95式アサルトライフルに対する批判

 今回はこの、95式系に対する厳しい批判記事の内容を紹介します。

http://www.dajunshi.com/Weapon/comment/200701/12491.htm


欠点多数:中国の95式銃系列は失敗作か?

1.95式銃系列の武器を射撃し終わった後、兵士の耳はほとんど聞こえなくなる。

2.研究開発時の知識と技術レベル上の制限があり、その拡張可能性を与える方式として最も簡単な連結式が採用された。この種の方式は構造が簡単であるが、モジュール式効能を形成する方法がなく、部隊の多様な用途に関する必要性を満足させることが難しい(頑住吉注:「連結式」はそのまま日本の文字に移し替えると「連接座式」で、これで検索すると電気関係のコネクターなどが出てきますが、この場合具体的にどうしてこの銃がモジュール式にならないと主張しているのかは不明です)。

3.簡易夜間サイトは放射性同位元素プロメシウム147をくぼみに塗る方式を採用しているが、使用中に明るさの不足や容易にはがれ落ちる問題が生じている。かつプロメシウム147の半減期も軍品の長期貯蔵に関する要求を満足させることができない。部隊使用では多くの不便が起きている。研究開発されている第2世代スターライトスコープは価格の問題から全面装備は不可能であるし、200mという夜視距離も明らかに不足、全天候作戦能力の向上も待たねばならない。

4.光学サイトによる照準の不便は部隊で比較的大きな問題となっている。これは主に、95式自動小銃が「機械式サイトを主要な照準方式とすることで満足すべき」との要求上の制限により起きたもので、光学サイトを装着後照準線は高くなりすぎ、快適に頬付けして照準する方法がない。

5.91B吊り下げ式暴発防止着発弾発射機(頑住吉注:グレネードランチャー)の撃発方式も不便である。類似したグレネードランチャーを使用するM16はコンベンショナルなデザインなので、通常マガジンを吊り下げ式グレネードランチャーのグリップに利用する。95式自動小銃はブルパップ構造を採用しているので、吊り下げ式グレネードランチャー装着後は小さなフォアグリップをグリップとして利用できるだけである。これは実際の使用時に不便である。

6.95式銃系列が採用しているブルパップ構造は銃全体の配置をきちんと整ったものにしているが、射撃時に射手が頬付けすると煙源に近すぎる形となり、不完全燃焼した火薬ガスがエジェクションポート、コッキングハンドルまわり、銃上部カバー放熱穴から溢れ出、射手の目を直接刺激し、あるいは照準線上に広がって射手による持続照準射撃に影響を与えるに至る。こうした状況も武器の使用に不便をもたらす。

7.5.8mm普通弾が採用しているダブルベース楕円球状火薬は燃焼が不完全であり、95式銃系列は2,000発発射(銃全体のクリーニングを要する射弾数)後、レギュレーターやピストンの取り出し困難という問題が生じるのが普通である。かつ多弾数発射後、火薬の残りかすがたまってガス導入孔が小さくなる問題も起きる可能性がある。この他良好な外部弾道性能を得るため、5.8mm普通弾は一部の難題を内部弾道に転嫁しており、銃口部の圧力が高くなりすぎ、銃口での騒音および火炎問題の解決に多くの困難をもたらしている。5.8mm普通弾が採用しているのは通常のプライマーであり、長期貯蔵後プライマーに錆が生じる問題があり、信頼性をもっての使用に潜在的危険をもたらしている(頑住吉注:問題が起きるのが通常‥‥?)。

8.プラスチック部品が容易にこすれて白くなる。これは主にプラスチック素材自体の問題である。-45度での信頼性をもった使用という要求を満たす必要から、プラスチック中のガラス繊維含有量をあまり高くできず(頑住吉注:日本語のサイトを検索したところではガラス繊維含有量が多いと耐寒性に問題が生じるとの記述は見当たらなかったですが‥‥)、こすれて白くなるという問題は主にプラスチックの強度不足による。この矛盾を解決するのは比較的難しいことであり、プラスチック製部品がこすれて白くなると95式銃系列の美観に影響する。

9.95式銃系列は分解結合中に部品を紛失したり間違った組み込み方をすることがあり、こうしたことが起きれば武器の正常な使用に問題をもたらす。

95式小銃の設計分析

95式突撃銃が部隊に支給され、外部での射撃機会も次第に増えるにつれ、この銃が受ける批判もますます多くなっている。これは他ならぬ銃自体の設計の優劣の問題と、使用者が新しい思想を受け入れるかどうか等の問題である。

新型である95式突撃銃が部隊に導入されて以後、新しい思想がまだこれと共に導入されておらず、中国の部隊はいまだに旧式な錯誤的訓練方法を採用したままである。射撃の準備段階の訓練において、95式突撃銃のバレル前部下に、依然としてレンガの塊が吊り下げられ、訓練する兵の立射姿勢での銃の保持力と重量に対する安定度の向上が図られている。95式突撃銃には特大のトリガーガードが備えられており、前部グリップの役割を果たしている。この種の前部、後部グリップの距離が近すぎる設計は、真に銃の保持に関する人間工学を考えたものではなく、かつて中国の兵士がマガジンをフォアグリップとして使っていた習慣を引き継いだものにすぎない。兵は各自創意を発揮し、異なるグリップ方式、トリガーガードの底部を手のひらで支えることすら行っている。

照準装置/キャリングハンドル/コッキングハンドル

コストを抑えるため、95式突撃銃にはAUGのような光学サイトが標準装備されておらず、伝統的な機械式サイトが採用されている。ブルパップにより銃全長が短く、またフロントサイトが後ろ寄りに設置されている設計により、95式突撃銃には照準長が短すぎるという問題も生じた。射撃精度上も有効射程上も影響がある。

95式突撃銃最大の設計上の問題点は固定式キャリングハンドル、コッキングハンドルのキャリングハンドル内への配置、開発初期における誤った背の高いコッキングハンドルの採用にある。これは95式突撃銃のサイトの位置をさらに高くし、兵に遮蔽物の後方から生命の危険を冒して大きな面積を暴露しての照準射撃を行わせるという結果を生んでいる。また高くそびえるポスト状のフロントサイトベースは携帯時にも物にぶつかりやすい。

M16式のキャリングハンドルは暇な時に銃を下げてゆっくり歩くのに適しているにすぎない。戦場での激烈な行動中には片手でキャリングハンドルを持って安定させることはできず、動揺する銃は行動を妨げる可能性がある。現在の戦術における銃を背負う方法も、突撃銃のキャリングハンドルを明らかに余計なものにする。M4A1カービンのような着脱式キャリングハンドルとレールを持つ設計は、この固定式キャリングハンドルのもたらす不便、問題を根本的に解決する。

95式突撃銃のコッキングハンドルはキャリングハンドル内にあり、フランスのFAMAS同様の設計で左利き右利きどちらでも便利に操作できる。開発初期には簡単な露出型のスチール製コッキングハンドルがあったが、使用上射撃の熱の伝導、構造強度の問題があり、その後の改修でコッキングハンドルの高さを下げ、幅を広くしたが、操作上はかえって不便になった(頑住吉注:95式とFAMASの、キャリングハンドル下部からコッキングハンドル上端までの距離を比較すると、95式の方がずっと大きいことが分かります。キャリングハンドル内には分厚い皮手袋などをしても余裕を持って指が入るくらいのスペースがあればいいだけなのに、95式のは不必要に高いんですね。これは開発初期に背の高いコッキングハンドルを使っていたかららしいです。95式はコッキングハンドルが射撃中にボルトキャリアと連動して激しく前後する設計なので、背の高いコッキングハンドルは慣性に耐えられず、背を低くし、幅を広げたわけです。しかし何のメカも入っていないキャリングハンドルの背を低く改修するのは容易のはずですが。 http://v.youku.com/v_show/id_XNjY5ODQzMDg=.html )。

排莢方向の設計

95式突撃銃射撃後の不平は、排莢過程で硝煙が鼻や目を刺激し、持続射撃後グリップが高温になる等の問題に関するものである。実際にはこれらはすべて予測されたブルパップ銃の欠点である。中国の軍事雑誌にはたびたび95式突撃銃に対するさまざまな提案が見られ、エジェクションポートを下向きにする設計はその1つである。提出者は銃の設計原理を理解していないに違いない。銃のエジェクションポートの方向の設計は重大な変更をもたらすからである。人間工学的な左右方向からの操作を考慮に入れなくても、自動給弾を行うマガジンの相対的配置が重要であり、完全に改めて設計し直すのに等しい。

下方に排莢する構想はすでに一部の銃器設計者がこの方面で提出したことのある解決方法である。P90やキャリコサブマシンガンはまさにこの中で比較的人によく知られた設計である。ただしこれら2種の銃のマガジンは比較的複雑な設計で、射撃過程での給弾信頼性やジャムの排除に問題があって完全に安心できるものではない。また高熱の薬莢を下方に排出すると、これが射手に触れないようにするのが難しく、最終的に両サブマシンガンは「集弾袋」を用いることでこの問題を解決する結果となった。

ブルパップ小銃は全長を短縮するのに有効だが、最大の問題点はチャンバーがあまりに射手の顔に近くなりすぎることだ。不完全閉鎖でチャンバーが爆発する危険が非常に低いとしても、毎回の射撃で発生する騒音は聴覚を損なうし、エジェクションポートに近いため火薬ガスを吸い込み、頬付けして照準しているとエジェクションポートから熱気が右顔面に到達する。いずれも長期的には射撃に障害となることを免れない。FN社が新設計したFN2000はパイプを通して前に排莢する設計を採用しており、これはブルパップ銃の排莢方向の問題を解決するものだ。銃機関部の密閉性が高い構造はガス排出、騒音問題も改善した。ただし複雑な機構の信頼性および機関部の放熱に関し新たな問題を生んでいる。

セーフティ/セレクター

95式小銃の撃発系統は伝統的小銃の構造から発展したものであり、したがってセーフティ/セレクターはやはり機関部下部後方にある。操作時には大きな動作で手を放し、指で回さなければならない。照準中に右手でグリップを握ったまま操作できるセーフティ/セレクターに改良することが必要であるが、これには設計グループの巧みな機械に関する思考力が試される。現在の95式小銃の設計は、実は兵の操作便利性や緊急事態への反応速度を犠牲にして、銃器設計の至らなさを負担として兵に押し付けているのである。

5.8mm弾薬

5.56mm仕様の97式突撃銃が出現しているが、実はこれは5.8mm口径がいまだ第三世界その他の国家の共感、購入を獲得していないことを説明したものでもある。加えて95式突撃銃は1997年に約4000人民元という価格で出荷された。過去の大陸外での余剰小銃の低価格優位はもう戻ってこない。もし外国に対する軍事援助として無料で贈与するなら、銃のコストという問題の他に、被援助国が現有の小銃の口径を変更しなければならないという問題も考慮する必要がある。この場合かえって中国版AK47突撃銃の方が95式あるいは97式よりももっと援助の益がある。

一部の国家軍事組織や銃器専門家は、それでも5.8mm弾薬を使用する95式突撃銃に対して興味を抱き、この弾薬の秘密を盗み見たいと願っている。ただし95式突撃銃の設計に学ぶつもりは全くなく、その5.8mm弾薬の設計と性能を分析、検討したいのである。後発の5.8mm弾薬はSS109を超えなければならないという使命を持っている。発展段階において中国では銅が欠乏しているという苦境を考慮した結果、スチール製の薬莢が使用されている。排莢をスムーズにするため、5.8mm弾薬は薬莢のテーパーがNATOの5.56mm弾薬よりきつく、さらにリム部の直径も大きい(10.43mm)。弾薬の全長も比較的長い(61mm)。構造強度を上げるため比較的肉厚のプラスチック製マガジンが使用されている。装弾数は30発に達する。こうした総合要素により、95式突撃銃のマガジンは長すぎ、幅広すぎ、カーブもきつすぎるものとなった。プローン時にも兵の危険暴露面積を間接的に大きくしている。

ブルパップという迷い

ブルパップ銃として設計された小銃には全長が短くなる、携帯に便利であるなどの長所があるが、多くの設計上および使用上の欠点が確かに存在することもまた否定できない。一部は設計によって克服できるが、一部は解決が困難である。もし設計者が開発段階で問題を認識し始めていたなら、設計段階において極力これを克服する改良を行うが、もし大量生産が決定したら、後において不可避的に欠点とならざるを得ない。当然一部の修正は小さな欠点を改善できるが、一部の重要な改造は多くの部分に波及し、これを放棄しないのであれば最初から設計し直すことになる。さもなければ兵が銃の欠点を受け入れるしかない。

かつて95式突撃銃の開発過程において、折りたたみストックを持つコンベンショナルな設計を採用したバージョンがあった。ただしいまだ明るみに出たことはない。現在突撃銃の発展および設計を論じると、実際のところすでに成熟段階に達しており、新設計の突撃銃はいかにして多くの国とすでにある小銃の中で注目の的になり得るだろうか? ブルパップ銃の設計は往々にして突出的効果を持つ。ただし、もし軍用小銃の設計の実用性を評価するというところに立ち戻らなければならない時、大多数の場合はブルパップ設計はかえって捨て去るべき方案となる。95式突撃銃は現在スローペースで生産され、全面換装計画は改めて評価され、あわせて95式突撃銃の内部パーツを発展基礎に、コンベンショナルな折りたたみストックを持つ設計工程が進行していると聞く。

グレネードランチャー

35mm吊り下げ式グレネードランチャーの最大射程は360mであり、そのフレーム式照準器はブレード状フロントサイトと回転式リアサイトからなり、75mから350mまでの調節ができる。一部の報道では95式突撃銃のQLG91B-35グレネードランチャーは距離100mでの性能が素晴らしいとされている。実際にはその背後には、95式突撃銃はブルパップ設計を採用しており、照準長の不足とグレネードランチャーのバレルが短い設計をもたらし、最大射程が限られるという制約を受けている、という意味がある。

5.8mm弾薬の展望

全体的に分析して5.8mm銃系列は、現在1系列で3種の異なる任務を持つ弾薬に発展している。すなわち歩兵弾薬(QBZ-95突撃銃)、機関銃弾薬(QBB-95 LMG分隊用機関銃、QJY-88汎用機関銃、KBU-88狙撃銃)、ハンドガン弾薬(92式5.8mm半自動拳銃)であり、将来真正の狙撃弾薬、サブマシンガン弾薬が出現する可能性も排除できない。歩兵弾薬と機関銃弾薬は必要な場合共用できるが、各任務用弾薬の種類は多すぎ、5.8mm歩兵弾薬、機関銃弾薬にはSS109の統一された制式弾薬種類のような後方の業務におけるメリットがないという結果を生んでいる。

5.8mm弾薬は1971年から論証試験が行われ、21世紀にまたがってこの一系列が発展してきたが、最も基本的な方向性や目標がまだ明確にされ得ていないことが何度にもわたって明らかになってきた。機種を後から追加していって5.8mm銃の全系列を発展させる意味はあるが、異なる銃の異なる口径や弾頭設計の目的がなおざりにされ、5.8mmという数字に自ら惑わされている。5.8mm口径は汎用機関銃、軽機関銃、突撃銃、狙撃銃、サブマシンガン、半自動拳銃といった6種の異なる効能を持つ銃器を満足させるが、長期間の論証と不断の修正を経て、最終的に5.8mmという数字上は統一されているが10種類以上の異なる類型の銃が研究開発されるという結果に立ち至った。(頑住吉注:もう少し続いていますが、辞書にない語が頻出し、そもそも最初から文字化けして正常に表示されてない文字まであったりして意味不明なのでここで終わりにします。まあおおよそ「95系は今後も改良されていくが、根本的な解決は困難で、国際的に強い競争力を得るのも難しい」といった内容のようです)


 挙げられている欠点のうち多くのものはFAMASと共通しており、まあフランスが我慢できている以上我慢できなくもないのでは、とも思えますし、はるか後発のくせに同じ欠点を持ってちゃだめだろうとも思えます。

 95式は完全なオリジナル設計であり、世界水準に達したものであるように一見見えますが、素材や発射薬、プライマーの品質が低いなど細部にいろいろな技術的問題をはらんでいるようです。一部の性能では世界水準に達し、あるいは越えながら、基礎的な技術力で大きく立ち遅れていた旧日本軍の兵器と、ある意味共通する面があるかも知れません。
















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