中国海軍の新兵器、新戦法関連2題

 まず「水中モニタリング網」関連で、コラムで紹介した記事と重複部分がありますがより詳しい記事です。

http://military.china.com/critical3/27/20150721/20048866.html


中国の独特な水中対潜網恐るべし アメリカの潜水艦はグアム島を出るとすぐロックオンされる

対潜は全世界各国の海軍の最も頭を痛ませる問題であり、空中の対潜機、水上艦艇、潜水艦による対潜技術が重視される他、アメリカをトップとする世界の先進海軍はさらにずっと対潜モニタリング網の建設に入れる力の度合いを強化している。その目的はより遠い距離であらかじめ敵サイドの通常および原子力潜水艦を発見し、かつ立体対潜打撃力量を誘導して破壊を行い得ることの追求である。

冷戦の時期には早くも、アメリカは敵国周辺に固定式水中音響監視システムを建立した。この海の底、海底の岩石、大陸棚に沿って全面的に敷設された音響学センサーアレイは、相互に連結される体系をもって、完備された水中モニタリングシステム構成した。平時は敵軍の潜水艦の声紋などのデータを収集し、実戦対抗の時は敵に先んじて彼らがいかに行動するかを知ることができた。冷戦後、アメリカの中国に面する海域のシステムは依然運行を保持した。

米軍の太平洋海域に位置する固定式水中音響監視システムは全部で3本ある。「シードラゴン」システムは第一列島線の千島諸島、日本列島、琉球列島、フィリピンからパプアニューギニアまで敷設され、かつ沖縄、千島諸島両端を含む。「シースパイダー」システムはアメリカのアラスカからアリューシャン列島に沿って、西に向かってはサハリン島以東、南に向かってはハワイ諸島以南まで敷設され、ベーリング海とアメリカ本土以西3,000海里をカバーする。「ジャイアント」システムは太平洋中部の北緯38度付近に敷設され、西は日本から、東は西経150度までで、「シースパイダー」システムとコンタクトし、太平洋中部をカバーする。

中国は研究開発して20年近くになり、由点相面(頑住吉注:意味不明)水中立体対潜モニタリング網の配備を開始し、中国海軍の対潜能力を数十倍に向上させることになる。

メディアの公開の報道は、1996年から中国は海洋領域を863計画に納入し、積極的に海洋監視計測高度技術の発展を推進している。この中で水中音響モニタリング技術は非常に大きな進展を取得し、相次いで東海ポスト、北海ポスト、南海ポストという3つの研究プラットフォームを完成させ、技術力量は非常に強大である。2005年、中国は青島付近海域に「水中光ファイバー総合探知計測システム」プロジェクトの実験的敷設を完成させた。だが青島が所在する黄海は水深が浅く、地質が比較的平坦なためその最良の効用を発揮することができない。専門家は最終的に、陵水県黎安鎮は中国の大陸斜面海域からの距離が最も近い海岸であり、その基地付近の海域は水深の移行が合理的で、海底の質の類型が多様で、海洋水文環境が豊富で、特別に良い環境にめぐまれた天然の海洋および水中音響実験場である、と確認した。

2009年4月、「中国科学院音響学研究所南海音響学・海洋総合観測実験基地」が正式に看板を掲げ成立した。ほどなく「863」重点プロジェクト「陸上基地光ファイバーアレイ水中音響総合探知計測システム」の敷設が開始された。2010年1月4日になって、システムは成功裏に敷設を完成させた。全システム完成後は、陸上基地光ファイバーアレイ水中音響総合探知計測システム、陸地の地上衛星受信基地、および宇宙探知計測衛星によって組成される、天をめぐり、地に隠れ、海に潜るネットワークが編成され、大縦深方式で全被探知計測区域をカバーする各角度の新構造が形成される。

このシステムの要点は「陸上基地光ファイバーアレイ水中音響総合探知計測システム」、つまり「水中音響偵察評価分析システム」である。アメリカの軍事専門家は、中国のこのシステムはまるでアメリカが、中国海軍が第一、第二列島線に進出する航路上に敷設した「水中音響ソナーアレイ」同様で、専門に敵対国家の静音潜水艦への対応に用いる偵察システムであると考えている。このシステムはカギとなる重要海域に分布する多くの固定水中音響センサーアレイから組成される水中偵察ネットワークであり、それらはそれぞれ自らの偵察して得た音声データを海底光ファイバーを通じて基地の中央コンピュータ処理機まで伝達し、専門の経験豊富なソナー分析人員が真剣に分析比較を行い、したがって正確に水中目標の方位、型別、国別、各種動態パラメータを確定し、その後すぐ味方サイドの対潜力量に正確な追跡、あるいは攻撃任務執行を通知できる。

アメリカの軍事専門家は次のように研究判断する。中国が新たに完成させる「陸上基地光ファイバーアレイ水中音響総合探知計測システム」は、中国海軍の対潜能力に数十倍の向上を獲得させることができるだけでなく、国外潜水艦が中国潜水艦を追跡、偵察する難度をも増加させた。さらに重要なのは、このシステムが中国海軍の水上および水中艦艇が逆に外国潜水艦を発見、追跡するのを助けることができるということで、この水中ソナー・遠距離陸上基地レーダー・宇宙海洋監視衛星ネットワークシステムは、中国海軍のためにリアルタイムの動態海洋情報偵察能力を提供することができ、特に競争が激烈な西太平洋地域では、この種の能力は中国海軍にとって特に重要である。もし中国が期日通り自らの水中監視システムを建立したら、一切はまさに逆転し、中国自らの潜水艦がどんな位置にいても正確に掌握でき、敵サイドの潜水艦であっても掌を指すが如しで、このようになれば南海の対抗の中で中国はすぐ主導的立場を占めるだろう。

最近、国内メディアは1枚の中国水中観測網の画像を発表した。このことは中国がすでに一定の規模の水中モニタリングシステムを完成させたことを示す。今回公開された画像から見て、その核心はその数が千をもって数えられる水中モニタリング器である。もし海底の音響伝播が最も良い位置に取り付け、しかる後に電気ケーブルでそれらを数珠繋ぎにすれば、いかなる水中の音波もこのアレイの範囲に進入しさえすれば、全て水中モニタリングシステムによって察知されるだろう。異なるモニタリング器の警報の後先の順序や取り付け位置を根拠に、即音源の方位、および音源のモニタリングシステムまでのおおよその距離を判断できる。中国が開発するこのシステムのアメリカのそれに比べての独特なところは、システム内に水中ロボットと水中作業ポストの設計が加入しているところにあり、水上や空中の対潜機の作戦と有機的結合を形成することができる。技術設計に照らせば、中国の水中対潜モニタリング網は外に向かって数千から数万km(最大理論探知計測距離は1.5万km)延伸することができ、一方最も近距離の対潜早期警戒の需要から言えば、米軍のグアム島に駐屯するロサンゼルス級攻撃原潜がひとたび出航しさえすれば、もう中国の水中対潜モニタリング網によってロックオンされるだろう。


 「グアム島を出たらすぐ察知」というのがどこまで本当なのか分かりませんが、新型対潜機の就役などとも合わせ従来弱点とされた中国の対潜戦力が改善されつつあるのは確かでしょう。

 艦艇の防空関連です。

http://military.china.com/critical3/27/20150723/20062224.html


米軍、見て呆然! 中国海軍の素朴な方法があるいは巡航ミサイルの効果を失わせるか

アメリカの三軍装備の開発は全てデラックスであるが、中国はそれとは異なり実用性に非常に重点を置く。このため中国海軍の艦艇技術がアメリカをトップとする世界の潮流に肉薄する時、ある時にはさらに意識せず、中国の将兵がああいった見たところ無関係な装備を有効利用し、超実用的技術戦術を創造、使用して敵に勝ち勝利を制することを図るのをを見るだろう。この点をいくつかの国はすでに教わったことがあり、新中国海軍はかつて手榴弾を使用して海戦を行った唯一の存在であり、それにも関わらずベトナム海軍を爆発によってパニックに陥れ、最終的にこの奇策で勝利を制した。

中国の肩にかつぐ形式の携帯対空ミサイルは種類が完備し、性能が先進的で、かつ最近の中東の戦乱の中で名声が急速に上がり、現在の世界の現役第2、第3世代戦闘機をあまねく打撃している。肩にかつぐ形式の携帯対空ミサイルというこの種の陸戦兵個人防空装備はアフガン戦争で、アメリカのスティンガー式ミサイルが大量のソ連のヘリを殺傷した時から始まり、すでにゲリラ戦の利器となっている。だがそれを海軍艦艇上に装備しようというのは、アメリカなど西側軍事大国の見たところやはり不可思議なことである。

最近中国海軍の南海艦隊某上陸艦支隊は上陸輸送船隊対空防御演習を組織した。演習は艦艇の将兵が甲板上で携帯式ミサイルを使用して防空打撃科目を行うというものだった。つまり中国海軍もこの種の簡単で使いやすい防空の利器を非常に気に入っているのである。当局が公表した画像から見て、海軍艦艇の将兵が使用したのは中国陸軍が現在普遍的に装備する、しかも大量に輸出され名声がことのほか高い前衛-1携帯式対空ミサイルである。

前衛-1(QW-1)携帯式対空ミサイルは我が軍の第2世代兵個人対空ミサイルで、後に長期にわたり名声を得る「前衛」ファミリーの長老でもある。「前衛-1」はダブル推力固体燃料ロケットエンジンを採用している。その第1段の推力はミサイルを極めて短時間内に巡航速度に到達させることができ、第2段推力は航続段階内でこの速度を保持するのに用いられる。メインエンジンは電子遅延点火を採用し、ミサイルが射手を離れて安全な距離まで飛んだ後で点火され、もってメインエンジンの尾部噴射炎が射手を火傷させるのを避ける。武器システムは重量16.9kgで、ミサイルは全長1.532m、直径71mm、作戦距離500〜5,000m、作戦高度15〜4,000m、作戦斜距離500〜5,000mで、作戦反応時間は10秒、作戦温度は摂氏マイナス40〜プラス60度である。現在では2連装ミサイル発射装置があり、その他の武器とコンビネーションしてより完備された防空システムを形成することができる。「前衛」-1携帯式対空ミサイルは比較的強い敏捷性と機動性を持ち、操作しやすく、「ファイアアンドフォーゲット」で、全方向攻撃能力を持ち、その性能はすでに名声高い米軍の「スティンガー」ミサイルの初期型を超越し、現在普遍的に我が軍の第一線部隊に装備されている。

実際中国の前衛-1携帯式対空ミサイルのずば抜けた性能は決して最近になってやっと発見されたわけではない。15年前には早くもすでに一戦で名をなし、かつ鉄の盟友の歓迎を獲得していた。パキスタン陸軍装甲兵のナウェイド ラハマン将軍の言によれば、1999年にインドとパキスタンのカーギル地域における武装衝突の中で、パキスタン陸軍は中国から導入した「前衛」-1型携帯式対空ミサイルを用いて一挙にインド空軍のミグー21およびミグー27各1機を撃墜した。このミサイルの出色のパフォーマンスゆえに、パキスタンは中国からこのミサイルの技術を導入し、かつ中国のライセンスを経てパキスタンで生産することを決定した。パキスタン版「前衛」-1は「アンザ」Mk.2携帯式対空ミサイルといい、パキスタン軍に装備され、かつ第三国への輸出が準備されている。

軍事専門家の高峰はインタビューを受けた時、海軍艦艇が携帯式対空ミサイルを配備するのは非常に実用的な手段であるとした。1つには某いくつかの特殊艦艇の防空能力の不足を補い、例えば南海艦隊が今回行った防空演習の上陸艦で、それ自体もう艦載防空能力が薄弱という問題が存在し、航路護衛艦艇が攻撃に遭った時、自己保護能力が限られている。この時、艦艇の将兵は携帯式対空ミサイルの便利で素早い使用の優勢を発揮し、最大限来襲する巡航ミサイル、武装ヘリ、敵サイドの低空空襲任務を遂行する実戦機を撃墜することができる。

2つ目は海軍艦艇最後の防空ラインとしての使用である。この中には2種の形勢の考慮がある。1つ目は艦載対空ミサイルを消耗し尽くした時である。2つ目はひとたび艦隊が敵サイドの対輻射ミサイルの攻撃を受け、艦載早期警戒および火力コントロールレーダーなど艦載対空ミサイルのために支持を提供するシステムが破壊に遭い作用を発揮できなくなった時である。この2つの時、携帯式対空ミサイルはそれにもかかわらず制限を受けず使用でき、しかも5,000m以下の低空亜音速目標に対応するのに非常に有効である。

結びの言葉:ずっと前ある軍事ネットのニュースを見たことがある。それは蘭州軍区陸軍の兵個人が携帯式ミサイルを使用して巡航ミサイルを迎撃する訓練をし(筆者は迎撃の仮想目標はアメリカのトマホーク式巡航ミサイルであると考える)、かつ成果が顕著だったとしていた。その要点は低空奇襲を行う巡航ミサイルは低空奇襲性能を利用して早期警戒レーダーの監視をかわすという特徴に照準を合わせ、兵個人によって目測で発見し、撃墜を実施するというものである。アメリカの専門家が見たら鼻血を流し、それにもかかわらず対応の方法はないだろう。前衛-1携帯式対空ミサイルの艦への搭載はおそらく陸軍のこの種の実務的な考え方を参考にしてできたものでもあるだろうし、要するに効果的なものは全て良い武器なのである。


 先日ロシアの新たな携帯対空ミサイルは巡航ミサイルを撃墜できる、という記事を紹介しましたが、特に新しいことではなかったということでしょうか。極超音速飛行、トップアタックを行うようなミサイルに対してはどの程度有効なんでしょうかね。



















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