中国の航空関連2題

 相互に関係ない短めの記事を2つ紹介します。まず殲ー20関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20150918/20417730.html


2016号殲ー20、ロシアのエンジンの継続使用を事前に示す 年産50機を極力勝ち取る

(頑住吉注:この記事のキャプションは変な言い回しが多用されて読みにくく内容もないので省略します。)

最近最新の中国国産第4世代ステルス戦闘機であるコードナンバー2016の殲ー20原型機が西南の某飛行場に鮮烈に出現した。この機はこれまでの2013、2015号原型機と空力外形が基本的に同じで、DSI空気取り入れルートの隆起に小幅な改造と形の修正があっただけで、内部に某種の探知計測設備が追加装備されたらしい。また機首のレドーム同様明るい灰色の塗装が採用された。現在すでに高速滑走が開始され、あるいはまもなく初飛行かもしれない(頑住吉注:コラムでお知らせしたようにその後すでに初飛行しています)。去年3月1日に2011号第1号機の殲ー20原型機が初飛行して以来、すでに7機の殲ー20原型機が初飛行を終えている。

また中ロのスホーイー35戦闘機購入が固まろうかという際、F117Sエンジンもまた中ロ兵器販売の論争の場所となっている。大量のF117S購入は明らかに殲ー20戦闘機に装備して使用するためである。現在世界に高性能エンジンを生産する能力を持つ企業は指を折って数えられるほどしかない。このため殲ー20戦闘機が将来どんな種類のエンジンを採用するかこそ、現在中国の第4世代戦闘機が考慮することを早急に必要とする問題である。2016号殲ー20の出現は中国の第4世代機が将来どういった代替の動力を採用するかを事前に示しているのだろうか?

(頑住吉注:これより2ページ目)

現在殲ー20戦闘機が使用するのはロシアのAL-31Fエンジンである。殲ー20の最初のエンジンノズルは中国が導入したスホーイー27のそれと決して差はなかった。だが殲ー20には後にエンジンノズルのところに冷白色の熱を隔絶するブレードが装備されたが、やはり終始ロシアのAL-31Fエンジンを採用している。中国が現在AL-31Fを使用するのは迫られての止むを得ざる方法でもあり、世界に戦闘機の使用に適する大推力ターボファンエンジンは本来多くはない。そしてAL-31Fエンジンは世界で装備数が比較的多い第3世代ターボファンエンジンである。だがこれは旧ソ連の1980年代の製品に属し、アフターバーナー使用時の推力は125キロニュートン前後で、最大推力は80キロニュートンに満たず、推力:重量比はアメリカの基準に照らせば7.1でしかない。振り返って米軍のF-22戦闘機が使用するF119-PW-100ターボファンエンジンはと見ればアフターバーナー使用時の推力が155キロニュートンに達し、最大推力は100キロニュートンに達し、推力:重量比は10.5に達している。このため現在殲ー20が使用するAL-31Fエンジンは性能上不充分である。このため殲ー20がロシアの最も先進的なエンジンに換装することは必須の趨勢である!

ロシアのリューリカ-サターンエンジン連合体はF117Sエンジンの研究開発を完成させ、このエンジンのアフターバーナー使用時の推力は140キロニュートン、最大推力は88キロニュートンで、推力:重量比は7.5である。だがこのエンジンの欠点も比較的顕著で、F117Sのエンジン1台あたりの重量は2トン以上に達し、これは第4世代機が必要とする、より軽い動力システムと相互に矛盾する(第4世代機のエンジンの理想の重量はおよそ1.4〜1.6トンである)。そして現在もし殲ー20にF117Sエンジンを装備して試験飛行しても、重心の調整に不利であり、しかも117Sは試作が完成したばかりで、まだ殲ー20への装備には間に合わない。現在の殲ー20の進度に照らせば、多くの殲ー20戦闘機がすでに工場の中でリベット打ちを待っており、筆者は殲ー20は今のところまだAL-31Fを採用して試験飛行を行い、さらにF117Sエンジンが導入される時を待って少数の試験改装を行うというようにすれば、殲ー20戦闘機の研究開発プロセスをスローダウンさせないと考える。2017年の確実な就役を極力勝ち取り、年産50機の達成を極力求めるのである!

(頑住吉注:これより3ページ目)

殲ー20戦闘機が採用するAL-31Fエンジンは決して完全な真似ではなく、尾部の銀白色のノズルはステルス性能のために採用された特殊表面処理技術である。この技術は主に機体後部とエンジンノズルの間の電磁特性に用いる(レーダーが発射する電磁波は飛行機の表面特性が不連続な場所でより容易に反射し、ステルス性能の低下をもたらす)。殲ー20は大量の複合材料を採用しており、電磁波特性の1つの全体と見なすことができるが、AL-31Fエンジンのノズルの材料は機体と一体化されず、特殊処理を経ることが必須であり、それでやっと連続性が保持できる。また殲ー20のノズルと機体の連結するところには鋸歯形状のエッジが採用され、レーダー波をレーダーが正常にキャッチできない方向に乱反射させることができる。こうした小ディテールは殲ー20の電磁方面における要求、設計が独自に到達したものであることをはっきり示している。

今日成都の飛行場の上に、我々はすでに奮闘の初歩的成果を見、中国航空人の国際先進技術の追跡、自主創新が取得した重大な突破を見た。まさに去年中国が迅速に第4世代機を作り出せるとは絶対に信じられないとしたカナダ国籍の中国系軍事ウォッチャー平可夫も、止むを得ず客観的に、これは相当に成熟した、創造力ある設計で、関連の研究開発企業は成功者であり、真の実力を持ち、「勝利者は批判を受けるべきでない」と考えている。

時間から見て、1982年に殲ー10プロジェクトが立ち上げられてから1998年に殲ー10が試験飛行するまで、2004年に殲ー10が量産されてから2010年に中国第4世代大型戦闘機がお目見えするまで、中国航空業は改革開放の30年で、どんどん速くなる追い越し車線を走ってきた。特にこの10年は、国家の財力が大きく増えるという大きな背景の下、投資に重点を置き、猪突猛進の飛躍を取得した。未来を展望すると、中国の航空業は第4世代大型戦闘機を突破のシンボルとし、必ずや大型輸送機、ヘリ、水上機、無人機などそれぞれの方面の全体的突破、全面的発展を迎えることになる。それぞれの中国の発展に関心のある国内外の炎黄の子孫で(頑住吉注:「炎黄」は中華民族の祖とされる伝説の人物で「炎黄の子孫」といえば中国人のことです)、中国航空業と空軍の歴史的進歩、歴史的飛躍に大きく欣喜雀躍しない者はいない。(作者の署名:小新)


 国産エンジンが使えるようになるのは見通しも立たないくらい遠い先ということでしょうか。しかもロシアの最良のエンジンにしろ理想的なものではないわけですよね。

 次は一部専門用語が不明ですが中国のヘリ関連です。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/09/16/017805080.shtml


中国、大型複合材料ローターモールドプレッシングシステムで突破 ヘリ研究開発を助ける

複合材料ローターはその重量が軽い、耐腐蝕性がある、疲労寿命が長いなどのずば抜けた特性ゆえにどんどん広範に金属ローターに取って代わり、ヘリ発展および複合材料専業発展の重要な技術的方向となっている。現在国内の複合材料ローターは共硬化モールドプレッシング成形技術を採用しているが、ローターの外形は特殊なので専用のモールドプレッシング成形設備を採用し、もって合模(頑住吉注:意味不明)硬化などの技術的需要を満足させる必要がある。機種研究開発に必要とされるモールドプレッシング成形設備の設計や製造問題を解決するため、中航工業昌飛社はフランスのテリーモールド社と合同で大型複合材料ローターモールドプレッシングシステムを研究開発し、我が国の大型複合材料ローター製造方面の空白を埋めた。

「大型複合材料ローター製造モールドプレッシングシステム合同研究開発」プロジェクトはフランスの先進ヘリローター成形設備製造技術を基礎にし、昌飛社のパテント技術を融合し、合同設計の方法を採用し、大型民間用ヘリ複合材料ローター成形用モールドプレッシングシステムの研究開発を完成させ、大型民間機複合材料ローター研究開発の需要を満足させるのに用いる。この設備は世界先進水準に到達している。またフランスの大型ローターモールドプレッシングシステム設計製造技術を消化吸収し、国内の現有のローターモールドプレッシング設備の改造および後続の大型複合材料ローターモールドプレッシングシステムの自ら行う研究開発のために技術的支持を提供する。

ローターモールドプレッシングシステムの機能と作用

ローターモールドプレッシングシステムは主にスタンパー、型の開閉機構(上下のモールドベース含む)システム、油加熱システム、液圧負荷システム、コントロールシステムという5つの部分からなる。

ローターのスタンパーはローターの空力外形を実現し、寸法の精度を保証する重要な組成部分で、主に上下の型、加熱された油のルートおよび方向誘導位置決定機構からなる。スタンパーの材料の合理的選択、型面構造の最適化設計、油ルート構造の熱バランス分析および設計により、ローター成形の寸法・精度と成形温度の要求が保証される。

型の開閉機構の機能はモールド具の上下型のスムーズな開閉の実現で、型の上昇(あるいは下降)、水平移動、180度回転を実現し、ローターの舗貼(頑住吉注:意味不明。通常はセメントで煉瓦を固定するなどの意味らしいです)や硬化の需要を満足させる。型の開閉機構の設計の重点は型の開閉の全過程での同時性、平穏さを保証することである。

油加熱システムの機能はスタンパーを加熱し、加熱された油をスタンパーの油ルート内で循環させることによりローターの硬化温度のコントロールを実現することである。型の体積、質量が大きいため、温度の正確なコントロールを実現しようとするには比較的高い難度がある。

液圧システムの機能は型の閉鎖後、上下の型に対しロックを行いかつ圧力をかけ、ローター硬化時の圧力の要求を満足させることである。加圧システムの設計の重点はそれぞれの液圧シリンダーグループの運動の同時性を保証することである。

コントロールシステムの機能はモールドプレッシングシステムの加圧、加熱、開閉の予定のプロセスでの進行を保証し、その相互間のロジックコントロールを実現し、ローター硬化成形技術過程を安全に実現することである。

現在の応用および未来の発展

ローターモールドプレッシングシステムは複合材料ローター成形に不可欠なカギとなる重要設備で、現在国内外の複合材料ローターの研究開発はいずれもこの設備に依存している。本プロジェクトの成果はすでに大型民間機AC313複合材料ローターの製造に応用され、かつ民間機AC313A機種への応用にまで押し広められ、生産されたローターはすでにこの2機種に大量に用いられている。この成果は我が国の後続のその他の機種の複合材料ローターの研究開発に有益な作用を果たし、大型ローターモールドプレッシングシステムの自主研究開発を実現し、大型ローター研究開発能力や水準を高め、ヘリ産業化の推進プロセスに対する意義が重大である。

ローターのモールドプレッシングシステムは加熱、加圧および総合コントロール機能を一体に集めたローター成形設備であり、国内外のヘリローターシステム製造領域ですでに比較的広範に応用されている。後続の複合材料ローターモールドプレッシングシステムは、複合材料の自動配置あるいは巻き付けあるいは織り、液体成形など低コスト製造技術と結合し、もって複合材料ローター製造の自動化レベルを向上させ、ローター成形の質と効率を向上させ、ローターの製造コストを下げ、複合材料ローターの製造の精細化を実現することになり、これは未来の複合材料ローター製造の発展方向となる。

(許漂 陳正生 本文の作者の機関は中航工業昌飛)


 またフランスか、ですね。


















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