米韓による北朝鮮上陸は不可能?

 米韓の演習とこれに対する北朝鮮の動きに関する記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20150228/19329906.html


中将:米韓がもし黄海から北朝鮮を攻撃したら自殺のようなもの 中国は決して許さない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「最近、米韓海兵隊は韓国で合同寒冷地域訓練を行った。今回の合同訓練の規模は大きくなく、主要な目的は米韓両国がもし合同の師団を組成した後の、複雑な環境の中で浸透を行う能力を検証することである。」 なおこの記事の画像のキャプションは全てこれと同じです。)

米韓軍事演習はむしろ政治的表明

南京軍区元副司令員 王洪光


韓米合同司令部は、3月2日に年に一度の20万の韓米軍が参加する合同軍事演習を開始すると宣言した。韓米はこれが「定例の防衛演習」であると強調するが、平壌方面の反応は強烈である。特に少し前北朝鮮は核実験の暫時停止をもって引き替えに韓米軍事演習停止を獲得しようと提議し、アメリカサイドの拒絶に遭った。間もなく到来する3月、朝鮮半島は風雲急を告げる(頑住吉注:記事は2月28日付)。

米韓合同演習は本当に正真正銘の軍事活動なのだろうか? 筆者はそうではないと考える。これまでずっとの演習のビデオや報道から見て、実兵演習の主要な形式は上陸作戦である。もし本当に戦争が起こったら、米韓軍は上陸作戦の方式を採用して北朝鮮に進攻できるのだろうか? 筆者はこれを完全に排除する。

まず北朝鮮西海岸、すなわち黄海方向を見る。1つにはここの海域は狭小で、朝鮮半島、我が遼東半島、山東半島によって包囲され、山東半島の成山角(頑住吉注:最東端の岬)から朝鮮半島のバイリン島まで360kmしかない。この連続した線は、北は北黄海で、面積が7万平方キロしかなく(北朝鮮西岸は大部分北黄海に面する)、我が国の内海である渤海の面積に近い。我々と北朝鮮、韓国の排他的経済水域はいずれも画定が非常に難しく、もし半島の片側で戦事があったら、少なくとも海域の半分は中国の排他的経済水域に属し、外国の艦・機は入ってはならず、戦場の容積はさらに小さくなる。北黄海の深さは平均40mで、1,000トン以下の小型、超小型潜水艦は活動できるが(頑住吉注:北朝鮮はそういうの多数持っているようですね)、2,000トン以上の中型、大型潜水艦は活動できず、1万トン近いアメリカの原潜はなおさらである。もし原潜がなかったら、アメリカ空母艦隊の水中の安全はいかにして保障するのか? 2つ目に、もし北京を円の中心とするなら、空母艦載機の1,100〜1,200kmの作戦半径が防空圏の半径であり、この海域は我が国の首都防空圏の範囲のはずである。この圏内には当然密集した対艦対空兵力が配備され、有効な火網を形成しているだろう。筆者は、いかなる外国の機や艦も平時入ることを慎み、戦時はなおさらあえて入らないと信じる。3つ目にアメリカ空母戦闘群は現時点で第一列島線に入ることさえ慎重であることが必須で、その艦載機の打撃範囲によっても北黄海に入る必要はない。4つ目に米韓の上陸船団が北朝鮮西岸から上陸しようとすれば、その左翼は我が遼東半島、山東半島の陸上基地遠距離火力の打撃範囲内に直接暴露される。もし我が国の同意を経ていなければ、韓米にこの「自殺」行動を採る勇気があるあろうか? 重要なカギは我が国が同意し得るかである。中国政府はすでに何度も、我が「家の門前での騒ぎ」を許さないと声明している。我が現在の軍事的実力と軍事配備に頼れば、ここで「騒ぐ」いかなる者も深刻な結果を考慮する必要がある。

さらに北朝鮮東海岸を見てみよう。すなわち日本海方向である。まず、ここはロシアの極東地域に近く、ロシア太平洋艦隊の母港ウラジオストックと目と鼻の先である。ここで上陸行動を採ったら、その上陸船団の右翼はロシア艦隊の火力の下に暴露される。もしロシアの同意が得られなければ、もはや誰もあえてここで大胆に火遊びをしたりはしない。次に、朝鮮半島の東海岸は縦深に乏しく、太白山脈が南北を縦断し、高い山や険しい峰が連続して絶えず、上陸に適するポイントが少なく、港が少なく、上陸した兵が上陸後縦深に入るルートが少ない。北朝鮮が少数の兵力を分配して守備にあたらせるだけで、米韓の軍隊が内地に深く入ることは非常に難しくなる。歴史的に見て、この方向から上陸した軍隊は基本的にない。逆に抗米援朝戦争の中で、アメリカは海空の援護の優勢を利用して、志願軍に打撃され一敗地にまみれたアメリカ陸軍第1師団と第7師団を興南港から撤退させた。この時の教訓があり、米軍はおそらく東海岸から上陸する決意を固めることが非常に難しいだろう。

(頑住吉注:これより2ページ目。)

西海岸、東海岸いずれも上陸できない以上、この軍事演習は何を演習するのだろうか? 陸上の攻防の演習しかない。北朝鮮には90万の陸軍があり、韓国には50万しかない。韓米が強調するのは「防御演習」で、これはやはり比較的実際に基づいた正しい言い方である。実は北朝鮮陸軍の進攻も心配する必要はない。装備が立ち後れ、制空権のない北朝鮮陸軍は米韓の空中打撃に耐えられない。そこで、真に有用な演習は1つしか残らない。それはソウルに対する砲撃を防ぎ火力反撃する演習である。北朝鮮の1万門以上の火砲の射程のうち絶対多数は40kmに満たず、ソウルに対し脅威を構成し得ない。真に脅威を持つのは100門を超えない遠距離ロケット砲と170mmカノン砲、そして近距離地対地ミサイルだけである。こうした火力を制圧すれば、韓米サイドは即成功なのである。一定数の低空攻撃を行う航空隊と遠距離砲兵隊があればすでに充分である。ならば、20万人がたいそうにぎやかに演習に参加して何をするのだろうか?

これは本文のテーマに関わる。すなわち、米韓の軍事演習は軍事演習ではなく、政治的表明なのである。1つには北朝鮮と対話しないことを表明する。北朝鮮が核実験暫時停止を用いて軍事演習しないことを引き替えに得る提議を拒絶した後、すぐに続けて大規模軍事演習を行うことは、北朝鮮に困難を知って退かせ、核問題で譲歩させようとするものである。2つ目には北朝鮮との緊張関係ゆえに米軍には朝鮮半島に存在する必要がある、また北朝鮮のミサイル打撃を防ぐため、「THAAD」ミサイル防衛システムを建立する必要がある、と表明する、3つ目には中ロなどの周辺の大国に、まるで隣家の子供があなたの家の門前で爆竹を鳴らす騒ぎを起こし、存在を顕示し、あえてお前の家を焼くことはしないが迷惑をかけてやるとばかりに見せつけるのである。

アメリカは「アジア太平洋再バランス」という私利のため、朝鮮で緊張した情勢を作り出している。「THAAD」システムの韓国への配備のため、進攻性の「防御武器」を用いて中ロなどの大国の勢いを封じ込めるのは、本当に念が入っている。我々はこれに対しきっぱりと反対する。北朝鮮が核実験の暫時停止を提出し、米韓が合同軍事演習を停止することは、半島の安定と非核化の方向に符合し、我々は支持する。もしアメリカが本心から東北アジアの安定と半島の非核化を希望するならば、誠意を見せ、まず米韓軍事演習の規模縮小と回数の減少から始め、我々にアメリカというこの責任ある大国を見せていただきたい。


 核実験はやらないのが当たり前であって、それを「暫時」停止することと引き換えにこれまでずっとやってきた合同演習を中止させることができれば北朝鮮の勝利と考えられ、アメリカが拒絶するのも当然でしょう。しかし実際問題として北朝鮮が韓国を先制攻撃した結果として米韓が北朝鮮に攻め入った時、中国やロシアがこれを攻撃することはできますかね。












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