中国国産ガスタービンエンジンの現状は

 動力システムは総じて弱点となっていますが。

http://military.china.com/important/11132797/20151013/20549794.html


国産艦用ガスタービンエンジンに重大な突破:出力が高くより燃料が節約される

2015年に航空学会は第3回馮如賞獲得者の先進的な事績を発表し、その中で中航606所の李孝堂同志の「某型大出力先進中間冷却熱力循環船用ガスタービン技術検証機」の研究開発と試験に言及され、このことは国産艦船用ガスタービンエンジンがすでに簡単な循環から複雑な循環(我が国では連合循環とも呼ぶ)に向かって邁進していることを象徴的に示している。

艦船用ガスタービンエンジンが簡単な循環から複雑な循環に向けグレードアップし、もって熱効率を向上させるのは新世紀のガスタービンエンジン発展の1つの趨勢で、国外の複雑循環ガスタービンエンジン、例えばWR-21はすでに艦艇上に配備され、国産の複雑なガスタービンエンジンはまだ開発中で、航空部門の他、国産船舶部門も関連の研究を行い、もって海軍新型水上艦艇のためにより強力な動力の支持を提供するのに便としている。

周知のように、ガスタービンエンジンは体積が小さい、重量が軽い、出力が大きい、構造がコンパクト、補助機関システムが簡単、操作が便利などの方面のメリットを持ち、現在水上艦艇の主力動力システムとなっている。だが現在装備されているガスタービンエンジンの多くは簡単な循環のガスタービンエンジンで、その過程は次の通りである。ガスタービンエンジンが大気から空気を吸入し、圧縮機の中で圧縮する。圧縮後の気体はガスタービンエンジンの燃焼室に入り、ここで燃料が加えられ燃焼加熱される。加熱後の高温のガスはガスタービン(以下タービンと略称)に入って膨張し仕事をする。膨張後のガスは大気に向け排出される。この過程は比較的簡単で、このためガスタービンエンジンの構造も比較的簡単で、相応に設計、製造も比較的容易で、コスト、費用いずれも比較的低い。

(頑住吉注:原ページのここにあるイラストの題は「簡単な循環の単一軸ガスタービンエンジン」です。)

だがこのような簡単な循環がもたらす問題はガスタービンエンジンの熱効率が良くないことで、一般的に言ってガスタービンエンジンが最大出力の時、熱効率はおよそ40%以上で、もし中、抵出力ならさらに低いだろう。一般に出力が最大出力の1/4の時、ガスタービンエンジンの熱効率は半分前後に下がると考えられ、つまり絶対多数のエネルギー量は実際には煙突から白々と発散されてしまう。このためガスタービン・ディーゼル連合推進システムが出現した。ディーゼルエンジンを艦艇の巡航メインエンジンとし、もって燃料消費を低下させるのである。

1990年代から、燃料コストの不断の増加と共に、各国はガスタービンエンジンの出力の改良に着手した。つまり複雑な循環のガスタービンエンジンを開発してガスタービンエンジンの熱量利用率を高めるのである。現在主に2種の方法があり、1つは中間冷却で、ガスタービンエンジンの低・高圧圧縮機間に冷却システムを配備し、空気の温度を下げ、高圧圧縮機の圧縮による出力消耗をこれにより減少させ、全エンジングループの比出力の向上を得るのである。

同時に中間冷却器の使用により、高圧圧縮機の出口温度も相応に下がり、このようにして回熱器(頑住吉注:日本語では再生機、蓄熱機などと呼ぶようです)両側の空気とガスの温度差を増加させ、回熱器の回熱効率もこれにより高まる。一方回熱器の作用はガスタービンエンジンが排出する排気の中の熱量を吸収し、燃焼室内部に進入する空気に対しあらかじめ加熱を行い、タービン前温度が一定の状況下で燃焼室のエネルギー量の需要を下げ、相応に燃料消耗も減少させるのである。

関連の資料によれば、米英合同研究開発のWR-21型中間冷却回熱ガスタービンエンジンは最大出力の時、熱効率がすでに43%以上に到達し、40%の時に依然40%前後の熱効率があり、簡単な循環のガスタービンエンジンの最大出力時の熱効率より高い。アメリカ海軍の評価によればもしアーレイ・バーク級がWR-21に換装したら、この艦は正常な航行状態下で30%の燃料を節約でき、総燃料寿命を21%低下させることができ、効果はやはり比較的顕著だと言うことができる。

国内のガスタービンエンジンおよび複雑循環に対する研究の歩み始めは比較的早かった。関連の資料によれば、1970年代にはもうガスタービンエンジンの回熱方面の研究が展開されていた。1980年代にはシステムの方案論証、関連のシステムのシミュレーションおよび性能計算が完成し、1990年代には606所などの機関が中間冷却回熱システムの具体的な応用につきさらに一本歩の研究や探索を行った。だが総体として言えば、当時国内のガスタービンエンジンの水準は低すぎ、こうした作業はまだ技術的難関攻略段階に留まっていた。国家と海軍は実際の需要を考慮し、関心と投資の重点はより多く大出力ガスタービンエンジンの導入と国産化の方面にあり、複雑循環ガスタービンに対しては技術的事前研究と難関攻略がメインだった。

新世紀に入って大出力ガスタービンエンジンの国産化と共に関連の機関は関連の機種の性能の改良に着手し始め、この中では中間冷却回熱技術が1つのホットなポイントとなった。だが関連の資料から見て、国内の関連機関は中間冷却回熱技術は機械、材料、技術に対する要求が比較的高いと考えている。しかも軍用艦艇はシステムの体積や重量に対し敏感である。WR-21の回熱器の重量は10トン前後で、国産回熱器はすでに研究開発に成功しているが、体積と重量、信頼性などの方面で国外と依然として隔たりがある。加えて海軍の大、中型水上艦艇に対する要求は切迫しており、このため国産の複雑循環ガスタービンエンジンは段階に分け、ステップに分けて発展する方針を採用している。

(頑住吉注:これより3ページ目)

一方においては民間用複雑循環ガスタービンエンジンの研究開発を完成させ、複雑循環関連技術を掌握し、一方においては軍用艦艇の動力システムは中間冷却システムが付属したガスタービンエンジンをまず攻略し、中間冷却回熱ガスタービンエンジンを研究する。このため我々はWR-21のような中間冷却回熱ガスタービンエンジン(ICR)ではなく、李孝堂同志が完成させた中間冷却ガスタービンエンジン(IC)を見ている。その技術的要求はICRに比べ簡単で、重量も大きくなく、効率は相対的にやや低いだろう。ICRと簡単循環ガスタービンエンジンの間であり、このため我々は李孝堂同志が「大出力先進中間冷却熱力循環船用ガスタービンエンジン検証機を主宰し、ISO条件下で熱効率が42%前後に達する」のを見る。これは普通のガスタービンエンジンより高いが、WR-21の43%とではまだ距離がある。」

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「国内ではすでに民間用複雑循環ガスタービンエンジンの研究開発が完成しており、軍用複雑循環ガスタービンエンジンは開発中である(ハルビン〜ガスタービンエンジン社の画像)。」)

このため、国内のガスタービンエンジンの技術人員にとって、中間冷却ガスタービンエンジンを基礎に、さらに一歩前に向け発展し、できる限り早く中間冷却回熱技術で突破を果たし、中間冷却回熱ガスタービンエンジンの研究開発に成功し、国産新型水上艦艇の発展のためにより強大な動力システムを提供する必要がある。


 まだ世界の先進レベルには追いついていないということですが、この状況からするとそう遠くないうちに追いつきそうにも読めます。もちろんその時には世界先進レベルがさらに先に行っているかもしれませんけど。



















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