各国の戦車アクティブ防御システム その2
http://military.china.com/kangzhan70/zhjw/11173869/20160510/22616739_1.html
アメリカ方面では、米軍は非常に長い一定の時間内M1ファミリーの戦車の防御能力はすでに充分だと堅く信じ、しかも優勢な空対地打撃能力、地上の対戦車ミサイルなどに比較的依存して敵サイドを圧倒するため、アクティブ防御システムの装備に対し緊迫した需要がなかった。1990年代、ロックウェル社はアメリカ初のアクティブ防御システムのサンプル機を研究開発した。その一大特徴は敵サイドの発射器の閃光を探知計測し、したがってシステムが用いることのできる時間を増加し(頑住吉注:素人考えでは偽の閃光で簡単に欺瞞されて弾薬が尽きてしまいそうですが)、しかもその発射する迎撃ロケット弾は100m離れて迎撃が行えることである。
米軍のFCS未来作戦車両システムプロジェクトの時になって、アメリカメーカーが提出したFSAP防御システムは初歩的に徹甲弾迎撃能力を具備した。同時にFSAPは独特のダブル赤外線探知計測器、三角位置決定体制を採用した。だがFCSプロジェクトは取り消され、FSAPも外部からの影響を受けるまでもなく自滅した。その後米軍が研究開発したIAAPSシステムは純光電子探知計測手段、妨害とハード殺傷が結合した複合作戦体制を配備し、重量が軽い戦闘車の使用に比較的適し、かつてM2系列歩兵戦闘車上で試験が行われた。
ロシア製品と似ていたのは、このシステムの信頼性が比較的低く、いくつかの迎撃が必要な目標を漏らして通過させるだろうことだった。また発射されるロケット弾の友軍に対する脅威が大きすぎ、作戦隊列の中で最前列の戦車だけがこのシステムを始動することができるようにさせた。もし周辺にすでに友軍の歩兵の活動があったら、このシステムは使用し難かった。だが米軍の作戦体系の中で、機械化歩兵の下車しての作戦はあいにくと非常に必要な戦法なのだった。
アメリカ人の解決方法はより複雑さを加えた技術改良路線を行くことだった。2005年、著名なメーカーのライセオン社は現在最も「衒酷」(頑住吉注:いろいろな意味に使われる褒め言葉)かもしれないアクティブ防御システムを提出し、コードネームは「瞬殺」だった。これはフェイズドアレイレーダー探知計測技術を使用し、探知計測の信頼性の問題を解決した。だが最も特別なところは、その迎撃弾がベクトル推力コントロール技術を採用し、垂直に上に向けて発射した後、来襲する弾薬の方向に向けて約120度身をひるがえし、来襲する弾薬に向かって飛びかつ起爆することだった。このような「瞬殺」システムは複雑な回転あるいは多方向発射器を必要とせず、反応速度も少なからず速くなり、しかも殺傷範囲が戦車周辺に集中し、友軍兵士に対する影響が比較的小さい。だがこの設計は技術が非常に複雑で、コストが極めて高い結果をもたらした。今に至るも米軍戦車はまだアクティブ防御システムを大量装備していない。
(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「レオパルド-2A7市街戦メインバトルタンク上に装備されたアクティブ防御システム」です。)
ドイツというこの戦車強国は、レオパルド2A7最新改良型で「エイビス」アクティブ防御システムを見せた。これは1台の捜索レーダーを有し、若干の光電子探知計測装置とコンビネーションして追跡を実施する。このシステムの重量は400kgだが、重量がより小さい改良型もある。このシステムは2基の回転ダブルバレルグレネードランチャーを使用し、それぞれ180度の迎撃範囲を制御する。
このシステム最大の特徴は、迎撃弾がエネルギー凝集射流原理(頑住吉注:用語からして成形炸薬でしょう)を採用し、速度が毎秒2kmの高エネルギー金属射流を生じさせることができ、来襲する弾薬の戦闘部を直接撃ち抜く、あるいは徹甲弾の飛行方向に偏向を発生させることである。このためこれは徹甲弾を防御する能力も持つ。このシステムは不断に2時間作動でき、装填を行わない状況下で16回迎撃できる。
文章の始めに触れたイスラエルの「トロフィー」システムに戻ると、これはアクティブ防御技術の中の最高水準を代表し、4台のフェイズドアレイレーダーが360度の探知計測手段を組成し、火力コントロール高速計算機とコンビネーションし、2つの回転発射器によって正確に迎撃弾を発射する。
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「イスラエルのメルカバIVが装備する『トロフィー』アクティブ防御システム」)
「トロフィー」には3つの突出した特徴がある。1つ目は迎撃弾の爆発が形成する上から下への垂直弾幕を採用して殺傷を行うことで、戦車からの距離がちょっと遠い人員には傷害を生じさせないだろう。このようにすれば最大限度自身の周辺の友軍兵士を誤って傷つけることが避けられる。2つ目はその目標識別能力が強大で、来襲する弾薬が自身に命中するか否か識別できることである。もし命中される危険がなかったら、「トロフィー」システムは迎撃を行わないだろう(頑住吉注:これも対戦車ミサイルが途中でルートを変更することで欺瞞されそうですが)。3つ目は、「トロフィー」に多種の重量クラスの異なる改良型があることで、小型トラックからメインバトルタンクまでの各種プラットフォームが保護できる。これはイスラエルの相次いで多くのアクティブ防御システムを発展させた強大な技術の累積を体現している。
総合的に対比すると、各国の戦車アクティブ防御システムにはそれぞれの良いところがあることに難なく気づく。時間的段階から見て、初期の各種システム、例えばソ連軍のシステムは、後期に発展したシステムに比べ探知計測誤差が大きい、誤報率が高いなどの欠点が存在した。しかも迎撃弾のカバー面積が大きすぎ、友軍に傷害を与えやすかった。ソ連軍が後期に研究開発したシステムには顕著な改善があったが、アーマタ戦車のアクティブ防御システムの出現になって、やっと西側の先進的なシステムに似たレベルに到達し、高い効果のレーダー探知計測、運動エネルギー徹甲弾を攻撃するというシンボル的性質の新世代アクティブ防御システムが持つことが必須の特徴を持った。アメリカは長期にわたりアクティブ防御システムを大量装備できていないので、その他のいくつかの国に比べ、技術的特徴の上で全面的な先進性があるとしか言えず、具体的な効果は考察が待たれる。だが全く疑問がないのは、アメリカの若干種のシステムの中の例えばベクトル推力、マルチ探知計測手段の結合、フェイズドアレイレーダー、弾薬の殺傷範囲の制限という特徴は、この種の武器の発展方向を代表しているということである。ドイツの類似したシステムは出現したばかりだが、この国の強大な技術的実力をもって言えば、設計思想は比較的出色だが、まだ観察が待たれる。イスラエルは若干世代の製品の発展を経ており、また多くの実戦の戦例の中のパフォーマンスは、その名に恥じない戦車アクティブ防御システムの中の優秀者と言うべきである。イスラエル軍の最新システムはほとんどあらゆる最新技術を包括し、かつ実戦の試練を経て、何度も成功裏に敵サイドが発射した対戦車弾薬を迎撃済みで、論争の余地が全くなく横向きの対比の桂冠を奪取している。
中国の99系列メインバトルタンクの登場時、すでに「ソフト殺傷」原理のパッシブ防御システムを装備しており、直接敵サイドの視察照準、制御誘導装置を妨害できた。中国の戦車アクティブ防御システムはまだ公開され明るみに出ていないが、すでに研究開発中であると見られ、遠からぬ将来もう大量装備され、我が国の戦車、装甲車のために全く新しい防御手段を増やすことになると信じる。(作者:空軍世界)
こういうシステムが大いに有効ということになってくると、従来のように安価な戦車を多数揃えて少数の高価な戦車に対抗する手段は通じなくなる可能性があり、「アーマタ」はあるいはロシアがそれを認めた表れなのかもしれません。