中国軍の全体的評価

 中国軍の現在の戦力に関する全体的評価です。

http://military.china.com/important/64/20120807/17359815.html


ロシア、中国の戦力を分析:動員ポテンシャルは5億人を超え、世界に敵なし

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「近年における解放軍の発展スピードは速く、このため国際的な影響も不断に拡大している」)

ロシア軍事評論ネット8月4日の報道によれば、8月1日に85歳の誕生日を迎えた中国人民解放軍はここ10年ですでにアジア地域で最も強大な軍隊の1つとなった。隣国およびアジア地域に重要な利益のある大国(頑住吉注:アメリカのことですね)との間に意識形態の分岐が存在するため、中国は自分の国防工業と軍隊の積極的発展を迫られ、現在すでに重要な達成が得られ、中国の軍事力はすでに全面的に壮大なものとなっている。

ロシアメディアは、解放軍のある将校は今年の八一招待会の席で中国軍と国防工業の発展および近代化問題に言及した時、解放軍はしばらくはまだ世界で最も強大な軍隊ではないことを認めた、とする。いくつかの国の国防ポテンシャルは現在まだ中国より高い。このため中国は本国の軍隊の完璧化継続を迫られている、というのである。例えば既存のデータによれば、中国の今年の軍事予算は前年比で10%以上増加している。中国の軍隊発展計画はいくつかの国の不満と抗議を引き起こしており、しかもこれは近隣諸国に限られない。中国軍の持続的拡大に最も不満なのはアメリカで、主に以下のいくつかの原因から来ている。第1、中国は自分の東南アジアにおける存在を拡大しようとしており、一方アメリカはこの地域に自分の利益を有している。第2、経済的発展につれ、中国軍の持続的強大化はいくつかの大国によって深刻な脅威と見なされている。第3、中国は頻繁に信頼できない国と見なされている(頑住吉注:そりゃ見なされるわ)。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは、「陸上の国境が長く、陸上の争い事が多く存在すること、そして伝統的要素により、中国は依然膨大な規模の陸軍戦力を保有している。」です。)

ロシアメディアは、中国軍は現在数十発の大陸間弾道弾を持っており、その中で最も先進的な「東風」系列ミサイルは射程が比較的長く、NATOのいかなる国に対しても打撃が行え、東半球の国はなおさら言うまでもない。この種の武器装備の存在は明らかに国外の関心を引き起こさずにはおかない。通常武器装備方面では、解放軍は同様に世界で最も弱小な軍事組織ではない。まず指摘すべきなのは中国軍のマンパワー資源の優勢である。現在解放軍に服務する人数は220万人を超え、世界の首位である。この他さらに80万の予備役人員がいる。中国の全体的動員ポテンシャル(18〜49歳までの公民)は5億人を超え、どんな国も中国と軍隊の人数では競えない。

その他の国の軍隊同様、中国軍も陸軍を基礎とする。総計170万人で、絶対的、圧倒的な優勢を占める。全部で35の集団軍があり、その下に118個歩兵師団、13個戦車師団、33個砲兵(防空)師団があり、この他さらに73個国境防衛師団がある。この膨大な部隊は相応の数量の武器装備を必要とし、大部分の武器と軍事装備は中国ができるだけ自力更生で研究開発、生産したもので、これにはゼロから研究開発を開始したもの、生産技術を導入したもの、あるいは国外のサンプル品をコピー生産したものが含まれ、中国陸軍への大量の武器装備の供給を有効に保証している。小火器方面だけでも40機種余りあり、この中で歩兵、モーター歩兵などの分隊の銃器庫の中には、ソ連のTT-33拳銃のライセンス生産品である54式拳銃も探し出すことができるし、国産の近代的自動小銃QBZ-95もある。装甲戦車方面の状況も同様で、一定数量の旧式なソ連T-54/55の大規模改良型である59-II式中戦車もあれば、ソ連戦車製造業の設計思想を直接延長した69式戦車もある。中国は、例えば今世紀初めに装備を開始した99式戦車のような新型戦車装甲設備の研究開発、生産能力を完全に持っていると認めるべきである。これは中国の100%の完全自主製品ではなく、ソ連のT-72戦車の基礎設計方案を踏襲してはいるが、多くの改良を行い、多くの国産新技術を使用し、中国の最新型メインバトルタンクとしてその性能は先進的で、相応の作戦任務を執行することが完全にできる。さらにここ2年では、中国は国外の現役製品といかなる明確な相似点もない新型戦車を研究開発したとの噂がある。これがもし事実に属せば、中国戦車製造業が最終的に新たなレベルに向上したことを示すことになり、自分で完全にゼロから始めて国産新型武器を研究開発できることを示す。現在中国陸軍は全部でおよそ6,500両の各機種の戦車を持っている。歩兵戦闘車方面では数十年来主力製品はずっとソ連のBMP-1のライセンス生産品である86式歩兵戦闘車だった。だが中国における生産と就役の期間に何度ものグレードアップが行われ、新型武器装備と通信設備が装備されている。統計によれば、2010年までに中国軍が装備している86式戦闘車の総数は600両を下らない。その他の機種の歩兵戦闘車、例えば91式、およびかつて誤ってロシアのBMP-3のコピー生産品と思われた97式は装備数量がずっと少ない。全体的に言って、中国陸軍歩兵戦闘車の総数は1,500両を超えない。数量は不足であるが、一定程度は近年装備数が明らかに増加している装甲輸送車によって補うことができ、現在すでに4,000〜5,000両ある。主要な機種は63式と89式装軌装甲輸送車である(頑住吉注:検索したらこんなページが出てきました。 http://war.163.com/09/0806/14/5G1PU9KV00011232.html 「新たに研究開発された遅れた装備」とか言われてますが。なお日本語での一般的名称は「装甲兵員輸送車」でしょうね。)。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは、「中国の第二砲兵部隊のミサイル戦力」です。)

中国陸軍砲兵はおよそ1.8万件の武器装備を持ち、主な砲の口径は100mm(59式)と155mm(88式)の間で、国産武器もあれば輸入製品もある。例えばロシア製の「ジュドゥイン-SVK」自走砲である。中国の少なからぬ機種の野砲、榴弾砲、迫撃砲はソ連の設計方案を基礎にしている。この他、中国陸軍はさらにおよそ2,500門のマルチバレルロケット砲を持ち、個別の部隊は今に至るも107mm口径の81式牽引ロケット砲を持ち続けている。だが自走ロケット砲がとっくにこの種の武器の主力となり、この中の一部は国外からの輸入品で、多数は国外の経験を参考、基礎にした自主研究開発、生産品である。中国の設計者のこの方面の最高傑作はWS-2およびWS-3型ロケット砲である。何故なら口径が400mmにも達し、射程は200kmを超えるからで、「戦略ロケット砲」と呼ばれる(頑住吉注: http://mil.eastday.com/m/20120622/u1a6645524.html 「国産WS-2遠距離制御誘導ロケット砲システム」となってますが、制御誘導したらそれは普通もうミサイルであってロケット砲ではないのでは)。

ロシアメディアは、もし中国第二砲兵部隊という名称を根拠に、それが陸軍司令部に隷属すると考えたならそれは間違いだ、とする。実際には第二砲兵部隊は中央軍委員会に直接隷属し、1つの軍種であり、陸上プラットフォームの核兵器と運搬手段の管理に責任を負う(頑住吉注:ロシアでは「戦略ロケット軍」なんていう名称を使ってますね)。西側の情報によれば、中国は240〜250発の核兵器を持ち、このうち175〜200発は臨戦体制にある。西側の情報機関はさらに、現在中国はおよそ90〜100発の大陸間弾道弾を持ち、主に「東風-5」と「東風-31」であるとしている。第二砲兵部隊の武器庫にはさらに中、短距離ミサイルもある。第二砲兵部隊は核脅威学説を実行し、国家全体の安全保証を確保すると言うことができる。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは、「今日の中国空軍はすでに基本的に第3世代機化を完成させ、作戦実力は昔の比ではない」、です。)

ロシアメディアは、中国軍指揮層の視点(その他の多くの国の軍隊は不賛同)を根拠に、陸軍は独自に行動すべきではなく、空軍の支持下で戦闘に参加すべきである、としている。中国空軍は約30万人で、大部分は技術およびサービス人員である。中国空軍の数量と質の組成は比較的複雑で、航空機の研究開発と生産の時期は数十年開くこともあり得る。例えば旧式な轟-6爆撃機はソ連のツポレフ-16を基礎に研究開発してできたもので、現在80〜100機あり、一部の爆撃機はすでに使われない状態で保存されている。中国空軍の戦闘爆撃航空兵装備の数量は最多で、およそ1,100〜1,200機である。圧倒的多数は国産の各型殲-7と殲-8戦闘爆撃機で、旧式な機種は700機余りあり、近年装備された新機種はおよそ80機ある。続いて殲-10戦闘爆撃機があり、250機を下らない。そしてソ連・ロシア製のスホーイ-27、スホーイ-30MKK、中国国産の殲-11機である。中国空軍はさらに前線条件下で地上目標の打撃を担当する独立航空部隊を持ち、殲轟-7と強-5機を装備している。空中作戦の効率を保証するため、中国空軍はさらにおよそ10機の国産「空警-200/2000」早期警戒機を装備している。中国空軍の第2の大きな部分は軍事輸送航空兵で、2012年初めまでの輸送機の総数は350〜400機と推定される。主力機種はソ連のアントノフ-2のライセンス生産品である運-5で、全部で300機量産された。中国空軍はさらにその他8機種の輸送機と旅客機を持ち、これにはイリューシン-76とツポレフ-154が含まれる。後者は高級指導者の輸送に用いられる。指摘しておくべきなのは、イリューシン-76機は輸送目的だけに用いられるのではないことで、中国はさらに8機のイリューシン-78空中給油機も輸入している。この他中国空軍は十機余りの轟-6爆撃機から改装されてできた国産給油機も持つ。給油方式の制限を受けているため、轟-6爆撃機にしか給油できず、新型戦闘爆撃機や迎撃機の給油はできない。

ロシアメディアは、中国空軍のヘリには全部で11機種があり、このうち4機種は武装作戦型で、それぞれ武直-9、直-11W、武直-10、SA342「ガゼル」である。前の3機種は中国が自主研究開発したもので、最後のはフランスから導入された。このうち武直-10とSA342は作戦需要に完全に適合し、多用途ヘリから改装されてできたものではない。中国の武装ヘリの総数は100〜120機を超えず、輸送ヘリの数は数倍あるはずである。推定によれば、Mi-8系列のヘリだけで200機を超え、その他のヘリの数はやや少ない。中国空軍が装備する欧米のヘリの機数はほとんど取るに足りないもので、総数は20機を超えない。飛行員養成のため、中国空軍は一定数の専用練習機とヘリを持ち、主にソ連のYak-18の発展型である国産CJ-6、洪都グループのJL-8およびL-15練習機、そしてHC-120練習ヘリで、全部で200〜250機である。

(頑住吉注:これより5ページ目。画像のキャプションは、「海軍投入の長期性と困難性のため、中国にはまだ長い通らねばならない道がある」です。)

ロシアメディアは、中国海軍は同様にアジア地域で最も強大な海軍の1つだが、やはり完全に近代化された海軍と評価することはできない、とする。例えば中国海軍の装備数量が最多(15隻を下らない)の053型「明級」ディーゼル・電池式潜水艦はソ連が1950年代に研究開発した633型の発展型で、ソ連海軍は自分のために20隻だけこのタイプの潜水艦を建造し、その後技術を中国に売った。中国は035型潜水艦を徐々に退役させる計画で、1つの代替機種としてソ連・ロシア製の636型「華沙女人」級潜水艦が考慮されたことがあり(頑住吉注:改キロ級?)、全部で12隻輸入された。後に国産の039型「宋」級潜水艦による世代交代が計画され、現在すでに13隻建造されている。中国海軍は核ミサイルを搭載できる潜水艦を9隻しか持たず、主に091型と093型原子力潜水艦である。一部の潜水艦は相当古く、頻繁に維持修繕を必要とし、このため同時に戦闘任務を負うことができる戦略原子力潜水艦の数は多くない。近いうちに中国海軍はさらに「ワリヤーグ」号空母を装備することになる。当面中国海軍の主要な攻撃力は、依然51型、52型およびその改良型駆逐艦であり、現在ちょうど建造、試験中の駆逐艦ではないと評価される。駆逐艦は合計25隻である。護衛艦の作戦ポテンシャルはやや小さいが、数量はより多く、50隻ある。主に53型、54型護衛艦である。中国海軍のあらゆる護衛艦と駆逐艦の武器装備は全て艦砲、対空ミサイル、対艦ミサイルからなる。大型戦闘艦にはさらに071型ドック型上陸艦が含まれ、現在すでに2隻が就役し、別に2隻が建造中である。近海作戦行動方面では、中国海軍は300隻余りの作戦快速艇を持つ。これには91隻のミサイル艇、およそ200隻の037型パトロール艇が含まれる。この他さらに150隻余りの上陸艇、掃海艦艇、およそ220〜230隻の保障船舶がある。

(頑住吉注:これより6ページ目。画像のキャプションは、「中国軍の先進レベルに追いつく歩調は驚異的で、現在少なからぬ方面においてすでにロシア軍のレベルを超え始めているが、ロシア人の態度は依然すこぶる尊大である」です。)

ロシアメディアは、全体的に言って中国軍の装備と訓練レベルはいずれもなかなかのものだ、とする。だがいくつか問題もあり、その中の1つは技術レベル上一定程度の遅れがあることである。中国軍は装備の品質方面ではソ連軍の1960〜1980年代のレベルに相当すると言うことができ、明らかに世界の主流となる軍隊の地位を狙える能力があるとは言えない。中国軍、党、政府指導者は非常にはっきりとこの現実を理解している。このため国家軍事予算のバランスを保っての持続的増加、近代化軍事建設の加速を決定しているのである。最新の情報から見て、中国は武器と軍事装備研究開発、生産方面で相当有効な戦略の推進を開始しており、まず力量を集中しての新プロジェクト、新計画の研究開発を強調しており、最近新型艦艇や航空機研究開発プロジェクトが順調に完成したことに関する情報が明らかに増加している。武器装備を更新する背景の下、中国軍が強大化を持続する戦略的意図は関心を注ぐに値する。最も普遍的な噂の1つは、中国軍が台湾解放のため積極的に準備しているというものである。だが台湾上陸作戦は今に至るも依然噂である。最近また噂があり、中国軍の作戦区域として新たに東南アジア沿海と遠方の島々が増えた、甚だしきに至ってはアメリカ軍が重点的に兵を駐留させて守るグアム島基地も潜在的対象の一部であるという。ロシアの、中国軍が近年強大化を持続していることに対する感覚は相当複雑で、一方においては中国軍の不断の更新の歩調と規模は少なくとも尊重に値し、他方では周辺地域にこのような強大な軍隊が存在することはロシアを心配させずにはおかない。

(頑住吉注:7ページ目は画像とキャプションだけで、キャプションは、「かつて中国海軍において巨大な作用を果たしたロシア製装備は現在すでに第二線に後退し始めている。中国国防工業の巨大な進歩が見て取れる。」です。)


 これもどうせ中国の遅れた部分を指摘するのに中国人の立場ではまずいからか、説得力を増すためか、「ロシアが言っている」という体裁を取っているだけでしょうが、この手の評価では余りにも楽観的、自信過剰のものが多い中、比較的客観的に評価している部類ではないかと思われます。それにしてもこうした文章の端々から、中国が頼らざるを得ないロシアに対する微妙な感情が垣間見えて面白いです。













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