日ロ天然ガスパイプラインは日本に有利?

 何日か前「白紙に戻すかも」なんてニュースもありましたが。

http://military.china.com/news/568/20141016/18863775.html


ロシア:中国は簡単に日本の輸送船を撃沈できる だが日ロパイプラインを攻撃することはない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「日本、近海において10隻余りのロシアの軍艦を発見したとする」)

【グローバル軍事報道】 ロシア軍事視点ネット10月15日の報道によれば、プーチンの秋における東京訪問の日程はアメリカの圧力の下に取り消されたが、両国の指導者は11月に北京で開かれるAPEC会議で顔を合わせることを約束した。もし一切がスムーズならば、取り消された秋の訪問は改めて来年春あるいはその他の都合の良い時間に手配される。この両国がいずれもごくきっぱりと平和条約を締結する方針を取っていることは非常にはっきりしている。

過去の何年かのうちにプーチンと安倍の間には相当に信頼ある個人的関係が建立された。両国間の関係は間もなく未だかつてなかった突破を迎えることになると言えるが、それにもかかわらずこの時にウクライナの事件が発生した。アメリカは日本に対し非常に大きな圧力をかけ、日本がロシアに対し制裁を行うよう要求した。日本は短時間抵抗した後に妥協したが、もし日本の「制裁」を仔細に研究すれば、これは純粋な「パフォーマンス」で、決してロシアと日本に損害を与えない、ということを見いだすことができる。

日本はすでに非常にはっきりと知っている。大洋の彼岸の「盟友」がすでに何度も自国の経済に損害を与えている、と。例えば少し前アメリカは日本の鋼鉄に対し反ダンピング税を徴収し、2011年に日本は地震の後、切迫して大量の資金を必要としたが、アメリカは援助を拒絶した。現在アメリカは依然として日本に重大な影響を与えることができるが、アメリカは万能ではなく、しかもすでに日本を完全にコントロールできなくなっている。日本のここ何十年かの、本国の米軍基地の数を減少させる努力は徒労ではなかった。

以上の原因およびその他の原因が相結合し、日本の内閣は北方の隣国との関係を整理する時が来た、と決定し、一方ロシアも各種状況が偶然に一致したことにより、まさに新たな盟友を探しているところなのである。

技術と天然ガス

ロシアが日本との友好関係を発展させる意図はごくはっきりしている。ロシアは先進国との間の技術的隔たりを短縮することを早急に必要とし、このうち某いくつかの方面には30年の隔たりがある。1930年代のソ連時代、隔たりを克服するのはほとんど不可能で、当時ロシアは非常に多くドイツとアメリカの専門家を利用した。日本は最新技術を潜在的ライバルに売ってやることはない。これこそロシアがこの種の友好関係を用いて引き替えにすることを希望するものである。ロシアの科学技術と工業はこの種の状況下では何十年および数十億アメリカドルを節約でき、技術は直ちに何クラスもの跳躍を実現することができる。この可能性は非常に貴重である。天然ガス問題が提出された。日本には自らの天然ガス資源はない。メタンハイドレートは依然美しき童話であるが、同時に日本経済は専用の船舶によって液化天然ガスを輸送し、保障を得ることができる。だがこれは非常に高価な気体である。

サハリンから日本の中央地域までの天然ガスパイプラインを敷設するという考え方はとっくに存在していた。だが中ロが「シベリア力量」天然ガスパイプライン建設契約を締結した後、やっとこの考え方の実現をまじめに考慮し始めた。もしこのプロジェクトが実現したら、両国間の関係は未だかつてなかった突破を実現したことになると言える。ロシアは枠外の外貨収入を獲得し、中国に対する依存を減少させることができる。この他、現在またアメリカの推進の下、日本と政治的関係が生じている。日本に提供される天然ガスパイプラインの容量は、中国まで敷設される「シベリア力量」パイプラインの容量と同等になると見られる。日本はより安価な天然ガスを獲得でき、かつ軍事戦略計画の中でメリットが得られる。もし日本が中国と海上で大規模な軍事衝突を発生させたら、中国艦隊は簡単に日本の液化天然ガス輸送船を破壊できると知る必要がある。だが水中の天然ガスパイプラインが同時に中国と友好関係のあるロシアにも属していたら、中国は攻撃を発起することはないだろう。

中国とアジアのバランス

ウクライナ事件により、ロシアとEUは実際に決裂し、中国への転向が迫られている。これはロジックに合っているし正しい。だが中国に依存することにも危険が存在する。ロシアは中国に対する依存を過度に増強することはないだろう。そして区域内に比較できる経済(および軍事)的力量は日本にしかない。このため支持は相対的だが、アジア地域のバランスは完全にロシアの利益に符合する。バランスのとれた力量は持久的平和の保証なのである。

アメリカドルの崩壊

アメリカが死に物狂いで全世界各地で引き起こす衝突は、アメリカドルの崩壊がすでに遠からぬものになっていることを説明している。全面崩壊の時、ああした資源を最も自給自足できる国家だけがやっと生き残れる。その中にはロシアが含まれる。ロシアには各種鉱産資源や潜在的に強大な農業がある。アメリカ国債は甚だしきに至っては等価のアメリカドルとしか兌換できず、真の物資と商品によって取って代わられる。ロシアと日本には普遍的認識があり、アメリカが世界で優勢を占める日は指を折って数えられるくらいになっている。アメリカドル崩壊の混乱の中で、信頼でき安定した隣国を持つことは極めて重要で、役に立たない紙片ではなく相互に必需品を交換し、収益ある交易が行える。

(頑住吉注:これより2ページ目)

ウクライナ、釣魚島そして制裁

ロシアはすでにウクライナとクリミアに関する領土の争いがあり、東における問題を素早く解決する必要があり、さもないと世界の2つの異なる場所で同時に領土に関する争いを解決することになり、核大国にとってということで言っても無理が過ぎる。千島群島の問題の解決(どんな種類の方式をもってであっても)および平和条約締結は直ちにロシアのウクライナ方向における力量の配分を改変し、ロシアにとって有利である。日本も同種の原因による。日本は最大の力量を南方に転じ、中国との釣魚島をめぐる争いに対応することが必須である。その前提は北方において平和条約を締結することしかない。このため双方いずれも受け入れられる解決方法がいつでも探し出されるだろう。

結論:

最終的に両国の指導者がどんな協議を達成させるか、我々は双方が最終的に署名する文書の中からのみやっと知ることができる。だが現在この種の趨勢はすでに非常にはっきりしており、もし現実になれば、ロシアはもう1つのアジアに至る窓口を開拓することができる。EUは失敗を惜しみ、自らが良いチャンスを失ったことを後悔するしかない。(知遠/北風)

ソース:ロシア軍事視点ネット

原題:平和条約締結の試験探索性のステップ

簡単な紹介:この文章全体は主にロシアの日本とのつき合いの問題を語っている。その中の一段で中国に言及し、もし日本もロシアと天然ガスプロジェクトの進行を開始すれば、中国との天然ガスプロジェクトを加えても、ロシアは中国に対する依存を減少することができる、としている。海上衝突の状況下で中国は簡単に日本の天然ガス輸送船を破壊できるが、ロシアの水中パイプラインを襲撃することはないに違いない。ロシアの中国に対する依存は過度で、このためロシアは当然に日本とつき合ってこの関係にバランスを取るべきである。(知遠)


 部分的によく分からないところ、全体の論旨と矛盾するようなところが散見されますし、トンデモ臭い記述もありますが、ロシアからの視点ということで全体的にはなかなか興味深いです。「千島群島の問題の解決〜および平和条約締結は直ちにロシアのウクライナ方向における力量の配分を改変し」というあたりはゾルゲ機関が日本の南進方針をつかんでモスクワに伝えたことで極東の防備を対ドイツに回せた、という話を連想させますが、今日本が予兆もなく北方領土を武力で奪還しようとする可能性は事実上ゼロだくらいのことはロシアも分かっていると思うんですが、それでもロシアにとって日本との問題解決は(経済、技術的になら納得できますけど)軍事的に大きなメリットになるんですかね。



















戻るボタン