F-35の強みはどこにあるか

 どちらかというと中国では恐れるに足らずという論が主流ですが、これはそれに異を唱える内容です。2回に分けます。

http://military.china.com/important/11132797/20170630/30873566_all.html#page_2


F-35A、非凡な機動性を見せる 伝統的な認知の落とし穴はもう沢山だ

最近行われたパリ航空展で、アメリカ空軍の1機のF-35A「ライトニング」II戦闘機がロッキード・マーティン社の試験飛行員ビリー フリンの操縦の下、6分間以上にも及ぶ素晴らしい飛行デモンストレーションを行った。今回ロッキード・マーティン社とアメリカ空軍がF-35A「ライトニング」II戦闘機を派遣してパリ航空展に参加したことは非常に大きな世論と政治の圧力を背負っていたと言うべきで、しかもここはこの機の出色の性能、特に機動性を見せつける重要な舞台となるのだった。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-35A(資料画像)」)

だからこそ、アメリカ空軍は惜しまず1回でもう2機を出動させ、1機は静態展示、1機は飛行デモンストレーションを行った。しかも、デモンストレーション者もロッキード・マーティン社から来た首席試験飛行員のビリー フリンで、目的は最大限世界に向け現在のF-35Aが達成できる最良の性能と状態を見せつけることに他ならなかった。

機動性の認知の落とし穴

F-35A「ライトニング」II戦闘機の航空展期間の飛行デモンストレーションに対する非常に多くの評論と報道の中では、いずれもこの機が発進滑走を行った後の垂直上昇、とんぼ返り、小直径旋回などの動作の時明らかにもたつき、F-22A「ラプター」ステルス戦闘機のようにてきぱきしていなかったことに言及されていた。その後飛行デモンストレーションを行ったフランス空軍の「ラファール」A戦闘機に比べると、F-35Aはさらに少なからず遜色があることが目立った。全飛行動作を見ていくと、50度の大仰角低速水平飛行および「落ち葉が風に漂う」の過失速機動だけがF-35Aにちょっと面目を取り戻させたようでもあった。

実は、こうした評論と報道は飛行デモンストレーションを行ったこのF-35A戦闘機に対し明らかに粗探しをし過ぎていた。

航空展期間全体でビリー フリンがF-35Aを操縦したフルセットの飛行動作のパフォーマンスから見て、この機の現在の技術状態での機動性能はすでに相当に出色であり、しかもより多くの向上の余地を持っている。もし我々がまだアメリカ国内の某いくつかの世論の言う、F-35を「飛ぶ豚」と称する印象の中に留まっていたら、将来非常に大きな馬鹿を見る可能性が高い。

飛行デモンストレーションを行う前、ロッキード・マーティン社は再三強調した。このF-35A「ライトニング」II戦闘機は完全な戦闘状態にあり、つまり機内には燃料が満載され、しかも弾薬コンパートメント内は基準に照らし2発のAIM-120C中距離アクティブレーダー制御誘導空対空ミサイルと2発の1,000ポンドJDAM制御誘導爆弾を搭載した状態だった。さらに加えて現在F-35Aが採用する飛行コントロールソフトウェアは3Iバージョンでしかなく、決して最終的に初歩的作戦能力に到達することが要求される3Fバージョンではなく、このためその機動過負荷は7Gに強制的に制限される。こうした不利な条件が存在したが、このF-35A戦闘機は依然出色の空力設計および飛行コントロールソフトウェアに頼って、ベクトル推力ノズル未装備の前提の下、ベクトル推力ノズルの戦闘機だけがやっとできる「落ち葉が風に漂う」過失速機動をやったのであり、この機の機動性能がこれまで非常に多くのメディアがいうように悪いものであるにはほど遠いことを証明するに足りる。

実は、F-35の機動性が劣ることに関する種々の報道や伝聞には(これには2つの1,400リットルサブタンクを搭載したF-16Dに敗れた等々が含まれる)いずれもあまりにも多くの誤解が存在しているのである。

F-35戦闘機自体の空力レイアウトおよびF135大推力ターボファンエンジンの性能だけについて言えば、F-35Aはもうすでに非常に出色の高い機動性のポテンシャルを持っている。だが、F-35というこのコンピュータ制御に高度に依存した完全デジタル化および情報化された戦闘機に対して言えば、最終的にその機動性能の善し悪しを決定するのは空力レイアウト設計およびターボファンエンジンの性能では決してなく、飛行コントロールソフトウェアの完備とグレードアップなのである(頑住吉注:後者が非常に大事だというのは分かりますが前者が充分にいいことも大前提だと思いますが)。

F-35戦闘機は最初からもう飛行-火力-推力三位一体のコントロールシステムを採用しているため、その飛行コントロールソフトウェアがカバーする範囲も非常に大きく拡張展開され、飛行コントロールを担当するだけでなく、さらに同時に火力システムと推進システムに対するコントロールで連動を行う必要がある。さらにステルス作戦の使用という特徴、3タイプ併せ配慮する、多用途化など特殊な要求が加わり、こうした全てはF-35戦闘機の飛行コントロールソフトウェアの作成を異常に膨大複雑なものに変え、難度はその他のいかなる先進的な戦闘機と比べ得るにもほど遠い。

このため、ロッキード・マーティン社と米軍はF-35戦闘機の研究開発の上で止むを得ずいわゆる「螺旋式推進」の策を採用し、すなわち飛行コントロールソフトウェアの作成、科研試験飛行、低速量産、引き渡しおよび養成訓練を同時進行で推進する。大量の試験飛行データによって不断にこの機の飛行コントロールソフトウェアを改良しまた完備させ、すでに成熟が検証されたらもうソフトウェアのグレードアップパッケージを出し、すでに引き渡されているF-35戦闘機のグレードアップに用い、一歩一歩F-35戦闘機の各方面の性能と能力を向上および増加する。例えば、3Fバージョンの飛行コントロールソフトウェアが完成しかつF-35戦闘機に装備される前、この機は甚だしきに至っては空戦の中で機関砲を使用して射撃することさえできないのである。

この角度から言うと、2015年1月アメリカ空軍が組織したかの時のF-35AとF-16D Block 40の対抗は本来もう不公平だった。F-35Aは決して完備されていない飛行コントロールソフトウェアのバージョンに制限を受け、最大機動過負荷と仰角がいずれもより低い数値に制限され、F-16D Block 40というような機動性能が出色な第4世代戦闘機は言うまでもなく、たとえF-5/F-20といったようなより初期の旧式戦闘機にも負けた可能性がある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-16D Block 40」)

事実、この事件はF-35戦闘機に反対する一方により多くの口実を与えたことを除き、もう1つの深遠な影響はアメリカ空軍がその装備するF-35Aを全部3Fバージョンまでグレードアップした後、さらに機を選んでこの機が初歩作戦能力を形成したと言明する決意を確固としたものにさせたことにある。













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