韓国のミサイル防衛

 当然のことながら韓国もミサイル防衛に力を入れていますが、いろいろ問題も多いようです。

http://military.china.com/news2/569/20130222/17694163.html


韓国軍、30分以内に北朝鮮の核目標を識別し破壊する能力を具備へ

【グローバル時報駐韓国特約記者 王剛】 アメリカのワシントンで開催中の韓国・アメリカ高級軍事会議は、北朝鮮の移動式弾道ミサイルを識別し、かつ破壊できる「殺傷鎖(Kill Chain)」方案を深く突っ込んで討論すると決定し、しかもそれを作り上げる時期は2015年から来年末まで繰り上げられる可能性がある。この方案によれば、韓国軍は30分以内に北朝鮮の核あるいはミサイル目標を識別し破壊する能力を具備することになる。だが、北朝鮮に対し「先んずれば人を制す」の打撃を行うことは全く非現実的で、韓国は現在単独では目標を掌握、識別する能力を全く持たない、と考える分析もある。

30分の「殺傷鎖」の加速しての推進

韓国の「中央日報」21日の報道によれば、韓国国防省は20日対外的に、韓国、アメリカ両軍上層部は21日、22日にアメリカのワシントンで第3回韓米統合国防協議体(KIDD)会議を開催し、主題は北朝鮮の核を抑制する対策を討論することである、とした。韓米両軍は共同で北朝鮮の大規模破壊兵器の脅威を分析、評価し、かつ共同で抑制戦略と核危機発生時の韓米間の協議の手順などを制定することになる。会議はもし北朝鮮に韓国に対する攻撃実施の兆候が発見された時、いかにして「先んずれば人を制す」の打撃を行うかの問題を重点的に討論し、かつ本来2015年に完成すると定められていた対北朝鮮「殺傷鎖」システムも来年末完成に繰り上げられる可能性がある。

韓国メディアの報道によれば、対北朝鮮「殺傷鎖」はリアルタイムに北朝鮮軍の移動発射台上で発射されるミサイルの挙動を探知計測し、かつこれに対し打撃を行う攻撃型システムであり、システムは探知計測、評価、決策、実施、打撃などいくつかのステップを含む。韓国軍が想定する作戦プログラムは、北朝鮮に対する「殺傷鎖」が1分以内に北朝鮮の核およびミサイル目標を探知計測し、1分以内に座標を識別し、3分以内に打撃武器を選定して発射を決定し、残る25分以内に北朝鮮の目標に対する正確な打撃を完成させる、というものである。相手方の目標を探知計測するために動員する必要のある武器装備には監視偵察衛星、通信衛星、情報衛星、偵察機などが含まれ、しかも打撃実施にはミサイル、戦闘機などの装備を必要とする。全体で費やされる資金は2兆〜3兆ウォンである。

韓国の「殺傷鎖」の実戦能力はどのくらい強いのか?

現在韓国軍は打撃手段方面では基本的に完成状態にあり、これには射程180kmの「玄武-1」型、射程300kmの「玄武-2」型地対地弾道ミサイル、射程500〜1,500kmの「玄武-3」地対地巡航ミサイル、最近公開された射程1,000kmの「海星-2号」艦対地巡航ミサイル、潜水艦から発射される射程500kmの「海星-3号」巡航ミサイルが含まれる。韓国は2010年から始まってすでに4隻の1,800トンクラスの214級潜水艦に「海星-3」巡航ミサイルを配備している。もし北朝鮮から距離が比較的近い海域で発射を行えば、10分以内に北朝鮮の吉州郡豊渓里核実験場を破壊できる。韓国軍は自らの巡航ミサイルの精度は非常に高く、目標位置に対する攻撃誤差は1〜2mであり、かつ威力は非常に大きく、面積がサッカー場サイズの場所を「焦土と化す」ことができると考えている。

だが偵察手段方面では、韓国は明らかにアメリカ軍に頼る必要がある。アメリカのKHー12偵察衛星やU-2高空偵察機、「グローバルホーク」無人偵察機などは北朝鮮に対する絶え間ない監視網を形成できる。一方韓国の「アリラン-3号」衛星と「金剛」、「白頭」偵察機は必要な補充になり得る。韓国軍は2021年になってやっと自らの軍事偵察衛星と超高空無人偵察機を持ち、このため現段階ではアメリカ軍の偵察力に頼ることが必須である。

韓国、「片手で矛を取り、片手で盾を取る」ことを渇望

実は2012年10月24日、韓米両国はアメリカのワシントンで行った第44回韓米安保協議会において、北朝鮮に対する「殺傷鎖」システム構築に焦点を合わせ一致を達成している。北朝鮮に対する「殺傷鎖」は目標確定後アクティブに攻撃を加えるシステムであり、それ自体は対ミサイル機能を持たない。だが韓国軍が建設中の韓国型ミサイル防衛システムは10〜30kmの低空で敵サイドの弾道ミサイルを迎撃する低空防御システムである(頑住吉注:航空機にとっては高空ですが、ミサイル迎撃という基準では低空ということでしょうか)。ある分析は、韓国軍はアメリカ軍の援助下で攻防兼備の作戦システムを全力で作り上げることを希望している、とする。

だが韓国国内メディアはこの構想に対し決して完全に楽観的ではない。韓国の「京郷ニュース」の14日の報道は、実際には韓国の北朝鮮に対する「殺傷鎖」システムは決して想像のように強大なものではなく、北朝鮮に対する「先んずれば人を制す」打撃は現実には決して容易ではない、とする。まず北朝鮮の非常に多くの核施設は全く外界に知られておらず、韓米の偵察技術がどんなに発達しても、これらの目標を探し出すのは依然非常に困難である。さらに加えて北朝鮮の一部のミサイルは移動発射を採用し、打撃を行うのはさらに困難になる。もし最初の「先んずれば人を制す」攻撃が失敗すれば、韓国・北朝鮮間には全面戦争が勃発する可能性が高い。また、韓国の北朝鮮に対する「先んずれば人を制す」打撃が国際法の承認を得られるか否かも問題で、国連憲章に違反する可能性が高い。

韓国の紐西斯通信社は、韓国の軍事費に対する「食欲」は大きすぎ、北朝鮮に対する「殺傷鎖」を構築する必要があるだけでなく、韓国型ミサイル防衛システムを構築する必要もあり、空軍は新世代ステルス戦闘機を購入する必要があり、海軍は「大洋海軍」のスローガンを提出しており、もし予算を全て満足させたら、韓国経済の回復と社会福利への投資が非常に大きな影響を受けることになる、と考える。


 これはいわゆる飛んできたミサイルを撃ち落とす普通のミサイル防衛でも純粋な先制攻撃でもなく、イメージ的には敵のガンマンが銃のグリップに手をやったところで素早く銃を抜いて撃つような、いかにもアメリカ的発想のシステムと言えましょうか。技術的に困難なのは容易に想像できますが、国際法上の問題というのは敵のミサイルを発射前に破壊してしまった場合、敵がまさに発射しようとしているところだったと証明し難い、ということですかね。















戻るボタン