は5,000〜5,500kmである。

プロジェクトの前途の見通し


ロシア軍の新世代戦略爆撃機研究開発費用は数百億アメリカドルにも達すると見られ、軍事予算に比較的大きな圧力をもたらす。しかもこの種の機はロシア・アメリカの進攻性戦略武器制限条約の制約を受け、装備数があまり多くはならず、ロシア空軍の実際の需要は数十機を超えないと見られる。

また、新型機研究開発の科学技術および生産への圧力も同様に比較的大きく、軍事航空製造領域の各方面に関わるだけでなく、さらに空力的性質、強度、新材料、新技術、新工程に対しても比較的高い要求を提出する。


http://military.china.com/news2/569/20130415/17779404.html


ロシア空軍、2028年までに新型戦闘機によってミグー31に取って代わらせることを希望

ロシア空軍司令ヴィクター ボンダレフ中将は本日(頑住吉注:記事の日付は4月15日)、ロシア空軍は2,020年までに新型遠距離戦闘/迎撃機を受領し、その現有のミグー31迎撃機に取って代わらせるのに用いることを希望しており、ミグー31は2028年までに退役する見込みだ、と明らかにした。ボンダレフはロシアの立法者(頑住吉注:議員でしょう)たちとのある面会の中で、「我々はすでにこの種の新型機の開発作業を開始している。私は我々が国家武器装備計画が2020年に終わる前にこの機を研究開発できることを望んでいる。〜この新型機は2028年までに現有の(ミグ-31)機隊に取って代わるべきだ。」とした。彼はミグー31の生産継続に反対だとしている。彼は、ミグー31は20年前すでにとっくに生産停止されており、ロシアは全く新しい迎撃機によって現代の各種の要求を満足させる必要がある、と語る。彼は、ロシア空軍には現在122機のミグー31が就役しており、さらにより多くのこの型の機が予備役状態にある、と明らかにした。

ロシア空軍のミグー31は世界で飛行速度が最速の現役戦闘機/迎撃機である。最近ではずっと重大なグレードアップを受けており、グレードアップ後の機はコードネームがミグー31BMと言い、その機内燃料による航続距離は1,450km、空中給油によって5,400kmまで延長可能である。また、ミグー31BMにはさらにグレードアップ済みの航空電子システムが採用され、デジタル式データリンク、新型多模式レーダー、カラー多機能コックピットディスプレイ、より強大な火力コントロールシステムが装備され、同時に10の目標が追跡できる。ロシア空軍はこの前、2011年に連合飛行機製造集団と締結した契約に基づき、2020年までに60機ものミグー31BMを受領することを希望する、とした。

ミグー31はロシアが建設中の総合航空宇宙防御体系の1つの有機的組成部分である。この体系はあり得るあらゆる空中の脅威を抑止するのに用いられ、これには弾道ミサイルと巡航ミサイルが含まれる。ミグー31は先進的レーダーと遠距離ミサイルを利用して200km以遠の目標を迎撃できる。ロシア空軍はかつて2012年に、この機種の使用に供する遠距離ミサイルをテスト中だとしており、分析者たちはノーボスチ・ロシア通信社に対しこのミサイルはK-37Mかもしれず、またの名はRVV-BD(NATOはAA-X-13「アロー」と称する)である、としている。(中国航空工業発展研究センター 張洋)


 F-15も対衛星ミサイルを搭載できるという記述が以前ありましたが、新型迎撃機もそうした機能を持つことになるんでしょうか。何故他国にはすでにあまり存在しなくなっている迎撃専用機がロシアには必要なのかがいまいち分からんのですが。















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