中国の強襲揚陸艦

 どうしても空母より地味な存在ですが‥‥。

http://military.china.com/important/11132797/20131119/18157844.html


少将が明らかに:中国の新たな上陸戦闘艦は4万トンに達する

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国が国際安全保障業務展で直通甲板型上陸艦の模型を公開展示するとともに、中国が新型強襲揚陸艦を研究開発する意図はもはやすでに秘密ではなくなっている。」)

グローバルネット総合報道:2013年11月18日、中央テレビニュース番組の報道によれば、著名な軍事専門家の尹卓海軍少将は中国の新型上陸作戦艦艇の細目を初めて明らかにした。尹卓海軍少将は、新型上陸作戦艦艇のトン数は日本の海上自衛隊の「いずも」級ヘリ空母の1.5倍だとした。つまり「いずも」級ヘリ空母の排水量が27,000〜30,000トンだとしたら、中国の新世代上陸作戦艦艇の排水量は40,000〜45,000トンに達することになる。尹卓少将は番組の中で、中国が研究開発する「藍鯨」ティルトローター機は上陸作戦に対し重要な意義がある、と語った。

2012年、同様に中央テレビの番組の中で、司会者が直ー10ヘリが空母上に配備されるか否か問うた時、尹卓少将は次のように答えた。「直ー10と直ー19が強襲揚陸艦に搭載される可能性はある。我々が現在開発する新世代上陸艦のトン数は非常に大きく、4万トンの強襲揚陸艦であり、将来その上に大型突撃ヘリが搭載され、我々のこの種の武装ヘリが航路護衛を行う必要がある。」(頑住吉注:ならトン数は去年もう明らかにしてたわけですよね) また、テレビ番組の中で尹卓少将は、我が国の武装ヘリが海兵隊にきっと装備されることを認めた。

尹卓、江西省泰和県の人。建国時の少将尹明亮の子。中央テレビ「軍情連連看」などの番組のゲスト司会、著名な軍事専門家。1945年9月生まれ。中国共産党員、海軍情報化専門家委員会主任、中国人民解放軍海軍装備論証研究センター総合論証研究所高級研究員、階級は少将。長期にわたり軍事学術研究業務に従事し、かつて海軍戦略研究所所長を務める。研究の方向は海軍戦略、海軍戦役。尹卓少将は初めて我が国が強襲揚陸艦を研究開発し、海軍発展戦略を研究していることなどを認めた。

(頑住吉注:ここまでがニュースで、以後は別の評論のような感じです。)

「2012年バンコク安全保障業務展示会」で最も人の注目を引きつけたのは、中国が初めて2万トン級直通式甲板の強襲揚陸艦(ヘリ空母とも言う)を国際市場にプッシュしたことだった。以前ある情報は、中国は071型ドック上陸艦の建造が終わった後、数隻の081型直通式甲板強襲揚陸艦を建造することになる、としていた。もし情報が信頼できれば、今回タイ安全保障業務展に参加したこの中国のヘリ空母こそ081型艦艇である可能性が高い。一部のメディアは、071型ドック上陸艦はしばらくは中国の需要を満足させられるが、その性能は未来の中国の負担の大きい遠洋上陸任務に適応することは難しい、と考える。中国国産大型上陸戦闘艦だけに関して言えば、フランスの「ミストラル」級直通甲板強襲揚陸艦に似たものの中国に対する貢献は極めて大きなものになる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「これはアメリカ海軍第7艦隊の『ボクサー』号強襲揚陸艦。海軍の空母の他、アメリカ海兵隊の強襲揚陸艦も同様に空母に比肩する強大な作戦能力を持つ。しかもF-35B正式搭載後は、米軍の強襲揚陸艦の戦闘力には顕著な向上が達成されることになる。」です。)

これだけではなく、最近米軍が発表した「中国軍事力レポート」は、中国は5年以内に新型の081型ヘリ搭載強襲揚陸艦の建造を開始する、としている。ならば中国は強襲揚陸艦を開発するのか否か? どのような強襲揚陸艦を開発するのか? 我々は今日この問題を検討する。

一、071級上陸艦の欠点は中国海軍が強襲揚陸艦を開発する主要な原因である

冷戦の時期、上陸戦闘艦の地位は空母に匹敵し難かったが、日増しに負担が大きくなる上陸任務は、この種の艦艇を世界の主要国の開発の重点とさせた。アメリカ、フランス両国は疑いなくこの領域の優秀者である。このうち、アメリカは「イオージマ」級、「タラワ」級、「ワスプ」級強襲揚陸艦、フランスは「ミストラル」級強襲揚陸艦をもって、彼らのこの領域における優勢な地位を確立した。当人たちがアメリカ・フランス両国は上陸戦闘艦領域の主導的潮流であると考えていた時、2006年、中国国産の071型ドック上陸艦が進水し、そのずば抜けた性能はアメリカ・フランスの上陸戦闘艦領域における強力なライバルを増やした。だが海軍に関する蓄積が豊富なアメリカ・フランス両国に比べ、中国はまだ短期間内に追いつくことは難しい。

071型ドック上陸艦は中国が自ら研究開発し建造した初の大型上陸戦闘艦である。この型の戦闘艦で現在すでに完成、進水しているのは4隻である。性能から言うと、071型は明らかに日本の海上自衛隊が装備する「おおすみ」級上陸艦より優れている。その航路護衛過程でのずば抜けたパフォーマンスから、071型が現段階の中国海軍の作戦任務に耐えることを見いだすのは難しくないが、中国海軍の長期的な需要に関して言うと、071型には疑いなくなお多くの不足が存在する。

071級上陸艦の火力支援能力の不足はその最大の問題である。

ドック上陸艦である071の上陸作戦での主要な任務は人員と物資の輸送である。だがその相当に限られた火力支援能力は、中国海軍を上陸作戦の中で戦力的ボトルネックに直面させる。071型上陸艦の攻撃武器は単砲身76mm艦砲1門とその他の口径がさらに小さい艦砲だけである。このように弱い火力打撃能力は敵の堅固な岸辺の陣地に対しては隔靴掻痒同然である。

071級上陸艦の艦載ヘリの性能は限られている

現在、071型ドック上陸艦は同時に2機の国産直ー8ヘリを発着させることができる。このヘリは1980年代に中国がフランスから導入した「シュペル フルロン」ヘリのコピー生産型である。艦載ヘリとしても、大型上陸艦上に装備して上陸作戦に用いるにも適していない。例えば、アメリカ・フランスがそれぞれ装備する「シーホーク」と「ピューマ」型ヘリは、輸送任務を非常に良好に完成させることができるだけでなく、同時にその異なる改良型は対潜、対艦、早期警戒など多くの任務にも耐える。

071級上陸艦は指揮ハードウェア設備が不足である

中国海軍の現在数多くない大型上陸艦として、071級は固有の輸送任務を引き受ける必要があるだけでなく、さらに艦隊の旗艦、および敵前の諸兵種合同指揮部の作用を果たす必要がある。これは現段階のアメリカ・フランスなどの上陸戦力強国がその大型上陸艦に提出する基本的要求でもある。このため、フランスは「ミストラル」級強襲揚陸艦に「ドゴール」号空母と同型の指揮システムを配備しようとしているのだ、と言える。現在まだ071型上陸艦が装備する指揮システムの具体的データはないが、その外形に対する解読によって、指揮ハードウェア方面で071級にはっきりと不足が存在していることに気付くのは難しくない。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「これは今年8月、日本が22DDHヘリ空母の第1号艦『いずも』号を進水させる前の画像である。その排水量、体積、潜在的戦闘能力向上の余地は、すでに現有の軽空母をはるかに超えている。」です。)

二、中国は切迫して直通甲板の強襲揚陸艦を必要としている

ヘリ空母は多様化された上陸作戦任務を引き受けることができ、特に攻撃能力はドック上陸艦に比べ非常に大きく向上している。技術がより先進的なアメリカ製製強襲揚陸艦、フランス製の「ミストラル」級強襲揚陸艦に比べると、これらはむしろ中国の081型ヘリ空母の「お手本」となるのに適している。

概念について言うと、ドック上陸艦と強襲揚陸艦には本質的な差異が存在する。だが中国のような新型海軍国に関して言えば、前者は通常全て後者の技術的基礎である。前者の発展を通じて累積されるのは大型水上艦艇建造の技術的経験だけではない。これに比べると、いかにして多様化された建造過程を通じ、全体効率に向上を獲得させるのかがより重要な方面となる。フランス製の「ミストラル」級強襲揚陸艦に似たこのような081型直通甲板強襲揚陸艦は、まさに中国にこの方面の経験を提供できる。

船舶建造領域には、ずっと民間用と軍用という2つのスタンダードが存在している。両者には本質の上では決して差異は存在せず、主に船体構造の堅固さの程度と安全重視の程度の差異にある。以前には第二次大戦の時期に、膨大な戦争の需要に制限を受けて、米英両国が商船を基礎に大量の護衛空母を建造した例があるだけであるが、この後民間用造船スタンダードは軍艦建造領域に進入を開始した。だがこの種のやり方は決して普及することはなかった。原因はごく簡単で、民間用のスタンダードをもって建造された船舶は、明らかに戦時における敵サイドの砲火の打撃を受け入れ難いからである。だが戦争の形式の改変と造船技術の発展につれ、この種の見方にも発展変化が発生した。現在見たところ、中国には大型民間用船舶の建造技術を081型ヘリ空母の建造に用いる能力が完全にある。

フランスの「ミストラル」級強襲揚陸艦は、甲板と動力室など重要部位に軍用のスタンダードを採用していることを除き、主要な船体構造にはいずれも構造が簡単で、建造コストがより低く、構造強度が受け入れ可能な範囲内にある民間用スタンダードを採用している。この挙は極めて大きく大型戦闘艦の建造コストを低下させただけでなく、戦闘艦の構造を相対的に簡単なものに変え、メンテナンスや改装に有益で、さらに重要なのは、民間用スタンダードの大量採用は、中国にその膨大な先進的民間用造船体系を戦闘艦建造領域に応用する条件を生じさせることである。戦闘艦の建造コスト低下、建造速度と技術レベルアップを図る中国にとって、「軍艦を民間で作る」経験は疑いなく値段のつけようもない宝であると言える。

もし各タイプの大型上陸艦に分類を行うとしたら、071型というこのドック上陸艦は初級の艦種に属し、一方直通甲板の強襲揚陸艦はハイエンドの艦種に属し、多様化された上陸作戦任務を引き受けることができ、特に攻撃能力はドック上陸艦にくらべ非常に大きく向上しており、これは強大な上陸戦力の獲得を極力図るいかなる国も、最終的に装備することが必須の艦種である。

技術がより先進的なアメリカ製強襲揚陸艦、フランス製の「ミストラル」級強襲揚陸艦と比べると、これらはむしろ中国の081型ヘリ空母の「お手本」となるのにより適している。「ミストラル」級強襲揚陸艦はフランスが開発した第4世代上陸艦で、16機のヘリ、4隻の上陸艇、70両の装甲車(13両の戦車含む)、および450名の兵士を搭載することができる。同じく強襲揚陸艦として、もしフランス製の「ミストラル」級とアメリカ製「ワスプ」級に対比を行うなら、両者には全体構造上大きな差異は存在しないことに気付くのは難しくない。最も主要な差異は、フランスは短距離/垂直離着陸戦闘機を装備していないことで、このためその上陸運輸と攻撃能力は主に各タイプのヘリから来る。このため、「ミストラル」は、艦体をやや小さく建造する条件もあるし、必要もある。中国に関して言えば、同様に短距離/垂直離着陸戦闘機をまだ装備しておらず、「ミストラル」の模式は中国が立脚する現有の技術的基礎とすることができる。強襲揚陸艦の建造と使用の能力をひとまず持ち、未来の必要と装備技術が全部要求に到達した後、さらにアメリカの「ワスプ」級に類似した大型強襲揚陸艦を建造するのである。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「技術装備の進歩につれ、強襲揚陸艦はすでに現有の軽空母に取って代わることができる。例えば、スペイン海軍の『アストゥリアス王子』号軽空母(画像)である。この空母は今年のやや早い時期にすでに正式に退役し、その戦闘職能はスペイン海軍の強襲揚陸艦によって取って代わられた。」です。)

三、中国の強襲揚陸艦の応用の前途を分析

まさに中国の空母発展の目標が大型空母であるのと同様に、現実的必要性から、中国の強襲揚陸艦の目標もアメリカ製の「ワスプ」級に似た大型強襲揚陸艦である。つまり、「ワスプ」級に似た大型ドック上陸艦は中国の上陸艦の最終的な発展目標と見なすことができる。

現在、中国海軍の作戦任務は依然区域性の防衛作戦に属し、加えて動力システムの制限および航行速度、機動能力などの方面の考慮があり、中国のヘリ空母のトン数は2万トン前後に違いなく、つまりサイズは071型と同等で、全長210m前後、全幅30m前後である。

081型ヘリ空母はアメリカの強襲揚陸艦に似た旗艦の作用を発揮することになる。もし全通式甲板を採用したら、少なくとも4つの発着ポイントを提供し、同時に4機のヘリが発着できる。機格納庫はヘリ10機前後を収容でき、加えて甲板があり、総搭載機数は20機前後に到達し得る。

ヘリ空母は指揮コントロールシステムが強化されているため、より有効に艦隊内の各対潜作戦ユニットの作戦行動が協調でき、加えてその艦体は比較的大きくて安定性が比較的よく、同時に複数のヘリを発着させて高強度の対潜作戦行動を支持でき、かつ海の状況が悪い時にも依然ヘリ発着の作業ができ、連続的な作戦が行える。防御武器に関しては、ヘリ空母は艦隊の指揮艦として使用され、通常作戦艦艇と一緒に行動することを考慮すると、このためあまり複雑で長射程の武器システムは必要なく、近距離対空ミサイル、近距離防御火砲システム、電子戦システムなどが含まれる。

すでに開始されている水上艦艇建造ブームに着眼すると、中国は明らかにすでに水上戦力を海軍の主導とすることを決定している。予見できる未来に中国海軍が同等の海軍の実力を持つ国と大規模な戦争を発生させることはほとんどあり得ないが、東南アジア諸国の中国に対する主権侵犯のようなものが引き起こす可能性のある局地的海上衝突は、中国海軍が直面する主要な問題となる。このため、遠洋上陸作戦能力は、実際上遠洋海空戦能力に比べ中国海軍にとってより意味がある。このため、現実的需要という考慮からすると、中国は疑いなくアメリカの「ワスプ」級というこの総合化された大型強襲揚陸艦に似たものを大型空母に比べてより必要とする。

現在最も現実的な南海危機に関して言えば、空母の東南アジア諸国に対する威嚇能力は実際上相対的に限られている。原因はごく簡単で、南海は中国の領海であるが、こうした国が迅速にその勢力を本国に引っ込めさえすれば、中国の強大な艦載機編隊は明らかにその領空に侵入することはできず、このためこの種の「敵が進めばこちらは退く」の策略は中国に非常に大きな費用を消耗させ、それなのに最終的効果は相当に限られているからである。だが大型強襲揚陸艦は違う。これは空母に似た短期的威嚇能力を発揮できるだけでなく、その大量の陸戦人員と装備は、他国が侵略占領した中国の島嶼に対する「垂直上陸」による有効な取り戻しと支配ができ、甚だしきに至っては敵国に対する浸透を行い、限定的な懲罰性の打撃を行うこともできる。威嚇手段がより全面的なだけでなく、持続時間がより長く、疑いなく効果がより良い。

また、中国海軍はすでに徐々に近海から遠洋に向かっており、南海危機は中国に対する試練が極めて大きいが、紛糾は結局のところ中国の領海範囲内で発生するのであり、アメリカ式のグローバルな遠洋防御布陣のプレゼンスとは極めて大きな差異がある。もし対テロ戦争と経済危機に挟み撃ちされているアメリカであっても、その海軍は依然全世界の海洋への有効な到達、および全世界のホットなポイントたる目標に対する遅れることのない影響力行使を保証できる。この過程で、米軍は決して常に安定して信頼できる港を獲得できるわけではない。このため、大型上陸艦から来る持続性の総合戦力は、中国の現段階の広範かつ強度が高くない地域衝突に対応する主要な手段となる。

予見できる年代の中で、現実的必要と経費の原因に制限され、中国空母は大量に建造し難い。これに比べ強襲揚陸艦に代表される大型上陸艦艇は、中国海軍のより長い一定の時期内の戦力の核心となる。この領域の造船技術と応用経験の累積は、中国海軍が世界の海軍強国の地位を獲得する極めて大きな助けになる。

(頑住吉注:5ページ目)ネット上に流れ伝わる建造中の未知の中国艦艇。外観上鮮明な強襲揚陸艦の特徴を持つ。

(頑住吉注:6ページ目)中国海軍はすでに多数の071型ドック上陸艦を装備しており、中国海軍の上陸作戦能力は顕著な向上を獲得している。

(頑住吉注:7ページ目)これは今年3月、中国海軍の071ドック上陸艦が南海で上陸演習を行う中で、ホバークラフト上陸艇を発進させているところ。

(頑住吉注:8ページ目)ヘリとホバークラフト上陸艇の不断の装備は、中国軍の上陸突撃兵力を文字通りの「鉄拳」とすることになる。未来の大型強襲揚陸艦の就役と共にこの種の能力は完全に米軍に比肩し得るものになる。


 航空機や戦車だけでなく、中国にはまだ艦船の動力にも問題を抱えており、1万トン級の駆逐艦も実現せず、071型ドック上陸艦は2万トン級ながら動力はディーゼルエンジンで22ノットしか出ません。だから後の方の評論では、「中国のヘリ空母のトン数は2万トン前後に違いなく、つまりサイズは071型と同等」とされているわけです。尹卓海軍少将の言う「新型上陸作戦艦艇のトン数は日本の海上自衛隊の『いずも』級ヘリ空母の1.5倍」というのはちょっと信じられませんが、「遼寧艦」の蒸気タービンを参考にして類似の国産動力を作れる、あるいはウクライナからより出力の大きいガスタービンが入手できる見通しがついた、などの可能性もゼロではないでしょう。





















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