インド国産空母に関する各方面の報道

 中国でどう評されているかについての記事はすでに紹介しましたが、これはインド国内や他の国での報道をまとめた記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20130816/18000149.html


インドの上将、生意気な口をきく:新たな空母は中国を驚きに動転させる!

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「インド国産空母は典型的な『面子プロジェクト』である」)

【インド「毎日ニュース・分析報」ウェブサイト8月13日の文章】 題:「Vikrant」号空母は中国を驚きに動転させる(筆者は元インド海軍参謀長スリシー メイハータ上将)

我々の最大の収穫はこの軍艦が我が国の自主設計、建造によるものだ、ということだ。もしきっとスーパー大国になろうとするなら、我々は自らこの種の規模の艦艇を建造する能力を持つことが必須である。我々はより多くの同クラスの艦艇を建造することになる。

空母は武力の投射に用いる巨大なツールであり、この空母は我々に中国に先んじた極めて大きな優勢を持たせる。中国は空母に関する経験という方面で依然我々よりはるかに立ち後れている。中国は自らの第1隻目の国産空母を建造中であるが、彼らの海軍には目下1隻の国産空母もないのである。

我々の経験と能力は中国より何年も先んじており、彼らが正しい軌道に入るにはまだ一定の時間を必要とする。空母が軍隊の序列に吸収されるには何年もかかり、空母はその他の部隊とのすり合わせを必要とする。空母が海上行動の綱領を制定するのにも同様に5〜7年を必要とする。この領域において、我々はすでに数十年の経験を持っている。

中国の原潜の数は我が方を超えているが、中国はこの地域に大型後方勤務基地を欠いており、原潜でも海中でどのくらい長く留まれるだろうか? また、我々はアメリカ人から優秀なP-8I対潜機を獲得しているところである。これは我々が中国の潜水艦方面の優勢を消し去る助けになる。

【インドCNN-IBNテレビ局ウェブサイト8月13日の報道】 題:「Vikrant」号空母はインドの実力をはっきり示す

「Vikrant」号はインドが建造する最大の戦闘艦であり、インドがこのような規模の空母を設計、建造する能力を持つ国のグループに仲間入りすることをも示す。インドはアメリカ、イギリス、ロシア、フランスに次ぐ第5のこの種の寸法の空母を建造する国である(頑住吉注:これならスペインとイタリアを除外するのはまあ納得できますね)。本テレビ局の国際事務編集者スーリヤ ガンジャダランは読者と交流を行った。

読者の質問:中国のある将軍が「Vikrant」に使用されたのは1980年代の技術であり、このため中国がすでに建造中の新たな空母に対して真の脅威を構成しない、と言っています。2020年に戦力を具備する「Vikrant」号は技術的に本当にそんなに先進的でないのですか?

ガンジャダランの回答:海外の「Vikrant」に関する報道を信じてはいけません。この艦にはいくつもの「初めて」があり、これにはインドの航海級鋼材が含まれます。これは素晴らしい「初めて」です。「Vikrant」号は先進的なセンサー、インド本国で製造したソナー、ソフトウェア、電子設備を持ちます。中国人はまだ空母を作り出していません。彼らはソ連時代の空母を1隻リニューアルしたに過ぎないのです。この点から言って、我々は彼らに先んじています。「Vikrant」号はすでに世界に向け我々の実力を見せつけているのです。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「インドは急いで不成熟な国産空母を進水させた」です。)

中国サイド、淡々と「Vikrant」に向き合う

【アメリカの「ウォールストリートジャーナル」ウェブサイト8月13日の報道】 インド初の国産空母の進水は、この国のその地域の海域における海軍力量強化の努力であり、かつ日増しに自信をつける中国の一部の挙動への対抗である。

中国メディアはインドの新たな空母の進水を広範に報道した。中央テレビは専門家の話を引用し、インドのいわゆる国産空母は実際には外国の部品を用いて建造した混合ブランドであると語った。

中国の退役海軍少将尹卓はインタビューを受けた時、中国は過度にインドの「Vikrant」号空母を心配すべきではない、とした。当然1つの空母戦闘群があればインド人は太平洋に進入することを希望することになる。もし彼らが太平洋に進入すれば直ちに中国と関わることになる。だが彼らは決して軍事的なライバルではない。

【「ドイツの声」放送局8月13日の報道】 題:竜と象の争い、新たなる章へ

インド初の国産空母が先日進水した。ドイツメディアは、インドが全力を尽くして海軍を拡張建設する1つの大きな原因は中国にあり、「竜と象の争い」が新たな幕を開ける、と信じる。

第二次大戦以降、アメリカ、ロシア、イギリス、フランスの4カ国だけが自ら空母を建造した(頑住吉注:これはちょっとどうですか)。このことは、インドが今週からすでに中国を超越し、率先して自ら空母を建造する国のクラブに加入したことを意味する。

「Frankfurter Allgemeine Zeitung」はインド平和・衝突研究所の専門家の話を引用し、まさに中国がより強大な軍事能力を持つため、空母の建造はインドにとって非常に重要であり、これは中国に向け発した明確なシグナルである、とする。「die Stuttgarter Zeitung」は、インドが自ら空母を建造するのは中国と直接の関係がある、と考える。「Suddeutsche Zeitung」は次のように言う。「ニューデリーの北京に対する猜疑心は高まっている。インド人は、中国がアジアの覇者となり、結果的にインドの行動能力を制限する、あるいは不断に増強する軍事的脅威にさえなることを心配している。」

【「インドスタン時報」ウェブサイト8月13日の報道】 北京大学の専門家王旭は、「Vikrant」号の進水はインド周辺地域に対しあまり大きな影響を生じさせることはない、とする。中国社会科学院の学者葉海林は、重要なカギはインドがいかにして新たな空母を使用するかだ、とする。彼は、「武器システムを持つことよりさらに重要なのはそれらをいかに使用するかだ。」と語る。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「ずっと垂直離着陸戦闘機を使用してきたインドには空母使用の上で決してあまり大きな優勢はない。」です。)

アジアの空母競争、静かにエスカレート

【韓国の「朝鮮日報」ウェブサイト8月12日の報道】 題:アジアの空母競争がエスカレート

インドが自主技術に頼って建造した初の空母「Vikrant」号が12日に進水する。中国初の空母「遼寧艦」は去年就役し、日本の第二次大戦以来最大の戦闘艦「いずも」号ヘリ空母も今月初めに進水した。アジア各国間の空母に関する競争が幕を開けた。

10年後インドは3〜4隻の空母を持つことになる。専門家は、インドがかくのごとく空母戦闘群を拡大するのは中国を牽制するためだと考える。ウォッチャーは、中国は空母戦闘群を2020年までに3つにまで増やすため、国産空母を建造中だとする。

【アメリカの隔週刊「フォーブス」ウェブサイト8月13日の文章】 題:中印日、アジアで空母競争を展開 

過去1週間で中国の両側の国家、すなわち南側のインドと東側の日本がそれぞれ1隻の空母を進水させた。

このインドの空母は今後5年実際上はまだ実質的なことはできず、一方この日本の「空母」もおそらく特大の飛行甲板を装備した駆逐艦に過ぎない。

それぞれの大型軍艦がいずれも遠からぬ将来戦闘に投入されると誰も予言してはいない。だがそうではあっても、日本が空母(あるいは駆逐艦ともいう)が中国の「遼寧艦」に対応するためのものであることはほとんど確実である。

日本人の行いは慎重で、この排水量1.95万トン、2年後には行動準備が整う「いずも」号に関し誇大宣伝は行っていない。だが日本が成功裏にこのような軍艦を製造したことは、あるいは日本が持つ争いのある島嶼の支配権に対する中国の挑戦を弱めることができるかもしれない。

インドは逆に排水量3.75万トンの「Vikrant」号に関し大ぼらを吹き、これは自分たちの初の「国産」空母だと言っている。「Vikrant」号は完全にインドで設計されかつ建造されたが、まだ使用に投入できるには程遠い。

事実として、インドが「Vikrant」号を作戦に適するようにさせたければ、依然非常に多くの作業をなす必要がある。もし駆逐艦の保護の提供がなく、供給船や補給船の燃料の補給がなく、かつ1,500名の艦員に充分な食物の提供がなかったら、「Vikrant」号が参戦することはできない。

もし中日印の空母がある日開戦したら、きっと排水量がいずれも10万トンに近い「ジョージ ワシントン」号や「ロナルド レーガン」号空母がこの地域で大いに威風を誇示し、今年間もなく進水する「ジェラルド フォード」号空母に代表される新世代スーパー空母はなおさら言うまでもない(頑住吉注:日中の艦いずれにせよアメリカのスーパー空母には全く及ばない、というようなことが言いたいんでしょうか)。

(頑住吉注:4ページ目)インド空母艦載機は通常発着方面の経験が現在依然ゼロである

(頑住吉注:5ページ目)遼寧艦の改装は中国のために少なからぬ空母建造の経験を積ませた

(頑住吉注:6ページ目)インド国産空母は進水した「半完成品」に過ぎない

(頑住吉注:7ページ目)インドには現在決して充分な空母建造の経験はない

(頑住吉注:8ページ目は6ページ目と同じです。)


 中国による評価は貶めすぎていると感じますが、インド自身の評価は逆にちょっと甘すぎるような気がします。スキージャンプ発進、制動による降着を行う空母の使用経験がないというのは大体合っていますが、現在すでに陸上でシミュレーション訓練を開始し、間もなく「ヴィックラマディヤ」でも経験を積むことになり、「Vikrant」就役までには一定のレベルの飛行員が揃っているでしょう。また発着の形式が違っても、「空母の使用経験」として生きる部分は多いはずです。














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