中国の専門家、日本の潜水艦を語る

 通常潜水艦技術でも中国は日本との差を縮めつつあるとされていますが。ちなみに内容の繰り返しが何箇所かあり、たぶん元々キャプションだったものが本文のように表示されてるんだと思います。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/11/16/017936628.shtml


日本、アジア最強の通常潜水艦を作り出す 中国は対潜の重点的発展を必要とする

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「『そうりゅう』級潜水艦はしばしば米軍と合同演習を展開し、合同作戦能力を見くびることはできない。」 続いて2枚目。「日本海上自衛隊の第8隻目の『そうりゅう』級潜水艦『せきりゅう』号が最近進水した。この絵は簡仁山による」)

「イージス」級駆逐艦や「ひゅうが」級ヘリ空母が「名声高い」のとは異なり、日本の海上自衛隊の潜水艦部隊は相対的に言ってずっと「低調」だが、あるいはこうした水中の殺し屋こそ、日本が太平洋の撹乱を企図する「足軽」なのかもしれない。

日本メディアの報道によれば、今月2日、日本の海上自衛隊第8隻目の「そうりゅう」級潜水艦「せきりゅう」号が、川崎重工社の神戸工場で正式に進水した。「そうりゅう」級潜水艦は最も早くは2009年に進水し、現在日本の最も先進的なAIP(非空気依存推進装置)通常動力潜水艦で、最長で海底に2〜3週間連続潜伏でき、非常に偵察および追跡され難い。

第二次世界大戦での戦敗後、日本は平和憲法を制定したが、海上の軍事強国になる野心をいまだかつて全く放棄したことがない。高性能潜水艦はずっとその海上軍事力発展の重点の1つである。1960年代の第1世代潜水艦の登場から2009年に最新型「そうりゅう」級潜水艦が就役するまで、半世紀に満たないうちに日本は全部で9クラスの潜水艦を建造しており、平均6年でもう1機種を建造し、更新世代交代の速度は世界に先んじている。今までに、日本はすでにアジア実力最強と称するに堪える通常潜水艦「狼群」を作り出している。

かつて第二次世界大戦中にこの上ない犯罪行為を犯し、今はずっと「専守防衛」を唱える国が、何故密かに、余力を残さず潜水艦というこの進攻性武器装備を開発するのだろうか? 今期の「軍情視察」はこれに対し解読を行う。

1.ロシア、中国両国を仮想敵とする

日本が潜水艦部隊の建立を開始したのは、旧ソ連艦隊の太平洋進入に防備するためで、その主要な作戦任務は津軽、宗谷、対馬、大隅などの海峡の封鎖だった。旧ソ連解体後、その主要な仮想敵はロシアおよび中国の海軍に変わり始めた。

日本の潜水艦開発は最も早くは前世紀初めにまでさかのぼることができ、この後第二次世界大戦の大規模設計、建造、使用を経て、日本の潜水艦技術は不断の向上を得た。

海軍専門家の李傑は南方日報の記者に次のように教えた。第二次世界大戦終結後、国内の平和憲法の軍隊を持ってはならないという制限を受けたがゆえに、日本の潜水艦建造はこれより10年の空白期に入った。1950年代、アメリカはソ連を抑止するという私心から日本の再武装を開始し、日本の潜水艦力量の強化がその計画の中の1つの重要プロジェクトとなった。

1960年、日本が第二次世界大戦後に自ら設計、建造を行った第1隻目の潜水艦「おやしお」号(後日の「おやしお」級通常潜水艦とは異なる)が就役し、日本の潜水艦部隊の発展が正式に国産化段階に入ったことを象徴的に示した。軍事専門家は、日本初の自ら設計を行った国産潜水艦として、日本は「おやしお」号で非常に多くの新技術を試験し、これには高強度鋼、自動懸吊装置、自動深度コントロール装置の追加装備などが含まれ、「このことは、日本が非常に早くからもう潜水艦力量の発展に極めて大きな野心があったことを示す」。

「おやしお」号の建造成功は、日本に先進的な潜水艦建造に対し相当な自信を持たせた。1960年代、日本は10年以内に「はやしお」、「なつしお」、「おおしお」、「あさしお」といった4機種の潜水艦を開発し、平均2.5年でもう1回のグレードアップを完成させた。「日本は第二次世界大戦の時期に早くももう相当豊富な潜水艦建造経験を積んでおり、1960年代、日本の工業と経済は回復と発展を得、さらに加えて後にはアメリカが提供する技術援助があり、この段階から始まって、日本の潜水艦技術の発展はより迅速さを加えた。」と李傑は語る。

「あさしお」級の建造成功は日本の潜水艦をより大型化の方向に向け発展させた。平和憲法の制限を受け、日本は原潜を研究開発および建造してはならず(頑住吉注:日本国憲法に原潜は持っちゃいけないが通常潜水艦ならいいなんて書いてないですがね)、このため通常潜水艦の大型化が日本の次善の選択となった。専門家は、このことからは日本がいつも現有の憲法の枠組みの下、軍事上の最大の発展を獲得することを企図することが見て取れる、とする。ひとたび平和憲法が突破されれば、日本が極力最新の軍事技術を開発する企図は抑止できなくなる。

1980年代から、日本は相次いで性能がより先進的な「ゆうしお」、「はるしお」、「おやしお」そして「そうりゅう」などのクラスの潜水艦を建造した。ここに至り、日本の潜水艦は成功裏に現在世界で最も先進的な通常潜水艦グループに身を置いた。

李傑は、日本は戦後たった半世紀あまりの発展を経て、もう潜水艦技術強国になったが、これは背後でアメリカの技術援助と切り離せない、と考える。アメリカの日本に対する援助はその日本に対する戦略的位置付けと密接不可分である。米ソが覇を争う期間、アメリカは早急にソ連太平洋艦隊の南下の勢いを抑止しなければならず、アメリカのこの地域における重要な同盟国として、日本は当然に米軍の「足軽」となった。「アメリカ人が当時日本への技術移転を肯定したのは、主にその海軍の発展の重心がすでに原潜に向け移っていることを考慮したからでもある。日本に通常潜水艦を開発させることに関し、アメリカの算盤は自身に対して脅威を構成しないし、また技術移転によって日本の潜水艦の発展の動向もコントロールできる、というものだった。」と李傑は語る。

旧ソ連解体後、日本の潜水艦部隊の主要な仮想敵はロシアおよび中国の海軍に変わり始めた。

「平時において、日本の潜水艦戦闘群の重要な任務は中ロの潜水艦および水上艦艇の追跡、監視、艦船のソナー、レーダーなどの情報データの収集である。戦時は、潜水艦の隠身性能を利用して、密かに敵対国家の艦船に接近し、突然の打撃が実施できる。」と李傑は語る。

2.最強の通常潜水艦群を作り出そうと愚かにも企図する

半世紀にもならず、日本は全部で9クラスの潜水艦を建造し、平均6年でもう1機種を完成させている。現在日本は海上自衛隊の潜水艦の数を16隻から22隻まで増やすことを計画しており、アジアで実力最強の通常潜水艦群を作りだそうと愚かにも企図している。

21世紀に入って、日本は海上力量方面で、潜水艦の強大な防御突破能力は決して無線電子、光学、通信技術など軍事科学技術の進歩ゆえに弱まることはなく、潜水艦部隊は依然日本が周辺情勢に対応する「エース」部隊であると考えた。

2010年7月、日本の防衛部門は同年年末に「防衛計画大綱」を改修し、海上自衛隊の潜水艦の数を22隻まで増加させることを決定した。一方1976年版の日本「防衛計画大綱」によれば、日本は最多で16隻の潜水艦しか持てなかった。これは日本の海上自衛隊の時34年を隔てての初の潜水艦部隊拡充の決定だった。

軍事専門家は、国内の法律の制限および戦敗国の地位にかんがみ、日本の潜水艦部隊は数をもって勝ちを得る考え方を放棄し、ずっと質をもって勝ちを得る戦略を採り、アジア実力最強と称するに堪える通常潜水艦群を作り出すことを愚かにも企図している、と考える。

統計によれば、長年来日本の潜水艦部隊はずっと毎年1隻の古い艦を退役させ、1隻の新たな艦を就役させる方式をもって更新世代交代させ、潜水艦の平均就役年限は16年を超えない。ドイツを例にすると、その205型および206型潜水艦の就役期間は25年以上で、その他の国はより長くさえある。

分析は、日本が高密度で新たな潜水艦を開発し、かつ急速に古い潜水艦を交換する目的は、その潜水艦技術を世界先進レベルに保持することを確保することだ、と考える。統計により、1960年代に日本が「はやしお」級を登場させてから2009年の最新世代「そうりゅう」級潜水艦就役まで、半世紀に満たず、日本が全部で9クラスの潜水艦を建造し、平均6年に満たず即1機種を完成させていることに気付く。往々にして1クラスの潜水艦が建造中に、新たなクラスの潜水艦がすでに設計中で、更新世代交代の速度は世界に先んじている。

「この更新、就役速度に照らせば、実は16隻だろうが22隻だろうがどちらでもいいが、いずれも決して日本の全部の潜水艦の数ではない。」 李傑は、日本がすでに退役させた潜水艦の就役時間が世界平均の25年から50年という就役年限よりもはるかに短いことにかんがみれば、このためこうした「退役」潜水艦の性能は決して立ち後れておらず、逆に成熟した作戦能力を持つ、と考える。「ひとたび必要になれば、随時封印を解いて現役に転じることができる。」

日本の潜水艦の単一の艦での作戦能力も非常に強大である。国内の軍事専門家は、第二次世界大戦終結後何十年かの発展を経て、日本の潜水艦はすでに遠洋作戦能力を具備している、と分析する。排水量から見て、日本の潜水艦の標準排水量は第1世代の「はやしお」級の750トンから、第8世代の「おやしお」級の2,700トンまで、2,000トン増加している(頑住吉注:先日も「ロシアの軍事費は639億アメリカドル、アメリカは6,542億アメリカドルで、ロシアの軍事費支出はアメリカに比べ6,000億アメリカドル近く少なかった」といった表現が使われているのに違和感持ったんですけど、たいていの日本人はこういう場合「3.6倍に増えている」、「1/10以下しかなかった」といった表現の方を選ぶでしょう)。「そうりゅう」級の水中排水量はさらに4,200トンにも達し、世界通常潜水艦の排水量の中で上位にいる。

日本の潜水艦の隠蔽性も不断の向上を得ている。例えば「はるしお」級潜水艦はもう減震音響隔絶クッション、音響隔絶カバー、消音器などのステルス措置を採用していた。「おやしお」級潜水艦はさらに消音スレート技術を採用した。報道によれば、この措置は敵サイドのソナーの探知計測能力を50%前後低下させることができる。

2006年11月、アメリカ海軍第7艦隊「キティホーク」号空母戦闘群と日本海上自衛隊の「おやしお」級潜水艦が「完全実戦」性の戦術切磋を行った。アメリカメディアが事後に明らかにしたところによれば、演習終了後あるアメリカ海軍将官は密かに、日本の「おやしお」級潜水艦は「非常に始末が悪く」で、米軍の対潜部隊に対し多くの思いもよらぬ面倒を作り出してくれた、とした。

日本の潜水艦の武器は日増しに成熟し、攻撃能力は非常に大きく向上している。日本は西側諸国の中で最も早く潜水艦発射ミサイルを装備した国の1つで、1984年から「ゆうしお」、「はるしお」、「おやしお」などのクラスの潜水艦が相次いでアメリカ式潜水艦発射「ハープーン」対艦ミサイルを装備し、敵艦に対し「超視距離打撃」が実施できる。また日本はさらに航行速度55ノット、射程38kmの89式大型有線誘導魚雷の研究開発を自ら行い、破壊力は巨大である。

3.常に米軍と「手合せ」して戦力を向上させる

「そうりゅう」級潜水艦の連合作戦能力は過小評価を許さず、中国海軍はこれに対し充分重視する必要がある。中国はこのため重点的に陸上基地および艦載対潜力量を発展させ、全体的に対潜作戦能力を向上させる必要がある。

日本海上自衛隊の最新型通常潜水艦として、「そうりゅう」級潜水艦は日本海上自衛隊が敵に勝ち勝利を制する5大「切り札」の1つとされる。「このクラスの潜水艦は現在世界でトン数最大の通常潜水艦で、総合作戦性能は世界のあらゆる通常潜水艦の中で上位にある。」と李傑は評価して語る。

「そうりゅう」級潜水艦が関心を集めるのは、非常に大きな程度上それが日本初のAIP潜水艦基準に照らして設計製造された潜水艦だからである。理解されているところによれば、現在日本の他、世界でAIP技術を採用している通常潜水艦には主にドイツの212A型、スウェーデンの「ゴトランド」型、フランスの「アゴスタ」90B型、オランダの「モレー」級といった4機種の通常潜水艦がある。

AIP技術のおかげで、「そうりゅう」級潜水艦は水中に2〜3週間持続的に潜伏でき、隠身能力にも顕著な増強が得られ、このことは対潜と潜伏任務執行に対する意義が重大である。

理解されているところによれば、潜水艦の騒音を低下させるため、「そうりゅう」級潜水艦は艦体表面に消音スレートを敷設し、消音塗装層で覆われている。また外形設計の上で、その艦橋の前縁付け根部分と潜水艦の艦体が連結するところには弧状の平滑な移行が採用され、水流が艦橋を通過した後に形成される乱流を有効に減少させ、この「鋼鉄の巨獣」が水中で進む時、より静かにさせ得ている。

「そうりゅう」級潜水艦は一体どれだけ静かなのか? メディアの以前の報道によれば、日本海上自衛隊元対潜機飛行員の川村純彦は、あるアメリカ海軍高官がかつて彼に対し、「アメリカの潜水艦は静か(quiet)だが、日本の潜水艦は超越的に静か(ultra quiet)だ」と語ったことがある、と明らかにした。日本の潜水艦の騒音低下技術の高さを見て取るに足りる。

技術が先進的な「そうりゅう」級潜水艦はオーストラリア海軍の興味も引き起こした。去年4月、当時オーストラリア国防大臣の任にあったジョンストンは公然と、「そうりゅう」級は現在世界で最も良い通常潜水艦であり、オーストラリアと日本が海洋流体力学方面で協力を強化するよう希望する、とした。

この後、ジョンストンは同年6月に東京で行われた日本、オーストラリア両国国防大臣、外務大臣の「2+2」会議で、再度オーストラリアは日本の潜水艦技術の購入を希望し、もってその徐々に老化する「コリンズ」級潜水艦に取って代わらせる願いを表明した。その後締結されたオーストラリア・日本潜水艦購入契約の金額は400億アメリカドルにも達するとされる。

分析は、「そうりゅう」級はすでに世界通常潜水艦の「傑物」だが、日本は明らかにここで決して満足していない、と考える。日本メディアの報道によれば、日本の防衛部門はいわゆる「中国潜水艦の脅威」に対抗することを理由に、すでに2007年4月から秘密裏に「次世代高度科学技術潜水艦」の研究開発を開始している。報道は、日本は新型潜水艦の技術的優勢を保持するため、事前の理論研究費用だけでもう51億円にも到達させている、とする。

「『そうりゅう』級潜水艦は総合作戦能力が比較的強いだけでなく、しかもしばしば米軍と合同演習を展開するため、連合作戦能力も過小評価を許さず、中国海軍はこれに対し充分重視する必要がある。」 李傑は、中国はこのため重点的に陸上基地および艦載対潜力量を発展させ、全体的に対潜作戦能力を向上させる必要がある、とする。

南方日報記者 祁雷 統一的計画 洪奕宜 李勁


 中国の潜水艦との比較がなかったのが残念ですが非常に高く評価してますね。ただ日本の退役した潜水艦が使用できる状態で保存されているという事実はないようですし、オーストラリアに潜水艦を販売する件も未定でしょう。
















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