ベトナム、フィリピンは鎧袖一触?

 ちょっと変わった論です。

http://military.china.com/important/11132797/20140903/18757458.html


外国メディア:中国、ロシアのスホーイー30MKKを購入し2度金を取られる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「米軍上将デンプシー、ベトナムを訪問」)

ベトナム、フィリピンは弱小で叩きやすい?! 非常に多くの中国人はこう考えているようだ。だが実際には正確制御誘導武器、ミサイル化された今日の戦争、海戦の中では、すでに強国と弱国の差はなくなっている。マルビナス海戦は現代の海戦の非常に多くの特徴を具備していた。この海戦は世界一流の海軍強国であるイギリスと、海空軍の実力が極めて弱小なアルゼンチンとの間で行われた。双方の軍事的隔たりは、今日の中国とベトナム、フィリピンと比べてずっと大きかっただろう。しかし結果はどうだったか? この戦争は多くの新しい特徴を持ち、ひとたび中国とベトナム、中国とフィリピンの海戦が勃発しても、極めて重視される可能性がある。

一、少量の正確打撃武器が壊滅的な殺傷力を持つ

強大なイギリス連合艦隊に直面し、アルゼンチン海軍はほとんど戦いを避け、戦争全体で実際にはアルゼンチン空軍が主役だった。気の毒なことにアルゼンチン空軍の真に近代化された作戦能力を持つ戦力は5機のシュペルエタンダール戦闘機(頑住吉注:攻撃機)とたった5発のエクゾセミサイル(射程50kmの空対艦ミサイル)だけだった。だが結果は思いもよらないものだった。第2発目がシェフィールド号ミサイル護衛艦に命中し、第3発目が「Atlantic Conveyor」号に命中し、第5発目がグラモーガン号ミサイル駆逐艦に命中したのである! その他の2発は目標に命中しなかった。

アルゼンチン空軍が発動した空中の攻撃は、ある時には30機のA4攻撃機が一斉に出動する方式をもって展開され、全部低空で投弾し(普通爆弾)(頑住吉注:制御誘導爆弾ではない、という意味でしょう)、この伝統的で大胆な戦法はイギリス軍に全部で6隻以上の大型水上艦を損失させた。

このため、この戦争の教訓その一は、未来の海戦では、海軍航空隊がほとんど決定的な作用を果たし、遠距離、超視距離、飽和のミサイル攻撃が実施できる、ということである。一方この時の海戦の中で、双方の艦対艦ミサイルにはほとんど使い場所がなかった。

今日ベトナム空軍はすでに32機のスホーイー30MK2型多用途戦闘機を持っており、これは非常に大きい空中打撃戦力である。ベトナム軍のスホーイー30MK2は中国空軍、海軍のスホーイー30MKK、スホーイー30MK2の2つを1つに合わせた機能を持っている。すなわちベトナム軍のスホーイー30MK2はKh59TE系列のテレビ誘導ミサイルを使用して対地攻撃を発動することもできるし、ロシア軍が装備する主要な空対艦ミサイルを使用することもできる。一方中国空軍のスホーイー30MKKはKh31系列の空対艦ミサイルを使用する機能を持っておらず、今後ソフトウェアが追加されるか否か見る必要がある。別の言い方をすれば、同一種類の戦闘機で、ロシアはベトナムからは1回金を儲けただけで、一方中国からは2回儲けるということである。

32機のスホーイー30MK2は、ベトナム空域ならば直接空対艦ミサイルを用いて亜竜湾の重要な戦略軍港を攻撃し、第2原潜基地の洞窟庫、094戦略原潜、052Cミサイル駆逐艦の艦橋、第2空母基地の艦橋を打撃できる(頑住吉注:何で艦橋?)。1,500kmの作戦半径をもって計算すれば、湛江、昆明、南寧等々の縦深地域もベトナム空軍の打撃範囲に置かれる。これだけでもう中国海空軍に対する致命的攻撃を構成するに足りる。さらにベトナム海軍沿岸防御部隊が射程300kmのBastion/Yakhon対艦ミサイルを使用して亜竜湾に対する直接攻撃を実施し、中国空母を撃沈する可能性は考慮する必要がない。多くとも2、3発のBastion/Yakhonミサイルしか必要としない。

40機のスホーイー22も改良を経て、M4の水準に到達しており、射程110kmのKh28対輻射ミサイル、射程30kmのKh29Tテレビ制御誘導ミサイルが発射できる。それらを見るたびに、アルゼンチン空軍のA4攻撃機を想起する。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「解放軍が装備するスホーイー30MKK戦闘機」です。なお、以後の画像のキャプションは全て同じです。)

第二に、マルビナス海戦のもう1つの経験は、潜水艦が並ぶもののない、空前に有効な威嚇力を持ち、戦局全体に影響したことである。海戦全体の中で、アルゼンチン海軍が全面的に戦いを避けた原因は、「ベルグラーノ将軍」号巡洋艦がイギリス軍の「コンカラー」号原潜によって撃沈されたことにあった。この戦争の中で、イギリス海軍は5隻の原潜を出動させ、それでもかくのごとく強大な抑止力を持ったのである。これらの原潜は単に海上封鎖行動にだけ参加したわけではなく、さらに特別混成艦隊全体のために早期警戒任務の実施を有効に執行した。レーダーはA4攻撃機を発見でき、一方空中でこうした原潜を攻撃しようというのは非常に困難だった。

指摘が必要なのは、当時のイギリス軍原潜はまだ潜水艦から発射するミサイル、対地ミサイルを使用する能力を持たず、装備されたばかりの「タイガーフィッシュ」型魚雷は性能が相当に不安定で、発射成功率が40%しかなかったことである。

今日ベトナム海軍が装備する6隻のキロ級636VMは、性能が中国海軍のキロ級636に比べはるかに先進的で、この前すでに性能比較を行ったことがあるが、ベトナム軍のキロ級636は夜視性能がより良い潜望鏡、射程300kmの3M-14E型対地ミサイル、射程220kmの3M-54E対艦ミサイル(中国海軍にもある)を装備し、火力コントロールシステムも改修を行っている。中国海軍のキロ級636は3M-54Eを発射できる魚雷発射管が2つしかない。

6隻のキロ級636にベトナム自ら製造した小型潜水艦を加えれば、北部湾、亜龍湾、甚だしきに至っては湛江港を封鎖するに足りる。本当に攻撃を発動しようとするなら、3M-54Eはこれらの港湾の目標を直接攻撃し、陸空一体化作戦が実現できる。

ベトナム海軍水上艦艇の近代化も衆目の認めるところであり、特に艦対艦ミサイルは相当に多様化している。大型水上艦の中では2隻の「チーター」型ミサイル護衛艦がメインで、ロシアは2012年に引き渡しを開始し、8発のKh35、射程150kmの対艦ミサイルを装備し、2,200トンの満載排水量である。

ベトナム海軍はさらに2013年に2隻のオランダが製造したSigmaミサイル護衛艦を発注した。これはベトナム軍の、装備を西側化に向け接近させる一大努力である。オリジナル版のSigmaが配備するのはフランス製の「ミストラル」艦対空ミサイルと「エクゾセ」艦対艦ミサイルである。ベトナム軍のSigmaはどんな武器を使用するのか? フランス式のシステムか、それともロシア式のシステムかは分からない。ベトナムがもし西側海軍の武器装備の獲得を希望したら、政治上は問題ではない。ベトナム軍はフランス製のエクゾセミサイルの使用を希望しているとされる。

ミサイル快速艇の攻撃能力は軽視できない。ベトナム海軍は11隻の近代化されたミサイル快速艇を持つ。BPS500は8発のKh35艦対艦ミサイルを装備する。ベトナムは本土でより多くのこのようなミサイル快速艇を建造するつもりである。もし本当に中越の海戦が勃発したら、中国最大の不利な要素は戦略海軍基地が距離的にベトナムに近すぎることにあり、直接的にベトナム軍の海空軍、弾道ミサイル部隊の攻撃範囲の下にある。大量の近代化されたミサイル快速艇も亜龍湾に接近し、中国海軍の大型水上艦を攻撃できる。一方中国海軍は亜龍湾にミサイル快速艇を配備していない。

(頑住吉注:これより3ページ目。)

この意味で言えば、ベトナム海空軍はいずれもすでに攻防兼備の能力を具備している。本土の防空作戦の中で、ベトナム空軍はさらに2個大隊のS-300PMU1地対空ミサイルを装備済みで、中国空軍も同様の作戦システムを持つ。このため、双方の空軍が相手方の縦深地域を攻撃しようとすれば、代価を支払う必要がある。

フィリピン海空軍に関しては、さらに中国軍に好意的に見られていない。だがこの種の状況は変わりつつある。ひとたび本当に中国との衝突が発生したら、国際世論全体、西側、そしてアメリカ、日本はきっとベトナム、フィリピン側に立ち、甚だしきに至っては情報、軍事補給の支持を提供する。

2013年以来、フィリピンは海空軍建設を加速している。今年3月、韓国と12機のT50PH練習/攻撃機輸入の契約を締結したことは最も関心を注ぐに値する。これは正しい一歩であり、第3世代戦闘機を熟知しない状況下では、高性能の第3世代練習機は現代の攻撃機の非常に多くの作戦機能に取って代わるのに足り、特に対艦攻撃能力はそうである。フィリピンが獲得するT50PHはFA50型であり、すなわち戦闘攻撃型で、最大速度はマッハ1.5、作戦半径900km、中国との島礁をめぐる論争ある海域全体をカバーするに足り、最大過負荷は8gに達する。GEF404ターボファンエンジンを採用し、アフターバーナー使用時の推力は78.7キロニュートンである。FA50は3.7トンの武器搭載重量、7つの搭載架を持つ。

フィリピンはこのためにどんな武器を採用するのか? これは明らかにされていないが、肯定できるのはFA50がロッキード・マーティン社と合同で研究開発されたということだ。このためアメリカ式の対艦、空対空ミサイルの搭載に問題はない。韓国で展示されたFA50はAIM-120Cを搭載し、中距離空戦能力を持つ。対地作戦では6発のAGM-65テレビ・赤外線成像制御誘導ミサイル、JDAM衛星制御誘導爆弾が搭載でき、中国サイドが占拠する島礁に対する正確打撃能力が強化される。

T50とFA50の最大の違いは、前者はアメリカ製のAPG-67レーダーを装備し、後者が配備するのはイスラエルのEL/M-2032型多用途レーダーだというところにある。このため、韓国で展示されたFA50は同時に大量のイスラエルの武器を展示し、これには空対地ミサイルなどが含まれた。どんなレーダーを使用しようと、全てハープーン空対艦ミサイルの発射、コントロールができる。

フィリピンと行う海戦の中では、フィリピンは天候や地の利の優勢を持ち、その実力は当時のアルゼンチン空軍の5機のシュペルエタンダール戦闘機に比べ強いだろう。また米軍はさらにフィリピンに向け退役したF-16戦闘機の提供を考慮しており、フィリピン空軍の実力が拡充を達成するのは時間の問題に過ぎない。

海軍に関しては、フィリピンは確かに非常に弱小であり、今まで艦対艦ミサイルや潜水艦を装備していない。だがフィリピン政府はすでに潜水艦の獲得を探求しつつあり、2020年までに獲得するだろうと言明しており、またアメリカ製艦対艦ミサイル購入の作業もすでに終わりに近づいている。

ミサイル時代の今日の世界では、誰も事を引き起こすことは望まない。(知遠/北風)


 そもそもアルゼンチンはフォークランド紛争でイギリスに勝利したわけではなく、意外に大きな損害を受けた、意外にてこずった、というだけのことで、ベトナムや増してフィリピンが中国に勝利するのもちょっと考えられないですね。それにフォークランド紛争もすでに30年以上前のことで、技術や戦術も大いに進歩しており、直接的に現代に当てはめることはできないでしょう。いずれにせよ少なくとも「強国と弱国の差はなくなっている」というのはあまりにも極論過ぎます。


















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