.223ボルトアクションライフル比較テスト

 「Visier」2005年4月号に、アメリカメーカー(レミントン、スタームルガー、サベージ、ウィンチェスター)製4機種、チェコメーカー(CZ)製2機種、フィンランドメーカー(サコー、Tikka)製2機種、計8機種の.223ボルトアクションライフルの比較レポートが掲載されていました。


Von der schnellen Truppe(頑住吉注:たぶん「schnellen Truppeの銃」、といった意味かと思いますが、「schnellen Truppe」は辞書に載っていません。「schnellen」は「高速」などの意、「Truppe」はたいてい「部隊」です。機動性の高い部隊のことだろうと思うんですが具体的に何を指すのかは不明です)

.223レミントン仕様のバーミントライフルは100mレーン用の初心者向け精密射撃ライフルとして理想的に適している。VISIERは7メーカーの8製品をテストした。

のように速い、反動が乏しい、命中精度が高い、そして安価なファクトリーロード弾薬の選択肢が膨大に存在する。お買い得な「万能選手」としての.223レミントンよりもこの組み合わせを持ち100m射撃用に適したセンターファイア弾薬は存在しない。大ライフルメーカーも全く同じように見ている。全てのメーカーが自社のバーミントライフルを特に.223レミントン(5.56mmx45)用に設定している。これに関しては.222レミントンや.22-250のような5.6mm弾薬は勝てない。だが、銃器価格は量産銃の場合でさえかなり異なる。すなわちサコーはウォールナットストックつきブルーモデルの代価として1700ユーロ要求し、一方CZ527はその半分以下ですでに買うことができる。比較テストは、高い価格が精度やクオリティにおけるプラスを伴うかどうかを明るみに出すことを意図した。

CZ527
 このチェコ製バーミンターは、コンセプトおよび構造といった多くの点においてアメリカ製ボルトアクションライフル群およびTikka T3と異なる。全てのメーカーは.223レミントンを適合する短い「ショートアクション」にあてはめている。しかしこの「ショートアクション」にはまださらにずっと太く、長い.308ウィンチェスターも適合する。これに対しCZは対応するコンパクトな寸法とスリムなボルトを持つ「真の」ミニチュアシステムを使っている。CZが提供するもののうち、.223レミントンがこれに適応する最大の弾薬である(頑住吉注:つまりですね、ボルトアクションシステムにはロングアクションとショートアクションがあるが、.223レミントンはライフル弾薬としては小型なので他の全てのメーカーはショートアクションを使っていると。でも、このショートアクションも.223用として最小サイズではなくまだ余裕があり、これよりかなり大きい.308あたりがボーダーで、.308の場合はロングアクションを使ったりショートアクションを使ったりであると。これに対しCZはショートアクションよりもっと小さい、.223でギリギリサイズの機関部を使っていると、こういうわけですな)。CZのシステムは技術的にはモーゼル98の閉鎖機構にならっている。2つの閉鎖用突起がレシーバーのブリッジ部内部で閉鎖を行い、左の閉鎖用突起には固定されたCZ流エジェクターのためにスリットが切られている(頑住吉注:エジェクターには大きく分けるとほとんどのオートピストルのような固定式と、多くのアサルトライフルやデザートイーグル等ごく少数のハンドガンのようなプランジャー式があります。今回登場する機種のうち、CZ、スタームルガー、サコーは固定式なのでボルトにエジェクターが入るためのスリットが切ってあり、他の機種はボルトフェイスからスプリングのテンションをかけられたプランジャーが突き出しています)。ボルト右サイドには長い、連発操作時に回転しないモーゼルスタイルのエキストラクターがある。これはマガジンから上昇してきたときすでに弾薬をグリップする(頑住吉注:こうでなく、完全閉鎖時にエキストラクターがパチンと弾薬のリムを噛むシステムは「プッシュフィードシステム」と言うそうです)。

 シングルローの着脱マガジンはモーゼルという手本に背を向けて作られている。ボルト後部領域に閉鎖用突起がないこと、側面の2ポジションセーフティ、ボルトに誘導レールがないことも同様である。両テスト品(頑住吉注:合板ストックバージョンとケブラーストックバージョン)は、その「古きよき時代」のような施工方式によってポイントを挙げた。すなわち、CZはストックまわりの付属金属パーツに至るまでこの527を完全にスチールで製造している。これはマガジンフォーロワのようなディテールにさえあてはまる。金属部品の仕上げは残念ながら完全には根本的に丈夫な施工方式についていけなかった。CZは純外的にはアメリカのライバルたちに勝てる。しかしそれでも加工のグレードと仕上げというポイントにおいて、例えばアンシュッツ、ザウエル、Heymのようなメーカーより明らかに劣る。ボルトのアクション時にも気になる点がある。CZ製ライフルは他の全てのテストされたボルトよりひっかかり、傾きが強かった。

 平凡な加工グレードと、CZ527バーミント(2003年1月号でテスト 頑住吉注:要するに今回のテスト品ではありません)の平均以下のウォールナット製ストックの木質は、極端なお買い得価格に直面しただけでは納得できないが、一方(頑住吉注:今回のテスト品付属の)合板およびプラスチックストックの加工グレードに関しては否定的に語ることはできない。特に、ねじる力に対する剛性が高い、ケブラーで強化されたHSプレシジョン製ストックは質的に申し分ない。調節可能なコンビトリガー(頑住吉注:セットトリガーのようです)は、HSストックつきCZ527の場合セットを行うと400gで作動する(合板ストックつきは370g)。セットしないと抵抗値は1800gと2100gになる。(無音で操作できる)セーフティが解除時に後方に引かれるのは「間違った」方向であり、これはネガティブな結果になった。

 シューティングレンジでは、この527が他のライバル製品群のようにレストに使った革袋の上で充分安定せず、そしてそのバレルがすでに3、4発の連射後に他のライフルに比べかなり強く加熱するということがすぐ示された。これに関しては15倍スコープ使用時にもより早く軽度のかげろう問題を引き起こした。これはこの銃では仕方のないことである。CZは527バーミントおよび今回の使用銃2種に、ライバルたちとは違って先端で17.5mmになる先細りのコーンバレルを組み込んでいる。この銃は実用上もっぱら砂袋あるいは2脚から発射される「生粋の」バーミントではない。そのかわりこの銃は「ウォーキングバーミントライフル」、すなわち射手が2、3時間肩に担いで携帯することもできるライフルになっている(頑住吉注:データを比較してもらえば分かる通り、この銃はおおよそ他の機種の3/4くらいの重量で携帯しやすくなっています。反面射撃時の安定性が劣り、またスチール部分が多い中で軽くするためにはバレルの肉を薄くせざるを得ず、この結果加熱が早いのはやむを得ないというわけです)。

モデル:CZ527バーミント
価格:699ユーロ
口径:.223レミントン
マガジン:5発入り着脱
全長:1121mm
バレル:650mm、マズル部直径17.5mm
ライフリング:9インチ、229mmで1回転
空虚重量:3200g
型:木製ストック、セットトリガー、16mmプリズムレール
(頑住吉注:マウントレールの種類でしょうがどういうものを指すのか不明です)
バリエーション:CZ527バーミント 合板ストック(799ユーロ) CZ527バーミント ケブラー(999ユーロ)


http://www.cz-usa.com/01.detail.php?id=47 頑住吉注:CZ USA公式。

http://www.czub.cz/index.php?p=32&idp=3&ids=9&idz=34&lang=en 頑住吉注:本家CZ公式。ただし英語。

CZ527バーミント合板ストック

弾丸メーカー- 弾丸タイプ 全長(mm) グルーピング(mm)
Sierra 52grs マッチキング PMCファクトリーロード 55.0 24
Sierra 55grs ゲームキング PMCファクトリーロード 55.2 30
Lapua 69grs HP-BT Lapuaファクトリーロード 55.7 25
Sierra 55grs HP-BT IMIファクトリーロード 55.3 30
RWSS 55grs Softpoint RWSファクトリーロード 54.4 37
アメリカンイーグル 55grs VM-BT Federalファクトリーロード 56.0 81(33)

CZ527バーミントケブラー

弾丸メーカー- 弾丸タイプ 全長(mm) グルーピング(mm)
Sierra 52grs マッチキング PMCファクトリーロード 55.0 18
Sierra 55grs ゲームキング PMCファクトリーロード 55.2 28
Lapua 69grs HP-BT Lapuaファクトリーロード 55.7 23
Sierra 55grs HP-BT IMIファクトリーロード 55.3 26
RWSS 55grs Softpoint RWSファクトリーロード 54.4 32
アメリカンイーグル 55grs VM-BT Federalファクトリーロード 56.0 52(21)

距離100m。5発のグルーピング。互いに最も離れた射入口の中心から中心で計測。ストック後部を支えてのベンチレスト射撃。
頑住吉注:困ったことに括弧内が何を意味するのか書いていません。しかし他の記事の例からして、たぶん1発のみ大きく外れた場合のその1発を除いた数値で間違いないと思います。



レミントン700ポリス
 このレミントン(頑住吉注:M700系)はアメリカでは高価なカスタム精密射撃ライフルの構造用連発システムそのものとして通用している。モーゼルM98を例外として、これより大きい付属品マーケットを持つボルトアクションライフルは存在しない。そしてモーゼルは競技ライフル用のベストの可能性を持つシステムとは絶対に見なされない。このポリスバージョンは「個人的」(頑住吉注:この銃における)ベスト成績として14mmのグルーピングを出した。レミントンがトリガーを工場渡しで重い2960gに調整していなければ、グルーピングはただちに総体として3または4mm縮小したはずである。

 しかし、調節可能なダイレクトトリガー(頑住吉注:セットトリガーではない通常のトリガーのことのようです)は通常1000〜1500gの値まで事後の調節で下げることができる。購入者の手による後加工で、これは比較的小額でさらに軽くなり、1kgを大きく下回る。HSプレシジョン製のケブラーで強化された高品質なストックは、ポリスの価格を合板ストックつきのスタンダードなバーミントの1069ユーロに対し、1339ユーロに押し上げている。幅広いフォアストック部と、ボール状に左右に大きく膨らんだ形にキャスティングされたピストルグリップ(頑住吉注:この銃のストックはいわゆる独立したピストルグリップつきではありません。ドイツ語ではストックのこの部分をこう呼ぶようです)により、ポリスのストックはシッティングでの依託射撃、あるいは2脚使用時用として卓越した適性を持つ。そして他の全ての射撃フォーム用としてはむしろ制約される。

 マットブルーの金属部品の加工グレードは価格相応である。レミントンはコスト削減策も盛り込まねばならず、例えばシステムボトム(頑住吉注:英語に直訳しましたがどのパーツを指すのか不明です。ちなみにドイツ語のシステムには「機関部」の意味があります)、トリガーガード、マガジン底板はアルミニウムである。ここに関し100%しっかりした解決策に価値を置く人は、これらをマッシブなスチール製アフターマーケット部品に交換することもできる。良好な、しかし高価でもあるオプションである。これはボルトの望まない解放を遮断さえしない2ポジションセーフティの交換にも同様にあてはまる。レミントン700用にはオプションパーツとしてウィンチェスタースタイルの3ポジションセーフティも存在する。これはダイレクトにファイアリングピンに作用する。

モデル:レミントン700ポリス
価格:1339ユーロ
口径:.223レミントン
装弾数:5発。マガジン底板は開く。
全長:1116mm
バレル:660mm、マズル部直径20.6mm
ライフリング:9インチ、229mmで1回転
空虚重量:4150g

型:マットブルー。アルミ製ベディングブロックつきHSプレシジョンストック。
バリエーション:ステンレス。合板ストック。左利き用システムバリエーション(頑住吉注:複数形)。いろいろなプラスチックストック。一部はフルーテッドバレル。

http://www.remington.com/firearms/centerfire/centerfire.htm 頑住吉注:レミントン公式ですが「ポリス」というタイプは見当たりません。

レミントン700ポリス

弾丸メーカー- 弾丸タイプ 全長(mm) グルーピング(mm) 初速(mm) エネルギー(J)
アメリカンイーグル 55grs VM-BT Federalファクトリーロード 56.0 32 986 1732
Sierra 55grs HP-BT PMCファクトリーロード 55.2 14 931 1544
PMC 55grs FMJ PMCファクトリーロード 57.1 68 879 1377
Sierra 55grs HP-BT IMIファクトリーロード 55.3 30 1006 1803
RWS 55grs ソフトポイント RWSファクトリーロード 54.4 21 982 1718


ルガー77MKUバーミント
 ルガー77系システムは、多くの領域においてモーゼル98にならっている。側面の長いエキストラクターも含めてである。ルガーは固定式エジェクターを設置しているが、それでも左の閉鎖用突起は弱体化していない(頑住吉注:ルガー製品はCZ同様、ボルトに固定式エジェクターが入るスリットがありますが、左の閉鎖用突起にスリットを切り、当然この分閉鎖用突起の強度が落ちているCZと違い、スリットが閉鎖用突起を避けて切られているということです)。新造されたモーゼルシステムと比較しての安価は、特に銃器製造分野ではルガーによって完成された精密鋳造製法(頑住吉注:いわゆるロストワックス)によって説明される。外部の仕上げは質的に「Remchester」(頑住吉注:意味不明です)ライバルと一致しているが、内部は精密鋳造独特の外観を探すのに時間をかける必要がない。

 3ポジションセーフティはファイアリングピンにも作用する。だが、これはセーフティレバーが最後部ポジションでロックされているときしか機能しない。ルガーの場合このセーフティは、最後部ポジションにおいてのみ外部からファイアリングピンマザーの切り欠きをグリップするのである。ルガーはこのバーミンターのトリガーを工場渡しで他のアメリカ企業よりも軽く調整している(テスト銃は990g)。だが、オリジナルトリガーはレミントン、ウィンチェスター、あるいはサベージ-Accuトリガーのような調節可能性を提供しない。この場合比較的お買い得なTimneyダイレクトトリガーへの交換がすぐに報われる。飾り気のない、幅広いフォアストック部とシンプルなピストルグリップつきの合板ストックは、全体価格を低く保持し、シッティングの依託射撃用には多くのよりコストの高いストックデザインよりもよりよく適している。ルガー(だけ)には、25.4mmマウントリングがダイレクトに供給範囲に含まれている(頑住吉注:標準装備されているということのようです)。

 残念ながらこのマウントリングはスリムな、中型のスコープにしか適合しない。対物レンズ直径が40mmを越えると非常に窮屈か、あるいはもはやオリジナルマウントに固定できなくなる(頑住吉注:マウントリングの脚部の高さが足りないので、スコープの対物レンズの直径が大きいとバレルにぶつかってしまうということです)。だが、より大きいスコープまたは中央部パイプ30mmのスコープをマウントしたい人には、比較的お買い得なマウントリング、例えばLeupold−ProgrammあるいはWarmeのものがある。Warme社はCZ、サコー、Tikka用のクイックリリースリングも提供している。

モデル:ルガー77MKUバーミント
価格:949ユーロ
口径:.223レミントン
マガジン:5発。マガジン底板は開く。
全長:1171mm
バレル:660mm。マズル部直径19mm。
空虚重量:4100g
型:ステンレス。合板ストック。スコープマウントリング(中央部パイプ25.4mm用)。レシーバーに一体のマウントベースあり。
バリエーション:いろいろな弾薬仕様のみ。

http://www.ruger-firearms.com/Firearms/P-CategoryRiflesCBA.html 頑住吉注:スタームルガー公式ですが「バーミント」というタイプは見当たりません。

弾丸メーカー- 弾丸タイプ 全長(mm) グルーピング(mm) 初速(m/s) エネルギー(J)
アメリカンイーグル 55grs VM-BT Federalファクトリーロード 56.0 55(21) 998 1775
Sierra 55grs HP-BT PMCファクトリーロード 55.2 36(17) 929 1538
PMC 55grs FMJ PMCファクトリーロード 57.1 43(23) 888 1405
Sierra 55grs HP-BT IMIファクトリーロード 55.3 36 1002 1789
RWS 55grs ソフトポイント RWSファクトリーロード 54.4 21 982 1718


サコーM75バーミント
 サコーは紙箱から直接出して完璧に射撃できる。そして形状と仕上げに関してはアメリカ製ライフル群、Tikka、CZより上のリーグでプレイしている。このプッシュフィードシステムの銃は、総合的にコストのかかる加工が行われ、細部まで良好に組み上げられているという印象を残した。ダブルカアラムの金属製着脱マガジンは、自分の選択でエジェクションポートから直接ロードもできる。サコーは75系システムをひっくるめて5つものサイズで製造しているが、.222および.223レミントン仕様のバリエーションは最小のシステムナンバー「T」を使用している。

 調節可能なトリガーは1800gでドライに作動し、追加加工なしでも「安全な」値(頑住吉注:実用銃として安全性が確保される範囲内の軽さ、といった意味でしょうか)、例えば800gに調節できる。ボルトの前後動と連発の快適性は、それに対応して全参加機種の中で小さい70度の開放角度を持つ閉鎖突起3つのボルトに依存している(頑住吉注:他の全ての銃は閉鎖用突起が約180度離れた2個であるのに対し、この銃は約120度離れた3個であり、開放に要する角度が少ないということです)。全てのテスト銃は全ての弾薬種類を問題なく、障害フリーで連発したが、M75が最も快適に感じられた。

 付属品の選択肢が少ないことが、このフィンランド製品のレミントンあるいはウィンチェスターと比較してのアキレス腱(頑住吉注:「Achillesferse」。ギリシャ神話が原典ですが、ドイツ語にもこの言いまわしがあるんですね)を形成している。サコーはダイレクトトリガーの代替品として約140ユーロの追加料金でセットトリガーを供給している。そして例えばマクミランのようなメーカーのいくつかのファイバーグラスストックもある。例えば160ユーロと高価なサコー製OptilockリングおよびOptilockマウントベース(頑住吉注: http://www.sako.fi/pdf/specs/Optilockring.pdf )は卓越した加工クオリティを提供するが、多くのユーザーは間違いなくそこまで完全に高品質でない、そしてその代わりお買い得な解決策でも完全に満足するだろう。

モデル:サコー75バーミント
価格:1730ユーロ
口径:.223レミントン
マガジン:5発。着脱式。
全長:1100g
バレル:600mm。先端部の直径22mm
ライフリング:8インチ、203mmで1回転。
空虚重量:3700g
型:ブルーイング。モンテカルロ効果(頑住吉注:時々出てきますが意味不明です)およびチークピースつきウォールナットストック。ボール状に膨らんだ形状のピストルグリップ。
バリエーション:M75「ラミネーテッドステンレス」1849ユーロ。上と同様だが合板ストックがつき、オールステンレス製。

http://www.sako.fi/ 頑住吉注:ここはフィンランド語ではなく最初から英語です。ただこの銃の紹介ページには直接行けません。まずトップページにある横に並んだ8つのイラストの左端をクリックすると、「ハンティングライフル」のページが表示されます。下のメニューのうち一番上の「サコー75ハンティングライフル」をクリックすると、このシリーズの紹介ページが表示され(非常に分かりやすいボルトフェイスの画像もあります)、下のメニューのうち下から2番目の「サコー75バーミント」をクリックするとこの銃の紹介ページが表示されます。

弾丸メーカー- 弾丸タイプ 全長(mm) グルーピング(mm)
Sierra 52grs マッチキング PMCファクトリーロード 55.0 15(6)
Sierra 55grs ゲームキング PMCファクトリーロード 55.2 21
Lapua 69grs HP-BT Lapuaファクトリーロード 55.7 >150
Sierra 55grs HP-BT IMIファクトリーロード 55.3 13
RWSS 55grs Softpoint RWSファクトリーロード 54.4 21
アメリカンイーグル 55grs VM-BT Federalファクトリーロード 56.2 50(35)

頑住吉注:「>150」は意味不明です。この弾薬との相性が特別に悪く、150mm以上に広がったということでしょうか。


サベージ12FVSS
 サベージは全てを省いている。射撃成績に関するものを除いて。すなわち、このライフルはルガー、ウィンチェスター、レミントンと同様にノーマルでは平均内に良好、または悪い実射性能レベルであり(頑住吉注:まあまあ良いとも言えるし、ノーマル状態でトップの成績を持つ機種に比べれば悪いとも言える、くらいの意味だろうと思います)、価格はかなり低い。シンプルなプラスチックストックつきのステンレスバーミント(モデル12FVSS)であるテスト銃は、今回のケースでは残りのアメリカ製ライバルより良くあたりさえした。この理由は特に2つある。まず1つはこのテスト銃自体の命中精度が申し分ないこと。2つ目はメーカーがAccuトリガー(頑住吉注: http://www.shootingtimes.com/longgun_reviews/savage_0813/ )をドライな780gに調整していたことである。

 残念なことに、サベージは12FVSSのストックをしまりのない泡の混入したプラスチックで製造している。その上、その形状はフォアストック下部がフラットにしてあるにしても全く普通のスリムなハンティングストックと同じである。全ての他メーカーは、自社のバーミンター用として、プラスチックストックを素材でもデザインでもよりコストのかかるものにしている。着脱マガジン、あるいはせめて開閉できるマガジン底板の代わりに、サベージ12FVSSではシンプルな、内部が行き止まりのマガジンで満足せねばならない(頑住吉注:着脱マガジンなら何の問題もないですし、マガジンが固定の機種でも多くのものはマガジン底板を簡単に開いて残りの弾薬を取り出すことができますが、この銃の場合残りの弾薬の数だけボルトを前後動させて取り出すしかないということです)。

 加工グレードと仕上げは、せいぜい「目的にかなったもの」としか描写できない。そして閉鎖機構の構造でも機能性という点でのみ納得できるだけである。ネジ止めされたボルトハンドルの付属したボルトは、ガタガタの動きをする。しかしverkantungsフリーである(頑住吉注:辞書に載っておらず意味不明です)。Uberwurfschelle(頑住吉注:「U」はウムラウト。アップで見える画像が見つかりませんが、リング状のクランプとでも言いますか)によるバレルの機関部への固定も機能するし、メーカーの視点からはコスト上好都合で実用的である。しかし純外観的には喜べない。「ストック首部」にある3ポジションのセーフティは、左利きでも問題なく操作できる(頑住吉注:位置としてはボルト後端直後のストック上面で、前後にスライドし、操作フィーリングとしてはモスバーグに近そうな感じです)。後付装備としてはHandspannersystemも存在する(頑住吉注:これも意味不明です。「手動コックシステム」みたいな感じですがボルトアクションはみんな手動に決まってますし。検索するとこれをうたっている銃はたいてい中折れ式の高級2〜3本銃身ライフルです)。

モデル:サベージ12FVSS
価格:880ユーロ
口径:.223レミントン
マガジン:5発入り内蔵型
全長:1168mm
バレル:660mm。先端部の直径21mm。
ライフリング:9インチ(229mm)で1回転
空虚重量:3970g
型:ステンレス。フルーテッドバレル。プラスチックストック。Accuトリガー。
バリエーション:合板ストック。ブルーイング。フルートなしバレル。単発。Choate(頑住吉注:意味不明です)ストック。左利き用システム。

http://www.savagearms.com/12fvss.htm

弾丸メーカー- 弾丸タイプ 全長(mm) グルーピング(mm)
Sierra 52grs マッチキング PMCファクトリーロード 55.0 27
Sierra 55grs ゲームキング PMCファクトリーロード 55.2 14
Lapua 69grs HP-BT Lapuaファクトリーロード 55.7 28
Sierra 55grs HP-BT IMIファクトリーロード 55.3 13
RWSS 55grs Softpoint RWSファクトリーロード 54.4 21
アメリカンイーグル 55grs VM-BT Federalファクトリーロード 56.2 49


Tikka T3バーミント
 遅くともサコーとTikkaの両方がベレッタコンツェルンに属するようになって以来、この両フィンランドブランドは構造コスト、加工クオリティ、バリエーション多様性に関して明らかに互いに別々に進むようになった(頑住吉注:両方がベレッタ傘下になったために競合を避けるようになったということのようです)。この場合Tikkaはデラックスさのない丈夫な実用器具というイメージで満足せざるを得ない状態である。一方Sakoはダイレクトな比較として全てがベターである。すなわちモデル数が多く、使用弾薬の選択肢がより大きく、仕上げが繊細であり、コストのかかった構造である。これら全てが当然より高い価格につながっている。

 この合理化措置はグルーピングに影響してはならない。このことはここにあるTika T3が示した。この銃は全てのテスト銃中ベストの射撃を行った(頑住吉注:100mのグルーピング11mm)。トリガーは1380gで作動した。3パーツで構成されたストックはより高感度が低い。そのグラスファイバー含有率と、チークピースがあり、フォアストックが幅広くされ、軽くボール状に膨らんだ形にしたピストルグリップというデザインにより、これはより安いサベージのストックより強固で、安定性もよりよい。だが、コストがかかり、アルミ製ベディングブロックを装備したHS−プレシジョンの水準には達しない。

 T3は非常にプラスチックを多用していることが分かった。シングルローのマガジンは底板も含め完全にプラスチック製だし、マガジンキャッチ、トリガーガードも同様である。現時点において付属品領域ではT3は「よくない」以上であるように見える。140ユーロの追加料金でTikkaはセットトリガーつきT3も提供している。そしてタクティカルバリエーションの場合レシーバー上のピカティニーレールとならんで調節可能なチークピースとマズル部のネジがある。これで全部である。プラスチックストックになじめない人は、少なくとも現時点では自分のバーミンターをどこか他から買わなくてはならない。

モデル:Tikka T3バーミント
価格:975ユーロ
口径:.223レミントン
マガジン:6発入り着脱
全長:1110mm
バレル:600mm。マズル部直径22mm。
ライフリング:8インチ、203mmで1回転
空虚重量:3600g
型:ダイレクトトリガー。グラスファイバーで強化したプラスチックストック。プリズムレール。ブルーイング。
バリエーション:タクティカル(ピカティニーレール、マズル部のネジ、アジャスタブルチークピース)1600ユーロ。他にバーミントステンレス。

http://www.tikka.fi/ 頑住吉注:ここも直接この銃の紹介ページに行けません。まずトップページの6つならんだマス目のうち一番左をクリックするとT3ライフルの紹介ページが表示されます。左のメニューのうち下から三番目の「バーミント」をクリックするとこの銃の紹介ページが表示されます。

弾丸メーカー- 弾丸タイプ 全長(mm) グルーピング(mm)
Sierra 52grs マッチキング PMCファクトリーロード 55.0 11
Sierra 55grs ゲームキング PMCファクトリーロード 55.2 18
Lapua 69grs HP-BT Lapuaファクトリーロード 55.7 36(16)
Sierra 55grs HP-BT IMIファクトリーロード 55.3 17
RWSS 55grs Softpoint RWSファクトリーロード 54.4 25
アメリカンイーグル 55grs VM-BT Federalファクトリーロード 56.2 32(16)



ウィンチェスター70Stealth
 
 現行のウィンチェスターモデル多様性と、レギュラーな販売ルートを通じての実際に入手可能なライフルのとの間の食い違いは、編集者にはもはや簡単に理解することが全く不可能である(そして時として「公式」、「公式度の低い」輸入業者にも 頑住吉注:公式サイトを見てもらえば分かるように非常にバリエーションが多いです)。少なくとも今回のケースではRemscheiderの会社The Dukeが1挺の.223レミントン仕様のウィンチェスター70Stealthをテスト用に用意し、このモデルをまだ何挺か倉庫に持っている。原則的にこのStealthはコンセプト、加工グレード、装備においてその宿敵であるレミントン700ポリスとほとんど違わない。両方とも9インチで1回転のライフリングを共有していさえする。3ポジションのファイアリングピンセーフティは非常に良好なので、そのデザインは絶えずコピーされている。Stealthのストックには、バイポッド固定用の2つめの前部ランヤード金具と、レミントンピストルグリップのがっしりした「Palm−Swells」が欠けている(頑住吉注:写真で見ると確かにレミントン製品には前部のランヤード金具が前後に並んで2つついていますがウィンチェスター製品には1つしかありません。「Parm−Swells」というのはグリップの横へのふくらみのことらしいです)。しかし後者に関してはテスト者の誰もあればいいとは思わなかった。

 ミリタリッシュでシンプルに、しかしきれいに加工されたテスト銃は、レミントン700同様トリガーを事後アジャストすればやはりすぐさまそれぞれ2〜3mm小さなグルーピングを出すだろう。「箱出し」では3800gの抵抗では、ベストのグルーピングは17mmと計測された。だが心配ない。ウィンチェスターのトリガーはレミントンのように良好に調整できる。そして付属品領域でもウィンチェスターファンはレミントンオーナーとまったく同様に良好に供給される。

ウィンチェスターM70Stealth
価格:1274ユーロ
口径:.223レミントン
装弾数:6発。マガジン底板は開く。
全長:1168mm
バレル:660mm。マズル部直径22mm。
ライフリング:9インチ、229mmで1回転。
空虚重量:4790g
型:アルミ製ベディングブロックつきHSプレシジョンストック。プッシュフィードシステム。
バリエーション:コヨーテ(よりライトなバレル輪郭、合板ストック、10インチで1回転のライフリング入り610mmバレル)など。

http://www.winchesterguns.com/prodinfo/catalog/detail.asp?cat_id=535&type_id=955&cat=001C 頑住吉注:この銃も何故か公式には見当たりません。このページは「ステルスU」という銃の紹介ページであり、.223レミントン仕様はない、前部のランヤード金具が2つあるなど「Visier」が紹介した銃とはやや異なります。

弾丸メーカー- 弾丸タイプ 全長(mm) グルーピング(mm)
Sierra 52grs マッチキング PMCファクトリーロード 55.0 18
Sierra 55grs ゲームキング PMCファクトリーロード 55.2 17(12)
Lapua 69grs HP-BT Lapuaファクトリーロード 55.7 59
Sierra 55grs HP-BT IMIファクトリーロード 55.3 34
RWSS 55grs Softpoint RWSファクトリーロード 54.4 41(23)
アメリカンイーグル 55grs VM-BT Federalファクトリーロード 56.0 42(27)


「ベストの」ライフル

 全てのメーカーは彼らの銃の(そしてライバルの)「平均的な」成績を全く正確にわきまえており、販売価格と装備の両方または片方を適合させている。これを維持しなければ、その会社は短時間でつぶれるだろう。価格差の大部分はストックのクオリティあるいはストックデザインに理由がある。この場合、既製品のストックの価格と個人的「理想的解決策」は決して相関的運動をしない(頑住吉注:高価なストックがその人の使い方に合うとは限らないということでしょう)。だが、ストックに絶対こうでなくてはならないという希望がない人は、特に両フィンランド製の銃をよく見てみるべきである。Tikkaもサコーも、全くのノーマル銃でさえトップの命中精度をもたらし、そしてサコーの場合堅実な加工も得られる。

 より軽いCZ527は、すでにその基本アイデアからしてより重いバーミンターとは完全に別のリーグでプレイしている。この銃はハンター用のコンビネーション銃として非常によく適している。すなわちその銃でトレーニングを行い、加えて鹿やキツネも追跡したいという人である。

 レミントンとウィンチェスターは特に、原則として優れたベース銃を後に自分のイメージに従って完全に改造、または最適化したいという「個人主義者」にお勧めである。サベージは価格-成績比率においてTikka T3に肉薄している。その上全体価格はさらに好都合で、必要な場合の「装備強化」はずっと簡単である。


 12ページにも及ぶ長いレポートで訳すのがしんどかったです。文自体は比較的読みやすい方なんですが、私がボルトアクションライフルにあまり詳しくないこともあって、意味不明の語が多かったのは残念です。びっくりするような情報は含まれていませんでいたが、それでも各社の個性はほぼ理解でき、それなりに興味を持って読むことができました。












戻るボタン