ロシアと中国の戦闘機生産能力

 これも記事タイトルから想像される内容とぜんぜん違う記事でした。

http://military.china.com/important/11132797/20170206/30233089_all.html#page_2


成都飛行機、殲ー20戦闘機の生産ラインを新たに建設 生産能力はロシアの工場の2倍あまり

先週、静まり返ってすでに久しいロシアのミグ社についに新たな作品ができ、彼らは発表会を行い、ミグー35戦闘機の「輝かしい登場」を宣言した。

ロシアメディアはこれまで同様、ほしいままに法螺を吹き始めている。いわくミグー35は「ミグー29のあらゆる欠陥を修正した」の、いわく「第4世代++戦闘機」だの、いわくこの機のミグー29に対する改修の幅はアメリカのF/A-18E/Fスーパーホーネットに負けない」のと‥‥いくつもある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ミグー35戦闘機は見たところあまり大きく改良されていないようだし、確かにそうである‥‥」)

しかし実質上、この飛行機は決してロシアメディアが宣伝するように「輝かし」くはない。

価格の制限ゆえに、ミグー35戦闘機はロシアが何度もの航空展において至る所でセールスした「ズーク」-A型アクティブフェイズドアレイ火力コントロールレーダーを決して採用してはおらず、機械スキャンの「ズーク」-Mを使用している。だがその探知計測距離はアクティブフェイズドアレイ同様の160kmに達していると称している。

しかも何年か前かつてインドに向けセールスされた「旧」ミグー35のベクトルノズルとエンテ翼も、「新」ミグー35には出現していない。この機が使用するエンジンはミグー29K、ミグー29M2と同じ型で、ベクトルノズルはない。

また、この機の航続距離は3,500kmに達しており、何故なら機体構造が大範囲で新材料を用いるよう改められ、重量軽減効果が比較的顕著で、さらに同時にミグー29戦闘機上の必要のない設計が取り消され、例えばストレーキ上の補助空気取り入れルートなどで、かつこうした構造を取り除いた後に空いたスペース内には新たな燃料タンクを取り付けたからである。

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「以前インドに向けセールスされたミグー35原型機はズーク-AEレーダーを装備し、アクティブフェイズドアレイアンテナを採用していた」 続いて2枚目。「現在ミグー35が用いるのは依然ミグー29K同様のズーク-M機械スキャンレーダーだが、ミグ社はその探知計測距離はアクティブフェイズドアレイレーダーと同様だと称している」)

宣伝とは異なり、ロシア航空宇宙軍は決してまだミグ設計局とすぐには購入契約を締結せず、逆に展示式に参加した航空宇宙軍上将は、試験飛行を経てこの機の性能が言明される水準に到達していることの実証を経た後にのみやっと購入するだろう、とした。彼は意味深長に、「レーダー探知計測距離160km、航続距離3,500kmにもし到達できたら、確かに空軍の要求を満足させる。」と語った。背後の意味は、皆分かっている。

ミグ社もこうしたハード指標方面が決してまだ完全に一定の水準に到達していない可能性があることをはっきり分かっているようだが、今回の展示活動は主に国外ユーザーに照準を合わせているため、彼らが努力して宣伝するのはミグー35が新型光電子吊り下げポッドを装備する能力を持ち、しかも各種の先進的な空対地武器が使用できることである。この機の潜在的ユーザーであるエジプト空軍に対しては、あるいはこれは確かに比較的合理的な宣伝文句かもしれない。

あるロシアメディアは、「ミグー35はロシア空軍の未来の建軍計画の中で比較的二の次の位置を占めるだけで、航空宇宙軍はその実際の性能水準を根拠に、35〜70機購入することになる」と有り体に語る。

実はミグー35の各種の紹介から見て、この機の電子システム技術水準は中国が2004年に装備した殲ー10A戦闘機に近いかもしれない。スホーイー35と比較しても間違いなく非常に「新鋭」だとは評価できないが、もしああいった依然旧式のスホーイー27やミグー29を装備している相手にちょっと対応するのに用いる、あるいはテロ分子の打撃に用いるならば、ミグー35はやはり使用に適する。

将来ミグー35にはさらに「選択装備」リストに列せられた「ズーク-A」レーダーを装備され、真に「第4世代++」戦闘機として天空を飛翔するチャンスがあるのか否か? 国外ユーザーがいるかいないかだけを見れば、間違いなく否の可能性が比較的大きいが、まだチャンスはある。

我々はまずロシアの現在のいくつかの主要な飛行機製造工場の生産能力を計算してみよう。

過去の文章でかつて言及したことがあるが、現在ロシア空軍の真の新型作戦機は、主にここ何年か以来購入されている300機に満たない戦闘機である。こういった戦闘機は主に4つの飛行機製造工場由来である。スホーイー35、スホーイー30M2、スホーイー27SM3を製造する共青城飛行機製造工場、スホーイー30SMを製造するイルクート飛行機製造工場、スホーイー34を製造するノヴォシビルスク飛行機製造工場、およびモスクワに位置するミグ社である。

上述のいくつかの工場は、過去の何年か以内、平均毎年ロシア空軍に引き渡す戦闘機の数はいすれも20機を超えていない。

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「熱気あふれるスホーイー35の生産作業場。将来まる何年か内はずっとこのように熱気があふれているだろう」 続いて2枚目。「比較すると、ノヴォシビルスクのスホーイー34戦闘機生産ラインは見たところいくらか活気に欠け、結局のところこの飛行機には海外ユーザーがないのである」)

最近明らかにされた生産計画によれば、共青城工場の2017年、18年の生産量は20機を超えることになり、このうち本国の空軍に向け12機のスホーイー35Sを引き渡し、中国空軍に向け10機のスホーイー35SKを引き渡す。この工場の生産能力はロシア国内各工場のトップに列せられる。

だが上述のいくつかの工場の生産能力は、ソ連時期の設計をもって見れば、おおよそいずれも毎年一個連隊24機の戦闘機の水準である。中国の沈陽飛行機と成都飛行機は技術改良を経て脈動生産ライン技術を採用した後、毎年の生産能力が現在すでに倍近く向上し、成都飛行機はさらに殲ー20のために生産ラインを新たに建設した。この数字だけで皆、「土豪」と貧乏人の過ぎし日々とでは本当に違うのだということをすぐに見て取ることができる。

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「最初はほとんど完全に共青城工場の生産技術を真似した沈陽飛行機社は現在ではすでに脈動生産ラインを採用し、真の流れ作業を実現している。」 続いて2枚目。「成都飛行機の殲ー10B組立作業場の模糊とした画像。設備の先進さの程度が上のロシアのいくつかの工場に完勝なことが見て取れる」)

言い換えれば、ロシアの現在の財政状況をもってすれば、やはりおおよそ毎年60機の戦闘機の購入を支持する水準である。

スホーイー35S、スホーイー30SMとスホーイー34、ないし後のT-50戦闘機は、良いことは良い。しかし今後何年か以内のロシアの軍事費は必然的に削減に直面し、おそらくはもはやこれまでの何年か同様の「大盤振る舞い」で継続して購入することはできなくなる。ひとたびこのようになるや、相対的に廉価なミグー35がこれにより「起死回生」するかもしれない。もしもロシア経済がさらに何年か不景気だったら、ひょっとするとミグー35の装備数は70機を超えられるかもしれない。


 やはりミグー35はそんなに大それた新機種ではないようですね。アクティブフェイズドアレイレーダーやベクトルノズルを装備することはできるわけですが、当然コストも上がるわけで、その場合の価格と全体性能のバランスはスホーイー35等に比べどうなんでしょう。まあ殲ー31が中国の期待通りに完成すれば国際市場でも押されるでしょうし、次世代の中型戦闘機開発が求められ、先日紹介した記事のように日程には上がっているようですね。


















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